結論:登録販売者は受験資格なし・全5章120問の五肢択一で合格率は全国平均約43.7%(令和5年度)。難関は第3章(40問)の成分暗記で、各章の足切りをクリアすることが合格の鍵です。
登録販売者は、ドラッグストアなどで第2類・第3類医薬品を販売するために必要な公的資格です。2015年の薬機法改正で受験資格の制限が撤廃され、年齢・学歴・職歴を問わず誰でも受験できるようになりました。この記事では、試験の全体像・難易度・合格率・受験から合格後の登録まで、公式情報をもとに体系的に解説します。
登録販売者とはどんな資格ですか?
登録販売者は、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく公的資格です。薬剤師に次ぐ医薬品販売の専門資格として、ドラッグストア・薬局・コンビニ・スーパーマーケットなどで一般用医薬品の第2類・第3類を販売できます。
薬剤師との最大の違いは、第1類医薬品・要指導医薬品の販売ができない点です(これらは薬剤師のみ)。一方で、小売店で流通する医薬品の大半は第2・3類であるため、登録販売者がいれば薬剤師不在でも営業を継続できる場面が多く、業界での需要が高い資格です。
資格区分・一次ソース:医薬品医療機器等法(薬機法)第36条の8、厚生労働省「登録販売者試験」案内(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086634.html)
受験資格:誰でも受験できる
登録販売者試験には受験資格の制限がありません。年齢・学歴・国籍・実務経験の有無にかかわらず、誰でも受験できます。これは2015年4月の薬機法改正(旧薬事法)で実務経験1年以上の要件が撤廃された結果です。
ただし、合格後に単独で第2・3類を販売できる「管理者要件」を満たすには、直近5年間で通算2年以上(月80時間以上の従事)の実務・業務経験が必要です。試験合格イコール即独立販売ではなく、実務経験の積み上げが別途必要な点に注意してください。
受験料・申込先は都道府県により異なります。確認日:2026-06-07。出典:各都道府県薬務担当窓口(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086634.html)。受験料の目安は約13,000〜18,000円ですが、変動しますので受験予定の都道府県の公式発表を必ずご確認ください。
試験の形式と合格基準
試験は全5章・計120問の五肢択一式です。試験時間は約240分(午前・午後に分割される場合あり)。合格には次の2条件を両方満たすことが必要です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 全体基準 | 120問中おおむね7割(84問)以上 |
| 各章の足切り | 各章でおおむね3.5〜4割以上(都道府県・年度で異なる) |
合格基準の具体的な比率(全体の何割・各章の何割)は実施する都道府県・ブロックにより異なります。確認日:2026-06-07。出典:厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月版)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086634.html)。最新の合格基準は受験予定都道府県の公式案内でご確認ください。
この「全体+各章の両方」という二重構造が、合計点が高くても不合格になる原因です。得意な章で稼ぎながら、すべての章を一定割合以上キープする学習設計が必要です。
章別の出題数と特徴
本試験の章別出題数は固定されており、第3章が最多の40問です。
| 章 | タイトル | 出題数 |
|---|---|---|
| 第1章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 |
| 第2章 | 人体の働きと医薬品 | 20問 |
| 第3章 | 主な医薬品とその作用 | 40問 |
| 第4章 | 薬事関係法規・制度 | 20問 |
| 第5章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 |
| 合計 | 120問 |
章別の特徴と優先順位は次のとおりです。
第3章(40問):合格の最大の山場
第3章は全体の1/3を占め、成分名・薬効・副作用・禁忌の暗記量が最大です。かぜ薬・解熱鎮痛薬・胃腸薬・アレルギー薬・外用薬・漢方生薬まで幅広く、「成分名→薬効→副作用→禁忌」の4点セットで覚えることが鍵です。漢方では含有成分(マオウ・カンゾウ・ダイオウ)からのリスクが頻出です。第3章の問題を解く
第1章(20問):副作用と相互作用の理解
副作用のメカニズム・アレルギー・相互作用(飲み合わせ)と、小児・高齢者・妊婦への配慮が頻出です。「副作用のない医薬品はない」「アレルギーは少量でも重篤」という核心の考え方を理解すると失点を防げます。第1章の問題を解く
第2章(20問):解剖生理と薬物動態
臓器の構造・機能と、薬の吸収・分布・代謝・排泄(ADME)が二本柱です。「代謝は主に肝臓・排泄は主に腎臓」「初回通過効果」が典型の頻出論点です。第2章の問題を解く
第4章(20問):販売区分と登録販売者制度
要指導/第1〜3類の区分と「誰が販売できるか(薬剤師のみ/登録販売者も可)」「書面義務の有無」が最頻出です。登録販売者は第2・3類を販売でき、第1類・要指導は扱えない点が核心論点です。第4章の問題を解く
第5章(20問):添付文書と安全対策
添付文書の「してはいけないこと/相談すること」、PMDA・副作用報告制度、健康被害救済制度の対象範囲、薬害の歴史(サリドマイド・スモン・薬害エイズ等)が鉄板論点です。範囲が安定しており得点源にしやすい章です。第5章の問題を解く
合格率と難易度
合格率の数値は年度・都道府県により変動します。確認日:2026-06-07。出典:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086214.html)。令和5年度(2023年度)全国集計の目安は全国平均合格率 約43.7%・受験者 約5.2万人です。最新の確定値は厚生労働省の公式発表でご確認ください。
令和5年度の全国平均合格率は約43.7%です。ただしブロックによっては30%台の年もあれば60%台の年もあります。他の主要資格と難易度を比較すると、宅建(合格率約15〜17%)や行政書士(同約10〜15%)よりは易しく、国家資格全体では中程度の難易度です。
難易度のポイントは暗記量の多さ(特に第3章)と各章の足切り構造の2点です。合計点ではなく章ごとに合否が左右されるため、総合得点だけを追う学習は危険です。
受験から合格・登録までの流れ
登録販売者試験の受験から正式な登録販売者になるまでの一般的な流れを示します。
1. 受験申込:受験したい都道府県(または在住都道府県)の試験案内を確認し、申込書類を提出。受験料の支払い(目安:約13,000〜18,000円・都道府県による)
2. 試験受験:全5章120問・約240分
3. 合格発表:各都道府県が公式発表(試験から数週間〜1か月程度後)
4. 販売従事登録:合格後、勤務先の都道府県に「登録販売者名簿への登録(販売従事登録)」を申請
5. 登録証交付:都道府県から登録証が交付され、第2・3類医薬品の販売に従事できる
販売従事登録の申請窓口・必要書類は各都道府県により異なります。確認日:2026-06-07。出典:各都道府県薬務担当課(厚生労働省リンク集:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086634.html)。
勉強時間の目安と最短合格ルート
一般的な勉強時間の目安は300〜400時間です。医療・薬学の知識がある方はより短縮でき、1日3〜4時間で3か月程度が一つの目安です。完全ゼロ知識からの場合は4〜6か月を見込む方もいます。
最短合格ルートの基本戦略は次の3点です。
- 第3章を優先:全体の1/3を占め、ここで稼げるかどうかが合否を左右する
- 各章の足切りを先に意識:どの章も一定割合以上キープ。捨て章を作らない
- 問題演習で出題パターンを体に覚え込む:手引きの章節まで戻って根拠を理解する
詳しい勉強法・ロードマップは登録販売者 独学ロードマップで解説しています。過去問を使った攻略法は登録販売者 過去問対策も参照してください。
まとめ
- 登録販売者は受験資格なし・誰でも受験できる公的資格
- 試験は全5章120問の五肢択一・合格は全体7割+各章足切りの両方が必要
- 全国平均合格率は約43.7%(令和5年度・都道府県で30〜60%台の幅あり)
- 難関は第3章(40問)の成分暗記と各章の足切り
- 合格後は販売従事登録が別途必要(各都道府県に申請)
章別問題集で実力を測る / 独学ロードマップ / 第3章攻略ガイド
---
※ 本記事は厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月版)」および厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」をもとに、合格ナビ編集部が作成したオリジナル解説です。合格率等の数値は変動しますので、最新の情報は各都道府県・厚生労働省の公式発表でご確認ください。架空の監修者はいません。