衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問56|パートタイム・有期雇用労働者の均等・均衡待遇

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務以外)

短時間・有期雇用労働者の均等・均衡待遇(いわゆる同一労働同一賃金)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

誤っているのはエです。「同一の職場で働いていれば家族手当・住宅手当・賞与はすべて同額でなければならない」という規定はありません。第8条は、待遇のそれぞれについて、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理な相違を禁止しています。

たとえばガイドラインは、家族手当について、相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者に支給しない例を「問題とならない例」としています。住宅手当(転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの)も、転居を伴う配置の変更があるかどうかで判断されます。

均等待遇・均衡待遇の違いと具体的適用(パート・有期法):

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 均等待遇(第9条)の要件: ①職務の内容(業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度)が通常の労働者と同一 ②雇用関係が終了するまでの全期間において、職務の内容及び配置が通常の労働者と同一の範囲で変更されることが見込まれる → 短時間・有期雇用労働者であることを理由とした差別的取扱いの禁止。
  • イ(正): 均衡待遇(第8条): 基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
  • ウ(正): 第14条第2項: 求めがあったときは、待遇の相違の内容及び理由並びに措置の決定に当たって考慮した事項を説明しなければならない。第14条に関する紛争は、都道府県労働局長の紛争解決の援助(第24条)や紛争調整委員会の調停(第25条)の対象です(第22条・第23条)。
  • エ(誤): 「同一の職場で働いていれば家族手当・住宅手当・賞与は必ずすべて同額」という規定はありません。第8条は待遇ごとに、その性質・目的に照らして不合理かどうかを判断する仕組みです。ガイドラインも、家族手当について相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者に支給しない例を「問題とならない例」としています。
  • オ(正): ガイドラインは「短時間・有期雇用労働法第8条及び第9条」等に定める事項に関し定めるもので、典型的な事例について「問題とならない例・問題となる例」という形で具体例を付しています(平成30年厚生労働省告示第430号)。

【理論的背景】

正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇差について、平成30年6月29日に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立し(平成30年7月6日公布)、パート・有期法の第8条(不合理な待遇の禁止)・第9条(差別的取扱いの禁止)などが整備されました。

制度の核心は「均等待遇(差別的取扱いの禁止)」と「均衡待遇(不合理な相違の禁止)」という二層構造です。

【実務・条文構造】

均等・均衡待遇の二層構造:

1. 均等待遇(第9条・差別的取扱いの禁止):

  • 適用要件: ①職務の内容(業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度)が通常の労働者と同一 ②雇用関係が終了するまでの全期間において、職務の内容及び配置が通常の労働者と同一の範囲で変更されることが見込まれる(「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」)
  • 効果: 短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて差別的取扱いをしてはならない

2. 均衡待遇(第8条・不合理な待遇の禁止):

  • 対象: 短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれ
  • 判断基準: 職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮
  • 効果: 不合理と認められる相違を設けてはならない

同一労働同一賃金ガイドライン(平成30年厚生労働省告示第430号)の例:

  • 通勤手当及び出張旅費: 短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の通勤手当及び出張旅費を支給しなければならない
  • 家族手当: 労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の家族手当を支給しなければならない(相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者に支給しない例は「問題とならない例」)
  • 住宅手当(転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの): 通常の労働者と同一の転居を伴う配置の変更がある短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給しなければならない

→ 手当の種類・目的によって判断が異なります

説明(第14条)と紛争解決:

  • 雇入れ時: 第8条から第13条までの規定により講ずることとしている措置の内容を速やかに説明(第1項)
  • 求めがあったとき: 待遇の相違の内容及び理由等を説明(第2項)。求めをしたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁止(第3項)
  • 紛争解決: 苦情の自主的解決の努力(第22条)、都道府県労働局長による助言・指導・勧告(第24条)、紛争調整委員会による調停(第25条)

【試験での位置づけ】

同一労働同一賃金の頻出ポイント:

  • 「均等待遇(第9条)の2要件(職務の内容の同一+全期間の変更範囲の同一)」
  • 「均衡待遇(第8条)の不合理な相違禁止(職務が異なっても不合理はNG)」
  • 「説明(第14条第2項):求めがあれば待遇の相違の内容及び理由を説明」
  • 「すべての待遇を同額にする絶対義務ではなく、待遇ごとに不合理な相違を禁止」

「同じ職場=すべて同一賃金が義務」という誤解(選択肢エ)は典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 第9条の要件を満たす者は「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」と呼ばれ、第8条より厳格な「差別的取扱いの禁止」が適用されます。
  • イ: 第8条は「待遇のそれぞれについて」判断する仕組みで、待遇全体をまとめて比べるものではありません。
  • ウ: 説明の求めをしたことや、都道府県労働局長に援助を求めたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いも禁止されています(第14条第3項・第24条第2項)。
  • エ: 家族手当は「相応に継続的な勤務が見込まれるか」、住宅手当(転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの)は「転居を伴う配置の変更があるか」がガイドラインの判断のポイントです。「同一の職場で働いていればすべて同額」とはされていません。
  • オ: ガイドラインは第1の目的で、短時間・有期雇用労働法第8条及び第9条等に定める事項に関し定めるものであることを明記しています。

【根拠法令】短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期法)第8条(均衡待遇:不合理な待遇の禁止)・第9条(均等待遇:差別的取扱いの禁止)・第14条(説明)・第22条〜第25条(紛争の解決)、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

【補足】「同一職場=すべて同額義務」は誤り。均等待遇は「職務の内容が同一+全期間の変更範囲が同一」の場合。均衡待遇は待遇ごとに不合理な相違を禁止。求めがあれば待遇の相違の内容及び理由を説明。

この問題の根拠根拠: 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期法)第8条(不合理な待遇の禁止・均衡待遇)・第9条(差別的取扱いの禁止・均等待遇)・第14条(説明)・第22条〜第25条(紛争の解決)、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第430号)。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期法)第8条(不合理な待遇の禁止・均衡待遇)・第9条(差別的取扱いの禁止・均等待遇)・第14条(説明)・第22条〜第25条(紛争の解決)、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第430号)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • パートタイム・有期雇用労働者の均等・均衡待遇
  • 頻出度B

関連する問題

ページの先頭へ