科目Aの全体像
基本情報技術者試験の科目Aは60問・90分で実施されます。IRT(項目応答理論)方式で採点され、1,000点満点中600点以上が合格基準です。
科目A合格率は約61%(令和8年1月時点/IPA統計)と、科目B(42%)よりも明確に高いことが特徴です。科目Aは「取って当たり前」と考えるべき科目で、ここで6割取れないと合格は厳しくなります。
参照: IPA 基本情報技術者試験シラバス(最新版)
参照: IPA 基本情報技術者試験 受験案内
参照: IPA 統計情報(基本情報技術者試験)
3分野の概要は以下の通りです。
| 分野 | 主な内容 | 目安問題数 |
|---|---|---|
| テクノロジ系 | コンピュータ・アルゴリズム・データベース・ネットワーク・セキュリティ・ソフトウェア工学 | 約37〜48問(60〜80%) |
| マネジメント系 | プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査 | 約7〜8問(約12%) |
| ストラテジ系 | 経営戦略・システム戦略・業種別知識・法務 | 約15問(約25%) |
※ CBT問題プール方式のため、回によって分野比率は変動します。テクノロジ系優位は変わりませんが、ストラテジ系・マネジメント系合わせて約20問前後出題される回もあり、ストラテジ系を捨てる戦略は危険です。
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テクノロジ系:最重要・8割の得点源
コンピュータ構成要素(CPU・メモリ・I/O)
頻出テーマ:
- CPU:クロック周波数・MIPS(1秒間に実行できる命令数)・キャッシュメモリの仕組み
- メモリ:RAM vs ROM・仮想記憶・ページング・スラッシング
- 入出力:DMA転送・割り込み(ポーリング vs 割り込み駆動)
計算問題の攻略:
スループット計算(命令数 ÷ クロック数 × クロック周波数)やキャッシュヒット率計算が頻出です。公式を確認し、数値を変えた演習を繰り返してください。
ソフトウェアとシステム構成
頻出テーマ:
- OS:プロセス管理・スケジューリング(FCFS・SJF・ラウンドロビン)・デッドロック
- ファイルシステム:NTFS・ジャーナリング
- 仮想化:ハイパーバイザー型・コンテナ型の違い
- クラウド:IaaS・PaaS・SaaS の定義と使い分け
データベース(DB)
FEの中でも計算と知識の両方が問われる難易度が高い分野です。
頻出テーマ:
- 関係DB:第1〜第3正規形・ACID特性・トランザクション
- SQL:SELECT・WHERE・JOIN(内部・外部)・GROUP BY・HAVING・副問い合わせ
- インデックス:B木・なぜインデックスが速いか
- 排他制御:共有ロック vs 排他ロック・デッドロック回避
学習の優先順位: SQLの基本構文(SELECT〜FROM〜WHERE〜GROUP BY〜HAVING)は必ず実際に書いて理解する。データベース過去問演習で繰り返し練習が効果的です。
ネットワーク
頻出テーマ:
- OSI参照モデル:7層の名称と各層の役割・プロトコルの対応
- TCP/IP:ARPテーブル・IPアドレスとサブネットマスク計算・TCPの3ウェイハンドシェイク
- DNS・DHCP・NAT:仕組みと設定例
- 無線LAN:IEEE 802.11規格・SSID・WPA2/WPA3
計算問題の攻略: サブネット計算は「ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・ホスト数」を求める手順を体で覚える。CIDR表記(192.168.1.0/24 など)から逆算できるまで練習してください。
情報セキュリティ(最頻出)
科目AのセキュリティはFE全体の中でも最頻出かつ科目Bにも直結する重要分野です。
頻出テーマ:
- 暗号方式:共通鍵暗号(AES)・公開鍵暗号(RSA)・ハイブリッド暗号
- デジタル署名・PKI:証明書の仕組み・CAの役割
- 攻撃手法:SQLインジェクション・XSS・CSRF・DDoS・フィッシング・ランサムウェア
- セキュリティ対策:ファイアウォール・IDS/IPS・WAF・VPN・多要素認証
- 法規・ガイドライン:ISMS(ISO/IEC 27001)・サイバーセキュリティ基本法・不正アクセス禁止法
参照: IPA セキュリティ関連ガイドライン
ソフトウェア開発とアルゴリズム
頻出テーマ:
- ソフトウェア工学:ウォーターフォール vs アジャイル・V字モデル・ユーザーストーリー
- テスト技法:ホワイトボックス(条件網羅・分岐網羅)・ブラックボックス(同値分割・境界値)
- アルゴリズムの計算量:O(n)・O(log n)・O(n²) の意味と代表例
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マネジメント系:6問を確実に取る
プロジェクトマネジメント
頻出テーマ:
- PMBOK:9知識エリア(スコープ・スケジュール・コスト・品質・リスク等)
- ガントチャートとEVM(アーンドバリュー法):CPI・SPI・EAC の計算
- クリティカルパス:ネットワーク図から最長経路を求める計算
EVMの計算問題はFEでも出題実績があります。PV(計画値)・EV(出来高)・AC(実際コスト)の関係を理解し、CV=EV−AC、SV=EV−PV を公式として押さえてください。
サービスマネジメントとシステム監査
頻出テーマ:
- ITIL:サービスデスク・インシデント管理・問題管理・変更管理
- SLA:可用性・信頼性の計算(稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR))
- システム監査:内部統制・コントロールの種類(予防・発見・是正)
稼働率計算は頻出計算問題です。直列接続(稼働率の積)と並列接続(1−故障率の積)の公式を必ず押さえてください。
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ストラテジ系:6問を確実に取る
経営戦略・システム戦略
頻出テーマ:
- 経営分析:SWOT・PPM・バランスト・スコアカード(BSC)
- BPR・ERP・SCM・CRM:各概念の定義と事例
- ITガバナンス:COBIT・IT戦略の策定プロセス
法務・標準化
頻出テーマ:
- 知的財産権:著作権(プログラムの著作物)・特許・商標・不正競争防止法
- 個人情報保護法:要配慮個人情報・オプトアウト・第三者提供の例外
- IT関連法規:電子署名法・サイバーセキュリティ基本法・不正アクセス禁止法
- 標準化:ISO・JIS・IEEEの役割
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科目A 学習順序の推奨
Step 1(最重要): セキュリティ → 必ず最初に仕上げる(科目Bとの相乗効果)
Step 2: データベース(SQL)→ ネットワーク(計算問題含む)
Step 3: CPU・メモリ・OS → ソフトウェア工学
Step 4: マネジメント系(計算問題あり)→ ストラテジ系(定義暗記)
Step 5: 苦手分野の集中補強 → 科目A過去問548問演習
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計算問題対策:一覧
| テーマ | 公式・ポイント |
|---|---|
| MIPS | 1秒当たり実行命令数(MHz × IPC) |
| キャッシュヒット時間 | h×t1 + (1-h)×t2(h:ヒット率) |
| 稼働率(直列) | R1 × R2 |
| 稼働率(並列) | 1 − (1-R1)(1-R2) |
| サブネットホスト数 | 2^n − 2(n:ホスト部ビット数) |
| EVM CPI | EV / AC |
| EVM SPI | EV / PV |
| クリティカルパス | 最長経路の合計日数 |
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まとめ
科目Aは60問・90分と時間的余裕があります。テクノロジ系(約80%)の中でもセキュリティ・データベース・ネットワークを優先的に仕上げることが最効率です。計算問題は手順を体で覚え、定義問題は理解を伴った暗記で対応してください。
科目Aの得点が安定すると、科目Bのアルゴリズム練習に集中できる時間的余裕が生まれます。早期に科目Aを仕上げる戦略が合格への近道です。
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