基礎的な物理学及び基礎的な化学63静電気

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問63:静電気

静電気に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 石油類などの電気の不良導体は、流動・ろ過・注入・かくはん等の操作によって静電気を帯電しやすい。
  • 静電気は導体(金属等)よりも不良導体(絶縁体)に蓄積しやすい。
  • 帯電した物体が放電する際の火花(放電火花)は、引火性液体の蒸気に対する点火源となる可能性がある。
  • 湿度が高い環境では静電気が蓄積しにくく、乾燥した環境では蓄積しやすい。
  • ガソリンや灯油は電気の良導体であるため、輸送中に帯電することはほとんどない。正答
正答:ガソリンや灯油は電気の良導体であるため、輸送中に帯電することはほとんどない。

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誤っているのはオです。ガソリン・灯油などの石油類は電気の不良導体(絶縁体)であるため、流動・注入などで静電気が蓄積しやすいです。「良導体だから帯電しない」は逆です。

  • ア(正): 不良導体は流動・ろ過等で静電気を帯電しやすい。
  • イ(正): 静電気は不良導体に蓄積しやすい。
  • ウ(正): 放電火花は引火蒸気への点火源になる。
  • エ(正): 湿度高→帯電しにくい、乾燥→帯電しやすい。
  • オ(誤): 石油類は不良導体→帯電しやすい。

「石油類=不良導体=帯電しやすい」を固定します。

標準試験対策の基準レベル

静電気と第4類危険物:

静電気は電荷が物体上に蓄積する現象です。電荷の逃げやすさは導電性(電気抵抗の逆数)で決まります。

  • 良導体(金属・水等): 電気抵抗が低く、電荷がすぐに流れて逃げる→帯電しにくい。
  • 不良導体(絶縁体)(石油類・樹脂・ゴム等): 電気抵抗が高く、電荷が逃げずに蓄積する→帯電しやすい

各選択肢の検討:

  • ア(正): 石油類(電気不良導体)は流動・ろ過・注入・かくはんで静電気が発生し帯電する。
  • イ(正): 不良導体は電荷が逃げずに蓄積→帯電しやすい。良導体は電荷が流れて逃げる→帯電しにくい。
  • ウ(正): 放電火花(帯電した物体が放電する際の火花)はガソリン蒸気等の引火性蒸気に対する着火源となる。
  • エ(正): 湿度が高いと表面に水分膜が形成され、電荷が表面を伝わって逃げやすくなる(帯電しにくい)。乾燥時は電荷が逃げにくく蓄積する(帯電しやすい)。
  • オ(誤・正答): ガソリン・灯油は電気不良導体(絶縁体)。流動・輸送中に静電気が発生・蓄積しやすい。「良導体だから帯電しない」は誤り。

引っかけパターン: 石油類を「良導体」とする(オ)。「石油類=電気不良導体=帯電しやすい」を固定します。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

静電気は摩擦・流動・分離等によって物体表面に電荷が蓄積する現象です。電荷の蓄積のしやすさは物体の電気抵抗(体積抵抗率)に依存します。体積抵抗率が高い(10^9 Ω・cm以上)の不良導体では電荷の散逸が極めて遅く、帯電しやすい。石油類(ガソリン・灯油・軽油等)の体積抵抗率は概ね10^10〜10^14 Ω・cm程度の不良導体であり、流動・移送中に静電気が蓄積します。

【静電気帯電の発生条件】

静電気が危険になる条件:

1. 可燃性蒸気の存在: 引火点以上の液温または揮発性の高い液体

2. 不良導体の接触・分離: 液体の流動・ろ過・注入・噴霧・かくはん、パイプ内流動、タンクへの注液

3. 電荷の蓄積: 不良導体で接地(アース)がない場合

4. 放電火花の発生: 蓄積した電荷が放電(スパーク)する際の火花

これら4条件が重なると引火・爆発の危険があります。

【静電気の防止策(設計doc §1-3確立事実)】

静電気の帯電・放電を防ぐ対策:

1. 接地(アース・ボンディング): 導体で大地(電位ゼロ)に接続し、電荷を逃がす。配管・タンク・槽に接地線を接続する。

2. 流速制限: 液体をパイプ内で輸送する際の流速を制限(一般に1m/s以下が目安)。流速が速いほど帯電量が増える。

3. 加湿(湿度管理): 相対湿度60〜70%以上に保つと帯電しにくくなる(表面水分による電荷の散逸)。

4. 帯電防止剤の添加: 液体中に導電性を高める添加剤を入れる。

5. 導電性材料の使用: 配管・容器を金属(良導体)にして電荷を逃がす。

6. 放電前の一時停滞(滞留): 液体を一旦緩衝槽等に入れて電荷を散逸させてからタンクへ移す。

【危険物との接続】

石油類(第4類危険物)は電気不良導体のため、以下の具体的場面で静電気リスクがあります。

  • ローリー(移動タンク貯蔵所)から地下タンクへの注入: 配管内の流動で帯電→接地・流速制限が必要。
  • ドラム缶・コンテナへの充填: 注入ノズル・液面間で放電→アース・ボンディングが必要。
  • タンク内かくはん・攪拌: 操作で帯電→攪拌後の静置(電荷散逸)が必要。
  • 給油所でのセルフ給油: 衣類摩擦で帯電した手や金属が給油口付近で放電→静電気除去パッドの活用。

ガソリンの引火点は−40℃以下であり、常温では常に燃焼下限以上の蒸気が液面近くに存在するため、放電火花が直接引火源になりやすい。

【試験での位置づけ】

静電気は頻出(頻出度A)です。核心は、(1)石油類は電気不良導体→流動等で帯電しやすい、(2)静電気は不良導体に蓄積する(良導体は帯電しにくい)、(3)放電火花が引火性蒸気に点火する、(4)湿度高→帯電しにくい・接地(ボンディング)・流速制限で防止、です。引っかけは石油類を「良導体だから帯電しない」とする(本問のオ)です。「石油類=不良導体=帯電しやすい・接地で防止」を固定します。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 石油類(不良導体)は流動・ろ過・注入で帯電しやすい。
  • イ(正): 静電気は不良導体に蓄積(良導体は電荷が逃げる)。
  • ウ(正): 放電火花は引火性蒸気の点火源になる。
  • エ(正): 湿度高→帯電しにくい。乾燥→帯電しやすい。
  • オ(誤): 石油類は電気不良導体→帯電しやすい(「良導体だから帯電しない」は誤り)。

【根拠】確立した物理学(静電気の発生・帯電・放電)。設計doc §1-3確立事実(石油類=不良導体・帯電しやすい・接地/加湿/流速制限で防止)。

【補足】石油類=電気不良導体=帯電しやすい。帯電防止: 接地(アース/ボンディング)・流速制限・加湿・帯電防止剤。放電火花が引火性蒸気の点火源。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 石油類=電気不良導体で帯電しやすい・湿度高=帯電しにくい・接地/加湿/流速制限で防止(§1-3)正。正答オ一意。OK -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(静電気)。石油類(ガソリン・灯油等)は電気不良導体(絶縁体)のため静電気が蓄積しやすい。良導体(金属)では電荷がすぐに逃げて帯電しにくい。不良導体では電荷の散逸が遅いため蓄積する。湿度が高いと表面に水分が付着して電荷が逃げやすくなり帯電しにくい(設計doc §1-3確立事実)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

静電気の発生・帯電のメカニズムと第4類危険物頻出度A

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燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)
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熱量・比熱・熱膨張・熱移動
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科目別に解いて、危険物乙四に合格

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