基本情報 平成30年度 春期 問66:ストラテジ系に関する問題
図に示す手順で情報システムを調達するとき, bに入れるものはどれか。 発注元はベンダにシステム化の目的や業務内容など を示し, 情報提供を依頼する。 発注元はベンダに調達対象システム, 調達条件など を示し, 提案書の提出を依頼する。 発注元はベンダの提案書, 能力などに基づいて, 調 達先を決定する。 発注元と調達先の役割や責任分担などを, 文書で相 互に確認する。
- aRFI
- bRFP正答
- c供給者の選定
- d契約の締結
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは b「RFP」 です。
調達の流れ:
1. RFI(Request for Information):「情報ください」とベンダに概要情報を依頼
2. RFP(Request for Proposal):「提案ください」と具体的提案書を依頼 ← b はここ
3. 提案評価→ベンダ決定
4. 契約締結
👉 覚え方:RFI=情報、RFP=提案、RFQ=見積もり!
bの位置にある「調達対象と条件を示して提案書提出を依頼」はまさに RFP です。
なぜこれが正解か
正解は b。情報システム調達の標準的手順は以下:
1. RFI(Request for Information):「情報提供依頼」。ベンダに自社の業務や課題を伝え、保有技術・実績等の情報を求める段階。
2. RFP(Request for Proposal):「提案依頼」。調達対象・条件を明示し、提案書の提出を依頼する段階。← 本問のbはここ
3. 供給者の選定:提案書・能力評価に基づきベンダ決定。
4. 契約の締結:役割分担・責任範囲を文書化。
各選択肢の解説
- a RFI:情報提供依頼。手順の最初段階。
- b RFP:提案依頼。本問の「調達対象・条件を示して提案書提出依頼」に該当 → 正解。
- c 供給者の選定:提案評価・決定段階。
- d 契約の締結:最終段階。
覚え方・ひっかけ注意
調達3点セット:
- RFI(Information):「情報ください」(探索段階)
- RFP(Proposal):「提案ください」(具体化段階)
- RFQ(Quotation):「見積もりください」(価格確定段階)
順番は RFI → RFP → RFQ → 契約。すべてを実施するとは限らず、案件規模により省略可。
調達プロセスの全体像
IT調達の標準フロー(経産省「情報システム・モデル取引・契約書」「SLCP-JCF 2013」参照):
1. 調達計画:調達方針・対象範囲・予算枠を策定。
2. RFI:複数ベンダから市場情報・実績・保有技術を収集。
3. RFP:要件を明確化した提案依頼書を作成・送付。
4. 提案評価:技術・コスト・実績・体制・スケジュール等の評価軸で採点。
5. ベンダ選定・交渉:プレゼンテーション、デモ、リファレンスチェック。
6. 契約締結:請負/準委任契約、SLA、SOW(Statement of Work)。
7. モニタリング:プロジェクト推進中のベンダ管理。
8. 検収・支払い:契約条件に基づく成果物確認。
RFP の典型構成
- プロジェクト背景・目的
- 業務概要・現状システム
- 調達範囲(スコープ)
- 要件(機能要件・非機能要件)
- 制約条件(予算、スケジュール、技術制約)
- 評価基準(採点方式・配点)
- 提案書記載項目(標準フォーマット指定)
- 質疑応答プロセス
- 応募スケジュール
- 契約条件概要
提案評価の手法
- 加点方式:項目ごとに評価点を集計。
- 減点方式:標準から外れた点を減点。
- 総合評価方式:技術点と価格点の合算(公共調達で一般的)。
- WTO政府調達協定:一定額以上は国際入札(日本:1.7億円相当以上)。
契約の類型
- 請負契約:成果物責任、瑕疵担保責任。受注側が完成義務。
- 準委任契約:労務提供責任、善管注意義務。具体的成果物には縛られない。
- 派遣契約:労働者派遣法に基づく。指揮命令権が発注者にある。
- アジャイル契約:スコープを固定せず労務提供を継続、近年増加。経産省「情報システム・モデル取引・契約書(アジャイル開発版)」2020年版。
関連法令・規格
- 下請法(下請代金支払遅延等防止法):親事業者の優越的地位濫用防止。
- 独占禁止法:不公正な取引方法の規制。
- 電子契約法:電子契約の法的効力。
- 個人情報保護法:委託先の個人情報取扱い。
- JIS Q 25010(旧 ISO/IEC 25010):システム品質モデル(要件記述に活用)。
ベンダ管理(VMO:Vendor Management Office)
大規模IT組織ではVMOを設置し、複数ベンダの統合管理、契約管理、SLA管理、リスク管理を実施。ITサプライチェーンセキュリティとして近年のサプライチェーン攻撃対策にも連動。
試験での位置づけ
FE「ストラテジ/調達」分野で頻出。応用情報・ITストラテジスト・PMでは中核知識。経産省モデル契約書、PMBOK調達管理プロセス、ISO/IEC 27036(情報セキュリティ委託先管理)は実務でも必須。
クラウド調達の特殊性
- オンプレ→クラウド移行:従来のシステム調達とは別観点。
- ベンダ・ロックイン回避:マルチクラウド戦略、ポータビリティ確保。
- SaaS調達:契約条項(解約、データ持出、SLA)のレビューが重要。
- ISMAP:日本政府情報システムのクラウドセキュリティ評価制度。
- クラウド責任分担モデル:IaaS/PaaS/SaaS各層の責任範囲。
選択肢の発展補足
aのRFIは調達の探索段階で実施されるが、近年は省略される傾向(インターネット・SNSで事前調査可能なため)。dの契約締結段階では請負か準委任かの見極めが重要。アジャイル開発では従来型の請負契約が適合しにくく、準委任ベース+成果物承認サイクル等のハイブリッド形態が増加。SoR(System of Record)は請負、SoE(System of Engagement)はアジャイル+準委任、と棲み分ける考え方が定着。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成30年度 春期 問66/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。