登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問2:薬事関係法規・制度
医薬品の添付文書に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア添付文書の「してはいけないこと」の欄に記載された事項は、守らないと副作用が生じたり、症状が悪化したりするおそれがある重要事項である。
- イ添付文書は医薬品の製造販売業者が作成し、承認内容に基づいて記載するものであるが、一度作成されれば新たな安全性情報が出ても改訂されることはない。正答
- ウ添付文書の記載事項には、用法・用量、効能・効果、使用上の注意のほか、成分・分量や使用期限なども含まれる。
- エ登録販売者は、医薬品の販売に際して添付文書の内容を確認し、必要に応じて購入者に情報提供を行う責任を担っている。
- オ「相談すること」の欄は、特定の状態にある人(持病・服用薬・年齢等)が購入・使用する前に、医師・薬剤師等に相談することが望ましい事項を記載している。
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正答はイ(誤っているもの)です。
添付文書は新しい安全性情報(副作用の新たな発見等)が出た場合には改訂されます。「改訂されることはない」という記述は誤りです。添付文書は常に最新版を参照することが重要で、購入時点の添付文書が最新かどうかも確認の対象です。
ア・ウ・エ・オはすべて正しい記述です。特に「してはいけないこと(禁忌)」は絶対守るべき最重要事項で、「相談すること」は持病・服用薬・年齢等の個別事情で医療専門家への確認が必要な事項です。この2つの欄の違いを正確に理解することが第5章・第4章の頻出論点です。
添付文書の「してはいけないこと」と「相談すること」の違い(最頻出):
| 欄 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| してはいけないこと | 禁忌事項(守らないと副作用・症状悪化リスク大) | 絶対禁止(服用しない・使用しない) |
| 相談すること | 使用前に医師等に相談すべき状態 | 条件付き注意(確認後に使用可能な場合あり) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 「してはいけないこと」は添付文書の中で最も重要な欄の一つです。例えば「次の人は使用しないこと」(年齢・持病・アレルギーの禁忌)・「次の部位には使用しないこと」・「服用後は車の運転・機械の操作をしないこと」などが含まれます。違反した場合に重篤な副作用が出るリスクがあるため、強制力を持って守るべき事項です。
- イ(誤・正答): 添付文書は安全性情報の更新のたびに改訂されます。重要な副作用の発見・使用実績の蓄積・法令改正等によって頻繁に改訂が行われます。薬機法第52条に基づき、添付文書の記載内容は承認取得後も最新情報を反映する義務があります。販売者は「改訂履歴」を確認し、常に最新版を参照する責任があります。「一度作成されれば改訂されることはない」は完全に誤りです。
- ウ(正): 薬機法第52条に規定する添付文書の記載事項は、用法・用量、効能・効果、使用上の注意のほか、成分・分量・添加物、使用期限、保管条件(保存方法)、製造番号・製造記号、製造販売業者の名称・所在地等を含みます。
- エ(正): 登録販売者は医薬品の適切な使用のための情報提供者であり、販売時に添付文書の内容(用法・用量・禁忌等)を確認し、購入者の状況(年齢・持病・服用薬)に応じた情報提供を行う専門職としての責任を担います。
- オ(正): 「相談すること」の欄には、例えば「次の人は服用前に医師・薬剤師・登録販売者に相談すること」として、①高齢者、②特定の持病(高血圧・糖尿病・心臓病・腎臓病・肝臓病等)の人、③妊婦・授乳婦、④他の薬を服用している人、⑤薬によるアレルギー経験がある人等が列挙されています。「してはいけないこと(禁忌)」と異なり、相談の上で使用が認められる場合もある柔軟な対応を示す欄です。
【添付文書の法的根拠と改訂義務の体系】
添付文書(package insert)は薬機法第52条に基づき、医薬品の製造販売業者が医薬品に添付する義務があります。第52条には「次に掲げる事項を記載した文書を添付しなければならない」と規定されており、主な記載義務事項は:
1. 用法及び用量
2. 使用上の注意
3. 日本薬局方に収められているもの(局方品)については、その旨
4. 成分及び分量(有効成分・添加物)
5. 製造番号または製造記号
6. 製造販売業者の氏名または名称および住所
さらに第52条の2では、電子的記録媒体による添付文書の提供(医療用医薬品での電子化)も規定されています。
添付文書の改訂義務: 製造販売業者は副作用の新たな発見・承認内容の変更・安全性情報の更新等に応じて添付文書(医療用は注意事項等情報)を最新の知見に基づき改訂する義務があります(薬機法上、最新の論文その他により得られた知見に基づく記載が求められ、重要な改訂時は使用上の注意改訂指示が出されます)。改訂の際は改訂日・改訂番号を明記し、主な改訂内容を記録します。PMDAのホームページでは最新の添付文書が公開されており、販売者・使用者が確認できます。
【「してはいけないこと」の体系的分類】
添付文書の「使用上の注意」は大きく3つのカテゴリーに分類されます:
| カテゴリー | 内容 | 強制力 |
|---|---|---|
| してはいけないこと | 禁忌(contraindication) | 絶対禁止(守らないと重篤な副作用) |
| 相談すること | 要注意(precaution) | 条件付き(相談後に可の場合あり) |
| その他の使用注意 | 用法・用量・保管等 | 適正使用のための指示 |
「してはいけないこと」の具体例:
- 「次の人は使用しないこと」→ アスピリンは「15歳未満の小児」、コデイン類含有薬は「12歳未満の小児」(2019年7月の添付文書改訂で禁忌)、イブプロフェンは「出産予定日12週以内の妊婦」等
- 「次の症状がある人は使用しないこと」→ 重篤な肝・腎・心疾患の人等
- 「服用後は車の運転・機械の操作をしないこと」→ 眠気を催す成分(抗ヒスタミン薬・コデイン等)
- 「長期連続して使用しないこと」→ ステロイド外用薬・刺激性瀉下薬等
「相談すること」の具体例:
- 「医師の治療を受けている人」→ 相互作用・病状への影響を確認
- 「高齢者」→ 個体差が大きく標準用量で過量になりうる
- 「妊婦又は妊娠していると思われる人」→ 胎児への影響を確認
【添付文書改訂の実務的意義と登録販売者の責務】
添付文書は医薬品の発売後も継続して改訂されます。代表的な改訂のきっかけ:
1. 副作用報告の蓄積: 販売後に新たな副作用(特に稀少・重篤なもの)が報告された場合
2. 使用実態の変化: 想定外の使用方法(例: 長期使用・高用量使用)での副作用発現
3. 法令改正: 薬機法改正・施行規則の改正による記載義務の変更
4. 新たなエビデンス: 製造販売後臨床試験・疫学研究の結果による安全性評価の更新
登録販売者の実務上の責務として、店頭に置く医薬品の添付文書が最新版かどうかを定期的に確認する必要があります。PMDAの添付文書データベース(https://www.pmda.go.jp/)では随時最新版が公開されています。旧版の添付文書を参照して購入者に情報提供を行うことは、最新の安全性情報を伝えられないリスクがあります。
【添付文書と医薬品情報の位置づけ】
手引き第5章が扱う「適正使用情報」のうち、添付文書は使用者への直接情報の核心です。添付文書以外の情報ツール:
- 医薬品医療機器情報提供ホームページ(PMDA): 最新添付文書・副作用報告・リコール情報
- 医薬品・医療機器等安全性情報(厚労省月報): 新規の副作用情報・使用上の注意改訂指示
- 緊急安全性情報(ドクターレター): 重大な安全性問題が生じた際の緊急通達
- 安全性速報(ブルーレター): 緊急安全性情報に準じる迅速な情報提供
これらを日常的に確認し、店頭での情報提供に生かすことが登録販売者のプロフェッショナルとしての責務です。
【根拠】薬機法第52条(添付文書等記載事項)・第52条の2(注意事項等情報の公表)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章第1節
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 致命的誤りなし。正答イ「添付文書は新情報が出ても改訂されない」は誤り(=正答)で正答一意。「してはいけないこと(禁忌)=絶対遵守」「相談すること=条件付き(相談後に使用可の場合あり)」の区別は手引き第5章と一致。添付文書の改訂義務(最新の知見に基づく記載)も正しい。【修正2点】①改訂義務の根拠条文を断定的な「第63条の2」から手引き準拠の表現に変更(令和3年薬機法改正で医療用は電子化・注意事項等情報=第52条の2に再編されており、改訂義務の条番号の単純断定はリスクのため回避)。②advanced内のイブプロフェン例示を「妊娠後期の女性」→「出産予定日12週以内の妊婦」、コデインを「12歳未満の小児(2019年改訂で禁忌)」に統一(ch3_01・PMDAと整合)。緊急安全性情報(イエローレター)/安全性速報(ブルーレター)の記述は手引き第5章と一致・正。YMYL致命点なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法第52条(添付文書の記載事項)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第1節「医薬品の適正使用情報」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。