問題
行政不服審査法が定める審理員制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
ウが正しいです。審理員は審理手続を終結したときは遅滞なく審理員意見書を作成し(行審法42条1項)、作成したときは速やかに事件記録とともに審査庁に提出しなければなりません(42条2項)。アは誤りで、審査請求に係る処分に関与した者は審理員に指名できません(9条2項1号)。イは誤りで、審査請求人または参加人から申立てがあったときは、審理員は口頭で意見を述べる機会を与えなければなりません(31条1項)。エは誤りで、審理員を指名しない場合があります(9条1項ただし書)。オは誤りで、43条1項は、審査庁が主任の大臣等や地方公共団体の長である場合、同項各号の場合を除き、行政不服審査会等への諮問を義務付けています。
審理員の指名(9条1項): 審査請求がされた行政庁(審査庁)は、審査庁に所属する職員のうちから審理手続を行う者(審理員)を指名し、その旨を審査請求人等に通知しなければなりません。
指名できない者(アが誤りの根拠・9条2項):
- 審査請求に係る処分若しくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者など(1号)
- 審査請求人(2号)、その配偶者・四親等内の親族・同居の親族(3号)、代理人(4号)、これらであった者(5号)
- 審査請求人の後見人・保佐人・補助人等(6号)、利害関係人(7号)
口頭意見陳述(イが誤りの根拠・31条): 審査請求人または参加人の申立てがあった場合、審理員は口頭で意見を述べる機会を与えなければなりません(31条1項)。申立人は、審理員の許可を得て、処分庁等に対して質問を発することができます(31条5項)。
指名しない場合(エが誤りの根拠・9条1項ただし書): 審査庁が内閣府設置法49条1項・2項又は国家行政組織法3条2項に規定する委員会などである場合、条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合、24条により審査請求を却下する場合は、審理員の指名は不要です。
【審理員の指名と指名しない場合】
9条1項本文により、審査庁は、審査庁に所属する職員(17条の名簿を作成した場合は名簿に記載されている者)のうちから審理員を指名し、審査請求人と処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る)に通知しなければなりません。9条2項は、処分や再調査の請求の決定に関与した者、審査請求人やその親族・代理人、利害関係人などを指名の対象から外しています。
一方、9条1項ただし書は、審理員を指名しない場合として次を挙げています。
- 審査庁が、内閣府設置法49条1項・2項又は国家行政組織法3条2項に規定する委員会(1号)、内閣府設置法37条・54条又は国家行政組織法8条に規定する機関(2号)、地方自治法138条の4第1項に規定する委員会・委員又は同条3項に規定する機関(3号)である場合
- 条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合
- 24条により審査請求を却下する場合
【審理員の権限・審理手続の詳細】
審理員の主な権限:
- 弁明書の提出を求める(29条2項)
- 反論書・意見書の提出期間を定める(30条1項・2項)
- 口頭意見陳述の機会付与(31条1項)※申立てがあれば義務(イが誤りの根拠)
- 物件の提出要求(33条)
- 参考人の陳述・鑑定の要求(34条)
- 検証(35条)
- 審理関係人への質問(36条)
- 審理手続の計画的遂行(37条)
- 提出書類等の閲覧・写しの交付(38条)
審理員意見書(ウが正しいの根拠): 審理員は、審理手続を終結したときは遅滞なく審査庁がすべき裁決に関する意見書(審理員意見書)を作成し(42条1項)、作成したときは速やかに事件記録とともに審査庁に提出します(42条2項)。裁決の主文が審理員意見書と異なる内容である場合、裁決書の理由には異なることとなった理由を含めなければなりません(50条1項4号)。
【行政不服審査会との接続(オが誤りの根拠)】
43条1項により、審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、審査庁が主任の大臣や宮内庁長官等である場合は行政不服審査会(総務省に置かれる・67条1項)に、地方公共団体の長である場合は81条1項・2項の機関に、それぞれ諮問しなければなりません。諮問が不要となるのは43条1項各号の場合です。
- 処分や裁決について審議会等の議を経る定めがあり、その議を経た場合(1号〜3号)
- 審査請求人から行政不服審査会等への諮問を希望しない旨の申出がある場合(参加人から反対の申出がある場合を除く・4号)
- 行政不服審査会等が諮問を要しないと認めた場合(5号)
- 審査請求が不適法であり、却下する場合(6号)
- 処分の全部を取り消す場合等で、反対の意見書や口頭意見陳述での反対意見がない場合(7号)
- 申請の全部を認容する措置をとる場合で、反対の意見書や口頭意見陳述での反対意見がない場合(8号)
諮問は審理員意見書及び事件記録の写しを添えてし(43条2項)、裁決の主文が答申書と異なる場合も、裁決書に異なることとなった理由を記載します(50条1項4号)。
【各選択肢の詳細分析】
- ア: 誤り。9条2項1号は処分に関与した者を指名の対象から除外している。
- イ: 誤り。31条1項は、申立てがあった場合に口頭で意見を述べる機会を「与えなければならない」と定める。
- ウ: 正しい。作成は42条1項(遅滞なく)、提出は42条2項(速やかに・事件記録とともに)。
- エ: 誤り。9条1項ただし書により、委員会等が審査庁である場合、条例に特別の定めがある場合、24条により却下する場合は審理員を指名しない。
- オ: 誤り。43条1項は同項各号の場合を除き諮問を義務付けている。「任意」は誤り。
【根拠条文】
行政不服審査法 第9条第1項(審理員の指名・ただし書)、第9条第2項(指名できない者)、第29条〜第38条(審理手続)、第31条第1項・第5項(口頭意見陳述)、第42条第1項(審理員意見書の作成)・第2項(提出)、第43条第1項・第2項(行政不服審査会等への諮問)、第50条第1項第4号(異なる裁決の理由)、第67条第1項(行政不服審査会の設置)、第81条(地方公共団体の機関)
【補足】
審理員は「審査庁に所属する職員から、9条2項の者を除いて」指名。審理員を指名しない場合は9条1項ただし書の3類型。審理員意見書は「作成=遅滞なく(42条1項)/提出=速やかに(42条2項)」。審理員意見書提出後の行政不服審査会等への諮問は「43条1項各号の場合を除き義務」。
- 行政不服審査法第9条e-Govで原文を読む
- 地方自治法第138条の4e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第9条(審理員)・第42条(審理員意見書) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

