関係法令(有害業務以外)22労働基準法

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問22:労働基準法

法定休日および振替休日・代休に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないが、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合は、毎週1回の休日を与えなくてもよい。
  • 振替休日とは、事前に休日と労働日を入れ替えることをいい、予め特定した休日に労働させ、その代わりに別の日を休日とする制度であり、元の休日の割増賃金は発生しない。
  • 代休とは、休日に労働させた後に別の日を休日とする制度であり、この場合でも休日に労働した時間については休日割増賃金(35%以上)を支払わなければならない。
  • 使用者が法定休日に労働させるためには、必ず36協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
  • 法定休日(週1回または4週4日)に加え、就業規則で定めた所定休日を法定外休日(いわゆる「所定休日」)と呼ぶが、法定外休日の労働には法定休日と同率の割増賃金(35%以上)が必ず発生する。正答
正答:法定休日(週1回または4週4日)に加え、就業規則で定めた所定休日を法定外休日(いわゆる「所定休日」)と呼ぶが、法定外休日の労働には法定休日と同率の割増賃金(35%以上)が必ず発生する。

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誤りはオです。法定外休日(就業規則等で定めた所定休日だが法定休日ではないもの)に労働させた場合、法定休日の割増賃金(35%以上)が必ずしも発生するわけではありません。法定外休日の労働は「時間外労働」として扱われる場合があり、その場合は時間外労働の割増賃金率(25%以上)が適用されます(1週間の法定労働時間40時間を超えた場合)。法定休日(35%以上)の割増率が適用されるのは「法定休日」への労働です。「必ず35%以上」という断言が誤りです。

ア(4週4日制の代替要件)、イ(振替休日で割増不発生)、ウ(代休でも休日割増が必要)、エ(休日労働には36協定が必要)はいずれも正しい記述です。

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法定休日・振替休日・代休・法定外休日の比較:

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 労基法第35条は「毎週少なくとも1回の休日」(週休1日制)を原則とし、「4週間を通じて4日以上の休日」(変形休日制)を代替として認めます(同条第2項)。
  • イ(正): 振替休日は「事前の入れ替え(休日と労働日を予め変更)」であり、本来の休日に労働しても、振り替えた別の日が休日になるため、元の休日に働いた日は「休日労働」としての性質を失います。したがって35%の割増賃金は不要(ただし1週間の法定時間を超えれば時間外扱いとなる場合あり)。
  • ウ(正): 代休は「事後の付与(休日労働後に別日を休日とする)」であり、休日労働の事実は消えません。休日に働いた時間には35%以上の割増賃金が必要で、後から代休を付与しても割増部分の賃金支払い義務は免除されません(基本給分は相殺可能という解釈もあります)。
  • エ(正): 法定休日に労働させるためには36協定(休日労働の協定)の締結と届出が必要です(労基法第36条第1項)。
  • オ(誤): 法定外休日(就業規則で設定した所定休日だが法定休日ではない日)の労働は、1週間(または1日)の法定時間内であれば割増賃金なしで認められる場合があります。法定外休日への労働が法定労働時間(週40時間等)を超えた場合に初めて時間外割増(25%以上)が発生します。「必ず35%以上」は誤りです。
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

休日労働の割増賃金(労基法第37条)は「法定休日(週1回または4週4日)への労働」に35%以上が義務付けられます。法定外休日(所定休日)への労働は、原則として「時間外労働」として扱われ、1週40時間・1日8時間を超えた部分に25%以上が適用されます。

この区別の背景: 法定休日は「労働者に最低限保障すべき休息」であり、侵害した場合の割増率が高い(35%)。法定外休日は「会社が設定した付加的な休息」であり、法定の枠内での労働であれば割増は不要という設計です。

振替休日と代休の本質的な違い:

  • 振替休日: 「休日の日付を変更する」制度。法律的には元の日が「平日(労働日)」に変わり、振り替え後の日が「休日」になります。元の日の休日性が消えるため休日労働の割増は不要。
  • 代休: 「休日に労働した後に補償として別日を休日にする」制度。元の日の休日性は変わらず、休日に労働した事実が残ります。35%の割増賃金支払い義務が残ります(代休付与で割増支払い義務が消えるわけではない)。

【実務・条文構造】

割増賃金の体系(労基法第37条):

  • 時間外労働: 25%以上(月60時間超の時間外は50%以上・中小企業は2023年4月から適用)
  • 法定休日労働: 35%以上
  • 深夜労働(22時〜5時): 25%以上
  • 重複する場合: 時間外深夜=50%以上、法定休日深夜=60%以上

法定休日の特定の方法(労基法第35条):

  • 就業規則で特定の曜日(例: 日曜日)を法定休日と定めることが一般的
  • 特定しない場合は、1週間の最後の1日が法定休日となる(最後に与えられた休日)
  • 法定休日を特定しない場合、複数の休日があっても「どの日が法定休日」か不明確になり割増賃金計算に影響

振替休日の有効要件(行政解釈・通達):

1. 就業規則に振替休日制度の規定があること(または労働協約・個別合意)

2. 「特定」: 休日に労働させるより前に、振り替える日を特定すること(事後の特定は代休になる)

3. 「近接性」: 振替は同一週内が原則(翌週以降の場合は時間外割増が発生する可能性あり)

法定外休日労働と法定休日労働の割増の違い:

  • 1週40時間を超えない法定外休日労働: 割増なし(基本給のみ)
  • 1週40時間を超えた法定外休日労働: 25%以上の時間外割増
  • 法定休日労働: 35%以上(時間が何時間でも・1週の累計に関係なく)
  • 法定外休日の深夜労働: 深夜割増(25%)のみ追加(基本+25%)
  • 法定休日の深夜労働: 60%以上(35%+25%)

【試験での位置づけ】

この分野は「振替休日(割増なし)vs 代休(割増あり)」「法定休日(35%)vs 法定外休日(25%または割増なし)」の2つの対比が核心です。オの誤りのように「法定外休日でも必ず35%」という混同が最頻出パターンです。また振替休日の有効要件(事前の特定・近接性)も出題されます。36協定が休日労働にも必要(エ)という点も重要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 4週4日制(労基法第35条第2項)は「就業規則その他これに準ずるものにより4週間を通じ4日以上の休日を与える場合」に認められます。就業規則への規定が必要であり、単に実態として4週4日休んでいれば足りるというものではありません。
  • イ: 振替休日が同一週内の場合、元の休日が「平日」になるため1週の総労働時間は変わらず、時間外割増も発生しません。翌週に振替を行う場合は、元の週の労働時間が増加するため時間外割増が発生する可能性があります。
  • ウ: 代休の賃金計算は複雑です。代休取得日は「賃金なし」(休日)となりますが、休日に労働した日は「基本給+35%割増」が発生します。実質的に35%割増部分の支払いが必要で、代休付与による相殺が認められるのは基本給部分のみという解釈が有力です。
  • エ: 36協定(休日労働協定)には「どの休日(法定か法定外か)に労働させるか」を明記する必要があります。法定休日の労働には必ず36協定が必要(協定なしの法定休日労働は労基法違反)。
  • オ: 法定外休日の例示: 週休2日制(土日が休日)の会社で、法定休日を「日曜日」と特定している場合、土曜日は「法定外休日(所定休日)」です。土曜日に労働しても、1週40時間以内なら割増は不要です。1週40時間を超えれば25%の時間外割増が適用されます(35%ではない)。

【根拠法令】労働基準法 第35条(法定休日:週1回または4週4日)・第36条(休日労働の36協定)・第37条(割増賃金:法定休日35%・時間外25%・深夜25%)

【補足】振替休日(事前入れ替え)は割増なし・代休(事後付与)は35%割増が残る。法定外休日の労働に必ず35%の割増が発生するわけではなく、法定時間超なら25%が適用される。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法(労基法)第35条(法定休日)・第36条(休日労働の36協定)・第37条(割増賃金)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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