登録販売者試験合格後の「販売従事登録」の申請先・添付書類と、店舗管理者になるための管理者要件(過去5年で通算2年・通算1年+研修・管理者経験の3つ)を、厚生労働省の通知「登録販売者制度の取扱い等について」(令和8年10月1日適用版)に沿って整理します。研修中の登録販売者の扱いや、他の都道府県で働く場合の扱いも解説します。
目次
結論:登録販売者試験に合格したら、従事する薬局・店舗の所在地の都道府県知事に「販売従事登録」を申請します。登録は一つの都道府県でしか受けられませんが、登録した都道府県以外でも一般用医薬品の販売等に従事できます。「研修中」は決まった期間ではなく、店舗管理者の3つの要件(過去5年間で通算2年以上など)のいずれにも当てはまらない間の状態で、月80時間以上働く月が24か月、または月160時間以上働く月が12か月(この場合は追加的研修も必要)で外れます。研修は、勤務先が毎年度受講させる継続的研修が12時間以上、追加的研修が6時間以上で、オンライン研修も認められています(厚生労働省の通知・実施要領)。
登録販売者試験に合格しても、すぐに一人で第2類・第3類医薬品を販売できるわけではありません。合格後には「販売従事登録」の手続きが必要で、さらに店舗管理者になるには従事期間などの要件を満たす必要があります。この記事では、合格後のステップと、研修中の期間・継続的研修・追加的研修のしくみを、薬機法・施行規則と厚生労働省の通知・実施要領に沿って整理します。
この記事の制度の説明は、厚生労働省の通知「登録販売者制度の取扱い等について」(令和5年3月31日薬生発0331第16号、最終改正 令和8年6月26日、令和8年10月1日から適用)と、「登録販売者に対する研修の実施要領」(最終改正 令和8年3月19日、令和8年4月1日適用)によります(厚生労働省 通知(PDF)・厚生労働省 研修の実施要領(PDF))。条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-03 時点の現行条文。薬機法・薬機法施行規則)。
当サイトの登録販売者の問題360問のうち、研修・販売従事登録を主題にする問題は3問(第4章 問25・問29・問62)です(問題文・選択肢の検索による2026-10-03集計。当サイトの問題の数であり、本試験の出題頻度ではありません)。
登録販売者制度の全体像
登録販売者は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく資格です。試験に合格した人が医薬品の販売または授与に従事しようとするときは、都道府県知事の登録を受けなければなりません(薬機法第36条の8第2項)。第2類・第3類医薬品は、薬剤師または登録販売者に販売・授与させなければならないとされています(同法第36条の9)。
通知では、登録販売者は次の2つに分かれます。
| 区分 | 要件 | 働き方 |
|---|---|---|
| 研修中の登録販売者 | 下の管理者要件ⅰ〜ⅲのいずれにも当てはまらない | 店舗で勤務中の薬剤師または登録販売者(研修中の登録販売者を除く)の管理及び指導の下で業務に従事。名札に研修中である旨を表記。店舗管理者の代行者にもなれない |
| 管理者要件を満たした登録販売者 | ⅰ 過去5年間で従事期間が通算2年以上/ⅱ 過去5年間で通算1年以上+研修の修了/ⅲ 通算1年以上+店舗管理者・区域管理者の経験 のいずれか | 第2類・第3類医薬品を販売する店舗の店舗管理者になれる |
販売従事登録の申請手続き
申請先
通知によると、販売従事登録を受けようとする者は、申請書(施行規則様式第86の2)を医薬品の販売または授与に従事する薬局または医薬品の販売業の店舗の所在地の都道府県知事(配置販売業は、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県の知事)に提出します。窓口の部署名は都道府県ごとに異なります。
申請書に添付する書類(通知の1(5)②)
- 登録販売者試験に合格したことを証する書類(合格通知書。原本は回収される)
- 戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍記載事項証明書、または本籍の記載のある住民票の写し・住民票記載事項証明書(試験の申請時から氏名・本籍に変更があった人は戸籍謄本等)
- 精神の機能の障害により業務を適正に行うに当たって必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができないおそれがある場合は、医師の診断書
- 申請者が薬局開設者または医薬品の販売業者でないときは、雇用契約書の写しなど使用関係を証する書類
販売従事登録の手数料は、都道府県の条例等で定めるとされています。申請書の様式の入手方法や手数料の額は、申請先の都道府県の案内で確認してください。
登録証の交付
都道府県知事は、販売従事登録を行ったときは、登録を受けた者に販売従事登録証を交付しなければならないとされています(通知の1(6)②)。
実務経験(管理者要件)のしくみ
管理者要件とは(3つの要件)
通知の3(1)は、第2類・第3類医薬品を販売する店舗の店舗管理者は、薬剤師または次のⅰ〜ⅲのいずれかに当てはまる登録販売者でなければならないとしています。
| 要件 | 内容 | 期間の数え方 |
|---|---|---|
| ⅰ | 過去5年間のうち、従事期間の合計が通算2年以上 | 1か月に80時間以上従事した月を1か月と数える |
| ⅱ | 過去5年間のうち、従事期間の合計が通算1年以上で、施行規則に定める研修と、店舗の管理及び法令遵守について厚生労働大臣が必要と認める研修を修了 | 1か月に160時間以上従事した月を1か月と数える |
| ⅲ | 従事期間が通算1年以上で、過去に店舗管理者または区域管理者として業務に従事した経験がある | — |
「従事期間」とは、薬局・店舗販売業・配置販売業で、一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した期間と、登録販売者として業務に従事した期間の合計です(通知の3(1)ⅰ)。
時間の例外もあります。上の月あたりの時間を満たさない場合でも、過去5年間のうち月単位で従事した期間が通算1年以上または2年以上あり、かつ過去5年間で合計1,920時間以上従事した場合は、それぞれ通算1年以上または2年以上の登録販売者とみなして差し支えないとされています。
登録販売者の研修
通知の7(2)は、研修を2つに分けて定めています。
- 継続的研修:薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者は、登録販売者に施行規則に定める研修を毎年度受講させる必要がある(研修中かどうかにかかわらない)
- 追加的研修:ⅱの要件(過去5年間のうち1年以上の従事期間)で店舗管理者・区域管理者になろうとする登録販売者は、継続的な研修に加えて、店舗または区域の管理及び法令遵守についての研修を修了する必要がある
研修の時間数は通知ではなく、施行規則と「登録販売者に対する研修の実施要領」に定められています。時間数と受講のしかたは、下の「継続的研修」「追加的研修」で説明します。
従事期間の確認
通知の3(3)は、登録販売者の従事期間や管理者の経験は、勤務先の薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者が客観的な事実に基づいて責任を持って確認することとしています。店舗管理者とする場合は、許可の申請や変更の届出の際に業務経験等を証明する書類を作成して添付します。
研修中の登録販売者の扱い
ⅰ〜ⅲのいずれにも当てはまらない登録販売者は「研修中の登録販売者」です。通知の4(2)は、店舗販売業者について次のように定めています。
- 研修中の登録販売者が付ける名札には、「登録販売者(研修中)」のように研修中であることが容易に判別できる表記をする
- 店舗で勤務中の薬剤師または登録販売者(研修中の登録販売者を除く)の管理及び指導の下に業務に従事させる
- 研修中の登録販売者は、店舗管理者の代行者にもなれない
研修中の登録販売者の期間は?管理者要件までの数え方
「研修中」には、「○か月」といった決まった期間はありません。通知は、管理者要件ⅰ〜ⅲのいずれにも当てはまらない登録販売者を「研修中の登録販売者」と呼んでいます。つまり、要件を満たした月から、研修中の扱いは外れます。要件の数え方を、通知の数字で整理すると次のとおりです。
| 要件 | 従事期間(過去5年間のうち) | 1か月と数える条件 | 必要な月数 | 合計時間 | 追加で必要なこと |
|---|---|---|---|---|---|
| ⅰ | 通算2年以上 | 月80時間以上 | 24か月 | 24×80=1,920時間 | なし |
| ⅱ | 通算1年以上 | 月160時間以上 | 12か月 | 12×160=1,920時間 | 継続的研修+追加的研修 |
| 時間の例外 | 月単位で通算1年以上または2年以上 | 月の時間数は問わない | 12か月または24か月 | 過去5年間で合計1,920時間以上 | 1年以上の場合はⅱと同じ研修 |
出典:厚生労働省 通知「登録販売者制度の取扱い等について」(令和8年10月1日適用)の3(1)、薬機法施行規則 第140条第1項第2号(2026-10-03 時点の現行条文)
検算:24か月×80時間=1,920時間、12か月×160時間=1,920時間で、どちらも例外の「合計1,920時間以上」と同じ時間数になります(1,920時間÷80時間=24か月、1,920時間÷160時間=12か月)。
1,920時間の例外を数字で確かめる(当サイトの計算例)
通知の3(1)は、月80時間や月160時間に届かない月があっても、「月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算して1年以上又は2年以上あり、かつ、過去5年間において、合計1,920時間以上従事した場合」は、それぞれ通算1年以上・2年以上の登録販売者とみなして差し支えないとしています。つまり、条件は「月数」と「合計時間」の2つで、どちらか一方だけでは足りません。次の表は、当サイトが作った例で、ⅰ(通算2年以上)の例外を確かめたものです。
| 月単位で従事した月数 | 1か月あたり(平均) | 合計時間 | 通算2年以上(24か月以上)か | 合計1,920時間以上か | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24か月 | 80時間 | 24×80=1,920 | はい | はい(ちょうど) | 満たす(基本の数え方と同じ) |
| 24か月 | 60時間 | 24×60=1,440 | はい | いいえ | 満たさない |
| 28か月 | 70時間 | 28×70=1,960 | はい | はい | 例外でみなされる |
| 20か月 | 100時間 | 20×100=2,000 | いいえ(2年未満) | はい | 満たさない |
検算:1,440÷60=24、1,960÷70=28、2,000÷100=20で、月数と時間の積が合計時間に一致します。また、24か月で合計1,920時間に届くには平均で1,920÷24=80時間が要り、月数が増えるほど必要な平均は下がります(たとえば36か月なら1,920÷36≒53.3時間)。
ⅱ(通算1年以上+研修)の例外も同じ形です。たとえば月単位で15か月従事し、合計が15×128=1,920時間なら、月160時間に届かなくても、通算1年以上とみなして差し支えないとされます(検算:1,920÷15=128)。この場合も、ⅱの要件として継続的研修と追加的研修の修了は必要です。
過去に店舗管理者または区域管理者の経験がある人のⅲも、通知は同様に、月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算1年以上あり、かつ合計1,920時間以上従事した場合は、ⅲの要件を満たしたものとみなして差し支えないとしています。
なお、通知は、月ごとに何時間から「月単位で従事した」と数えるかまでは書いていません。自分の従事期間が数えられるかどうかは、勤務先が客観的な事実に基づいて確認し(通知の3(3))、店舗管理者に指定する際は申請先の都道府県の案内で確認してください。
読み方の注意が3つあります。
- 従事期間は「過去5年間のうち」で数えます(施行規則 第140条第1項第2号)。5年より前に働いた期間は含まれません
- 「従事期間」は、薬局・店舗販売業・配置販売業で、薬剤師または登録販売者の管理及び指導の下で実務に従事した期間と、登録販売者として業務に従事した期間です。働いていない期間は数えられません
- 従事期間の確認は、勤務先の薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者が客観的な事実に基づいて行います(通知の3(3))。ご自身で月の時間数を記録しておくと、確認のときに説明しやすくなります
研修中の間にできること・できないこと(管理及び指導の下での従事、名札の表記、店舗管理者の代行者になれない)は、上の「研修中の登録販売者の扱い」のとおりです。研修中の間も、勤務先は研修を受講させなければならないとされています(通知の4(1)③・(2)③)。
継続的研修:毎年度12時間以上・eラーニングなどオンライン研修も可
継続的研修は、勤務先が登録販売者に毎年度受講させる研修です。
- 義務の主体:薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者です(施行規則 第15条の11の3・第147条の11の3・第149条の16の各第1項「研修を毎年度受講させなければならない」)。通知は、登録販売者についても「積極的に研修を受講する必要がある」としています(通知の7(2)①)
- 時間数:実施要領は、毎年度「少なくとも計12時間以上、定期的かつ継続的に研修を受講させること」としています。研修実施機関が行う研修の基準も、講義で「総時間数が十二時間以上」とされています(施行規則 第147条の11の3第3項第1号)
- 対象:勤務先の下で一般用医薬品の販売に従事するすべての登録販売者です(実施要領 2(1)①。研修中かどうかを問いません)
- 受講できる機関:厚生労働大臣に届け出た研修実施機関です。厚生労働省が届出済み研修実施機関一覧(令和8年9月30日時点)を公表しており、「研修実施場所」の欄に「オンライン」と書かれた機関もあります。この記事では特定の機関をおすすめしません
- 修了証:研修実施機関は、修了を確認して修了証等(電磁的記録を含む)を交付します。実施要領は、研修実施機関に修了証明の記録を6年間保存することを求めています
継続的研修の時間数:毎年度、少なくとも計12時間以上。最終確認日:2026-10-03。出典:厚生労働省 登録販売者に対する研修の実施要領(最終改正 令和8年3月19日)。
届出済み研修実施機関の一覧:令和8年9月30日時点の一覧が公表。最終確認日:2026-10-03。出典:厚生労働省 届出済み研修実施機関一覧。
eラーニング・通信講座でも受けられるか
受けられます。実施要領は、研修の形式を「対面形式の講義(集合研修)、遠隔講座、オンライン研修等のいずれの方法で実施しても差し支えない」としています。「オンライン研修等」は、Web会議システム、オンデマンド配信、e-ラーニング、通信講座など、受講者が任意の場所で受講できる研修をいいます。
ただし、集合研修以外の方法で実施する場合は、「講義(集合研修)と同等程度に受講者の研修状況や理解度を確認できる必要がある」とされています。実際に受講する機関の形式・修了の条件は、機関の案内で確認してください。
研修制度の問題を解く
追加的研修:6時間以上・受けるのは通算1年以上2年未満の人が中心
追加的研修は、店舗管理者・区域管理者になるために必要な「店舗または区域の管理及び法令遵守についての研修」です(通知の7(2)②、施行規則 第140条第1項第2号ロ)。
- 対象:過去5年間のうち従事期間が通算1年以上2年未満で、店舗管理者等になりたい登録販売者が主な対象です。従事期間が通算2年以上の人は、要件ⅰで店舗管理者になれるため、追加的研修の修了は必要ありません(実施要領は、店舗管理者等の資質向上の観点から受講することが望ましいとしています)。この対象の説明は、厚生労働省 登録販売者に対する研修の実施要領(最終改正 令和8年3月19日)の2(2)①によります
- 時間数:実施要領は「少なくとも計6時間以上」とし、内容は①ガバナンス・法規・コンプライアンス等の講義、②販売現場・店舗等の管理に即したコミュニケーションの演習、③ケーススタディ(レポート作成等)で、目安は各2時間程度としています
- 形式:対面・オンラインのどちらでも構いません。オンラインで行う場合、②の演習と③は、映像と音声で相手の状態を相互に認識しながら通話できる方法で行うこととされています
- 前提:追加的研修は、継続的研修に加えて受ける研修です。ⅱの要件では、継続的研修と追加的研修の両方が必要です
追加的研修の時間数:少なくとも計6時間以上(目安は講義・演習・ケーススタディを各2時間程度)。最終確認日:2026-10-03。出典:厚生労働省 登録販売者に対する研修の実施要領(最終改正 令和8年3月19日)。
継続的研修(12時間)と追加的研修(6時間)は別の研修です。時間数を足して18時間を1回で受ける、という決まりはありません。受講の順番や申込方法は、研修実施機関の案内で確認してください。
登録販売者の資格だけ取る場合:登録しない・働かないとどうなるか
「資格だけ取っておく」ことについて、条文と通知から言えることは次のとおりです。
| 場面 | 条文・通知で言えること |
|---|---|
| 試験を受ける | 受験に学歴・実務経験の条件はありません(通知 1(3)) |
| 販売従事登録 | 試験に合格した者であって「医薬品の販売又は授与に従事しようとするもの」は、都道府県知事の登録を受けなければなりません(薬機法 第36条の8第2項) |
| 第2類・第3類医薬品の販売 | 薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者は、薬剤師または登録販売者に販売・授与させなければなりません(同法 第36条の9第2号) |
| 店舗管理者の要件 | 従事期間は「過去五年間のうち」で数え、働いた期間だけが対象です(施行規則 第140条第1項第2号) |
出典:薬機法 第36条の8・第36条の9・薬機法施行規則 第140条(2026-10-03 時点の現行条文)、厚生労働省 通知の1(3)
つまり、試験に合格しても、医薬品の販売に従事する時点で販売従事登録が必要になります。合格してすぐに働かない場合、その間の期間は従事期間に数えられず、働き始めたときは通常「研修中の登録販売者」から始まります。ただし、過去5年間のうちに従事期間があれば、その分は数えられます。
この記事は、働くかどうか・いつ登録するかの判断はしません。勤務先や、申請先の都道府県の案内で確認してください。
複数都道府県での勤務について
販売従事登録は、一つの都道府県でしか受けられません。通知の1(5)④は、二つ以上の都道府県で申請した者は「いずれか一つの都道府県知事の登録のみしか受けることができない」としています。そのうえで、「販売従事登録を行った都道府県以外の都道府県においても、一般用医薬品の販売等に従事しても差し支えない」としています。
つまり、別の都道府県の店舗で働く場合や、都道府県をまたいで転職する場合でも、新たに販売従事登録を受け直す必要はありません。登録事項の変更の届出などの手続きは、登録した都道府県の案内で確認してください。
登録後のステップ
通知に沿うと、合格後のステップは次の順になります。
- 販売従事登録:従事する薬局・店舗の所在地の都道府県知事に申請し、登録証の交付を受ける
- 研修中の登録販売者として従事:研修中でない薬剤師・登録販売者の管理及び指導の下で業務に従事し、従事期間を積む。研修は毎年度受講
- 管理者要件(ⅰ〜ⅲ)を満たす:研修中の表記が外れ、第2類・第3類医薬品を販売する店舗の店舗管理者になれる
まとめ
- 試験合格後は「販売従事登録」を受ける(薬機法第36条の8第2項)。申請先は従事する薬局・店舗の所在地の都道府県知事
- 店舗管理者になるには管理者要件ⅰ〜ⅲのいずれかが必要:ⅰ 過去5年間で通算2年以上(月80時間以上)/ⅱ 過去5年間で通算1年以上(月160時間以上)+研修の修了/ⅲ 通算1年以上+管理者の経験(月の時間を満たさなくても合計1,920時間以上の例外あり)
- 要件を満たすまでは「研修中の登録販売者」として、研修中でない薬剤師・登録販売者の管理及び指導の下で従事
- 販売従事登録は一つの都道府県でしか受けられないが、登録した都道府県以外でも一般用医薬品の販売等に従事できる
- 「研修中」に決まった期間はなく、月80時間以上の月が24か月、または月160時間以上の月が12か月(追加的研修も必要)で、管理者要件に届く
- 継続的研修は毎年度12時間以上、追加的研修は6時間以上(実施要領)。オンライン研修も認められるが、集合研修と同等程度の理解度確認が必要
- 医薬品の販売に従事しようとするときに販売従事登録が必要。働いていない期間は従事期間に数えられない
- 手数料は都道府県の条例等で定められる→申請先の都道府県の案内で確認
試験対策の全体像は合格ガイド、合格率の実態は都道府県別の合格率をご覧ください。
※ 本記事は薬機法(医薬品医療機器等法)と厚生労働省の通知「登録販売者制度の取扱い等について」(PDF・最終確認日 2026-10-03)をもとに、合格ナビ編集部が作成したオリジナル解説です。申請書の様式・手数料・窓口は都道府県ごとに定められています。最新の情報は申請先の都道府県の案内でご確認ください。
関連記事
よくある質問
Q登録販売者試験に合格したら何をすればよいですか?
合格後、医薬品の販売・授与に従事するには「販売従事登録」を受けます(薬機法第36条の8第2項)。厚生労働省の通知によると、申請書は従事する薬局または店舗の所在地の都道府県知事(配置販売業は配置しようとする区域を含む都道府県の知事)に提出し、合格を証する書類、戸籍謄本等または本籍の記載のある住民票の写し等、雇用契約書の写しなどの使用関係を証する書類(申請者が薬局開設者・販売業者でないとき)などを添えます。手数料は都道府県の条例等で定められるため、申請先の都道府県の案内で確認してください。
Q「1,920時間」とは何の数字ですか?
厚生労働省の通知「登録販売者制度の取扱い等について」3(1)にある、店舗管理者の要件の時間の例外です。基本は、要件ⅰでは1か月80時間以上の月が通算2年(24か月)、要件ⅱでは1か月160時間以上の月が通算1年(12か月)で、どちらも掛け合わせると1,920時間(24×80=12×160)です。月の時間数が足りない月があっても、「月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算して1年以上又は2年以上あり、かつ、過去5年間において、合計1,920時間以上従事した場合」は、それぞれ通算1年以上・2年以上とみなして差し支えないとされています。1,920時間だけでは足りず、月数(1年以上または2年以上)の条件も満たす必要があります。
Q一人で第2類・第3類医薬品を販売するには実務経験が必要ですか?
はい。厚生労働省の通知は、店舗管理者になれる登録販売者を、①過去5年間のうち従事期間が通算2年以上(1か月80時間以上で1か月と数える)、②過去5年間のうち従事期間が通算1年以上(1か月160時間以上で1か月と数える)で、毎年度の研修と店舗の管理及び法令遵守についての研修を修了、③従事期間が通算1年以上で、過去に店舗管理者または区域管理者の経験がある、のいずれかに当てはまる人としています。どれにも当てはまらない間は「研修中の登録販売者」として、研修中でない薬剤師または登録販売者の管理及び指導の下で業務に従事します。
Q「研修中の登録販売者」とはどういう意味ですか?
厚生労働省の通知で、店舗管理者になれる要件(上の①〜③)のいずれにも当てはまらない登録販売者のことです。名札には「登録販売者(研修中)」のように研修中であることが分かる表記をし、店舗で勤務中の薬剤師または登録販売者(研修中の登録販売者を除く)の管理及び指導の下で業務に従事します。店舗管理者の代行者にもなれません。
Q販売従事登録はどこに申請しますか?
医薬品の販売または授与に従事する薬局または店舗の所在地の都道府県知事です(配置販売業は、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県の知事)。窓口や手数料は都道府県ごとに定められているため、申請先の都道府県の案内で確認してください。
Q複数の都道府県で働く場合はどうなりますか?
販売従事登録は一つの都道府県知事の登録しか受けられません。厚生労働省の通知は、二つ以上の都道府県で申請した者は「いずれか一つの都道府県知事の登録のみしか受けることができない」としたうえで、「販売従事登録を行った都道府県以外の都道府県においても、一般用医薬品の販売等に従事しても差し支えない」としています。別の都道府県の店舗で働く場合も、新たに登録を受け直す必要はありません。
Q実務経験はどうやって証明しますか?
厚生労働省の通知は、登録販売者の従事期間や管理者の経験は、勤務先の薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者が客観的な事実に基づいて責任を持って確認することとしています。店舗販売業者がその登録販売者を店舗管理者とする場合は、許可の申請や変更の届出の際に業務経験等を証明する書類を作成して添付します。書式は都道府県の案内で確認してください。
Q継続的研修は何時間で、eラーニングでも受けられますか?
厚生労働省の「登録販売者に対する研修の実施要領」は、薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者に対し、登録販売者に「毎年度、少なくとも計12時間以上、定期的かつ継続的に研修を受講させること」としています。形式は「対面形式の講義(集合研修)、遠隔講座、オンライン研修等のいずれの方法で実施しても差し支えない」とされ、オンライン研修等には e-ラーニングや通信講座が含まれます。ただし集合研修以外の方法では、集合研修と同等程度に受講者の理解度を確認できることが求められます。受講できる機関は、厚生労働省が公表する届出済みの研修実施機関の一覧で確認できます。
Q登録販売者の資格だけ取って、販売従事登録をしなくてもよいですか?
薬機法第36条の8第2項は、試験に合格した者であって「医薬品の販売又は授与に従事しようとするもの」に、都道府県知事の登録を受けることを求めています。したがって、医薬品の販売に従事しようとしない人は、条文上この登録を受ける対象に当たりませんが、医薬品の販売または授与に従事しようとするときには登録が必要です(第2類・第3類医薬品を販売できるのは薬剤師または登録販売者と定める第36条の9も参照)。従事期間は、実際に働いた期間を過去5年間のうちで数えるため、働いていない期間は店舗管理者の要件に数えられません。就職・転職の判断は、勤務先や申請先の都道府県の案内で確認してください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

