第2章 人体の働きと医薬品8人体の働きと医薬品

登録販売者 第2章 人体の働きと医薬品 問8:人体の働きと医薬品

医薬品の重篤な副作用に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • アナフィラキシーショックは、主にT細胞が介在する遅延型(IV型)アレルギー反応であり、薬物の服用から数日後に発症することが多い。
  • スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)は、皮膚・粘膜に水疱・びらんが生じる重篤な薬疹で、高熱を伴うことが多く、眼・口腔・外陰部の粘膜も侵される。
  • 薬物性肝障害は、OTC医薬品ではほとんど起こらない副作用であり、処方薬に限った問題である。
  • 間質性肺炎(薬剤性肺炎)では、発熱・から咳・呼吸困難等の症状が現れ、原因薬の服用を中止しても改善しない場合がほとんどである。
  • 副作用症状が現れた場合、症状が軽い(発疹が少ない・かゆみが軽い等)と思われる場合でも、原因が疑われる医薬品の使用を中止し、医療機関に相談することが望ましい。正答
正答:副作用症状が現れた場合、症状が軽い(発疹が少ない・かゆみが軽い等)と思われる場合でも、原因が疑われる医薬品の使用を中止し、医療機関に相談することが望ましい。

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正答はオです。

副作用の症状が軽く見えても、医薬品の使用を続けることで重篤化するリスクがあります。「症状が軽いから様子見」で放置することは危険で、原因と疑われる医薬品の中止と医療機関への相談が正しい対応です。

アは誤りです。アナフィラキシーショックはI型(IgE介在・即時型)アレルギーで、服用から数分〜数十分以内に起こります。遅延型(IV型・T細胞介在型)ではありません。ウは誤りで、アセトアミノフェン等を含むOTC薬でも薬物性肝障害が起こりえます。エは誤りで、薬剤性間質性肺炎は原因薬を中止することで改善する場合があります(早期発見・中止が鍵)。イは正しく、SJSの重篤な皮膚・粘膜症状を正確に述べています。

標準試験対策の基準レベル

各選択肢の解説:

  • ア(誤): アナフィラキシーショックはI型アレルギー(IgE介在型・即時型過敏反応)です。感作が成立した個体に薬物(または食品・昆虫毒等の抗原)が再曝露されると、マスト細胞・好塩基球からヒスタミン・ロイコトリエン等が大量放出されます。症状は通常30分以内(多くは数分以内)に出現します。「数日後・遅延型・T細胞介在」は誤りで、遅延型はIV型アレルギー(接触性皮膚炎・SJSの一部)です。
  • イ(正): スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)は薬物・感染症等を原因とする重篤な皮膚粘膜眼症候群(SCAR: Severe Cutaneous Adverse Reaction)です。全身の皮膚・粘膜(目・口・鼻・外陰部)に水疱・びらんが生じ、高熱(38℃以上)・全身倦怠感・眼の充血(眼球結膜への影響)を伴います。致命的になりうる副作用の1つです。
  • ウ(誤): OTC医薬品でも薬物性肝障害が発生します。特にアセトアミノフェン(パラセタモール)は過剰服用・アルコール常用者での肝毒性が問題となります。また、一部の漢方薬(小柴胡湯等)・健康食品・サプリメントでも肝障害が報告されています。「OTCではほとんど起こらない」は誤りです。
  • エ(誤): 薬剤性間質性肺炎(薬物誘発性肺炎)は、原因薬の中止により改善することがあります。特に初期(線維化が始まる前)に診断・中止できれば改善が期待できます。「中止しても改善しない場合がほとんど」は誤りで、早期発見・早期中止が予後改善の鍵です。
  • オ(正): 副作用は初期症状が軽微でも急速に悪化することがあります(SJSでも初期は「ただの発疹」に見える場合がある)。登録販売者の立場からは「副作用の疑いがある場合は使用を中止させ、医療機関への受診を勧める」ことが適切な対応です。「様子を見て続ける」は不適切です。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【重篤な副作用の早期発見と対応:登録販売者の責任範囲】

重篤な副作用は生命に関わる事態を引き起こしえます。登録販売者は以下の重篤副作用の初期症状を理解し、顧客に正確に伝える責任があります。

1. アナフィラキシーショック(最重篤・緊急対応必要)

  • 機序: I型アレルギー(IgE介在型)。感作→再曝露→マスト細胞脱顆粒(ヒスタミン・ロイコトリエン・プロスタグランジン等の大量放出)→全身症状。
  • 初期症状(発症から数分以内):

- 皮膚:蕁麻疹・潮紅・かゆみ・血管性浮腫(顔面・唇・喉の腫れ)

- 呼吸器:喘鳴・咳・息苦しさ・声のかすれ(喉頭浮腫)

- 消化器:嘔吐・腹痛・下痢

- 循環器:血圧低下・頻脈・顔面蒼白・意識障害

  • 治療: アドレナリン(エピネフリン)の筋肉注射が第一選択。抗ヒスタミン薬・ステロイドは補助療法のみ。
  • 登録販売者の対応: アナフィラキシーが疑われる場合は即座に医療機関への搬送・119番通報。

2. スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)

SJSとTENは同一スペクトラムの疾患で、皮膚表面積への影響が異なります:

  • SJS:表皮剥離面積が体表面積の10%未満
  • TEN(Lyell症候群):表皮剥離面積が体表面積の30%超(致命的・死亡率25〜50%)

主な原因薬(OTC関連を含む):

  • スルホンアミド系薬物・フェニトイン(処方薬)
  • アロプリノール(処方薬)
  • NSAIDs(イブプロフェン等・OTCを含む)
  • 感染症(マイコプラズマ等)も原因

初期症状の特徴:

  • 高熱(38〜39℃以上)・全身倦怠感
  • 目の充血・痛み・眩しさ(結膜炎症状)
  • 口唇・口腔粘膜のびらん・水疱(食事困難)
  • 皮膚の「燃えるような痛み」(後に水疱形成)

SJSの発症から48〜72時間で急速に進行するため、早期認識・早期入院が生命を左右します。

3. 薬物性肝障害

  • 機序: 直接毒性型(アセトアミノフェン過量)・代謝的特異体質型(免疫介在型または代謝異常型)
  • 症状: 倦怠感・食欲不振・黄疸・右季肋部の不快感・尿の濃染
  • OTCリスク成分: アセトアミノフェン(過剰量・アルコール常用者で特に危険)・一部の生薬・漢方薬
  • 早期発見の指標: 肝機能検査(AST・ALT上昇)→OTC薬の長期使用者でかかりつけ医への定期受診を促す

4. 間質性肺炎(薬剤性)

  • 機序: 免疫介在性(過敏性肺炎型)または直接毒性型
  • 症状: 空咳(から咳)・息切れ・発熱・呼吸困難(活動後に悪化)
  • OTC関連: アセトアミノフェン含有薬・NSAIDs・漢方薬(小柴胡湯が有名だが処方薬として)
  • 対応: 原因薬の中止が最重要。早期であれば改善が期待できる。

5. 消化管副作用(NSAIDsの胃腸障害)

NSAIDs(イブプロフェン・ロキソプロフェン等)は胃粘膜のプロスタグランジン合成を阻害→粘液産生低下・酸分泌相対的増加→胃潰瘍・十二指腸潰瘍リスク。

【副作用症状発現時の登録販売者の対応フロー】

1. 疑われる医薬品の使用を即座に中止するよう指示

2. 症状の程度・出現時期・使用した薬物を確認・記録

3. 軽症(軽い発疹・かゆみ)でも医療機関への受診を勧奨

4. アナフィラキシー疑いは即時119番通報を指示

5. 薬機法第68条の10に基づく副作用報告(登録販売者にも義務あり)

【試験での位置づけ】

「アナフィラキシー=I型・即時型(数分以内)」「SJS=高熱+皮膚粘膜の水疱・びらん」「OTCでも薬物性肝障害は起こる(アセトアミノフェン)」「副作用は軽症でも使用中止・受診勧奨」の4点は試験頻出かつ実務の核心です。SJSの具体的な症状(眼・口腔粘膜の障害)と初期認識の重要性は深く理解しておくことが求められます。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章第7節

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 重篤副作用を手引き・標準医学と突合。①副作用は初期が軽微でも急速悪化しうるため、疑い時は使用中止・受診勧奨が原則で、設問オは正しく正答オは一意に確定。②設問ア「アナフィラキシー=IV型遅延型・数日後」は誤り(正しくはI型・即時型で数分〜数十分)、ウ「OTCでは薬物性肝障害はほぼ起こらない」は誤り(アセトアミノフェン等で発生)、エ「間質性肺炎は中止しても改善しない」は誤り(早期中止で改善しうる)。③設問イのSJS(皮膚・粘膜の水疱/びらん・高熱・眼粘膜障害)は正確。④SJS/TENの体表面積区分(10%未満/30%超)・アドレナリン筋注第一選択は標準医学的記載で教育的補足だが正確、正答判定に影響なし。設問・正答の事実誤りなし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章 第7節「薬の副作用」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

薬の重篤な副作用・アナフィラキシーショック・スティーブンス・ジョンソン症候群頻出度A

第2章 人体の働きと医薬品の他の問題

1
人体の働きと医薬品
2
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3
人体の働きと医薬品
4
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5
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6
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