基礎的な物理学及び基礎的な化学51密度・比重

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問51:密度・比重

液比重および蒸気比重に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 液比重とは、同体積の水に対する液体の質量の比であり、液比重が1より小さい液体は水に浮く。
  • 蒸気比重とは、同体積の空気(29)に対する蒸気の質量の比であり、蒸気比重が1より大きい蒸気は低所に滞留する。
  • 第4類危険物の多くは液比重が1より小さいため、火災時に水で消火すると危険物が水面に浮いて燃焼が広がる恐れがある。
  • 二硫化炭素は第4類危険物の中で液比重が1.26〜1.3と1より大きく、水中に沈む性質をもつ。
  • 蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より軽いため、通気口は天井近くに設ける必要がある。正答
正答:蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より軽いため、通気口は天井近くに設ける必要がある。

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誤っているのはオです。蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より重く、低所(床・溝・地下)に滞留します。「空気より軽い」「天井近く」は逆の説明です。

  • ア(正): 液比重1未満→水に浮く。
  • イ(正): 蒸気比重>1→低所に滞留。
  • ウ(正): 第4類は多くが液比重<1→水面に浮いて燃焼が広がる。
  • エ(正): 二硫化炭素は液比重1.26〜1.3で水より重い(例外)。
  • オ(誤): 蒸気比重>1は空気より重い。通気口は低所・床近くに必要。

「蒸気比重>1=空気より重い=低所滞留」を固定します。

標準試験対策の基準レベル

液比重と蒸気比重の意味:

  • 液比重: 同体積の水との質量比。液比重<1は水に浮き、>1は水に沈む。
  • 蒸気比重: 同体積の空気(分子量換算で29)との質量比。蒸気比重>1は空気より重く低所(床・溝・ピット)に滞留

各選択肢の検討:

  • ア(正): 液比重<1は水に浮く(ガソリン・灯油等は液比重0.65〜0.85程度で浮く)。
  • イ(正): 蒸気比重>1は低所に滞留。第4類危険物の蒸気は全て蒸気比重>1(空気より重い)。
  • ウ(正): 第4類は多くが液比重<1→水面に浮く。棒状注水は燃焼している危険物を広げる危険がある。
  • エ(正): 二硫化炭素(特殊引火物)の液比重は1.26〜1.3で水より重い。水中保存で蒸気発生を抑制する。
  • オ(誤・正答): 蒸気比重>1は空気より重い。低所・床近くが最も危険であり、換気口は床近くに設ける必要がある(天井近くでは低所の蒸気を排出できない)。

引っかけパターン: 蒸気比重>1を「空気より軽い」と混同する、通気口の位置(低所・高所)を逆にする。「蒸気比重>1=空気より重い=低所・床・溝に滞留」を固定します。

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【理論的背景】

比重とは基準物質(液体では水・気体では空気)に対する同体積の質量比です。蒸気比重は蒸気の分子量を空気の平均分子量(約29)で割った値に等しく、蒸気比重=分子量÷29(確立した物理学)で概算できます。ガソリン(分子量約86〜114)は蒸気比重約3〜4、灯油(蒸気比重約4.5)、ジエチルエーテル(分子量74÷29≒2.55)など第4類危険物の蒸気はいずれも蒸気比重>1となり、空気より重くなります。このことが、第4類危険物の貯蔵・取扱における換気・通気口設計・危険エリア設定の根拠になります。

【液比重・蒸気比重の整理】

  • 液比重<1: ガソリン(0.65〜0.75)・エタノール(0.79)・灯油(0.8前後)・ジエチルエーテル(0.71)など第4類の多くが該当。水に浮くため、火災時に棒状注水をすると水面で広がり延焼が拡大する(棒状注水が原則不適な根拠の一つ)。
  • 液比重>1(例外): 二硫化炭素(1.26〜1.3)・酢酸(1.05)は水より重い。二硫化炭素は発火点が約90℃と極めて低く蒸発しやすいため、水槽内に保存して蒸気の発生を抑制する。
  • 蒸気比重>1: 第4類のほぼ全ての物質に該当。空気より重いため、蒸気は低所(床面・ピット・地下・溝・ドレン)に滞留し、遠方から流れ込んだ点火源で引火する危険がある。換気・通気口は床近く(低所)に設け、蒸気を効率よく排出する設計が必要。

蒸気比重を検算する例:

  • ジエチルエーテル(C2H5OC2H5、分子量74): 74÷29≒2.55
  • 二硫化炭素(CS2、分子量76): 76÷29≒2.6
  • メタノール(CH3OH、分子量32): 32÷29≒1.1

いずれも1より大きく、空気より重いことが確認できます。

【危険物との接続】

蒸気比重>1という共通性質は「第4類の共通性状」として重要で、以下の実務安全管理につながります。

  • 通気・換気設計: 蒸気が低所に滞留するため、換気口を床近くに設け、かつ通風の行き止まりをなくす(デッドゾーム排除)。
  • 点火源の排除: ピット・地下室・ドレン内で電気機器を使用する場合は、防爆構造の採用が必要。
  • 漏えい時の対応: 液体が漏えいすると蒸発し蒸気が低所に広がる。遠方の点火源(スイッチ・静電気・たばこ等)でも引火するリスクがある。
  • 二硫化炭素の水中保存: 液比重>1で水に沈み、発火点の低さ(約90℃)から蒸気が高温面でも発火する。水槽保存は「蒸気=蒸発抑制+発火点以上になりにくくする」二重の意味を持つ。

【試験での位置づけ】

液比重・蒸気比重は頻出度Aで、物理化学・性質いずれにも出題されます。核心は、(1)蒸気比重>1は空気より重く低所に滞留、(2)液比重<1は水に浮く(第4類の多くが該当)、(3)二硫化炭素は液比重>1(例外)、(4)換気口は床近くに設ける、です。引っかけは、蒸気比重>1を「空気より軽い」とする(本問のオ)、通気口を「天井近く」とする誤りです。「蒸気比重>1=空気より重い=低所滞留」を固定します。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 液比重<1は水に浮く。
  • イ(正): 蒸気比重>1は低所に滞留。
  • ウ(正): 液比重<1が多い第4類は水面に浮いて燃焼拡大の恐れ。
  • エ(正): 二硫化炭素の液比重1.26〜1.3(設計doc §1-2確定値)は水より重い。
  • オ(誤・正答): 蒸気比重>1は空気より重い。通気口は床近くに設ける。

【根拠】確立した物理学(比重の定義)。蒸気比重=分子量÷29(空気の平均分子量29)。蒸気比重>1の蒸気は空気より重く低所に滞留。

【補足】第4類危険物の蒸気は全て蒸気比重>1。液比重<1が多く水に浮く(棒状注水不適の理由の一つ)。二硫化炭素のみ液比重>1(水中保存)。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 蒸気比重>1=低所滞留・換気口は床近く=正。二硫化炭素液比重1.26〜1.3(§1-2確定値)一致。正答オ一意。OK -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(密度・比重)。蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より重く、低所(床面・溝・地下)に滞留する。「空気より軽い」「天井近くに通気口」は誤り(逆)。第4類危険物の蒸気はほぼ全て蒸気比重>1(空気より重い)。二硫化炭素の液比重1.26〜1.3(水より重い)は設計doc §1-2確定値。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

液比重と蒸気比重の違い・第4類危険物への適用頻出度A

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