行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問48|再調査の請求・再審査請求の要件と相互関係

問題

行政書士 | 行政法

行政不服審査法が定める再調査の請求および再審査請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

イが誤りです。行審法5条2項本文は、再調査の請求をしたときは、その決定を経た後でなければ審査請求をすることができないと定めています。ここまではイと同じです。しかし同項ただし書は例外を2つ置いています。①再調査の請求をした日の翌日から起算して3月を経過しても処分庁が決定をしない場合(オの内容)、②決定を経ないことにつき正当な理由がある場合です。この場合は決定前でも審査請求ができるので、「いかなる場合であっても」とするイは誤りです。アは5条1項本文のとおりで正しい記述です。

再調査の請求の要件(ア): 5条1項本文は、①処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合であって、②法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときに、処分庁に対して再調査の請求ができると定めます。根拠は「法律」に限られ、条例は挙げられていません。アは条文どおりで正しい記述です。

審査請求との関係(イの誤りの詳細): 5条2項本文により、再調査の請求をしたときは、原則として決定を経た後でなければ審査請求ができません。ただし書の例外は次の2つです。

1. 再調査の請求をした日の翌日から起算して3月を経過しても、処分庁が決定をしない場合(1号・オと対応)

2. その他決定を経ないことにつき正当な理由がある場合(2号)

イは「いかなる場合であっても」と例外を否定しているため誤りです。

再審査請求(ウ・エ): 再審査請求も法律に定めがある場合のみ認められます(6条1項)。再審査請求の対象は、行審法6条2項により「原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決)または当該処分(原処分)」とされ、両者を併せて「原裁決等」と定義されています。したがって、再審査請求人は原裁決を対象にすることも、原処分そのものを対象にすることもできます。エはこの6条2項を正確に述べた正しい記述です(誤りではありません)。なお、再審査請求が理由ある場合の認容裁決では、再審査庁は「原裁決等」の全部または一部を取り消します(65条1項)。「原裁決等」には原処分も含まれるため、再審査庁が原処分を取り消すことも条文上認められています。

【行審法が定める不服申立ての3類型】

行審法は、処分に対する不服申立てとして次の3つを置いています。

  • 審査請求(2条): 処分に不服がある者が行う基本の手続
  • 再調査の請求(5条): 処分庁以外の行政庁に審査請求ができる場合で、法律に定めがあるときに、処分庁に対して行う手続
  • 再審査請求(6条): 法律に定めがある場合に、審査請求の裁決に不服がある者が行う手続

再調査の請求と再審査請求は、いずれも「法律に…することができる旨の定め」があることが要件です。再調査の請求が置かれている典型例は国税通則法75条1項1号で、税務署長・国税局長・税関長がした処分について、処分をした者に対する再調査の請求と国税不服審判所長に対する審査請求のうち「その処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て」ができると定めています。

【再調査の請求の詳細要件】

要件(ア): 5条1項本文の要件は、①処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合であること、②法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあること、の2つです。相手方は処分庁です。

審査請求との選択: 5条1項ただし書により、当該処分について2条の審査請求をしたときは、再調査の請求はできません。再調査の請求を経ずに最初から審査請求を選ぶこともでき、どちらを使うかは不服がある者が選びます。

決定前置(イ): いったん再調査の請求をしたときは、5条2項本文により、その決定を経た後でなければ審査請求ができません(原則)。例外は同項ただし書の2つで、①再調査の請求をした日の翌日から起算して3月を経過しても処分庁が決定をしない場合(1号・オ)、②その他決定を経ないことにつき正当な理由がある場合(2号)です。イは「いかなる場合であっても」とこの例外を否定しているので誤りです。

【再審査請求の独自性】

再審査請求は「法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合」に、法律に定める行政庁(再審査庁)に対してすることができます(6条1項)。再審査請求の対象は、6条2項により「原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決)または当該処分(原処分)」であり、両者を併せて「原裁決等」と定義されます。すなわち再審査請求人は、原裁決の取消しを求めることも、原処分そのものの取消しを求めることもできます。エはこの6条2項の規律を正しく述べたものであり、誤りではありません。再審査請求が理由ある場合の認容裁決(65条1項)では、再審査庁は「原裁決等」(=原裁決または原処分)の全部・一部を取り消します。したがって、再審査庁が原処分を取り消すことも条文上認められています。

【実践問題対策:審査請求・再調査・再審査の関係図】

```

処分に不服

├── 審査請求(2条)

│ └── 裁決に不服 → 再審査請求(法律の定めがある場合のみ・6条)

└── 再調査の請求(処分庁以外に審査請求ができ、法律の定めがある場合のみ・5条1項)

├── 原則: 決定後 → 審査請求(5条2項本文)

└── 例外: 翌日から3月経過しても決定なし/正当な理由 → 決定を経ずに審査請求(5条2項ただし書)

```

この関係図で「再調査の請求をするかは選べる」「したら原則は決定が先」「例外は2つ」を押さえることが試験の核心です。

【根拠条文】

行政不服審査法 第2条(審査請求)、第5条第1項(再調査の請求の要件・ただし書=審査請求をしたときは不可)、第5条第2項(決定前置の原則と、ただし書1号・2号の例外)、第6条第1項(再審査請求の要件)、第6条第2項(再審査請求の対象=原裁決等:原裁決または原処分)、第65条第1項(再審査請求の認容裁決=原裁決等の取消し)/国税通則法 第75条第1項第1号(再調査の請求と審査請求の選択)

【補足】

再調査の請求は「処分庁以外に審査請求ができる場合で、法律に定めがあるときのみ」。再調査の請求をしたら「決定を経た後でなければ審査請求できない」が原則で、例外は「翌日から3月経過しても決定なし」と「正当な理由」の2つ。この原則と例外をセットで覚える。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第5条(再調査の請求)・第6条(再審査請求) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。