問題
行政不服審査法が定める審査請求手続の当事者・関係者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
ウが正しいです。行審法13条1項は、利害関係人が審理員の許可を得て審査請求に参加できること(参加人)を定め、13条2項は審理員が利害関係人に対して参加を求めることができることを定めています。アは誤りで、法人のほか法人でない社団・財団で代表者・管理人の定めがあるものも審査請求人となることができます(10条)。イは誤りで、3人以下の総代を選定することができる(任意)とされており、選定しなくとも不適法にはなりません(11条1項)。エは誤りで、弁護士に限らず、審査請求人は代理人を選任することができます(12条1項)。オは誤りで、審査請求人が死亡した場合、相続人その他の一般承継人は当然に(許可を要せず)審査請求人の地位を承継します(15条1項)。許可が必要なのは、処分に係る権利を譲り受けた特定承継人の承継(15条6項)の場合です。
審査請求人適格(アが誤りの根拠): 行審法は処分に不服がある「者」が審査請求できると定めています(2条)。「者」には自然人・法人が含まれますが、法人でない社団・財団でも代表者または管理人の定めがあるものは審査請求人となることができます(10条)。NPO(法人格取得前の団体)や住民団体等も一定の要件で審査請求人適格を持ちえます。
共同審査請求の総代制(イが誤りの根拠・11条): 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、3人を超えない総代を互選することができる(任意・11条1項)。互選しない場合は、審理員が必要と認めるときに総代の互選を命ずることができるにとどまり(11条2項)、互選しないことで審査請求が不適法になるわけではありません。総代は、取下げを除き、他の共同審査請求人のために一切の行為をすることができます(11条3項)。
参加人(ウが正しい根拠・13条): 審査請求への参加には二つの経路があります。①利害関係人が審理員の許可を得て参加する(13条1項)、②審理員が、必要があると認める場合に、利害関係人に参加を求める(13条2項)。どちらも判断するのは審理員です。
代理人(エが誤りの根拠・12条): 審査請求は代理人によってすることができ(12条1項)、代理人の資格は弁護士に限定されていません。民事訴訟法54条1項は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人や簡易裁判所の許可を得た場合を除き、弁護士でなければ訴訟代理人となれないと定めていますが、行審法12条にはそのような限定がありません。
【審査請求人の範囲(ア)】
行審法2条は「行政庁の処分に不服がある者は…審査請求をすることができる」と規定します。「者」は自然人に限られず、法人も含まれます。さらに10条は、法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは「その名で審査請求をすることができる」と定めています。したがって、法人格のない団体であっても、代表者または管理人の定めがあれば団体の名で審査請求ができ、「自然人のみ」とするアは誤りです。
【参加人制度と手続上の権限(ウ)】
13条1項は、利害関係人を「審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者」と定義し、利害関係人は審理員の許可を得て審査請求に参加できるとしています。13条2項は、審理員が必要と認める場合に利害関係人に参加を求めることができると定めます。たとえば、第三者が処分の取消しを求めて審査請求をした場合、その処分の相手方は、根拠法令に照らして利害関係を有する者として参加人となる典型です。
参加人には、条文上次の手続上の権限があります。
- 審査請求に係る事件に関する意見書の提出(30条2項)
- 口頭意見陳述の申立て(31条1項)
- 提出書類等の閲覧・写しの交付の請求(38条1項)
なお、参加は代理人によってすることもでき(13条3項)、その代理人は参加人のために参加に関する一切の行為ができますが、参加の取下げには特別の委任が必要です(13条4項)。
【代理人・総代制の比較と弁護士代理との相違(イ・エ)】
行審法上の代理人(12条)と訴訟代理人を比較します。
- 行審法: 審査請求は代理人によってすることができ(12条1項)、代理人の資格は限定されていない。代理人は審査請求人のために一切の行為ができるが、取下げは特別の委任を受けた場合に限る(12条2項)。
- 訴訟: 民事訴訟法54条1項は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となれないとし、簡易裁判所では許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とすることができるとしています。行政事件訴訟法7条は、同法に定めがない事項は「民事訴訟の例による」と定めています。
総代制(11条)は、多数人が共同して審査請求をしようとする場合に、3人を超えない総代を互選「することができる」仕組みです(11条1項・任意)。互選しない場合も審理員が総代の互選を命ずることができる(11条2項)にとどまるので、「必ず選定しなければならず、選定しないと不適法」とするイは誤りです。総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き一切の行為をすることができ(11条3項)、総代が選任されたときは、共同審査請求人は総代を通じてのみその行為ができます(11条4項)。取下げは総代の権限から除かれており、共同審査請求人が自らすることになります。
【地位承継の詳細(15条)】
審査請求人が死亡した場合(一般承継): 相続人その他法令により処分に係る権利を承継した者が、当然に(審査庁の許可を要せず)審査請求人の地位を承継します(15条1項)。法人の合併・分割による承継も同様に当然承継です(15条2項)。これらの一般承継人は、地位を承継した旨を書面で審査庁に届け出ます(15条3項)。
審査請求の目的となった処分に係る権利を譲り受けた者(特定承継): 権利の譲渡等により処分に係る権利を取得した者は、審査庁の許可を得て審査請求人の地位を承継することができます(15条6項)。一般承継(当然承継・許可不要)と特定承継(許可必要)の区別が重要です。
オが誤りの根拠: オは「審査請求人が死亡した場合、相続人その他の一般承継人は、審査庁の許可を得なければ地位を承継できない」としていますが、相続人等の一般承継は15条1項により当然に承継し、審査庁の許可は不要です。許可が必要なのは譲受人(特定承継・15条6項)の場合であり、オはこの区別を取り違えている点で誤りです。正答ウは、利害関係人が審理員の許可を得て参加でき(13条1項)、かつ審理員が利害関係人に参加を求めることができる(13条2項)の2点を正確に示しており、正しい記述です。
【根拠条文】
行政不服審査法 第2条(審査請求)、第10条(法人でない社団等の審査請求)、第11条(多数人の共同審査請求・総代)、第12条(代理人)、第13条(参加人)、第15条(審査請求人の地位の承継)、第30条第2項(参加人の意見書)、第31条第1項(口頭意見陳述)、第38条第1項(提出書類等の閲覧等)/民事訴訟法 第54条第1項(訴訟代理人の資格)/行政事件訴訟法 第7条(民事訴訟の例による)
【補足】
代理人は弁護士に限らない(行審法12条)vs 訴訟代理人は原則弁護士(民事訴訟法54条1項)の対比が頻出。参加人は「審理員の許可を得て参加(13条1項)」+「審理員による参加の求め(13条2項)」の二経路あり。地位承継は、相続人等の一般承継=当然承継(許可不要・15条1項)/譲受人の特定承継=審査庁の許可必要(15条6項)の区別が要点。
- 行政不服審査法第2条e-Govで原文を読む
- 民事訴訟法第54条e-Govで原文を読む
- 行政事件訴訟法第7条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第10条(法人でない社団・財団)、第11条(多数人の共同審査請求)、第13条(参加人)、第12条(代理人)、第15条(審査請求人の地位の承継) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

