危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問20:特殊引火物
特殊引火物であるアセトアルデヒドおよび酸化プロピレンに関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- アアセトアルデヒドは沸点が高く、常温では蒸発しにくい安定な液体である。
- イアセトアルデヒド・酸化プロピレンは特殊引火物に分類され、沸点が低く揮発性が高い、引火点の極めて低い液体である。正答
- ウアセトアルデヒドは水に溶けないため、二硫化炭素と同様に水中で貯蔵する。
- エこれらの物質は反応性が乏しく、銅や銀などの金属と接触しても問題は生じない。
- オ酸化プロピレンは不燃性の液体で、火源があっても引火しない。
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正しいのはイです。アセトアルデヒドと酸化プロピレンは特殊引火物で、沸点が低く(すぐ蒸発する)、引火点が極めて低い、とても危険な液体です。
- ア(誤): アセトアルデヒドは沸点が低く(約20℃)、常温で蒸発しやすい。
- イ(正): 特殊引火物・沸点低い・揮発性高い・引火点が極めて低い。
- ウ(誤): 水に溶けるので、二硫化炭素のような水中保存はしない。
- エ(誤): アセトアルデヒドは銅・銀等と反応するおそれがある。
- オ(誤): 酸化プロピレンは可燃性で引火する。不燃ではない。
「アセトアルデヒド・酸化プロピレン=特殊引火物・揮発性大・極めて危険」を押さえます。
アセトアルデヒド・酸化プロピレン(特殊引火物):
両者とも特殊引火物に分類され、第4類の中でも特に危険性が高い物質です(イ=正)。
- 沸点が低い: アセトアルデヒド約21℃、酸化プロピレン約35℃。常温付近で沸騰・気化しやすい(ア=誤)。
- 引火点が極めて低い: アセトアルデヒド約−39℃、酸化プロピレン約−37℃で、常温で容易に引火する蒸気を出す。
- 揮発性が高い・燃焼範囲が広い: 蒸気が多量に発生し、わずかな火源で引火・爆発。
- 水溶性: 水に溶ける。二硫化炭素のような水中保存はしない(ウ=誤)。
- 反応性が高い: アセトアルデヒドは銅・銀・水銀・マグネシウム等と反応するおそれがあり、これらの金属容器・配管を避け、貯蔵時に不活性ガス(窒素等)を封入する。酸化・重合しやすい(エ=誤)。
- いずれも可燃性で引火する(オ=誤:酸化プロピレンが不燃は誤り)。
引っかけパターン:
- 沸点が高く安定とする誤り(ア)
- 水中保存とする誤り(ウ。二硫化炭素と混同)
- 金属と無反応とする誤り(エ)
- 不燃・引火しないとする誤り(オ)
「特殊引火物・沸点低・揮発性大・水溶性・反応性大」を押さえます。
【理論的背景】
特殊引火物は、「1気圧で発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下」のもので、第4類の中で最も危険性が高い区分です。ジエチルエーテル・二硫化炭素に加え、アセトアルデヒド・酸化プロピレンがこれに含まれます。アセトアルデヒドは沸点が約21℃(第4類で最も低い)・引火点約−39℃、酸化プロピレンは沸点約35℃・引火点約−37℃と低く、常温で容易に沸騰・気化します。引火点も極めて低く、揮発性が高いため、開放状態では大量の可燃性蒸気を放出し、わずかな点火源で引火・爆発します。
【反応性と貯蔵上の注意】
これらの物質は、低温・高揮発性に加えて化学的な反応性が高い点が特徴です。
- アセトアルデヒド: 銅・銀・水銀・マグネシウムやその合金と反応して爆発性の化合物を生じるおそれがあるため、これらの金属を用いた容器・配管を避けます。また酸化されやすく(酸化すると酢酸になる)、加圧・加熱で重合するおそれもあります。
- 酸化プロピレン: 重合しやすく、重合時に発熱して危険。水や酸・塩基、金属塩等が重合を促進することがある。
- 貯蔵時には、容器内の空間に不活性ガス(窒素等)を封入して空気(酸素)との接触を断ち、酸化・重合・爆発性混合気の形成を防ぎます。冷却して蒸気圧を下げる管理も行われます。
【火災予防と消火】
- 火災予防: 火気・静電気・高温面から遠ざけ、密栓・冷却して揮発を抑える。蒸気は空気より重く低所に滞留するため換気。反応性金属を避ける。
- 水溶性: アセトアルデヒド・酸化プロピレンは水に溶けるため、火災時には耐アルコール泡(水溶性液体用泡)を用いる。通常の泡は溶けて消えるため不適。希釈消火(多量の水で薄める)も場合により有効だが、揮発性が高く危険なため基本は窒息消火。
- 二硫化炭素のような水中保存はしない(水に溶けてしまうため意味がない)。
【試験での位置づけ】
アセトアルデヒド・酸化プロピレンは、(1)特殊引火物である、(2)沸点が低く揮発性が高い・引火点が極めて低い、(3)水溶性(耐アルコール泡)、(4)反応性が高い(アセトアルデヒドは銅・銀等と反応、重合・酸化)、の各点が問われます。誤答は「沸点が高く安定」「水中保存」「金属と無反応」「不燃」のように、危険性を打ち消す方向で作られます。二硫化炭素(非水溶性・水中保存)との違い(こちらは水溶性で水中保存しない)を区別するのが重要です。なお沸点・引火点は、出題では「沸点が低い/引火点が極めて低い/揮発性が高い」という定性的特徴で正誤を問うのが基本ですが、数値(アセトアルデヒド沸点約21℃・引火点約−39℃/酸化プロピレン沸点約35℃・引火点約−37℃)も準一次ソースで突合済みです。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): アセトアルデヒドは沸点が低く常温で蒸発しやすい。安定ではない。
- イ(正): 特殊引火物・沸点が低く揮発性が高い・引火点が極めて低い。
- ウ(誤): 水溶性のため水中保存はしない。二硫化炭素との混同。
- エ(誤): アセトアルデヒドは銅・銀等と反応するおそれがある。
- オ(誤): 酸化プロピレンは可燃性で引火する。不燃は誤り。
【根拠】アセトアルデヒド・酸化プロピレンの性状(特殊引火物)。
【補足】特殊引火物・沸点低(アセトアルデヒド約21℃/酸化プロピレン約35℃)・揮発性大・引火点極低(約−39℃/約−37℃)・水溶性(耐アルコール泡)。アセトアルデヒドは銅銀等と反応・重合注意。水中保存はしない(二硫化炭素と区別)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: アセトアルデヒド・酸化プロピレンの性状(特殊引火物)。いずれも沸点が低く(アセトアルデヒド約21℃、酸化プロピレン約35℃)、引火点が極めて低く(アセトアルデヒド約−39℃、酸化プロピレン約−37℃)、揮発性が高い。発火点はアセトアルデヒド約175℃・酸化プロピレン約465℃、いずれも水溶性。アセトアルデヒドは銅・銀・水銀等と反応するおそれがあり、貯蔵に不活性ガス封入等を行う。重合・酸化しやすい。【監修確定 2026-06-03・準一次ソース(乙4教科書値・公開SDS)で突合】 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。