危険物乙四 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 問86:動植物油類
動植物油類に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア動植物油類とは、動物の脂肪または植物の種子から得られる油脂で、1気圧において引火点が250℃未満のものをいう。
- イアマニ油(亜麻仁油)はヨウ素価が130以上の乾性油に分類され、自然発火のおそれがある。
- ウヤシ油はヨウ素価が100未満の不乾性油であり、乾性油と比べて自然発火のリスクが低い。
- エ動植物油類の引火点は第一石油類(21℃未満)と同様に低く、常温で直接引火する危険がある。正答
- オ動植物油類の指定数量は10,000Lで、第4類の中で最も大きい(危険性が相対的に低い)。
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誤っているのはエです。動植物油類の引火点は非常に高く(多くは200℃以上)、常温では直接引火しません。第一石油類(21℃未満)とは全く逆です。
- ア(正): 動植物から得た油脂・引火点250℃未満の定義。正しい。
- イ(正): アマニ油=ヨウ素価130以上の乾性油=自然発火のおそれあり。
- ウ(正): ヤシ油=ヨウ素価100未満の不乾性油=自然発火リスク低。
- エ(誤): 引火点は高く(200℃以上)常温では引火しない。第一石油類と同様は誤り。
- オ(正): 指定数量10,000L(第4類最大)。
「動植物油類=引火点高い(200℃超)・指定数量10,000L・乾性油は自然発火注意」を押さえます。
動植物油類の性状と分類:
- ア(正): 動植物油類の定義(危政令別表第三): 動物の脂肪または植物の種子から採取した油脂で、1気圧において引火点が250℃未満のもの。これを超えると危険物外となる。正しい。
- イ(正): アマニ油(亜麻仁油)はヨウ素価が130以上(確定値)の乾性油で、布・紙に染み込んだ状態で放置すると酸化熱が蓄積して自然発火するおそれがある。正しい。
- ウ(正): ヤシ油のヨウ素価は約8〜12で100未満→不乾性油に分類。C=C二重結合が少なく酸化しにくいため、乾性油と比べて自然発火リスクは大幅に低い。正しい。
- エ(誤): 動植物油類の引火点は250℃未満という定義であり、実際は多くが200℃以上(アマニ油約222℃・ヤシ油約232℃等)と非常に高い。常温(20℃)では引火する蒸気がほとんど発生しないため、常温での直接引火の危険は極めて低い。第一石油類(引火点21℃未満・常温で引火し得る)と比べると正反対の性質。「第一石油類と同様に引火点が低い」は誤り。
- オ(正): 動植物油類の指定数量は10,000Lで第4類の中で最大。危険性が相対的に低い(引火点が高い)ことが指定数量の大きさに反映されている。正しい。
引っかけパターント: 動植物油類の引火点を低く(第一石油類と同様)と誤解させる(エ)。「引火点が高い=直接引火危険低・自然発火は別問題」を整理。
【理論的背景】
動植物油類は第4類危険物の中で最も引火点が高く(250℃未満という定義)かつ指定数量が最大(10,000L)であることから、石油類と比べて火災の直接的危険(引火)は低いです。しかし、乾性油に固有の自然発火という危険があります。「引火危険は低いが自然発火には注意」という二面性を正確に把握することが乙4試験での動植物油類の核心です。
【動植物油類の主要物質とヨウ素価】
| 油種 | ヨウ素価 | 分類 | 引火点(概算)| 自然発火 |
|---|---|---|---|---|
| アマニ油(亜麻仁油) | 170〜200 | 乾性油 | 約222℃ | あり |
| 桐油 | 140〜170 | 乾性油 | 約245℃ | あり |
| エゴマ油 | 170〜200 | 乾性油 | 約245℃ | あり |
| ゴマ油 | 103〜116 | 半乾性油 | 約260℃ | 注意 |
| なたね油 | 94〜120 | 半乾性 | 約317℃ | 注意 |
| 大豆油 | 120〜141 | 半乾性〜乾性 | 約282℃ | 注意 |
| ヤシ油 | 約8〜12 | 不乾性油 | 約232℃ | なし |
| オリーブ油 | 75〜94 | 不乾性油 | 約250℃ | なし |
【動植物油類の第4類での位置づけ】
| 品名 | 引火点 | 指定数量 | 主な危険 |
|---|---|---|---|
| 特殊引火物 | 極低(−45〜−30℃等) | 50L | 直接引火 |
| 第一石油類 | 21℃未満 | 200/400L | 直接引火 |
| …(中略)… | | | |
| 第四石油類 | 200〜250℃ | 6,000L | 加熱時の引火 |
| 動植物油類 | 250℃未満(多くは200℃超) | 10,000L | 自然発火(乾性油) |
引火点が高いほど危険性が低く指定数量が大きいという原則通り、動植物油類は第4類で最も指定数量が大きいです。
【自然発火と引火の根本的な違い】
- 引火: 外部火源が蒸気に着火する現象。引火点以上の温度で蒸気が発生し、その濃度が燃焼範囲内にあるときに外部の火花・火炎で着火。動植物油類は引火点が高く常温での引火危険は低い。
- 自然発火: 外部火源なしに物質が自己発熱・発火する現象。乾性油は酸化熱の蓄積(特に多量の表面積・通風不良で)で発火温度に達する。引火点とは無関係に起こりうる。
【試験での位置づけ】
動植物油類の出題核心は(1)引火点は高く(250℃未満だが多くは200℃超)・常温では直接引火しない(第一石油類と同様ではない・本問エ)、(2)乾性油(ヨウ素価130以上):自然発火のおそれあり、(3)不乾性油(ヨウ素価100未満):自然発火しにくい、(4)指定数量10,000L(第4類最大)です。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 動植物油類の定義:動植物の油脂・引火点250℃未満(危政令別表第三)。
- イ(正): アマニ油:ヨウ素価170〜200(130以上)→乾性油→自然発火のおそれ。
- ウ(正): ヤシ油:ヨウ素価約8〜12(100未満)→不乾性油→自然発火リスク低。
- エ(誤): 動植物油類の引火点は高く(200℃超が多い)常温では直接引火しない。第一石油類(21℃未満)とは正反対。
- オ(正): 指定数量10,000L(第4類最大。危険性が相対的に低い)。
【根拠】確立した教科書値・設計書§1-1・§2-3(S8)。監修確定(2026-06-03): ヨウ素価130以上=乾性油確定。
【補足】動植物油類:引火点250℃未満(多くは200℃超)・常温では直接引火しない・乾性油(ヨウ素価130以上)は自然発火注意・不乾性油(100未満)は自然発火リスク低・指定数量10,000L(第4類最大)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 動植物油類の定義(引火点250℃未満・指定数量10,000L)、乾性油ヨウ素価130以上(アマニ油170〜200)/不乾性油100未満(ヤシ油約8〜12)の分類は確立事実・設計書§2-3 S8と整合。実引火点は多くが200℃超で常温直接引火せず。正答エ一意(「第一石油類21℃未満と同様に低い・常温で直接引火」のみ誤。ア・イ・ウ・オは正記述)。物性是正なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した教科書値・設計書§1-1・§2-3(S8)。動植物油類の定義=「動植物から得た油脂で1気圧・**引火点250℃未満**のもの」。実際の引火点は多くが200℃超(アマニ油約222℃・ヤシ油約232℃)と**高く**、常温での直接引火危険はない。指定数量10,000L(第4類最大)。乾性油(ヨウ素価130以上:アマニ油・桐油等)は自然発火のおそれあり。不乾性油(ヨウ素価100未満:ヤシ油・オリーブ油等)は自然発火しにくい。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。