基本情報技術者試験(FE)は、IPAが実施するITエンジニア向けの国家試験です。科目A60問90分・科目B20問100分の形式、両科目600点以上の合格基準、出題範囲、CBT方式の申込みから結果まで、2026年12月28日以降の休止予定と2027年度の新制度をIPAの資料で整理します。
目次
結論:基本情報技術者試験(FE)は、IPAが実施するITエンジニア向けの国家試験です。科目A(60問・90分)と科目B(20問・100分)を同じ日に続けて受け、どちらも600点以上で合格します(科目A免除の人は科目Bだけを受けます)。
試験の中身から申込み、2027年度の新制度までを、IPAの資料でまとめました。
基本情報技術者試験とは?ITエンジニアの登竜門といわれる国家試験
IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、略号はFE、英語名は Fundamental Information Technology Engineer Examination です。
IPAの試験区分のページは、この試験を「ITエンジニアの登竜門」と紹介しています。IPAが示す対象者像などは、次のとおりです。
| 項目 | IPAの説明 |
|---|---|
| 対象者像 | ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者 |
| 役割 | 上位者の指導の下に、企画・要件定義への参加、システムの設計・開発、サービスの安定運用への貢献のいずれかを果たす |
| 実施方式 | CBT方式(試験会場のパソコンで解答する方式)で、随時実施 |
| 受験資格 | どなたでも受験可能(CBT-Solutions) |
役割に「上位者の指導の下に」とあります。ひとりで何でも任される人ではなく、先輩の指示を受けながら仕事を進められる入口の水準、という意味です。
試験名は「基本情報技術者試験」です。履歴書に書くときの名称や略称は、基本情報技術者試験の正式名称と資格名で確かめられます。
参考:IPA『基本情報技術者試験』(試験区分のページ)、CBT-Solutions『基本情報技術者試験(FE)』(試験概要)。
試験の形式:科目Aは60問・90分、科目Bは20問・100分
試験は科目Aと科目Bの2科目で、同じ日に、科目A、休憩、科目Bの順に続けて受けます。
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 問う内容 | 知識 | 技能 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
| 出題数と解答数 | 60問 | 20問 |
| 評価に使う問題 | 56問 | 19問 |
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 満点と基準点 | 1,000点満点・600点 | 1,000点満点・600点 |
出題された問題のうち、科目Aの4問と科目Bの1問は、今後出題する問題を評価するために使われます。受験者の評価点には入りません。
科目Aと科目Bの間には、最長10分の休憩があります。別の日に分けて受けることはできません。
運転免許にたとえると、科目Aは交通ルールを覚えているかを見る筆記、科目Bは実際に運転できるかを見る実技のようなものです。ただし、どちらも選択式の問題で、パソコンで解答します。
試験の形式:科目Aは60問(評価は56問)・90分、科目Bは20問(評価は19問)・100分。同日に連続して実施し、科目Aの後に最長10分の休憩。各1,000点満点・基準点600点。最終確認日:2026-10-31。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)。
本番と同じ60問・90分で解く練習には、IPAが公開した科目Aのサンプル問題が使えます。
参考:IPA『試験要綱 Ver.5.6』3「試験時間・出題形式・出題数・解答数」(注5〜注7)。
合格基準:科目Aと科目Bの両方で600点以上
合格は、科目Aと科目Bの評価点が、どちらも基準点の600点(1,000点満点)以上のときです。
片方だけ600点以上でも、合格にはなりません。
採点はIRT(項目応答理論)で、解答結果から評価点を計算します。問題ごとの配点割合は定められておらず、「何問正解で600点」という換算も、要綱には載っていません。
応用情報技術者試験は、100点満点・60点が基準で、科目Aが基準点に届かないと科目Bを採点しない「多段階選抜方式」です。要綱でこの方式の対象とされているのは、応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士試験で、基本情報技術者試験は入っていません。
合格基準のまわりの話題は、それぞれ専用の記事に分けています。
- 合格率の推移と、科目Aと科目Bのどちらが難しいか:基本情報技術者試験の難易度
- 600点以上でも不合格になる理由:基本情報 600点以上で不合格になる理由
- 何割で合格か、評価点の分布:基本情報技術者試験の点数と配点
参考:IPA『試験要綱 Ver.5.6』4「採点方式・配点・合格基準」。
出題範囲:科目Aは3分野の知識、科目Bは擬似言語のプログラム
科目Aの出題範囲は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3分野です。試験要綱には、科目Aの分野別の出題数は書かれていません。
科目Bは、アルゴリズムとプログラミング分野が16問、情報セキュリティ分野が4問と定められています。要綱の出題範囲は、次の5項目です。
| 項目 | 要綱が挙げる内容(抜粋) |
|---|---|
| プログラミング全般 | 要求仕様の把握、プログラムの実装、既存プログラムの解読と変更、デバッグ |
| 処理の基本要素 | 型、変数、配列、代入、演算、選択処理、繰返し処理、手続・関数の呼出し |
| データ構造とアルゴリズム | 再帰、スタック、キュー、木構造、グラフ、連結リスト、整列、文字列処理 |
| 諸分野への適用 | 数理・データサイエンス・AIなどの分野を題材としたプログラム |
| 情報セキュリティの確保 | 物理的・技術的・組織的な管理策、マルウェアからの保護、バックアップ、ログ、脆弱性管理など |
要綱の注記は、プログラム言語について「基本情報技術者試験では擬似言語を扱う」としています。JavaやPythonなど、特定の言語を選ぶ形ではありません。
分野ごとの詳しい中身は、次の記事に分けました。
- 科目Aの範囲と対策:基本情報技術者試験 科目Aとは
- 科目Bの対策と解き方:基本情報技術者試験 科目Bの対策
- 擬似言語とJavaなどの関係:基本情報技術者試験でJavaは使う?
- 旧午後試験との違い:基本情報の午後試験はどうなった?
参考:IPA『試験要綱 Ver.5.6』5「出題範囲」(科目B試験の出題範囲は同要綱36〜37ページ)。
申込みから結果まで:CBT方式で随時受験、手数料は7,500円
CBT方式で年間を通じて随時実施され、試験日と会場は申込みのときに自分で選びます。決まった試験日はありません。
| 順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | CBT-Solutionsの受験者マイページで、利用者IDを作る |
| 2 | 試験日・会場・時間を選び、受験手数料を支払って予約する(予約は申込日から3日目以降の空席) |
| 3 | 申込内容の変更は、試験日の3日前まで |
| 4 | 当日は本人確認書類を持参する。メモ用紙とボールペンは会場が用意する |
| 5 | 試験終了後、画面に科目Aと科目Bの評価点が表示される |
| 6 | 受験した月の翌月に、IPAのページとマイページで合格者の受験番号が発表される |
再受験は、前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降の日程から選べます(前回を欠席した場合、この決まりは適用されません)。合格者には、経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。
申込みと手数料:受験手数料は7,500円(消費税込み。支払方法によっては別途払込手数料)。随時申込み。合格発表は正午の予定で、令和8年9月受験は2026年10月21日、令和8年10月受験は11月20日(予定)。最終確認日:2026-10-31。出典:IPA スケジュール、手数料など、IPA 受験申込み、CBT-Solutions 基本情報技術者試験。
申込みの画面、持ち物、当日の流れ、合格発表のあとの手続きは、それぞれ次の記事で詳しく扱っています。
参考:IPA『受験申込み』『スケジュール、手数料など』、CBT-Solutions『基本情報技術者試験(FE)』。
2026年12月28日以降は休止の予定:2027年度から新試験制度の予定
IPAは、システムの入れ替えのために、基本情報技術者試験を2026年12月28日以降に休止する予定だと案内しています。
会場によって試験開催日が異なるため、12月27日より前に休止になる会場もあります。2026年9月1日以降に新しく申し込む場合、選べる試験日は2026年12月27日までの予定です。空席がないなどで12月27日までに受けられなくても、受験手数料は返還されません。
CBT試験の休止:基本情報技術者試験は2026年12月28日以降に休止予定。再開時期は決まり次第公表。IPAは、2027年1月以降の試験実施を2026年秋頃にウェブページでお知らせするとしている。2026年10月31日に確認した申込みページ(2026年10月30日更新)には、休止明けの日程は載っていない。最終確認日:2026-10-31。出典:IPA 2026年5月以降の試験実施について、IPA 受験申込み。
IPAは、2027年度から新しい試験制度に移る予定も公表しています。基本情報技術者試験は継続する区分で、試験時間と出題数は今と同じ予定です。
- 試験時間と出題数:科目Aは90分・60問、科目Bは100分・20問
- 開始時期:2027年度春頃の予定(現行の制度は2026年度の試験実施をもって終了予定)
- 変わる点:科目Aの出題範囲の体系と、科目Bの出題範囲の一部。IPAは、問う知識・技能の範囲そのものは変わらないと説明している
- 科目Aの免除制度:変更の予定なし
2026年9月30日には、新制度の基本情報技術者試験シラバス案(Ver.0.1)も公表されました。休止明けの日程と、新制度の開始時期がどう対応するのかは、上の2つの案内には書かれていません。
新試験制度の予定:基本情報技術者試験は2027年度春頃から新試験制度で実施予定(科目A 90分・60問、科目B 100分・20問)。公表内容は検討状況で、今後変更の可能性がある。最終確認日:2026-10-31。出典:IPA 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について、IPA 新試験制度のシラバス案について。
2023年4月からの変更と新制度の違いは基本情報技術者試験は簡単になった?、シラバスの版ごとの違いは基本情報技術者のシラバス変更点で扱っています。
参考:IPA『CBT方式で実施する3試験区分における2026年5月以降の試験実施について』、IPA『情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について』。
受ける日を先に決め、科目Bの20問から確かめよう
12月27日までに受けるなら、先に試験日を押さえましょう。新制度を待つ場合も、休止明けの日程はIPAの発表を見て決めましょう。
そのうえで、科目Bの20問が自分に解けそうかを、早めに確かめておくと計画を立てやすくなります。次の記事から、目的に合うものを選んでください。
- ITパスポートとの違いと、つなげる学習の順番:ITパスポートと基本情報技術者の違い
- 応用情報との違いと、受ける順番:応用情報技術者試験と基本情報技術者試験の違い
- 勉強時間の見積もり方:基本情報技術者試験の勉強時間
- 科目Bの練習:基本情報 科目B 練習問題20問
科目Aの形に慣れる問題は、合格ナビの基本情報の問題一覧に、IPAが公開した問題を520問まとめています。種類ごとの数は次のとおりです。
| IPAの問題の種類 | 合格ナビの問題数 |
|---|---|
| 旧形式の午前問題(平成21年度〜令和元年度の21回分) | 400問 |
| 科目Aの公開問題(令和5・6・7年度の3回分、各20問) | 60問 |
| 科目Aのサンプル問題(2022年公開) | 60問 |
出典:合格ナビの問題データ(基本情報技術者の全520問、集計日 2026-10-31)。合格ナビの問題の数で、本試験の出題割合ではありません。問題一覧は科目Aの形式の問題だけで、科目Bの練習は基本情報 科目B 練習問題20問の記事で扱っています。
出典:IPA『基本情報技術者試験』『試験要綱 Ver.5.6』『スケジュール、手数料など』『見直しの検討状況について』、CBT-Solutions『基本情報技術者試験(FE)』。合格ナビ編集部が公開資料をもとに作成しました。数値や日程は変わるため、申込み前にIPAの最新の案内を確かめてください。
よくある質問
Q基本情報技術者試験に、受験資格の条件はありますか?
CBT-Solutionsの試験概要の「受験資格」の欄は「どなたでも受験可能」です。ただし、試験当日は有効な本人確認書類の提示が必要で、提示できない場合は、いかなる理由でも受験できないと案内されています。高校生の受験の注意点は基本情報技術者試験は高校生でも受験できる?にまとめています。
Q基本情報技術者試験は、IPAの中でどの水準の試験ですか?
IPAの試験要綱(Ver.5.6)は、基本情報技術者試験を共通キャリア・スキルフレームワークの5つの人材像(ストラテジスト、システムアーキテクト、サービスマネージャ、プロジェクトマネージャ、テクニカルスペシャリスト)の「レベル2」に相当すると書いています。レベル2の定義は、基本的知識・スキルを有し、一定程度の難易度又は要求された作業について、その一部を独力で遂行できる、というものです。同じ要綱で、情報セキュリティマネジメント試験もレベル2、応用情報技術者試験はレベル3とされています。ITパスポート試験の欄には、レベルの記載がありません。
Q科目Aが免除される人はいますか?
IPAに認定された講座を受講して修了試験に合格するなど、基準を満たした人は、その後1年間、受験申込みのときに申請して科目Aの免除を受けられます(CBT-Solutionsの試験概要)。申込みのときに「科目A免除(修了認定者)」を選ぶ必要があり、通常の「科目A・科目B」との間で、申込み後に切り替えることはできません。また、同じ案内では、2025年12月27日以降に免除で申し込んだ人が選べる最後の試験日は、2026年12月27日までです。条件と流れは基本情報技術者試験 科目A免除とはで扱っています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

