衛生管理者試験に合格したあとの免許申請・選任手続きを解説します。東京労働局免許証発行センターへの免許申請から選任報告の提出まで、職場で実際にどんな業務を担当するか、安全配慮義務との関係も含めて体系的に紹介します。
目次
結論:常時50人以上の労働者を使用する事業場の事業者には、衛生管理者を選任する義務があります(労働安全衛生法第12条第1項・同法施行令第4条)。選任は、その事業場に専属の者を、事由発生日から14日以内に行い、選任後は遅滞なく労働基準監督署長に報告します(労働安全衛生規則第7条)。選任しないと50万円以下の罰金の対象です(同法第120条第1号)。
この記事の条文は、e-Gov 法令検索の労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則・労働契約法です(2026-10-04 時点の現行条文)。合格ナビの衛生管理者の論点別問題374問のうち、関係法令(有害業務以外)80問中27問が「安全衛生管理体制」の問題です(2026-10-02 時点の問題データで集計。当サイトの自作問題の数で、本試験の出題数ではありません)。
合格後は「免許申請」が最初のステップ
衛生管理者試験に合格しても、その場で資格が有効になるわけではありません。正式に「衛生管理者」として機能するためには免許申請が必要です。
免許申請の流れ
- 免許試験合格通知書の受領:合格すると「免許試験合格通知書」が届きます。
- 免許申請書の入手と記入:免許申請書は、都道府県労働局、各労働基準監督署、各安全衛生技術センターで配布されています(厚生労働省のホームページからダウンロードもできます)。
- 免許申請:免許申請書に必要事項を記入・貼付し、免許試験合格通知書と必要書類を添えて、東京労働局免許証発行センターに免許申請をします。免許申請時には本人確認証明書が必要です。
- 免許証の交付:この手続きをしないと免許証は交付されません。満18歳に満たない人には免許証は交付されないので、満18歳になってから免許申請をします。
免許申請の申請先:免許試験合格通知書を受け取ったら、免許申請書に記入・貼付し、合格通知書と必要書類を添えて東京労働局免許証発行センターに免許申請する。免許申請時には本人確認証明書が必要。最終確認日:2026-10-04。出典:安全衛生技術試験協会 合格後の手続き。
申請書の様式、手数料、返信用封筒などの細かな条件は、申請書の案内で確認してください。
免許申請の必要書類と費用:試験に合格した人の新規申請
免許試験合格通知書を受け取った人の申請先は、東京労働局免許証発行センターです。提出は簡易書留による郵送で、窓口がないため持参はできません。必要な書類は次のとおりです(厚生労働省「免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き」。2026-10-04 時点)。
| 書類・準備 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 免許申請書 | 裏面に収入印紙1,500円分を貼る | 収入印紙は消印しない。地方自治体の証紙は使えない |
| 免許試験合格通知書 | 必ず原本を添付する | 紛失したときは、試験を受けた安全衛生技術センターで再交付を受ける |
| 写真 | 横24mm×縦30mm、上三分身・正面・脱帽・無背景、申請前6か月以内に撮影したもの | 裏面に氏名を書く。写真専用紙以外に印刷したものや、画像処理したものは撮り直しになる場合がある |
| 本人確認証明書 | 住民票の写し(マイナンバーの記載がない原本)、マイナンバーカード(表面のみ)・自動車運転免許証(表裏)・在留カード(表裏)などのコピー | 写真のない公的証明書は、原則として2つ添付する |
| 免許証送付用封筒 | 送付用切手460円分を貼って同封する | 専用の窓空き封筒がなければ任意の封筒も使えるが、表面に宛先の氏名・住所を書く |
| すでに持っている労働安全衛生法関係の免許証 | 原本(統合して新しい免許証を交付) | 持っている人だけ |
申請書の記入では、黒のボールペンを使い、書き損じは修正液で直さず、手引きの訂正方法に従います。労働局長名は「東京」、申請年月日は、郵便局に簡易書留の発送を依頼する日を書きます(東京労働局「よくある質問」)。
- 実務経験を証明する書類が必要な免許として、手引きが挙げているのは、ボイラー技士、ボイラー整備士、ガス溶接作業主任者、発破技士、高圧室内作業主任者、林業架線作業主任者です。衛生管理者は、この中に入っていません
- 令和7年12月2日以降、健康保険被保険者証は、免許の本人確認証明書として認められません。健康保険の資格確認書は、当面の間、使えます
- 免許試験合格通知書に書かれた氏名が申請前に変わった場合は、氏名の変更前後が分かる住民票の写しなどを添付して申請します
- 申請書の個人番号の欄は、記入が任意です。記入した場合は、個人番号が確認できる本人確認証明書の提出が必要です
免許申請の手数料と切手:紙の申請は収入印紙1,500円分、マイナポータルからの電子申請は手数料1,450円(申請1件につき)。免許証送付用の切手は460円分(手引きは令和6年10月1日現在の郵送料と簡易書留料金として記載)。最終確認日:2026-10-04。出典:厚生労働省 免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引き。
マイナポータルからの電子申請(令和8年3月から)
手引きと厚生労働省のページによると、令和8年3月から、マイナポータルで免許証の電子申請ができるようになりました。従来の e-Gov からの電子申請の受付は終了しています。電子申請でも、切手を貼った免許証送付用封筒や、すでに持っている免許証などは、別に郵送が必要です。郵送するときは、いちばん外側の封筒の表面に「マイナポータル申請」と書きます。
- 申請情報を入力したら、速やかにオンライン決済で手数料を納付します。納付が確認できないと、審査が進みません
- 「免許試験合格通知書」の添付漏れが多発していると、厚生労働省のページが注意しています
- 免許の新規申請と、氏名の書替・再交付などを同時に行う場合は、マイナポータルでは複数の申請を同時にできないため、紙の申請書で申請します
出典:厚生労働省 労働安全衛生法関係の免許について・上記の手引き(2026-10-04 時点)。
免許証が届かないとき:確認の順番
免許証は、東京労働局免許証発行センターから簡易書留で郵送されます。持参しても即日交付はされず、センターに受付窓口もありません。届かないときは、次の順に確認します(東京労働局「労働安全衛生法に基づく免許」「よくある質問」。2026-10-04 時点)。
- ① 発送の目安を確かめる:添付書類の不備などがない場合、申請受付からおおむね1か月以内に免許証を発送しています。申請が集中する毎年1月と、4月から5月上旬までは、1か月を超える場合があります
- ② 申請書類が着いているかを、郵便局の郵便追跡サービスで確かめる:センターは、送付物の到達確認をしていません。追跡できる簡易書留で送ります
- ③ 処理期間を超えても届かないときは、お住まいの都道府県労働局に問い合わせる:免許証発行センターに申請書類を送った場合も、同じです
- ④ 免許証発行サポートダイヤルを使う:申請の支援・相談を行っています。他の機関を案内される場合があります
免許証の発送の目安と問い合わせ先:添付書類の不備などがない場合は申請受付からおおむね1か月以内に発送。1月と4月〜5月上旬は1か月を超える場合がある。免許証発行サポートダイヤルは0570-006-120(ナビダイヤル、通話料有料)、平日8:30〜17:15(土日祝日と年末年始を除く)。最終確認日:2026-10-04。出典:東京労働局 労働安全衛生法に基づく免許。
遅れる原因として、東京労働局と厚生労働省のページが挙げているのは、次の2つです。
- 提出書類の不備:本人確認証明書や免許試験合格通知書が添付されていない、など
- 申請先の誤り:「免許試験合格通知書」を持つ人は東京労働局免許証発行センター宛て、「免許試験結果通知書」を持つ人は住所地の都道府県労働局宛てです。安全衛生技術試験協会は試験の実施機関で、免許を発行する機関ではないため、誤って協会に送ると、受け取り拒否か着払いで返送されます
申請内容に不備があって書類を再度郵送するときの宛先は、〒108-0014 東京都港区芝5-35-2 安全衛生総合会館2階 東京労働局免許証発行センター 審査担当です。簡易書留など追跡できる方法で送ります。
会社に免許証を送ってもらいたいときは、申請書の「送付先希望」欄に1を書き、送付先に「○○(株)安全衛生課 気付」のように記入します。宛名には必ず申請者本人の氏名が印字され、複数人分を会社に一括で送ることはできません。
衛生管理者の選任義務:何人以上の事業場で必要か
衛生管理者の選任義務の根拠は、労働安全衛生法第12条第1項です。事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、衛生管理者を選任し、第10条第1項各号の業務のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければなりません。政令で定める規模は、常時50人以上の労働者を使用する事業場です(労働安全衛生法施行令第4条)。業種を問わず適用されます。
| 常時使用する労働者数 | 衛生管理者 | 根拠 |
|---|---|---|
| 10人未満 | 衛生管理者(令第4条は常時50人以上)・推進者(労働安全衛生規則第12条の2は常時10人以上50人未満)のどちらの規模にも当たらない | 令第4条、労働安全衛生規則第12条の2 |
| 10人以上50人未満 | 衛生管理者は不要。安全衛生推進者または衛生推進者を選任 | 労働安全衛生法第12条の2、労働安全衛生規則第12条の2 |
| 50人以上 | 衛生管理者を選任(人数は次の表) | 労働安全衛生法第12条、令第4条 |
人数は、会社全体ではなく事業場ごとに数えます(令第4条は「事業場」を単位に定めています)。
- 業種と人数から体制を判断する問題(関係法令 問36)
- 衛生管理者の人数・専任の問題(関係法令 問11)(専属については、2人以上選任する場合に労働衛生コンサルタント1人は専属でなくてよいただし書があります。労働安全衛生規則第7条第1項第2号)
事業場の体制全体(総括安全衛生管理者・安全管理者・産業医・委員会との関係)は、安全衛生管理体制の図の記事にまとめています。
選任の要件:専属・免許の区分・人数・14日以内
選任の方法は、労働安全衛生規則第7条第1項に定められています。主な要件は次のとおりです。
| 要件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期限 | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 | 第7条第1項第1号 |
| 専属 | その事業場に専属の者を選任する。ただし2人以上選任する場合、労働衛生コンサルタントがいれば、そのうち1人は専属でなくてよい | 第7条第1項第2号 |
| 資格(業種別) | 農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業は、第一種または衛生工学衛生管理者免許を有する者など。その他の業種は、第二種免許でも可 | 第7条第1項第3号 |
| 人数 | 規模に応じて1人から6人(次の表) | 第7条第1項第4号 |
| 専任 | 常時1,000人超など一定の事業場では、少なくとも1人は専任 | 第7条第1項第5号 |
| 衛生工学衛生管理者 | 常時500人超で、坑内労働や有害業務に常時30人以上のときは、1人は衛生工学衛生管理者免許を受けた者 | 第7条第1項第6号 |
「専属」は、その事業場だけに属することを求める要件です。他の業務を兼ねることを禁じる「専任」とは別の言葉で、専任が求められるのは第5号に当たる大規模な事業場などに限られます。
資格は、免許を受けた人のほか、医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント、そして厚生労働大臣の定める者です(労働安全衛生規則第10条)。第一種と第二種の違いや、どちらを受けるかは第一種と第二種の記事で説明しています。
事業場規模と選任人数の目安
| 常時使用労働者数 | 必要な衛生管理者数 |
|---|---|
| 50人以上〜200人以下 | 1人以上 |
| 201人以上〜500人以下 | 2人以上 |
| 501人以上〜1,000人以下 | 3人以上 |
| 1,001人以上〜2,000人以下 | 4人以上 |
| 2,001人以上〜3,000人以下 | 5人以上 |
| 3,001人以上 | 6人以上 |
衛生管理者の選任数:常時50人以上200人以下は1人、200人を超え500人以下は2人、500人を超え1,000人以下は3人、1,000人を超え2,000人以下は4人、2,000人を超え3,000人以下は5人、3,000人を超える場合は6人(労働安全衛生規則第7条第1項第4号)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則。
選任届の提出:職場での正式な選任まで
免許証を取得したら、次は会社として選任の手続きに進みます。
選任の法的根拠
労働安全衛生法第12条第1項と労働安全衛生法施行令第4条により、常時50人以上の労働者を使用する事業場では衛生管理者の選任が義務付けられています。選任の方法は労働安全衛生規則第7条に定められており、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任します。
選任後の届出
衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、所轄の労働基準監督署長に報告します(労働安全衛生規則第7条第3項)。報告は、電子情報処理組織(電子申請)を使って行う定めで、免許を受けたことなどを証明できる電磁的記録を添えます。報告する事項には、氏名・生年月日・選任年月日のほか、担当する職務の内容、専属であるか否か、専任であるか否かなどが含まれます。様式や方法の詳細は、労働基準監督署の案内で確認してください。
選任の期限と報告:衛生管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、選任したときは遅滞なく、電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に報告する(労働安全衛生規則第7条第1項第1号・第3項)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則。
衛生管理者がいない場合:欠員・未選任のとき
衛生管理者が退職して不在になったときや、そもそも選任していなかったときは、次のように扱われます。
- 欠員が生じたとき:選任すべき事由が生じた日から14日以内に、新たに選任します(労働安全衛生規則第7条第1項第1号)。報告事項にも「前任者がいる場合はその氏名及び辞任、解任等の年月日」が含まれています(同条第3項)。
- 職務を行えない間:旅行・疾病・事故その他やむを得ない事由で衛生管理者が職務を行えないときは、代理者を選任します(同条第2項で準用する第3条)。
- 選任義務に違反したとき:労働安全衛生法第12条第1項に違反した者は、50万円以下の罰金に処されます(同法第120条第1号)。違反行為をした人のほか、その法人にも罰金刑が科されます(同法第122条)。
- 増員・解任の命令:労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、衛生管理者の増員または解任を命ずることができます(労働安全衛生法第12条第2項で準用する第11条第2項)。この命令に違反した場合も、50万円以下の罰金の対象です(同法第120条第2号)。
選任義務違反の罰則:労働安全衛生法第12条第1項に違反したときは、50万円以下の罰金(同法第120条第1号)。法人にも罰金刑が科される(同法第122条)。最終確認日:2026-10-04。出典:e-Gov 法令検索 労働安全衛生法。
衛生管理者の具体的な職務と、関連する事業者の義務
以下のうち、1と2は衛生管理者に関する条文(労働安全衛生規則第11条、労働安全衛生法第18条第2項)、3は、同法第10条第1項の業務のうち衛生に係る技術的事項を衛生管理者が管理する(同法第12条第1項)という条文の関係を整理したものです。4〜6は、条文上は事業者(労働契約法は使用者)の義務として定められている事項です。選任された後の毎週・毎月の仕事を一覧で確かめたいときは衛生管理者のやることリストを使ってください。
1. 作業場等の巡視(少なくとも毎週1回)
衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければなりません(労働安全衛生規則第11条第1項)。事業者は、衛生管理者に対し、衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければなりません(同条第2項)。
2. 衛生委員会(または安全衛生委員会)の運営
常時50人以上の事業場では衛生委員会の設置が義務です(労働安全衛生法第18条、同法施行令第9条)。衛生委員会の委員には、事業者が指名した衛生管理者が入ります(同法第18条第2項第2号)。委員会は毎月1回以上開催します(労働安全衛生規則第23条第1項)。
3. 健康診断に関する衛生面の管理
健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置は、総括安全衛生管理者が統括管理する業務の1つです(労働安全衛生法第10条第1項第3号)。衛生管理者は、その業務のうち衛生に係る技術的事項を管理します(同法第12条第1項)。常時使用する労働者に対する定期健康診断は、1年以内ごとに1回行います(労働安全衛生規則第44条第1項)。
4. ストレスチェック制度(事業者の義務)
ストレスチェックの実施は労働安全衛生法第66条の10に定められています。同法附則第4条により、同法第13条第1項の事業場(産業医の選任義務がある常時50人以上の事業場)以外の事業場では、当分の間、「行うよう努めなければならない」努力義務とされています。検査は医師・保健師等が実施します(同法第66条の10第1項)。
5. 長時間労働者への面接指導(事業者の義務)
休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が申し出たときは、事業者は医師による面接指導を行わなければなりません(労働安全衛生法第66条の8、労働安全衛生規則第52条の2)。
6. 安全配慮義務(労働契約法第5条)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされています(労働契約法第5条)。
兼任と専任の違い
専任が必要なケース
- 常時1,000人を超える労働者を使用する事業場
- 常時500人を超える労働者を使用し、かつ坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号の有害業務に常時30人以上を従事させる事業場
衛生管理者のうち少なくとも1人を専任とします(労働安全衛生規則第7条第1項第5号)。
実務上の選任パターン
専任が必要なのは上記の大規模な事業場などで、それ以外の事業場では専任の定めはありません。ただし、どの事業場でも「専属」の者を選任する必要があります(同条第1項第2号)。衛生管理者の専任の人数の条件は、専任要件の問題(関係法令 問62)で確認できます。
合格後の継続学習
労働安全衛生法第73条第1項は「免許には、有効期間を設けることができる」と定めていますが、労働安全衛生規則には衛生管理者免許の有効期間や更新の定めはありません(e-Gov 法令検索。2026-10-04 時点)。免許に係る業務に就いている、または就こうとする人は、免許証を滅失・損傷したときは再交付、氏名を変更したときは書替えを受けなければなりません(労働安全衛生規則第67条)。
一方で、関連法令は改正されることがあります(電離則・照度基準・ストレスチェック制度など)。
- 厚生労働省の最新情報(法改正・通達)を定期的に確認する
- 産業保健の研修(産業保健総合支援センターのセミナーなど)を活用する
- 衛生管理者の問題演習で最新の出題傾向を把握し続ける
まとめ
衛生管理者試験合格後の流れは、「免許申請(東京労働局免許証発行センター)→ 免許証の受領 → 会社による選任(事由発生から14日以内)→ 遅滞なく労働基準監督署長へ報告」という順序です。
- 義務:常時50人以上の事業場で、業種を問わず選任します
- 要件:専属の者を、業種に応じた免許区分から選任します。人数は規模で1人から6人です
- いない場合:欠員は14日以内に選任し、選任義務に違反すると50万円以下の罰金の対象です
- 職務:選任後は作業場等の巡視、衛生委員会、健康診断に関する衛生面の管理などが主な業務となります
知識を維持するために、衛生管理者の科目別問題も活用してください。
よくある質問
Q衛生管理者の免許申請には、どんな書類が必要ですか?
試験に合格した人の新規申請では、免許申請書(裏面に収入印紙1,500円分)、免許試験合格通知書の原本、写真(横24mm×縦30mm)、本人確認証明書、切手460円分を貼った免許証送付用封筒が必要です。ほかの労働安全衛生法関係の免許証を持っている人は、その原本も添付します。令和7年12月2日以降、健康保険被保険者証は本人確認証明書として認められません。出典は厚生労働省の免許申請の手引きと「労働安全衛生法関係の免許について」のページです。
Q衛生管理者の免許証が届かないときは、どうすればよいですか?
添付書類の不備などがない場合、免許証は申請受付からおおむね1か月以内に発送されます。1月と4月〜5月上旬は1か月を超える場合があります。まず郵便追跡サービスで申請書類の到着を確かめ、処理期間を超えても届かないときは、お住まいの都道府県労働局に問い合わせます(東京労働局の案内)。免許証発行サポートダイヤルは0570-006-120です。
Q衛生管理者の免許申請は、オンラインでできますか?
令和8年3月から、マイナポータルで免許証の電子申請ができるようになりました。ただし、切手を貼った免許証送付用封筒や、すでに持っている免許証は、別に郵送が必要です。手数料は申請1件につき1,450円で、オンライン決済で納付します。新規申請と書替・再交付を同時に行う場合は、紙の申請書で申請します(厚生労働省の手引き)。
Q免許試験合格通知書をなくした場合は、どうすればよいですか?
免許試験を受けた安全衛生技術センターに連絡して、再交付を受けます(東京労働局「よくある質問」、厚生労働省の手引き)。合格通知書の原本は、免許申請に必要な書類です。
Q衛生管理者に合格したあとすぐに選任されますか?
合格しても、免許申請をしないと免許証は交付されません。免許申請は、免許試験合格通知書を添えて東京労働局免許証発行センターに行います(安全衛生技術試験協会の案内)。会社は、衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、選任したときは遅滞なく所轄の労働基準監督署長に報告します(労働安全衛生規則第7条)。
Q衛生管理者の選任には人数の要件はありますか?
常時50人以上の労働者を使用する事業場では衛生管理者の選任が義務です(労働安全衛生法施行令第4条)。選任人数は事業場の規模によって異なり、200人以下なら1人、201〜500人なら2人、501〜1,000人なら3人と段階的に増えます(労働安全衛生規則第7条第1項第4号)。
Q衛生管理者として実際にどんな仕事をしますか?
条文で定められているのは、総括安全衛生管理者が統括管理する業務(健康診断の実施など)のうち衛生に係る技術的事項の管理(労働安全衛生法第12条第1項)と、少なくとも毎週1回の作業場等の巡視(労働安全衛生規則第11条)です。衛生委員会には、事業者が指名した衛生管理者が委員として入ります(同法第18条第2項第2号)。ストレスチェックの検査は医師・保健師等が行います(同法第66条の10)。
Q衛生管理者は専任でないといけませんか?
衛生管理者のうち少なくとも1人を専任とするのは、常時1,000人を超える事業場と、常時500人を超え、かつ坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号の有害業務に常時30人以上を従事させる事業場です(労働安全衛生規則第7条第1項第5号)。それ以外の事業場では専任は求められませんが、その事業場に専属の者を選任することは必要です(同項第2号)。
Q衛生管理者を選任しなかった場合の罰則はありますか?
衛生管理者の選任義務(労働安全衛生法第12条第1項)に違反した場合、当該違反行為をした者は50万円以下の罰金に処されます(同法第120条第1号)。違反行為をした人のほか、その法人にも罰金刑が科されます(同法第122条)。
Q常時50人未満の事業場には、衛生管理者は不要ですか?
衛生管理者の選任義務は常時50人以上の事業場が対象です(労働安全衛生法施行令第4条)。常時10人以上50人未満の事業場では、安全衛生推進者(令第2条第1号・第2号の業種以外は衛生推進者)を選任します(労働安全衛生法第12条の2、労働安全衛生規則第12条の2)。常時10人未満の事業場は、令第4条(常時50人以上)にも規則第12条の2(常時10人以上50人未満)にも当たりません。
Q衛生管理者が退職して欠員になったときはどうすればよいですか?
前任者の退職などにより、衛生管理者を選任すべき事由が新たに生じたときは、その日から14日以内に選任します(労働安全衛生規則第7条第1項第1号)。衛生管理者が旅行・疾病・事故その他やむを得ない事由で職務を行えないときは、代理者を選任します(同条第2項で準用する第3条)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

