衛生管理者

衛生管理者 第一種と第二種の違いどちらを受けるべき?

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この記事でわかること

衛生管理者の第一種と第二種の違いを、選任できる業種・試験構成・難易度から徹底比較します。情報通信業・金融業は第二種でよいのか、製造業・建設業なら第一種が必要なのか、業種ごとの判断基準を明確に解説します。

目次
  1. 第一衛生管理者(第一種衛生管理者)とは
  2. 第一種衛生管理者でできること:選任できる業種
  3. 業種名の読み方:「医療業」「清掃業」などの言葉で迷うとき
  4. 選任の人数・専属・専任:第一種を持っていてもそろえる条件
  5. 第一種と第二種の試験構成の比較
  6. 第一種の受験資格:学歴と実務経験
  7. 合格率で見る第一種と第二種
  8. 第一種を選んだ方がよいケース
  9. 科目・試験内容の差:有害業務に係る範囲とは
  10. 第二種から第一種へのステップアップ
  11. まとめ
結論:第一種衛生管理者(検索では「第一衛生管理者」とも略されます)は、すべての業種の事業場で衛生管理者になれる免許です。第二種は、情報通信業・金融保険業・卸売小売業など、有害業務と関連の少ない業種に限られます(安全衛生技術試験協会)。製造業・建設業・運送業・医療業などの事業場では第一種(または衛生工学)免許が要るため、職場の業種で選びます。迷う場合は第一種が確実です。
項目第一種衛生管理者第二種衛生管理者
衛生管理者になれる業種すべての業種規則7条1項3号イの業種(製造業・建設業など)を除く業種
出題数(配点)44問(400点)30問(300点)
試験時間3時間3時間
合格基準科目・範囲ごと40%以上、かつ合計60%以上科目ごと40%以上、かつ合計60%以上

出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介、労働安全衛生規則第7条(e-Gov 法令検索の現行条文。2026-10-04 時点)。

当サイトの衛生管理者の論点別問題は374問あり(2026-10-04 集計。すべて当サイトのオリジナル問題で、本試験の問題ではありません)、そのうち「有害業務に係るもの」に当たる労働衛生・関係法令の問題が124問です。第一種で追加される範囲の練習に使えます。


第一衛生管理者(第一種衛生管理者)とは

衛生管理者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、衛生に関する技術的な事項を管理する人として選任される免許保有者です(安全衛生技術試験協会)。衛生管理者の選任義務は労働安全衛生法第12条第1項が定め、選任の方法は労働安全衛生規則第7条が定めています。

衛生管理者の免許には、第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許の3つがあります。「第一衛生管理者」という名称の免許はなく、第一種衛生管理者を指す略称として使われています。

主な職務は、協会の説明では、労働者の健康障害を防止するための作業環境管理・作業管理・健康管理、労働衛生教育の実施、健康の保持増進措置などです。職場での具体的な動きは合格後の選任手続きと職場での役割で整理しています。


第一種衛生管理者でできること:選任できる業種

第一種と第二種の最も重要な違いは、どの業種の事業場で衛生管理者として選任されるかという点です。労働安全衛生規則第7条第1項第3号は、業種を2つに分けて、それぞれ選任できる人を定めています。

号業種選任できる人
第3号イ農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業第一種衛生管理者免許若しくは衛生工学衛生管理者免許を有する者又は第10条各号に掲げる者
第3号ロその他の業種第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許若しくは衛生工学衛生管理者免許を有する者又は第10条各号に掲げる者

第10条各号に掲げる者とは、医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント、厚生労働大臣の定める者です(労働安全衛生規則第10条)。

つまり、第一種衛生管理者免許はイにもロにも入るため、すべての業種で使えます。第二種はロの「その他の業種」だけです。情報通信業・金融保険業・卸売小売業は、イに挙がっていないのでロの業種にあたり、協会もこれらを第二種で足りる例として挙げています。

衛生管理者の選任に第一種免許が必要な業種:農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則(第7条第1項第3号イ)。

業種による判断の基準

職場の状況必要な資格
製造・建設・鉱業・農林畜水産業・医療業・運送業などの事業場第一種(または衛生工学衛生管理者)
情報通信(IT)・金融・保険・卸売・小売などの事業場第二種で可(第一種も可)
将来の転職・異動先が不明第一種なら業種を選ばない

会社から「衛生管理者を取得してほしい」と言われた場合は、人事・総務部門に必要な種別を確認するのが最も確実です。

この論点を、選択肢が業種を取り違える形の問題で確認する:


業種名の読み方:「医療業」「清掃業」などの言葉で迷うとき

労働安全衛生規則第7条第1項第3号イが挙げる業種は、農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業の13です。同条第1項は、第2号で「その事業場に専属の者」、第4号で「事業場の規模」に応じた人数を定めるなど、事業場を単位に選任のルールを書いています。

迷いやすいのは、「医療業」「清掃業」が、介護施設やごみの収集の仕事まで含む言葉なのかという点です。労働安全衛生規則第7条(e-Gov 法令検索、2026-10-09 時点)には、これらの業種名の定義の記載がありません。

業種の名前を調べるときの手がかりになるのが、総務省の日本標準産業分類です。令和5年7月告示の分類項目表では、次のように並んでいます。

日本標準産業分類(令和5年7月告示)中分類の項目名項目の例
大分類P 医療、福祉 の中分類83医療業一般病院、一般診療所、歯科診療所、助産所 など
大分類P 医療、福祉 の中分類85社会保険・社会福祉・介護事業保育所、特別養護老人ホーム、訪問介護事業 など
大分類R サービス業(他に分類されないもの) の中分類88廃棄物処理業ごみ収集運搬業、し尿収集運搬業、浄化槽清掃業、清掃事務所 など

この分類では、医療業(83)と社会保険・社会福祉・介護事業(85)は別の中分類として分かれています。また、分類項目表には「清掃業」という項目名の記載がありません(2026-10-09 時点)。「清掃」の語が付く項目は「浄化槽清掃業」と「清掃事務所」です。

ただし、日本標準産業分類は、規則第7条の業種名の意味を決めるものではありません。総務省は同分類について、「統計の結果を表示するための分類であり、個々の産業を認定するものでありません」と説明しています。上の表は、業種名の「言葉」を調べるときの参考の整理で、個々の事業場が規則第7条第1項第3号イの業種に当たるかどうかの答えではありません。

自分の事業場が第一種の必要な業種に当たるか迷うときは、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に確認してください(都道府県労働局・労働基準監督署の所在地一覧|厚生労働省)。

出典:労働安全衛生規則 第7条(e-Gov 法令検索)、総務省 日本標準産業分類(令和5年7月告示)の分類項目表。いずれも2026-10-09 時点。


選任の人数・専属・専任:第一種を持っていてもそろえる条件

衛生管理者は、免許があれば何人でも選任できるわけではなく、事業場の規模に応じた人数と形が決まっています。労働安全衛生規則第7条第1項は次のように定めています。

号内容
第1号選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任する
第2号その事業場に専属の者を選任する(2人以上選任するとき、第10条第3号の労働衛生コンサルタントが含まれる場合は、そのうち1人は専属でなくてよい)
第4号事業場の規模に応じて、表の人数以上を選任する
第5号常時1,000人を超える事業場、または常時500人を超え、坑内労働か労働基準法施行規則第18条各号の業務に常時30人以上を従事させる事業場では、少なくとも1人を専任の衛生管理者とする
第6号常時500人を超え、坑内労働か労働基準法施行規則第18条第1号・第3号から第5号まで・第9号の業務に常時30人以上を従事させる事業場では、1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者から選任する
常時使用する労働者数選任する衛生管理者の数
50人以上200人以下1人
200人を超え500人以下2人
500人を超え1,000人以下3人
1,000人を超え2,000人以下4人
2,000人を超え3,000人以下5人
3,000人を超える場合6人

出典:労働安全衛生規則第7条第1項(e-Gov 法令検索、2026-10-04 時点の現行条文)。専任・衛生工学の条件は、坑内労働や労働基準法施行規則第18条の業務が絡みます。深夜業だけでは該当しないので、条文で業務の範囲を確認してください。

つまり、第一種免許を取ったあとの職場での扱いは、免許の種類よりも事業場の規模と業務で決まります。たとえば常時1,200人の情報処理業の事業場なら、人数表は4人、専任の条件は第5号イで1人以上と読めます。

人数と専任・専属の組合せを問う問題(専属には第2号ただし書の例外があるので、「全員専属」と言い切る選択肢は上の表と見比べて確認します):


第一種と第二種の試験構成の比較

項目第二種第一種
科目関係法令・労働衛生・労働生理(各10問)関係法令17問(有害10+他7)・労働衛生17問(有害10+他7)・労働生理10問
合計問題数30問44問
合計配点300点400点
合格基準各科目40%以上 + 合計180点以上各科目・各範囲40%以上 + 合計240点以上
試験時間3時間3時間
受験手数料8,800円8,800円

第一種の配点は、労働衛生と関係法令の有害業務に係るものがそれぞれ10問80点、有害業務に係るもの以外がそれぞれ7問70点、労働生理が10問100点です。第二種は、有害業務に係るものを除く労働衛生・関係法令と労働生理が、各10問100点です。労働生理の10問の内容は、労働生理とは?で、公表試験問題の問との対応を確認できます。

衛生管理者試験の受験手数料:学科試験の手数料は8,800円(非課税)で、第一種・第二種とも同額。最終確認日:2026-10-04。出典:安全衛生技術試験協会 試験手数料。
衛生管理者試験の合格基準:学科試験科目ごと(第一種の科目のうち範囲が分かれているものは範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上。最終確認日:2026-10-04。出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介。

出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介(試験科目・出題数・配点・試験時間・合格基準。2026-10-04 時点)。


第一種の受験資格:学歴と実務経験

第一種衛生管理者の受験には、学歴と労働衛生の実務経験の組合せなどの受験資格が必要です。協会の受験資格の表から、代表的な3つを挙げます。

区分受験資格の例
大学(短期大学を含む)・高等専門学校を卒業した人卒業後、1年以上労働衛生の実務に従事した経験
高等学校・中等教育学校を卒業した人卒業後、3年以上労働衛生の実務に従事した経験
学歴を問わない10年以上労働衛生の実務に従事した経験

このほかにも区分があり、書類として事業者証明書などが要ります(表の全体は協会のページで確認してください)。専修学校・各種学校は、大学・短期大学・高等専門学校には含まれません。判定の手順と、実務経験として認められる業務は受験資格の記事にまとめています。

なお、第二種衛生管理者免許を受けた人が第一種を受けるときは、受験資格を証する書類は不要です(特例第一種、下の節)。

出典:安全衛生技術試験協会 第一種・第二種衛生管理者の紹介(2026-10-04 時点)。


合格率で見る第一種と第二種

令和7年度の合格率:第一種衛生管理者は受験者66,401人・合格者31,046人・合格率46.8%、第二種衛生管理者は受験者40,653人・合格者19,796人・合格率48.7%。最終確認日:2026-10-04。出典:安全衛生技術試験協会 免許試験の合格率。

第一種と第二種で、合格率の差は2ポイント以内です。ただし、合格率は受験者のうち合格した人の割合で、受験した人の学習量や再受験の人数などは公表値に含まれません。難易度の読み方は難易度と合格率の記事で整理しています。


第一種を選んだ方がよいケース

業種で第一種が必要な場合を除くと、第一種と第二種の選択は、将来の職場がどこまで広がるかで決まります。当サイトの考えは次のとおりです。

1. 業種が変わっても使える:第一種はすべての業種で衛生管理者になれるため、転職・異動で業種が変わっても免許を使えます。

2. あとから取り直す手間を避けられる:第二種を先に取って第一種を受ける道もありますが、再び受験の申請が要ります。

3. 学習範囲が広がることは承知しておく:有害業務に係る範囲が加わるため、第二種より問題数も学ぶ内容も増えます。

第二種を選ぶことに合理性がある状況:

  • 現在および将来も第二種の業種(IT・金融・小売など)でのみ勤務する予定がある
  • 試験勉強に充てられる時間が限られており、まず第二種を取ってから第一種を目指す計画がある

科目・試験内容の差:有害業務に係る範囲とは

協会の試験科目表では、第一種に「有害業務に係るもの」と「有害業務に係るもの以外のもの」の2つの範囲があり、第二種は「有害業務に係るものを除く」範囲だけです。第一種で追加されるのは、労働衛生と関係法令の「有害業務に係るもの」(各10問・各80点)です。

当サイトでは、この範囲の関係法令を有機溶剤、特定化学物質、酸素欠乏、電離放射線、粉じんなどの規則ごとに分けた問題を用意しています。有機溶剤と特定化学物質の論点は有機溶剤・特化則の記事で、条文を確認しながら整理しています。

労働衛生の「有害業務に係るもの」は労働衛生(有害業務)の科目ページから解けます。


第二種から第一種へのステップアップ

第二種を先に取得して後から第一種を受ける方法もあります。第二種免許を受けた人が第一種を受験する場合は「特例第一種衛生管理者免許試験」となり、有害業務に係る労働衛生(10問・80点)と関係法令(10問・80点)の2科目だけを、2時間で受験します。受験資格を証する書類は不要で、第二種免許証の写しを添付します(安全衛生技術試験協会。2026-10-04 時点)。第一種の試験を最初から受けることもできるので、学習時間と将来の職場を見比べて選んでください。第一種・第二種それぞれのテキストの版や価格を比べたいときは、衛生管理者テキストの選び方(2026年10月時点の書籍比較表)があります。


まとめ

第一種衛生管理者(第一衛生管理者)はすべての業種で選任可能、第二種は情報通信業・金融業・小売業など有害業務の少ない特定業種のみで使用できます。選任の人数や専任の条件は、免許の種類ではなく事業場の規模と業務で決まります。迷ったら第一種の受験を検討し、まず職場の業種と人事部門への確認を最初のステップとしてください。

全体の学習計画は完全合格ガイド、科目ごとの問題は衛生管理者 科目別問題集から解けます。

よくある質問

Q「第一衛生管理者」と「第一種衛生管理者」は同じですか?

同じものを指す言い方です。免許の名称は「第一種衛生管理者免許」で、労働安全衛生規則第7条第1項第3号にもこの名称で書かれています。検索などで「第一衛生管理者」と略されることがありますが、試験の申込書や会社への届出では「第一種衛生管理者」と書きます。衛生工学衛生管理者免許は別の免許です。

Q衛生管理者の第一種と第二種の最大の違いは何ですか?

選任できる業種の範囲が異なります。第一種はすべての業種で選任可能ですが、第二種は有害業務と関連の少ない一定の業種(情報通信業・金融保険業・卸売小売業など)でのみ衛生管理者になれます(安全衛生技術試験協会)。

Q情報通信業(IT企業)に勤めていますが、第二種で大丈夫ですか?

情報通信業は、労働安全衛生規則第7条第1項第3号イに挙げられた業種(農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業など)に含まれないため、第二種免許の保有者でも衛生管理者に選任できます。安全衛生技術試験協会も、第二種で衛生管理者になれる業種の例として情報通信業を挙げています。所属する事業場の業種が分からない場合は、人事・総務部門か労働基準監督署に確認してください。

Q製造業の場合は第一種が必要ですか?

製造業(物の加工業を含む)の事業場では、衛生管理者を第一種衛生管理者免許(または衛生工学衛生管理者免許)を有する者などから選任します(労働安全衛生規則第7条第1項第3号イ)。同じ号には、農林畜水産業・鉱業・建設業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業も挙げられています。

Q規則第7条の「医療業」「清掃業」は、日本標準産業分類の項目名と同じ意味ですか?

労働安全衛生規則第7条(e-Gov 法令検索、2026-10-09 時点)には、これらの業種名の定義の記載がありません。日本標準産業分類(令和5年7月告示)の分類項目表では、医療業と社会保険・社会福祉・介護事業が別の中分類で、同表には「清掃業」という項目名の記載がありません(2026-10-09 時点)。ただし、総務省は同分類を「統計の結果を表示するための分類であり、個々の産業を認定するものでありません」としています。迷うときは、事業場を管轄する労働基準監督署に確認してください。

Q第二種を取得後に第一種を取ることはできますか?

できます。第二種衛生管理者免許を受けた人が第一種を受験する場合は「特例第一種衛生管理者免許試験」となり、有害業務に係る労働衛生(10問・80点)と関係法令(10問・80点)の2科目を受験します。試験時間は2時間で、受験申請では第二種免許証の写しを添付します(安全衛生技術試験協会)。

Q第一種と第二種では試験の難しさがどのくらい違いますか?

第一種は問題数が44問(第二種は30問)で、有害業務に関する範囲が加わるため、学習する範囲が広くなります。令和7年度の合格率は第一種が46.8%、第二種が48.7%でした(安全衛生技術試験協会の統計)。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月9日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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