問題
安全委員会および安全衛生委員会に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはアです。安全委員会の議長は「第一号の委員」、つまり総括安全衛生管理者又はそれ以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者です(安衛法第17条第2項第1号・第3項)。安全管理者ではありません。衛生委員会の議長(第18条第4項で準用)も同様です。
ウ(建設業は50人以上で安全委員会必要)、イ(安全衛生委員会として一本化可能)、エ(議長以外の委員の半数は推薦に基づき指名)、オ(長時間労働による健康障害の防止対策も付議事項)はいずれも正しい記述です。
安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会の比較:
各選択肢の正誤と根拠:
- ウ(正): 安全委員会を設けるべき事業場は業種で2区分あり、林業・鉱業・建設業・一部の製造業(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)・道路貨物運送業・港湾運送業・自動車整備業・機械修理業・清掃業は常時50人以上、その他の安衛令第2条第1号・第2号の業種は常時100人以上です(安衛令第8条)。建設業は50人以上の区分です。
- イ(正): 安全委員会と衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの設置に代えて安全衛生委員会を設置することができます(安衛法第19条第1項)。
- ア(誤): 安全委員会の議長は第一号の委員(総括安全衛生管理者等のうちから事業者が指名した者)です(安衛法第17条第3項)。安全管理者は第二号の委員です。衛生委員会でも衛生管理者は議長になりません(第18条第4項)。
- エ(正): 第一号の委員(議長)以外の委員の半数は、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)の推薦に基づき指名します(安衛法第17条第4項を第19条第4項で準用)。労働協約に別段の定めがあるときは、その限度で適用されません(第17条第5項)。
- オ(正): 衛生委員会の付議事項には「長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること」が含まれます(安衛法第18条第1項第4号・安衛則第22条第9号)。
【理論的背景】
安全委員会(安衛法第17条)と衛生委員会(安衛法第18条)は、いずれも事業場ごとに一定の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるための機関です。安全衛生委員会(第19条)は、両方を設けなければならない事業場が、それぞれの設置に代えて設置できる委員会です。
両委員会の違い:
- 安全委員会: 労働者の危険を防止するための基本対策、安全に係る労働災害の原因・再発防止対策などを調査審議(安衛法第17条第1項)。政令で定める業種・規模の事業場に設置義務(安衛令第8条)
- 衛生委員会: 健康障害の防止・健康の保持増進の基本対策、衛生に係る労働災害の原因・再発防止対策などを調査審議(安衛法第18条第1項)。業種を問わず常時50人以上の事業場に設置義務(安衛令第9条)
議長は、いずれの委員会でも「第一号の委員」、すなわち総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者です(安衛法第17条第3項・第18条第4項・第19条第4項)。第一号の委員は1人とされています。
【実務・条文構造】
安全委員会を設けるべき事業場(安衛令第8条):
- 第1号(常時50人以上): 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業・化学工業・鉄鋼業・金属製品製造業・輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業・港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業
- 第2号(常時100人以上): 安衛令第2条第1号・第2号の業種のうち第1号以外のもの(第1号以外の製造業、電気業、ガス業、通信業、旅館業など)
各委員会の構成(安衛法第17条第2項・第18条第2項・第19条第2項):
| 区分 | 安全委員会 | 衛生委員会 | 安全衛生委員会 |
|---|---|---|---|
| 第一号の委員(議長) | 総括安全衛生管理者等から指名 | 同左 | 同左 |
| 管理者 | 安全管理者から指名 | 衛生管理者から指名 | 安全管理者及び衛生管理者から指名 |
| 産業医 | ― | 産業医から指名 | 産業医から指名 |
| 経験者 | 安全に関し経験を有する労働者 | 衛生に関し経験を有する労働者 | 安全・衛生それぞれの経験者 |
| 推薦に基づく指名 | 議長以外の委員の半数 | 同左 | 同左 |
衛生委員会の調査審議事項:
1. 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策(安衛法第18条第1項第1号)
2. 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策(同項第2号)
3. 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るもの(同項第3号)
4. その他の重要事項(同項第4号)。安衛則第22条が具体的に定め、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立(第9号・選択肢オ)、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立(第10号)などが含まれる
委員会の運営(安衛則第23条)は安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会に共通で、毎月1回以上開催し、開催の都度、議事の概要を労働者に周知し、意見と措置の内容・重要な議事を記録して3年間保存します。
【試験での位置づけ】
安全委員会と衛生委員会の混同問題は頻出です。「安全委員会は業種で50人/100人の区分、衛生委員会は全業種50人」「議長が誰か(総括安全衛生管理者等・安全管理者や衛生管理者ではない)」が主要ポイントです。本問のア(安全委員会の議長=安全管理者)はよく登場する誤り選択肢のパターンです。安全衛生委員会への一本化は「設置することができる」であり、義務ではない点も確認事項です。
【各選択肢の発展補足】
- ウ: 製造業はすべてが50人ではなく、木材・木製品製造業・化学工業・鉄鋼業・金属製品製造業・輸送用機械器具製造業だけが50人の区分で、その他の製造業は100人です。「製造業は50人以上」とする選択肢は誤りになるので注意しましょう。
- イ: 安全衛生委員会の委員は、安全管理者及び衛生管理者、産業医、安全・衛生それぞれの経験者を含めて構成します(安衛法第19条第2項)。
- ア: 安全管理者・衛生管理者は委員会の構成員(第二号の委員)であり、議長ではありません。
- エ: 推薦に基づき指名するのは「議長以外の委員の半数」です。「議長を含む全委員」や「委員の半数以上」ではない点が引っかけになります。
- オ: 長時間労働による健康障害の防止対策(安衛則第22条第9号)と、精神的健康の保持増進対策(同条第10号)は、ともに衛生委員会の付議事項です。
【根拠法令】労働安全衛生法 第17条(安全委員会)・第18条(衛生委員会)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生法施行令 第8条・第9条、労働安全衛生規則 第22条(衛生委員会の付議事項)・第23条(委員会の会議)
【補足】安全委員会の議長も「総括安全衛生管理者等」であり「安全管理者」ではない。安全委員会は政令で定める業種のみで、業種により50人以上又は100人以上。
- 労働安全衛生法第17条・第19条・第18条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第2条・第8条・第9条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第22条・第23条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第17条(安全委員会)・第18条(衛生委員会)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生法施行令(安衛令)第8条(安全委員会を設けるべき事業場)、労働安全衛生規則(安衛則)第22条第9号(長時間労働による健康障害防止対策)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

