登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問5:薬事関係法規・制度
薬局・店舗販売業・配置販売業に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア薬局は都道府県知事(または保健所を設置する市の市長・特別区の区長)の許可を受けなければ開設できず、管理者は原則として薬剤師でなければならない。
- イ店舗販売業において、第1類医薬品を販売するためには、その店舗に薬剤師が在籍していることが必要である。
- ウ配置販売業者は、要指導医薬品および第1類医薬品を配置・販売することができる。正答
- エ店舗販売業の管理者は、薬剤師または一定の実務経験を有する登録販売者がなることができる。
- オ配置販売業の許可は都道府県知事が与えるが、配置販売業者が複数の都道府県で販売活動を行う場合は、その区域を管轄する都道府県知事の許可がそれぞれ必要となる。
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正答はウ(誤っているもの)です。
配置販売業者は要指導医薬品および第1類医薬品を配置・販売することができません。配置販売業は第2類医薬品と第3類医薬品のみ扱うことができます。要指導・第1類は対面での情報提供・書面交付が義務であるため、訪問販売形態の配置販売業には認められていません。
アは正しく、薬局の開設には都道府県知事等の許可が必要で、管理者は原則薬剤師です。イは正しく、店舗で第1類を販売するには薬剤師の在籍が必要です。エは正しく、店舗販売業の管理者は薬剤師または条件を満たす登録販売者がなれます。オも正しく、都道府県ごとに許可が必要です。
薬局・店舗販売業・配置販売業の比較(頻出):
| 区分 | 許可権者 | 管理者 | 取扱可能品目 |
|---|---|---|---|
| 薬局 | 都道府県知事等 | 薬剤師(必須) | 処方箋医薬品・要指導・第1〜3類・医薬部外品等 |
| 店舗販売業 | 都道府県知事等 | 薬剤師または条件付き登録販売者 | 要指導・第1〜3類(調剤不可) |
| 配置販売業 | 都道府県知事 | 薬剤師または条件付き登録販売者 | 第2類・第3類のみ(要指導・第1類は不可) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 薬局は薬機法第4条に基づき、都道府県知事(または保健所設置市の市長・特別区の区長)の許可が必要です。管理者は薬局開設者自身が薬剤師の場合はその者が管理者になれますが、原則として薬剤師でなければなりません(薬機法第7条)。
- イ(正): 第1類医薬品の販売は薬剤師のみが行えます(薬機法第36条の9第1項)。したがって第1類を扱う店舗には薬剤師が在籍(かつ販売時に対応できること)が必須です。登録販売者だけが在籍する店舗は第2類・第3類のみ販売可能です。
- ウ(誤・正答): 配置販売業(薬機法第30条〜第33条)は、顧客宅に医薬品を事前に配置して使用後に購入代金を受け取る「先用後利」の販売形態です。対面での継続的な情報提供・書面交付が困難な形態のため、要指導医薬品および第1類医薬品は取り扱うことができません。販売できるのは第2類・第3類医薬品のみです(薬機法第31条)。
- エ(正): 店舗販売業の管理者になれるのは薬剤師のほか、一定の実務経験(過去5年間に2年以上の実務経験等)を有する登録販売者です(薬機法第28条第2項・施行規則の要件)。ただし第1類医薬品を取り扱う店舗では薬剤師が必要です。
- オ(正): 配置販売業の許可(薬機法第30条)は都道府県知事が与えます。異なる都道府県で配置販売を行う場合は、それぞれの都道府県知事の許可が必要です。
【医薬品販売業の許可体系と薬局との相違点】
薬機法は医薬品の販売形態に応じて複数の許可業態を規定しており、それぞれに管理者要件・取扱品目・販売方法の規制が異なります。
販売業態の全体像:
```
薬局(薬機法第4条)
→ 調剤+OTC販売。処方箋医薬品を含む全医薬品を取扱可能
→ 管理者: 薬剤師
店舗販売業(薬機法第26条)
→ OTC販売専門(調剤不可)。要指導・第1〜3類を取扱可能
→ 管理者: 薬剤師または条件付き登録販売者
配置販売業(薬機法第30条)
→ 先用後利形態。第2類・第3類のみ
→ 管理者: 薬剤師または条件付き登録販売者
卸売販売業(薬機法第34条)
→ 業者間取引専門(一般消費者への直接販売不可)
```
【薬局と店舗販売業の実質的な違い】
試験でよく問われる薬局と店舗販売業の違い:
| 相違点 | 薬局 | 店舗販売業 |
|---|---|---|
| 調剤 | 可(薬剤師による) | 不可 |
| 処方箋医薬品 | 取扱可 | 取扱不可 |
| 管理者資格 | 薬剤師必須 | 薬剤師または条件付き登録販売者可 |
| 開設許可 | 都道府県知事等 | 都道府県知事等 |
この違いは実務・試験双方で重要です。「薬局の管理者は必ず薬剤師」「店舗販売業の管理者は一定条件の登録販売者でも可」という対比を押さえてください。
【配置販売業の規制の詳細と「先用後利」の特性】
配置販売業(「置き薬」「配置薬」とも呼ばれる)は、江戸時代から続く日本独自の販売形態です。業者が顧客宅に医薬品を事前に置いておき(配置)、次回訪問時に使用した分の代金を受け取ります。
この形態の特性から以下の規制があります:
1. 取扱品目の制限: 第2類・第3類のみ(要指導・第1類は不可)
- 理由: 要指導・第1類は販売時の対面情報提供・書面交付が義務。配置形態では販売時(使用後の代金受取時)ではなく配置時に説明するため、継続的な対面義務の確保が困難
2. 区域管理者制度: 配置販売業には「区域管理者」を置く義務(薬機法第31条の2)
- 区域管理者は薬剤師または条件付き登録販売者
3. 緊急配置: 緊急時に使用できるよう事前に配置する特性から、配置後の安全管理が重要
【管理者要件の詳細:「条件付き登録販売者」とは】
店舗販売業・配置販売業の管理者となる登録販売者には実務経験要件があります(薬機法施行規則):
- 基本要件: 過去5年間に通算2年(1,920時間)以上の医薬品の販売業務(第2類・第3類の販売に従事)の実務経験
- 実務経験が不足している(または研修中の)登録販売者は管理者にはなれず、管理者(薬剤師または経験ある登録販売者)の管理下でのみ販売従事可能
この実務経験要件は試験でも出題される重要な制度です。「合格したら即座に独立して管理者になれる」わけではなく、一定期間の実務経験が必要という点を理解してください。
【特定販売(インターネット販売)における店舗販売業の位置づけ】
令和7年改正(令和8年5月1日施行)により、従来対面義務があった要指導医薬品についても、薬剤師によるオンライン服薬指導を行えば特定販売(インターネット・電話等による販売)が可能となりました(特定要指導医薬品を除く)。この改正により店舗販売業の特定販売の対象品目が拡大されましたが、管理者・薬剤師在籍要件などの基本構造に変更はありません。
第1類医薬品の特定販売(インターネット販売)はすでに認められていますが、薬剤師によるリアルタイムの情報提供義務が課されます。
【根拠】薬機法第4条(薬局開設許可)・第7条(薬局管理者)・第26条(店舗販売業許可)・第28条(店舗の管理・第2項で管理者資格)・第30条(配置販売業許可)・第31条(配置販売品目=厚生労働大臣の定める基準=経年変化しにくいもの=実質第2類・第3類)・第31条の2(区域管理者)・第36条の9(一般用医薬品の販売従事者)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 主要条番号はe-Gov現行薬機法と一致=第4条(薬局開設)/第7条(薬局管理者)/第26条(店舗販売業許可)/第30条(配置販売業許可)/第36条の9(販売従事者・第1類=薬剤師,第2/3類=薬剤師又は登録販売者)。【修正】店舗管理者の根拠を第27条→第28条第2項に訂正(第27条はe-Govでは「店舗販売品目」。店舗の管理者資格は第28条第2項)。配置販売業の取扱品目制限は第31条「配置販売品目」(厚生労働大臣の定める基準=経年変化しにくいもの=要指導・第1類は不可)、区域管理は第31条の2=問題文の論旨と一致。正答ウ(配置販売業は要指導・第1類不可)は一意で妥当。令和7年改正で配置販売業の取扱品目区分自体に変更なし -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法第4条(薬局の開設許可)・第26条(店舗販売業の許可)・第30条(配置販売業の許可)・第36条の9(一般用医薬品の販売従事者)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。