問題
職場における救急用具の備え付けに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはオです。安衛則が救急用具について定めているのは第633条で、「負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない」「常時清潔に保たなければならない」という内容です。AED(自動体外式除細動器)の設置を全事業場に義務付ける規定は安衛則にはなく、設置していないことが安衛法違反になるわけではありません。
ア(救急用具の備え付けと周知)・イ(救急箱の品目・補充)・エ(備え付け場所の周知)・ウ(救急担当者の訓練)は正しい内容です。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 安衛則第633条第1項により、事業者は「負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない」とされています。置くだけでなく、場所と使い方を労働者に知らせることまでが義務です。
- イ(正): 包帯・ガーゼ・三角巾・絆創膏・ピンセット・消毒薬などは、救急箱に備える一般的な品目です。法令で品目が定められているわけではありませんが、第633条の「負傷者の手当に必要な救急用具及び材料」を備えておくには、使用後の補充が欠かせません。
- オ(誤): 安衛則に AED の設置を義務付ける規定はありません。AED の設置は事業者の判断で行うものであり、未設置そのものが安衛法違反になるわけではありません。
- エ(正): 第633条第1項は備付け場所の周知を求めています。いざというときに取り出せる場所に置き、その場所を全員が知っていることが前提です。
- ウ(正): 心肺蘇生法や止血法は、いざというときに実行できなければ意味がないため、救急担当者を中心に定期的に訓練しておくことが望まれます(法令上の義務ではなく推奨)。
【理論的背景】
職場の救急体制は、①法令で義務付けられている部分と、②事業者が自主的に整える部分に分けて考えると整理しやすくなります。①に当たるのが安衛則第633条の救急用具の規定で、②に当たるのが救急処置の訓練や AED の設置などです。試験では、この「義務」と「推奨」の線引きがよく問われます。
AED は、心停止の傷病者に電気ショックを与えるための機器で、職場に設置する事業者も増えています。しかし、その設置は安衛則で義務付けられたものではありません。安衛則の全文を見ても「除細動」という語は出てこず、AED に関する条文は存在しません。
【実務・条文構造】
安衛則第633条(救急用具):
- 第1項: 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない
- 第2項: 事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない
ポイント:
- 備えるべき品目や数量は条文で列挙されていません。事業場の業種・規模・作業内容に応じて「負傷者の手当に必要な」ものを事業者が判断して備えます(続く第634条は「削除」となっています)。
- 周知の対象は「備付け場所」と「使用方法」の両方です。
- 清潔の保持(第2項)も義務です。使用期限のある材料の点検・交換もこの観点から必要になります。
実務上の救急体制の例(法令上の義務ではなく推奨):
- 救急処置を担当する者の指定と、心肺蘇生法・止血法などの定期的な訓練
- 消防署・医療機関への連絡手順を決めて掲示しておくこと
- AED を設置する場合は、設置場所の周知と使い方の訓練をあわせて行うこと
救急箱の一般的な品目(法定の品目ではない・一般的な例):
| 品目 | 用途 |
|---|---|
| 包帯 | 創傷の保護・固定の補助 |
| 三角巾 | 腕の固定・止血の補助 |
| ガーゼ | 創傷の保護・止血 |
| 絆創膏 | 小さな創傷の保護 |
| 消毒薬 | 創傷の消毒 |
| ピンセット・ハサミ | 処置の補助 |
【試験での位置づけ】
救急用具の問題では「救急用具・材料の備え付けと、備付け場所・使用方法の周知は安衛則の義務」「常時清潔に保つ義務」「AED の設置は安衛則上の義務ではない」が頻出です。オは、AED が有用であることと、法令上の設置義務があることを混同させる引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第633条の周知は「備付け場所及び使用方法」です。新しく配属された労働者にも伝わるよう、雇入れ時の教育などの機会に説明しておくと確実です。
- イ: 品目は法令で決まっていないため、取り扱う作業に応じて必要なものを加えます。使ったら補充し、常に使える状態にしておくことが「負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え」ることにつながります。
- オ: 安衛則に AED の規定はありません。AED を設置するかどうかは事業者の判断ですが、設置した場合は、場所と使い方を労働者が知っていなければ役に立ちません。
- エ: 備付け場所の周知は第633条第1項の義務です。施錠された場所や分かりにくい場所に置くと、緊急時に取り出せないおそれがあります。
- ウ: 訓練の頻度や内容は法令で定められていません。救急担当者を決め、定期的に訓練しておくことは、救急用具を実際に使える状態にするための推奨事項です。
【根拠法令】労働安全衛生規則 第633条第1項(救急用具・材料の備え付け、備付け場所及び使用方法の周知)・第2項(常時清潔に保つ)。AED の設置を義務付ける規定は安衛則に無い。
【補足】救急用具の備え付け・周知・清潔保持は安衛則による義務。AED の設置は安衛則上の義務ではない(未設置が安衛法違反になるわけではない)。救急担当者の定期訓練は推奨。
- 労働安全衛生規則第633条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生規則(安衛則)第633条(救急用具)。安衛則には AED(自動体外式除細動器)の設置を義務付ける規定はない(安衛則の全文に「除細動」の語は無い)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

