問題
図1 のような単相3 線式回路を,図2 のような単相2 線式回路に変更した場合,配線の電力損失はどうなるか。ただし,負荷電圧は100 V 一定で,負荷A,負荷B はともに消費電力1 kW の抵抗負荷で,電線の抵抗は1 線当たり0.1 Ωとする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
電線で失われる電力(損失)は「電流の2乗×電線の抵抗」で決まります。図1の単相3線式では、負荷A・Bが同じ大きさ(各1 kW、100 V)なので、外側の2本にそれぞれ10 A が流れ、中性線の電流は0 A です。損失は 10²×0.1×2=20 W です。図2の単相2線式では、2台の負荷が並列になって合計20 A が2本の電線を流れ、損失は 20²×0.1×2=80 W です。80÷20=4 なので、4倍になります。正答は(エ)。
電線1線あたりの抵抗は 0.1 Ω、電力損失は P=I²R で求めます。
【図1:単相3線式】各負荷は 1 kW、100 V なので、電流は 1000÷100=10 A です。負荷A・Bが同じ大きさ(平衡)なので、中性線に流れる電流は 0 A で、損失は外側の2本分だけです。P₁=10²×0.1+10²×0.1=20 W。
【図2:単相2線式】負荷A・Bは100 V の電源に並列につながるので、電線を流れる電流は 10 A+10 A=20 A です。往きと帰りの2本で、P₂=20²×0.1×2=80 W。
【比較】P₂÷P₁=80÷20=4。損失は4倍になります。電流が2倍になると損失は 2²=4倍になる、と考えても同じ結果です。
選択肢の 1/4 倍や 1/2 倍は、損失が減る方向の誤りで、2倍は電流の2乗を忘れた誤りです。正答は(エ)です。
本問は、単相3線式が単相2線式に比べて配線の損失を減らせる理由を、数値で確かめる問題です。
【計算の整理】
図1(単相3線式):負荷A・Bが同じ大きさなので、中性線の電流は 0 A です。外側の2本は各 10 A。
損失 P₁=10²×0.1×2+0²×0.1=20 W
図2(単相2線式):2台の負荷(合計2 kW)が100 V に並列につながり、電流は 2000÷100=20 A。往き・帰りの2本に各 20 A。
損失 P₂=20²×0.1×2=80 W
倍率=P₂÷P₁=4 となり、選択肢は「4倍になる」です。
【なぜ4倍になるのか】損失は電流の2乗に比例します。3線式では、平衡負荷の電流が中性線で打ち消し合って、外側の電線を流れる電流が 10 A に抑えられます。2線式にすると同じ電力でも電線を流れる電流が2倍(20 A)になり、損失は 2²=4倍です。同じ負荷に同じ電圧で電力を送るとき、電流が小さい方が電線の損失も電圧降下も小さくなります。
【3線式を使う意味】単相3線式は、100 V の機器と200 V の機器を使い分けられるうえ、負荷が平衡していれば電線の損失や電圧降下を小さくできます。ただし負荷が不平衡だと、中性線に差の電流が流れ、その分だけ損失や電圧降下が増えます。また、中性線が断線すると負荷に加わる電圧が不均等になり、機器を傷めるおそれがあります。
【考え方のコツ】「損失は I²R」「比較の問題では、電線の抵抗や電圧など同じ量は計算から消える」という二点を押さえ、両方の回路の電流と電線の本数(損失を生じる電線)だけを数えれば、短時間で倍率が出せます。正答は(エ)です。
出典と作り方
本問は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去の試験問題です(同センターの公式FAQにより教育目的での利用は許諾・使用料不要。図・写真も同センターの公表問題から掲載)。解説は合格ナビが作成しています。 根拠・出典:出典:令和6年度下期 第二種電気工事士 学科試験 問7(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、段差のある3段階の解説を作成しています。



