問題
医薬品の重篤な副作用に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。
副作用の症状が軽く見えても、重篤な病態に進むことがあります。一般用医薬品では、副作用の兆候が現れたときは基本的に使用を中止し、必要に応じて医師、薬剤師などに相談するとされています。
アは誤りです。ショック(アナフィラキシー)は即時型のアレルギー反応で、発症後の進行が非常に速やか(通常、2時間以内に急変)です。イも誤りです。皮膚粘膜眼症候群は原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多く、1ヶ月以上経ってから起こることもある、というのが手引きの記述です。ウは誤りで、一般用医薬品でも重篤な副作用は起こりえます。エは誤りで、間質性肺炎は一過性に現れ自然と回復することもあり、直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止することが重要です。
各選択肢の解説:
- ア(誤): 手引きでは、ショック(アナフィラキシー)は「生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種」で、発症後の進行が非常に速やか(通常、2時間以内に急変する)とされています。「遅延型」「数日後に発症することが多い」は誤りです。以前にその医薬品で蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高いとされます。
- イ(誤): 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内に発症することが多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもあるとされています。発症時期が逆です。なお、皮膚粘膜眼症候群は38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態です。
- ウ(誤): 厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」が対象とする重篤副作用疾患の中には、一般用医薬品によって発生する副作用も含まれています。手引きは肝機能障害の項で、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性による中毒性のものと、抗原抗体反応によるアレルギー性のものに大別しています。アルコールによりアセトアミノフェンによる肝機能障害も起こりやすくなるとされています。
- エ(誤): 間質性肺炎は「症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行することがある」とされ、重篤な病態への進行を防止するため、直ちに原因と考えられる医薬品の使用を中止して速やかに医師の診療を受ける必要があります。
- オ(正): 一般用医薬品では、副作用の兆候が現れたときには基本的に使用を中止することとされており、必要に応じて医師、薬剤師などに相談がなされるべきとされています。薬疹でも、発熱を伴って眼や口腔粘膜に異常が現れた場合は、急速に皮膚粘膜眼症候群等の重篤な病態へ進行することがあります。
【手引き第2章Ⅲ「症状からみた主な副作用」の要点】
手引きは、重篤な副作用は発生頻度が低いものの、早期発見・早期対応のために専門家が症状の知識を身に付けることが重要とし、厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(一般用医薬品による副作用も対象に含む)を積極的に活用することが望ましいとしています。一般用医薬品による副作用は、長期連用のほか、不適切な併用や医薬品服用時のアルコール飲用等が原因で起きる場合があります。
1. ショック(アナフィラキシー)
- 生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種。以前にその医薬品で蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人で起きる可能性が高い
- 顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、蕁麻疹、口唇や舌・手足のしびれ感、むくみ、吐きけ、顔面蒼白、手足の冷感、冷や汗、息苦しさ・胸苦しさなど複数の症状
- 発症後の進行が非常に速やか(通常、2時間以内に急変)。直ちに救急救命処置が可能な医療機関を受診する必要がある
2. 皮膚粘膜眼症候群(SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)
| 項目 | SJS | TEN(ライエル症候群) |
|---|---|---|
| 病態 | 38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる | 38℃以上の高熱を伴って広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等。口唇の発赤・びらん、眼の充血等を伴う |
| 発生頻度 | 人口100万人当たり年間1〜6人 | 人口100万人当たり年間0.4〜1.2人 |
| 発症時期 | いずれも原因医薬品の使用開始後2週間以内が多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある | 同左 |
TENの症例の多くはSJSの進展型とみられます。38℃以上の高熱、目の充血・目やに、口唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、喉の痛み、広範囲の皮膚の発赤等が持続・急激に悪化する場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止して直ちに皮膚科の専門医を受診します。両眼の急性結膜炎は、皮膚や粘膜の変化とほぼ同時期又は半日〜1日程度先行して生じることが知られています。
3. 肝機能障害
- 直接的肝毒性による中毒性のものと、抗原抗体反応によるアレルギー性のものに大別される
- 軽度では自覚症状がなく、血液検査で初めて判明することが多い。主な症状は全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等
- 疑われた時点で原因と考えられる医薬品の使用を中止し、医師の診療を受けることが重要
4. 間質性肺炎
- 息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳、発熱等。必ずしも発熱は伴わない。一般的に使用開始から1〜2週間程度で起きることが多い
- 一過性に現れ自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症に移行することがある
- 手引き第5章では、2003年5月までに一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が計26例報告されたことも取り上げられている
【副作用が疑われるときの対応】
1. 兆候が現れたら基本的に使用を中止し、必要に応じて医師、薬剤師などに相談
2. 受診を勧める際は、当該一般用医薬品の添付文書等を見せて説明するなどの対応が望ましい
3. 薬剤師、登録販売者その他の医薬関係者は、副作用等によると疑われる疾病等の発生を知った場合に、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に報告しなければならない(薬機法第68条の10第2項)
【試験での位置づけ】
「ショック(アナフィラキシー)=即時型・通常2時間以内に急変」「SJS・TEN=38℃以上の高熱・使用開始後2週間以内が多い」「間質性肺炎は自然と回復することもあるが、直ちに使用中止」「副作用の兆候が出たら基本的に使用中止」は、手引きの数字・言い回しのまま問われやすいポイントです。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章Ⅲ
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第68条の10e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章Ⅲ「症状からみた主な副作用」-1-1)〜3)、3-2)・第1章Ⅱ-1)「副作用」・第3章Ⅰ-2-3)「相互作用、受診勧奨」(解熱鎮痛薬)・第5章Ⅳ「一般用医薬品に関する主な安全対策」/医薬品医療機器等法第68条の10第2項 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

