問題
行政手続法の適用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
行政手続法はすべての行政活動に適用されるわけではなく、適用除外が条文で定められています。
エが誤りです。 行手法4条1項は、国の機関や地方公共団体(その機関)が「その固有の資格において」名あて人となる処分などについて「この法律の規定は、適用しない」と定めています。「すべて適用対象」ではありません。
ア(正)は1条1項の目的規定どおり。イ(正)は3条3項(根拠が条例・規則にある処分と行政指導)。ウ(正)は3条1項7号(学校での教育目的の処分)と8号(刑務所等での収容目的の処分)。オ(正)は3条1項10号(外国人の出入国・難民認定等)です。
適用除外の3つの条文を区別する
1. 3条1項: 各号に掲げる処分・行政指導について「次章から第四章の二までの規定は、適用しない」。例: 1号 国会の両院・一院または議会の議決による処分、2号 裁判所・裁判官の裁判による処分、5号 刑事事件に関する法令に基づき検察官等がする処分・行政指導、7号 学校等で教育の目的を達成するための処分・行政指導、8号 刑務所・少年院等で収容の目的を達成するための処分・行政指導、9号 公務員に対しその職務・身分に関してされる処分・行政指導、10号 外国人の出入国・難民認定・帰化等に関する処分・行政指導(オ)。
2. 3条3項: 地方公共団体の機関がする処分(根拠が条例・規則にあるもの)と行政指導などには「次章から第六章までの規定は、適用しない」(イ)。この部分について地方公共団体は、46条により必要な措置を講ずるよう「努めなければならない」(努力義務)。
3. 4条1項: 国の機関・地方公共団体(その機関)が「その固有の資格において」名あて人となる処分などは「この法律の規定は、適用しない」(エが誤りの根拠)。
ウのように、3条1項7号・8号は「学校」「刑務所等」という場所だけでなく、「教育の目的」「収容の目的」を達成するための処分・行政指導に限っている点も押さえましょう。
【理論的背景】
行政手続法(平成5年法律第88号)は、1条1項で「処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性…の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資すること」を目的に掲げています(ア)。一方で、手続の性質上この法律の一般ルールになじまない分野もあるため、適用除外が条文で明示されています。なお1条2項は、この法律に規定する事項について他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによるとしています。
【実務・条文構造】
- 3条1項柱書: 「次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第四章の二までの規定は、適用しない。」
- 7号: 「学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導」
- 8号: 「刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院又は少年鑑別所において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導」
- 10号: 「外国人の出入国、…難民の認定、…補完的保護対象者の認定又は帰化に関する処分及び行政指導」
- 3条3項: 地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(根拠が条例又は規則にあるものに限る)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については「次章から第六章までの規定は、適用しない」。
- 4条1項: 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(「これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る」)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出については「この法律の規定は、適用しない」。3条1項が第2章から第4章の2までを外すのに対し、4条1項は法律の規定全体を外す点が異なります。
- 4条2項・3項: 法律により直接に設立された法人等に対する監督上の処分や、指定を受けた者に対する監督上の処分の一部については「次章及び第三章の規定は、適用しない」。
- 46条: 地方公共団体は、3条3項で適用しないこととされた処分・行政指導・届出・命令等を定める行為の手続について「必要な措置を講ずるよう努めなければならない」(努力義務)。
【試験での位置づけ】
適用除外は、①どの条文か(3条1項・3条3項・4条)、②何が外れるか(第2章〜第4章の2/第2章〜第6章/法律の規定全体/第2章・第3章)、③各号の対象の限定(教育の目的・収容の目的など)の3点で問われます。号の番号も、1号(国会の議決)、2号(裁判所の裁判)、5号(刑事事件)、7号(学校)、8号(刑務所等)、9号(公務員)、10号(外国人)と整理しておきましょう。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 1条1項の文言どおりです。
- イ(正): 3条3項。条例・規則が根拠の処分と行政指導には第2章から第6章までが適用されません。第1章の規定までは除外されていないため、「原則として」の表現と合致します。
- ウ(正): 3条1項7号・8号。「教育の目的を達成するため」「収容の目的を達成するため」という限定が付いています。
- エ(誤): 4条1項。固有の資格で名あて人となる処分などには、この法律の規定がすべて適用されず、「すべて適用対象」は誤りです。
- オ(正): 3条1項10号。
【根拠条文】行政手続法 第1条第1項・第2項、第3条第1項第7号・第8号・第10号、第3条第3項、第4条第1項〜第3項、第46条
【補足】3条1項=第2章〜第4章の2を除外/3条3項=第2章〜第6章を除外(46条の努力義務とセット)/4条1項=法律の規定全体を除外。
- 行政手続法第1条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政手続法 第1条第1項(目的)、第3条第1項第7号・第8号・第10号(適用除外)、第3条第3項(地方公共団体の機関の処分等)、第4条第1項(国の機関等に対する処分等の適用除外)、第46条(地方公共団体の措置)。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

