問題
職業性ストレスと健康に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはエです。職業性ストレス簡易調査票の「心身のストレス反応」(29項目)は、活気・イライラ感・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴の尺度で評価されます。身体愁訴には頭痛、首筋や肩のこり、胃腸の具合、よく眠れないなどの項目が含まれます。
ア→バーンアウトは仕事への態度・認知が否定的で、活動水準が低い状態。イ→調査票は「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域を含む。ウ→仕事の要求度に見合うようにコントロールを与えることが重要とされ、高要求・高コントロールが最もストレスが高いのではない。オ→この説明は「ワーカホリズム」。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): バーンアウト(燃え尽き)は「仕事に対して過度のエネルギーを費やした結果、疲弊的に抑うつ状態に至り、仕事への興味・関心や自信を低下させた状態」とされ、仕事への態度・認知が否定的で、活動水準が低い状態にあります。ワーク・エンゲイジメントはその対極の概念です。
- イ(誤): 法に基づくストレスチェックは、①仕事のストレス要因、②心身のストレス反応、③周囲のサポートの3領域を含むことが必要です(安衛則第52条の9)。職業性ストレス簡易調査票(57項目)では、Aが「仕事のストレス要因」(17項目)、Bが「心身のストレス反応」(29項目)、Cが「周囲のサポート」(9項目)に当たり、Dとして満足度(2項目)も含まれます。
- ウ(誤): 「仕事の要求度-コントロールモデル」では、仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(裁量権)のバランス、特に仕事の要求度に見合うように仕事のコントロールを与えることが重要とされています。要求度が高くコントロールも高い組み合わせを最もストレスが高いとするのは誤りです。
- エ(正): 「心身のストレス反応」は、活気・イライラ感・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴の尺度で評価されます。
- オ(誤): 「過度に一生懸命に強迫的に働く傾向」はワーカホリズムの定義です。ワーク・エンゲイジメントは「活力」「熱意」「没頭」の3つが揃った、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態です。
【理論的背景】
職業性ストレスの評価では、ストレスの原因(仕事のストレス要因)、それによって起こる心身の反応(ストレス反応)、ストレス反応に影響を与える他の因子(周囲のサポート等)を分けて捉えます。ストレスチェック制度では、この3領域をすべて含む調査票を用いることが求められています。
仕事の要求度-コントロールモデル: 仕事の要求度(仕事量や責任など)と仕事のコントロール(裁量権)のバランスに着目し、特に仕事の要求度に見合うように仕事のコントロールを与えることが重要であるとする代表的な理論です。職業性ストレス簡易調査票でも「仕事の量」「コントロール度」が尺度として評価されます。
ワーク・エンゲイジメントと関連概念(令和元年版 労働経済の分析):
| 概念 | 定義・位置づけ | 仕事への態度・認知 | 活動水準 |
|---|---|---|---|
| ワーク・エンゲイジメント | 活力・熱意・没頭の3つが揃った、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態 | 肯定的 | 高い |
| バーンアウト(燃え尽き) | 過度のエネルギーを費やした結果、疲弊的に抑うつ状態に至り、仕事への興味・関心や自信を低下させた状態 | 否定的 | 低い |
| ワーカホリズム | 過度に一生懸命に強迫的に働く傾向 | 否定的 | 高い |
| 職務満足感 | 自分の仕事を評価してみた結果として生じる、ポジティブな情動状態 | 肯定的 | 低い |
【実務・条文構造】
ストレスチェックの3領域(安衛則第52条の9)と職業性ストレス簡易調査票(57項目)の対応:
| 領域 | 調査票 | 主な尺度・項目 |
|---|---|---|
| 仕事のストレス要因(心理的な負担の原因) | A(17項目) | 仕事の量、コントロール度など |
| 心身のストレス反応(心理的な負担による心身の自覚症状) | B(29項目) | 活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴 |
| 周囲のサポート(他の労働者による支援) | C(9項目) | 上司からのサポート、同僚からのサポートなど |
| (その他) | D(2項目) | 仕事に満足だ、家庭生活に満足だ |
身体愁訴の項目には、「頭が重かったり頭痛がする」「首筋や肩がこる」「腰が痛い」「目が疲れる」「動悸や息切れがする」「胃腸の具合が悪い」「食欲がない」「便秘や下痢をする」「よく眠れない」などが含まれます。調査票は法令で規定されたものではなく、事業場で独自の項目を選定することもできますが、その場合も3領域に関する項目をすべて含めなければなりません。
【試験での位置づけ】
職業性ストレスの問題では「ストレスチェックの3領域(ストレス要因・ストレス反応・周囲のサポート)」「57項目版と23項目版」「要求度とコントロールのバランス」「ワーク・エンゲイジメントの3要素(活力・熱意・没頭)とバーンアウト・ワーカホリズムとの違い」が問われます。オのようにワーカホリズムの定義をワーク・エンゲイジメントにすり替える選択肢、アのようにバーンアウトの位置づけを逆にする選択肢は典型的な引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: ワーク・エンゲイジメントは、仕事への態度・認知が肯定的で活動水準が高いことから、バーンアウト(燃え尽き)の対極の概念として位置づけられています。
- イ: ストレスチェックの調査票としては職業性ストレス簡易調査票(57項目)の利用が推奨され、簡略版(23項目)も示されています。
- ウ: 職場環境等の改善とは、職場の物理的レイアウト、労働時間、作業方法、組織、人間関係などの職場環境を改善することで、労働者のストレスを軽減しメンタルヘルス不調を予防しようとする方法です。
- エ: 高ストレス者の選定例として、「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が77点以上である者などの基準がマニュアルに示されています。
- オ: ワーカホリズムは「活動水準」が高い点でワーク・エンゲイジメントと共通しますが、「仕事への態度・認知」が否定的な点で異なります。ワーク・エンゲイジメントは、様々な健康上の不調と負の相関がある概念とされています。
【根拠】厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月)、労働安全衛生規則第52条の9、厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」。
【補足】ストレスチェックの3領域=仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポート。心身のストレス反応の尺度=活気・イライラ感・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴。ワーク・エンゲイジメント=活力・熱意・没頭(バーンアウトの対極)。過度に強迫的に働く傾向=ワーカホリズム。
- 労働安全衛生規則第52条の9e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月)、労働安全衛生規則第52条の9、厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」第Ⅱ部第3章第1節(ワーク・エンゲイジメント)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

