行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問136|行政手続法・申請の取下げと取戻し・申請の補正

問題

行政書士 | 行政法

行政手続法上の申請の取扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

エが正しい記述です。行政手続法7条は、行政庁は申請が到達したときは遅滞なく審査を開始しなければならず、形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、相当の期間を定めて補正を求めるか、又は許認可等を拒否しなければならないと規定しています(エ正しい)。補正と拒否のどちらで応答するかは行政庁が選べますが、不備のある申請を放置することは許されません。アは「審査開始後は取り下げられない」という規定は存在せず誤りです。イは「補正を求めなければならない」としており誤りです(補正を求めずに拒否することもできます)。ウは「返戻後は審査義務消滅」が誤りです。オは「補正を求めると同時に審査継続義務」という絶対的義務は条文上ありません。

行政手続法7条の申請の取扱いについて整理します。

7条の審査義務: 申請が行政庁に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。申請書の記載事項等が形式上の要件に適合しない場合、速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。

エが正しい理由: 7条は、形式上の要件に適合しない申請について、速やかに補正を求めるか拒否するかのいずれかで応答することを行政庁に義務付けています。不備のある申請を放置したり受け取らずに済ませたりすることは許されません。エはこの規定どおりです。

各選択肢の誤り:

  • ア: 取下げについて行政手続法上の明示的制限規定はなく、「審査開始後は取下げ不可」という規定は存在しません。
  • イ: 7条は「相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は…拒否しなければならない」と規定しており、補正を求めるか拒否するかは行政庁が選べます。「補正を求めなければならない」とする点で誤りです。
  • ウ: 申請が到達した後の返戻は審査義務を消滅させません。到達後は審査義務が発生しており、返戻だけでは義務は消えません。
  • オ: 補正を求める場合に審査を継続する義務は7条から直接導かれるものではなく、補正が完了してから審査する扱いも認められます。

【行政手続法7条の構造と立法趣旨】

行政手続法7条は「審査・応答義務」を定める規定です。従前の行政実務では、申請書が窓口に持参されても担当者の裁量で「受け付け」を留保したり、些細な不備を理由に返戻・再持参を繰り返させる「不受理慣行」が横行していました。7条はこれを禁止し、申請が「到達」した時点で法的な審査義務が発生することを明確にしました。「到達」とは、郵送であれば郵便受けへの投入、電子申請であれば行政庁の情報システムへの記録が完了した時点等を指し、窓口担当者が「受付印を押した時点」ではありません(平成17年通達等を参照)。

【補正と拒否の関係】

7条は、形式上の要件に適合しない申請について「速やかに、申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない」と規定しています。行政庁は補正を求めるか拒否するかのいずれかを速やかに選んで応答しなければならず、補正の機会を与えることそのものは条文上義務付けられていません。他方で、不備を理由に申請を放置したり、受け取らずに返戻したりする扱いは、この応答義務に反します。エの記述はこの規定を正確に反映しています。

【各論点の詳細検討】

「申請の取下げ」(ア関連): 行政手続法は申請の取下げについて明示的に規定していません。民事法の一般原則(申請は申請者の意思によりいつでも撤回可能)と、行政の中立性・公益保護の観点との調整が問題になりますが、少なくとも「審査開始後は取下げ不可」という法定の制限は存在しません。個別法令(建築確認申請等)では申請の取下げを認める規定がある場合もあります。

「申請の返戻」(ウ関連): 申請が到達した後に行政庁が申請書類を物理的に返戻しても、法的に「申請の到達」という事実は消えません。したがって、返戻によって審査義務が消滅するわけではありません。申請者が明示的に取り下げない限り、返戻後も審査義務は継続します(「受理拒否の禁止」の法理)。

「補正期間の設定」(イ関連): 7条は「相当の期間を定めて補正を求める」と規定しますが、この「相当の期間」を定める方法について行政手続法上の詳細な規定はなく、申請の性質・不備の内容に応じて行政庁が合理的に判断します。補正を求める場合には「相当の期間を定めて」求めることになりますが、補正を求めるか拒否するかは行政庁が選択できます。「補正を求めなければならない」とするイは、拒否による応答を排除している点で7条の文言と食い違います。

【試験対策ポイント】

行政手続法7条は行政書士試験で繰り返し出題される重要条文です。①「申請到達→遅滞なく審査開始義務」②「形式上の不備→速やかに補正を求めるか拒否するかで応答する義務」③「補正を求めずに拒否することも条文上認められる」という3点が核心です。なお、行政手続法と行政不服審査法の交差領域として、申請拒否処分に対して審査請求をする場合の審査請求期間(不服審査法18条の3か月)も確認しておくことが重要です。

【根拠条文】

行政手続法 第7条(申請に対する審査・応答)、第8条(理由の提示)、第9条(情報の提供)

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法 第7条(申請に対する審査・応答)、第9条(情報の提供) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 行政手続法・申請の取下げと取戻し・申請の補正
  • 頻出度B

関連する問題

ページの先頭へ