基本情報 平成31年度 春期 問76:ストラテジ系に関する問題
社内カンパニー制を説明したものはどれか。
- a1 部門を切り離して別会社として独立させ, 機動カのある多角化戦略を展開す る。
- b合併, 買収によって, 自社にない経営資源を相手企業から得て, スピーデイィな 戦略展開を図る。
- c時間を掛けて研究・開発を行い, その成果を経営戦略の基礎とする。
- d事業分野ごとの仮想企業を作り, 経営資源配分の効率化, 意思決定の迅速化, 創造性の発揮を促進する。正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。
答えは d です。
社内カンパニー制は、会社の中に「事業ごとの“小さな会社”をいくつも作って、それぞれが自分で意思決定して動く」仕組み。
別会社みたいに独立採算で運営するけど、法律上はあくまで同じ会社の中。
👉 覚え方:社内カンパニー=社内に擬似的な会社を複数作る。
ほかの選択肢:a 別会社化=スピンオフ/b 合併買収=M&A/c 時間掛けて研究=R&D戦略。
なぜこれが正解か
正解は d。社内カンパニー制は、企業内で事業分野ごとに仮想的な会社(カンパニー)を設立し、独立した経営資源配分・意思決定権限を与える組織形態。1994年にソニーが日本で先駆けて導入し、迅速な意思決定と事業ごとの責任明確化を狙う。
各選択肢の解説
- a 別会社として独立:スピンオフ/分社化。法的に別法人化する点で社内カンパニー制と異なる。
- b 合併買収で経営資源獲得:M&A戦略。
- c 時間をかけ研究開発:R&D戦略。
覚え方・ひっかけ注意
組織形態の階層:
- 職能別組織:機能別(営業・製造・開発)で分割。シンプル、規模効率良し
- 事業部制組織:事業別に分割、各事業部に権限委譲
- 社内カンパニー制:事業部制をさらに強化、独立採算
- 持株会社制(純粋持株/事業持株):法人格分離、グループ経営
「仮想企業・社内会社・独立採算」がキーワードなら社内カンパニー制。
理論的背景
企業組織論ではChandlerの「組織は戦略に従う」原則のもと、企業規模拡大と多角化に応じて組織が進化する:
1. 単純(U型)組織:創業期
2. 職能別(U-Form:Unitary)組織:機能別分割
3. 事業部制(M-Form:Multidivisional)組織:事業別分割。GMが1920年代に導入
4. 社内カンパニー制:事業部制の発展型、独立採算を強化
5. 持株会社制(H-Form:Holding):法人分離
6. マトリクス組織:機能×事業の二重指揮系統
7. ネットワーク組織:プロジェクト・タスクフォース、フラット化
社内カンパニー制の特徴
- 疑似的なP/L、B/S:カンパニー単位で財務管理
- CEO(プレジデント):カンパニー長に大幅な権限委譲
- 本社機能:戦略立案、経営資源配分、グループ統制
- 転換価格/社内資本金:カンパニー間取引を市場価格で評価
- メリット:迅速意思決定、責任明確化、人材育成
- デメリット:シナジー喪失、重複投資、本社統制弱体化
日本企業の導入事例と進化
- ソニー(1994):8カンパニー制で先駆け、後にエンタテインメント・金融等を分社
- トヨタ:7つの社内カンパニー+分社(2016年に「カンパニー制」導入)
- 日立:分社化・統合・再編を繰り返し、現在は事業別分社
- パナソニック:事業会社制へ移行(2022年〜)
組織形態は経営環境変化に応じて頻繁に見直しされる。
持株会社制との関係
2000年代以降、日本でも純粋持株会社(HoldCo)が解禁され、社内カンパニー制から持株会社制への移行が増加(NTT、ソフトバンク、楽天、リクルート等)。法的分離による責任明確化、買収・売却の容易性、グループ全体の経営最適化がメリット。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報のストラテジ分野で頻出。中小企業診断士・ITストラテジストでは組織設計とコーポレートガバナンスとの関連で詳細出題。
選択肢の発展補足
M&Aは水平統合(同業合併)・垂直統合(バリューチェーン上下)・多角化M&A(異業種参入)で分類。LBO(Leveraged Buyout)は買収先のキャッシュフローを担保に借入で買収する手法。R&Dは基礎研究→応用研究→開発の3段階で、ステージゲート管理が一般的。これらは組織設計とは独立した戦略カテゴリだが、組織選択と連動して経営戦略を構成する。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成31年度 春期 問76/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。