行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問54|行政不服審査法の証拠調べ・弁明書・反論書

問題

行政書士 | 行政法

行政不服審査法が定める審理手続(書類の提出・証拠調べ等)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

ウが誤りです。行審法29条5項は、審理員は処分庁等から弁明書の提出があったときは、これを審査請求人及び参加人に「送付しなければならない」と定めています。送付は義務で、審理員の裁量ではありません。アは29条1項、イは30条1項、エは33条、オは38条1項のとおりで、いずれも正しい記述です。弁明書を見たうえで反論書を出せるように、弁明書の送付が義務になっていると覚えましょう。

審理手続の書類のやりとりは、次の順で条文が並んでいます。

段階条文内容
① 審査請求書の写しの送付29条1項審理員は指名されたら直ちに処分庁等へ送付(処分庁等が審査庁なら不要)
② 弁明書の提出要求29条2項審理員は相当の期間を定めて処分庁等に弁明書の提出を求める
③ 弁明書の送付29条5項審理員は弁明書を審査請求人・参加人に送付しなければならない
④ 反論書・意見書30条審査請求人は反論書、参加人は意見書を提出できる
⑤ 物件の提出要求33条申立てまたは職権で、物件の所持人に提出を求められる
⑥ 閲覧・写しの交付38条審理手続の終結まで、審査請求人・参加人が求められる
  • ア(正): 29条1項の本文とただし書のとおり。
  • イ(正): 30条1項。期間が定められたときはその期間内に出す。
  • ウ(誤): 29条5項は送付を義務としている。
  • エ(正): 33条前段。提出された物件は留め置くことができる(同条後段)。
  • オ(正): 38条1項後段。拒めるのは第三者の利益を害するおそれ等の正当な理由があるときに限られる。

【書類のやりとりの構造】

行審法の審理手続は、審査請求人と処分庁等の主張を書面で突き合わせる仕組みです。審理員は、審査庁から指名されたときは、直ちに、審査請求書または審査請求録取書の写しを処分庁等に送付しなければなりません(29条1項本文)。ただし、処分庁等が審査庁である場合には送付は不要です(同項ただし書)。次に審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に弁明書の提出を求めます(29条2項)。弁明書には、処分についての審査請求なら「処分の内容及び理由」、不作為についての審査請求なら「処分をしていない理由並びに予定される処分の時期、内容及び理由」を記載します(29条3項)。審理員は、弁明書の提出があったときは、これを審査請求人及び参加人に送付しなければなりません(29条5項)。審査請求人はこの弁明書に記載された事項に対する反論書を、参加人は事件に関する意見書を提出でき(30条1項・2項)、審理員はそれぞれを相手方と処分庁等に送付しなければなりません(30条3項)。弁明書の送付を審理員の裁量とするウは、この構造の出発点を否定するもので誤りです。

【閲覧請求の範囲】

38条1項により閲覧または写しの交付を求められるのは「審査請求人又は参加人」で、時期は「審理手続が終結するまでの間」です。対象の「提出書類等」は、29条4項各号の書面(行政手続法の聴聞調書・報告書、弁明書)と、32条1項・2項、33条により提出された書類その他の物件です。審理員は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、閲覧または交付を拒むことができません。閲覧・交付をするときは、原則として提出人の意見を聴かなければなりません(38条2項)。写しの交付には実費の範囲内の手数料がかかり(38条4項)、経済的困難等があれば減免できます(38条5項)。

【証拠の提出】

審査請求人または参加人は証拠書類または証拠物を、処分庁等は処分の理由となる事実を証する書類その他の物件を提出できます(32条1項・2項)。さらに審理員は、申立てによりまたは職権で、書類その他の物件の「所持人」に対し、相当の期間を定めて提出を求めることができ、提出された物件を留め置くことができます(33条)。提出を求める相手は当事者に限られません。

【実務的な陥穽】

誤りの肢は「しなければならない」と「することができる」の入れ替えで作られます。29条5項(弁明書の送付)と30条3項(反論書・意見書の送付)は「しなければならない」、30条1項(反論書の提出)と33条(物件の提出要求)は「することができる」です。義務か権限かを条文の語尾で区別して覚えることが得点に直結します。

【根拠条文】

行政不服審査法 第29条第1項〜第5項、第30条第1項〜第3項、第32条、第33条、第38条第1項・第2項・第4項・第5項

【補足】

弁明書の送付(29条5項)と反論書・意見書の送付(30条3項)は審理員の義務。閲覧を求められるのは審査請求人・参加人で、正当な理由があれば拒める。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録
  • 定期監査誤りの選択肢が2つあったため、行政不服審査法38条1項のとおりの正しい選択肢に直し、正答が1つに決まるようにしました。
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第29条第1項・第2項・第5項(審査請求書の写しの送付・弁明書の提出要求・弁明書の送付)、第30条第1項(反論書)、第33条(物件の提出要求)、第38条第1項(提出書類等の閲覧) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。