関係法令(有害業務以外)12安全衛生管理体制

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問12:安全衛生管理体制

安全委員会および安全衛生委員会に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 安全委員会は、製造業・建設業などの政令で定める業種の事業場で、常時50人以上の労働者を使用する場合に設置しなければならない。
  • 安全委員会と衛生委員会の両方の設置義務がある事業場では、それぞれを別々に開催せず、安全衛生委員会として一本化して設置することができる。
  • 安全委員会の議長は、衛生委員会と同様、当該事業場の安全管理者のうちから事業者が指名した者がなるものとされている。正答
  • 安全衛生委員会の委員の半数は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合またはその過半数を代表する者が推薦した者でなければならない。
  • 衛生委員会の調査審議事項には、長時間労働による健康障害の防止対策が含まれる。
正答:安全委員会の議長は、衛生委員会と同様、当該事業場の安全管理者のうちから事業者が指名した者がなるものとされている。

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誤りはウです。安全委員会の議長は「総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの」(安衛法第17条第2項第1号)とされており、安全管理者ではありません。衛生委員会の議長(第18条第2項第1号)も同様の規定です。「安全管理者が議長になる」という記述が誤りです。

ア(製造業・建設業等50人以上で安全委員会必要)、イ(安全衛生委員会として一本化可能)、エ(委員半数を労働者代表の推薦で)、オ(長時間労働防止対策も調査審議事項)はいずれも正しい記述です。

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安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会の比較:

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 安全委員会は安衛令第8条に定める業種(林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業・製造業・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業等)かつ常時50人以上の事業場で設置義務があります。衛生委員会(全業種50人以上)と異なり、対象業種が限定されます。
  • イ(正): 安衛法第19条により、安全委員会と衛生委員会の両方の設置義務がある事業場では、「安全衛生委員会」として一本化して設置することができます。実務では一本化が一般的です。
  • ウ(誤): 安全委員会の議長は安衛法第17条第2項第1号により「総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」とされています。「安全管理者が議長」は誤りです(衛生委員会も同様で「衛生管理者が議長」は誤り)。
  • エ(正): 安衛法第19条第4項・第18条第4項・第17条第4項により、委員の半数は労働者代表の推薦が必要。この規定は労使の協議体としての委員会の性格を反映しています。
  • オ(正): 安衛法第18条第1項に定める衛生委員会の調査審議事項には長時間労働による健康障害防止対策(第2号関連)が含まれます。
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【理論的背景】

安全委員会(安衛法第17条)と衛生委員会(安衛法第18条)はそれぞれ異なる法令根拠を持ちながらも、目的(労働者代表を加えた事業場内の自主的安全衛生活動の推進)が共通しています。安全衛生委員会(第19条)は実務上の利便性から設けられた統合規定です。

両委員会の本質的な違い:

  • 安全委員会: 物理的・機械的な危険防止が主(安全管理者の選任対象業種に設置義務)
  • 衛生委員会: 健康管理・職業病予防・メンタルヘルス等が主(全業種の50人以上に設置義務)

「議長=総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者」という共通規定の設計思想: 委員会の決定が実際の職場改善に結びつくためには、人事・予算・設備投資の決定権を持つ「経営上位者」が議長として参画する必要があります。安全管理者・衛生管理者は委員として参加しますが、経営判断は行えません。

【実務・条文構造】

安全委員会の設置義務(安衛令第8条):

  • 対象業種: 林業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品卸売業・燃料小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業 等(安全管理者の選任対象業種と対応)
  • 対象人数: 常時50人以上
  • ※衛生委員会(全業種・50人以上)より対象業種が限定的

安全委員会・衛生委員会の構成員の比較:

| 役割 | 安全委員会(第17条) | 衛生委員会(第18条) |

|------|------------------|------------------|

| 議長 | 総括安全衛生管理者等 | 総括安全衛生管理者等 |

| 必須委員① | 安全管理者(1人以上) | 衛生管理者(1人以上) |

| 必須委員② | 安全衛生業務経験者 | 産業医(1人以上) |

| 必須委員③ | - | 衛生業務経験者 |

| 労働者代表 | 半数以上(推薦) | 半数以上(推薦) |

衛生委員会の調査審議事項(安衛法第18条第1項)の主要項目:

1. 労働者の健康障害防止のための基本対策

2. 労働者の健康の保持増進のための基本対策

3. 労働災害の原因と再発防止対策(衛生に係るもの)

4. 労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策 (kankei_04で扱った論点)

5. 長時間労働による健康障害防止対策(選択肢オ・正しい)

安全衛生委員会(安衛法第19条)の特徴:

  • 安全委員会と衛生委員会の両方設置義務がある事業場で選択可能(義務ではなく任意の一本化)
  • 統合した場合の運営規則は衛生委員会の規定(安衛則第23条)に準じる
  • 開催頻度・記録保存期間(3年)は衛生委員会と同一

【試験での位置づけ】

安全委員会と衛生委員会の混同問題は頻出です。「安全委員会の設置義務業種(限定的)vs 衛生委員会(全業種)」「議長が誰か(総括安全衛生管理者等・安全管理者や衛生管理者ではない)」が主要ポイントです。本問のウ(安全委員会の議長=安全管理者)は非常によく登場する誤り選択肢のパターンです。安全衛生委員会への一本化が「義務」ではなく「任意の選択肢」であることも確認事項です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 安全委員会の対象業種は安衛令第8条の長いリストを全て暗記する必要はありませんが、「製造業・建設業・林業・運送業」が含まれ、「金融業・小売業・情報処理業」等は含まれないという大まかな理解が重要です。
  • イ: 安全衛生委員会に統合した場合も、委員の構成は安全委員会・衛生委員会それぞれの必須委員を全て含む形にする必要があります(安衛法第19条第1項)。統合すると委員数が増えるケースが多いですが、運営が一本化されるメリットがあります。
  • ウ: 「議長=安全管理者」という誤りは「安全を担当する委員会だから安全管理者が議長」という感覚的な誤解から来ます。制度設計上は「経営決定権を持つ者が議長として安全衛生の方針決定に関与する」ことが重要です。
  • エ: 半数の労働者代表推薦という規定は「労使協議の場」としての委員会の性格を保証するものです。事業者が全委員を任命することを防ぎ、労働者の意見が委員会に反映される仕組みです。
  • オ: 長時間労働による健康障害防止対策が衛生委員会の法定審議事項に明記されているのは、過労死・過労自殺の社会問題化への法的対応です。具体的には時間外労働の実態把握・面接指導の実施状況・産業医の勧告内容等が衛生委員会で審議されます。

【根拠法令】労働安全衛生法 第17条(安全委員会の設置・構成)・第18条(衛生委員会の設置・調査審議事項)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生施行令 第8条(安全委員会の対象業種・人数)

【補足】安全委員会の議長も「総括安全衛生管理者等」であり「安全管理者」ではない。安全委員会は全業種ではなく政令指定業種のみ設置義務。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第17条(安全委員会)・第18条(衛生委員会)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生施行令(安衛令)第8条(安全委員会の設置義務業種・人数)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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