危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問60:燃焼の三要素・燃焼形態
燃焼と消火に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア燃焼の四要素は、可燃物・酸素供給源・点火源(熱源)・連鎖反応である。
- イ粉末消火剤やハロゲン化物消火剤は、燃焼の連鎖反応を化学的に断ち切ること(抑制作用・負触媒作用)で消火する。
- ウ連鎖反応を断ち切ることで消火する方法を抑制消火(負触媒消火)という。
- エ燃焼の三要素(可燃物・酸素供給源・点火源)さえ揃えば、連鎖反応がなくても必ず燃焼は継続する。正答
- オ二酸化炭素消火剤は主に窒息消火(酸素遮断)として機能し、抑制(負触媒)効果も一部ある。
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誤っているのはエです。燃焼が継続するには三要素に加え連鎖反応(ラジカル反応)も必要です。三要素だけでは「必ず燃焼が継続する」とは言えません(連鎖反応を断てば消火できる)。
- ア(正): 燃焼の四要素=可燃物・酸素・点火源・連鎖反応。
- イ(正): 粉末・ハロゲン化物は抑制(負触媒)消火。
- ウ(正): 連鎖反応を断つ=抑制消火。
- エ(誤): 三要素だけでは不十分。連鎖反応がなければ消火できる。
- オ(正): 二酸化炭素は主に窒息消火。
「燃焼の四要素・連鎖反応を断つ=抑制消火」を押さえます。
燃焼の四要素と消火の関係:
燃焼には可燃物・酸素供給源・点火源(熱源)の「三要素」に加え、連鎖反応(ラジカル連鎖)を加えた「四要素」がすべて必要であり、いずれか一つを断てば消火できます。
各選択肢の検討:
- ア(正): 燃焼の四要素=可燃物・酸素供給源・点火源・連鎖反応。
- イ(正): 粉末消火剤・ハロゲン化物消火剤は燃焼の連鎖反応(ラジカル)を化学的に断ち切る(負触媒・抑制)ことで消火する。物理的な酸素遮断ではなく化学的な消火機構。
- ウ(正): 連鎖反応を断つ消火=抑制消火(負触媒消火)。
- エ(誤・正答): 燃焼の継続には連鎖反応も必要。三要素が揃っても連鎖反応が維持されなければ燃焼は継続しない。「必ず燃焼は継続する」は誤り(ハロゲン消火剤で三要素が残っていても消火できることが証明)。
- オ(正): 二酸化炭素消火剤は主に窒息(酸素濃度を下げる)として機能する。
引っかけパターント: 「三要素さえあれば燃焼継続」という三要素だけの思考(四要素の連鎖反応を無視)。「四要素のどれを断てば消火できるか」の対応を固定します。
【理論的背景】
燃焼は急激な酸化反応ですが、特に気相での炎(有炎燃焼)は、ラジカル(活性種:OH・・H・・O等)による連鎖反応によって維持されます。これを燃焼の「四要素」の一つとして加えると、消火には四つのアプローチがあることになります。抑制消火(負触媒消火)が有効なのは、消火剤がラジカルを除去して連鎖反応を断つからです。これは物理的な「酸素遮断」や「冷却」と全く異なる化学的な消火機構です。
【四要素と消火の対応整理】
| 要素 | 消火原理 | 代表的消火剤・方法 |
|---|---|---|
| 可燃物 | 除去消火 | ガスの元栓を閉める・可燃物を移す |
| 酸素供給源 | 窒息消火 | 泡・CO2・粉末・砂・不燃物で覆う |
| 点火源・熱 | 冷却消火 | 注水(水の比熱・蒸発熱)|
| 連鎖反応 | 抑制消火(負触媒) | ハロゲン化物・粉末(ABC等) |
注意: 実際の消火剤は複数の原理を持つことが多い。
- 粉末消火剤: 窒息(粉末が燃焼面を覆う)+抑制(負触媒)(両方)
- ハロゲン化物: 主に抑制(負触媒)
- 二酸化炭素: 主に窒息(酸素濃度低下)+若干の冷却
- 泡: 主に窒息(液面を泡膜で覆う)+若干の冷却
【エ(誤り)の詳細説明】
「三要素さえ揃えば連鎖反応がなくても必ず燃焼継続」という誤りは、連鎖反応の役割を無視した三要素思考から来ます。実際には:
1. ハロゲン化物消火剤は可燃物・酸素・熱(三要素)が残った状態でも連鎖反応を断って消火できる。これは連鎖反応が燃焼継続に必要であることの証拠。
2. 「不燃化」の概念: 不活性ガスで希釈しても燃えなくなるのは酸素遮断(窒息)だが、十分な希釈前の段階でハロゲン化物を添加すると連鎖反応の遮断で消える(燃焼限界以下にならなくても消火できる)。
3. 三要素の「点火源」は点火時のみ必要(一旦連鎖反応が始まれば点火源がなくても燃える)。しかし連鎖反応が途絶えると再点火が必要になる。
【危険物との接続】
第4類危険物(引火性液体)の火災は蒸発燃焼で、可燃性蒸気と空気の混合気が燃える気相反応です。ラジカル連鎖反応が燃焼を維持するため、ハロゲン化物・粉末は効果的です。一方で、木材・コークスなどの表面燃焼(グロー燃焼)では気相のラジカル連鎖が少なく、抑制消火の効果が低い(冷却・窒息が有効)という違いがあります。第4類火災には蒸発燃焼ゆえに窒息・抑制が中心で、棒状注水は液面拡大で不適です。
【試験での位置づけ】
燃焼の四要素は頻出(頻出度A)です。核心は、(1)四要素=可燃物・酸素・点火源・連鎖反応、(2)連鎖反応を断つ=抑制消火(ハロゲン・粉末)、(3)三要素だけでは燃焼継続を保証しない(連鎖反応も必要)、(4)粉末は窒息+抑制の両方、です。引っかけは「三要素があれば必ず燃焼継続」(本問のエ)、抑制消火と窒息消火の混同です。「四要素のどれかを断てば消火・連鎖反応を断つ=抑制消火」を固定します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 燃焼の四要素=可燃物・酸素供給源・点火源・連鎖反応。
- イ(正): 粉末・ハロゲン化物は連鎖反応を断つ抑制消火(負触媒)。
- ウ(正): 連鎖反応を断つ=抑制消火(負触媒消火)。
- エ(誤): 連鎖反応がなければ燃焼は継続しない。「三要素だけで必ず継続」は誤り。
- オ(正): 二酸化炭素は主に窒息消火(酸素濃度低下)。
【根拠】確立した化学(燃焼の四要素・連鎖反応・消火原理)。
【補足】燃焼の四要素=可燃物・酸素・点火源・連鎖反応。三要素のみでは燃焼継続は保証されない(連鎖反応も必要)。連鎖反応を断つ=抑制消火(粉末・ハロゲン化物)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 燃焼四要素=可燃物・酸素・点火源・連鎖反応。連鎖反応を断つ=抑制消火・粉末は窒息+抑制(§1-3)正。三要素のみで継続を保証しない論理正。正答エ一意。OK -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(燃焼の四要素)。燃焼の継続には連鎖反応も必要であり、四要素のいずれかを断てば消火できる。三要素だけでは燃焼の継続は必ずしも保証されない(連鎖反応が途絶えれば消火できる)。二酸化炭素は主に窒息消火だが、若干の抑制効果もあるとされる(確立した消火理論の範囲内)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。