危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問42:物質の三態・状態変化
気体の体積と温度・圧力の関係に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア温度が一定のとき、気体の体積は圧力が高くなるほど大きくなる。
- イ圧力が一定のとき、気体の体積は温度(絶対温度)が高くなるほど大きくなる。正答
- ウ気体の体積は、温度や圧力が変わってもまったく変化しない。
- エ容器に密閉した気体を加熱しても、容器内の圧力は変化しない。
- オ気体は液体や固体に比べて分子間の距離が小さく、圧縮しにくい。
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正しいのはイです。圧力一定なら、気体は温度が高いほど膨張します。
- ア(誤): 温度一定で圧力↑→体積は減る(収縮)。
- イ(正): 圧力一定で温度↑→体積↑(膨張)。
- ウ(誤): 気体は温度・圧力で体積が変わる。
- エ(誤): 密閉気体を加熱すると圧力が上がる。
- オ(誤): 気体は分子間距離が大きく圧縮しやすい。
「圧力一定→温度で膨張/温度一定→加圧で収縮」を押さえます。
気体の体積・温度・圧力:
気体は温度・圧力で体積が大きく変わります。
- ア(誤): 温度一定のとき、体積は圧力に反比例(圧力が高いほど収縮)。「圧力が高いほど体積が大きくなる」は逆(ボイルの法則)。
- イ(正): 圧力一定のとき、体積は絶対温度に比例(温度が高いほど膨張)。これがシャルルの法則の考え方。
- ウ(誤): 気体の体積は温度・圧力で大きく変化する。
- エ(誤): 容器に密閉した気体を加熱すると、体積は変えられないので圧力が上昇する。
- オ(誤): 気体は液体・固体に比べ分子間距離が大きく、圧縮しやすい。
引っかけパターン: ボイルの法則を逆にする(本問のア)、密閉気体の加熱で圧力不変とする、気体を圧縮しにくいとする。「温度↑で膨張・加圧で収縮・密閉加熱で圧力↑」を固定します。
【理論的背景】
気体の状態は、体積・温度・圧力の三量で記述され、ボイルの法則(温度一定で PV=一定)とシャルルの法則(圧力一定で V/T=一定、Tは絶対温度)が基本です。両者を合わせると、気体の体積は絶対温度に比例し圧力に反比例します。乙四では、危険物の蒸気(気体)の挙動や、密閉容器の加熱による圧力上昇に関連してこの定性理解が問われます。
【法則の整理】
- シャルルの法則(圧力一定): V ∝ T(絶対温度)。温度が高いほど体積が増える=膨張。0℃から温度を上げると気体は膨張する。
- ボイルの法則(温度一定): V ∝ 1/P。圧力が高いほど体積が減る=収縮。加圧すると気体は縮む。
- 密閉容器(体積一定): 体積を変えられないので、加熱するとTに比例して圧力が上昇する(ゲーリュサックの法則の考え方)。
- 絶対温度: T(K)=t(℃)+273。比例計算では必ず絶対温度を使う。
【危険物との接続】
- 密閉容器の加熱: 危険物を密閉容器に入れて加熱・日射を受けると、内部の蒸気・気体が膨張し圧力が上昇して容器が破損・破裂する危険があります。容器を満杯にせず空間容積を残す、直射日光・高温を避けるのはこのためです。
- 蒸気の膨張・拡散: 第4類の可燃性蒸気(気体)は温度が上がると膨張し、燃焼範囲に達しやすくなります。換気で蒸気を滞留させない予防に結び付きます。
- 気体は圧縮しやすく分子間距離が大きいので、わずかな漏れでも空間に広がりやすい点が、可燃性蒸気の危険性につながります。
【試験での位置づけ】
気体の体積・温度・圧力は物理化学でやや基礎的な論点(頻出度C)です。核心は、(1)圧力一定→温度上昇で膨張(シャルル)、(2)温度一定→加圧で収縮(ボイル)、(3)密閉容器の加熱→圧力上昇、(4)気体は圧縮しやすい、です。引っかけは、ボイルの法則を逆にする(本問のア)、密閉加熱で圧力不変とする(エ)、気体を圧縮しにくいとする(オ)です。「膨張・収縮・密閉加熱で圧力上昇」を危険物の容器管理と結び付けて押さえます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 温度一定で加圧→収縮(逆)。
- イ(正): 圧力一定で温度上昇→膨張。
- ウ(誤): 気体は温度・圧力で体積が変化する。
- エ(誤): 密閉気体を加熱すると圧力が上昇する。
- オ(誤): 気体は分子間距離が大きく圧縮しやすい。
【根拠】確立した物理学(ボイル・シャルルの法則)。
【補足】圧力一定→温度で膨張(シャルル)/温度一定→加圧で収縮(ボイル)。密閉容器の加熱は圧力上昇。気体は圧縮しやすい。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(気体の性質・シャルルの法則/ボイルの法則)。圧力一定なら体積は絶対温度に比例(温度上昇で膨張)。温度一定なら体積は圧力に反比例(加圧で収縮)。密閉気体を加熱すると圧力上昇。気体は分子間距離が大きく圧縮しやすい。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。