行政不服審査法をわかりやすく、現行条文の条番号つきで整理。審査請求・再調査の請求・再審査請求の違いと期間、提出から裁決までの流れ、審理員と行政不服審査会、却下・棄却・認容の裁決、執行停止・教示・適用除外、行政事件訴訟法との違いまで表で確認できます。
目次
結論:行政不服審査法は、行政庁の処分や不作為に不服がある人が、裁判所ではなく行政庁に対して見直しを求める手続(不服申立て)を定めた法律です(第1条第1項)。不服申立ては原則として「審査請求」で、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内にします(第18条第1項)。審査請求では、処分に関与していない職員(審理員)が審理し(第9条)、原則として第三者機関(行政不服審査会等)への諮問を経て(第43条)、審査庁が裁決で却下・棄却・認容を決めます(第45条・第46条)。
この記事の条文の出典は、e-Gov 法令検索の行政不服審査法です(2026-10-02 時点の現行条文)。行政書士試験では、行政法の中心となる法律の一つとして受験案内に明記されています(行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内)。
合格ナビの行政書士 行政法の論点別問題160問のうち、小分類か論点名が行政不服審査法に当たる問題は21問です(2026-10-02 集計。当サイトの自作問題の数で、本試験の出題数ではありません)。
令和8年度 行政書士試験の法令の基準日:令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題。最終確認日:2026-10-02。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。
行政不服審査法とは:目的と3つの不服申立て(期間つき)
第1条第1項は、この法律の目的を「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保すること」と定めています。裁判とは違い、違法だけでなく「不当」も争えるのがこの法律の特徴です。
不服申立ては次の3種類です。中心は審査請求で、再調査の請求と再審査請求は、個別の法律に「できる」という定めがある場合に限られます。
| 種類 | 誰に対して | できる場合 | 期間(知った日から/あった日から) | 条文 |
|---|---|---|---|---|
| 審査請求 | 原則として処分庁等の最上級行政庁(上級行政庁がない場合・主任の大臣などが処分庁等の場合は処分庁等) | 処分に不服がある(第2条)、法令に基づく申請への不作為がある(第3条) | 翌日から3か月/翌日から1年(再調査の請求をしたときは、決定を知った日の翌日から1か月) | 第2条〜第4条・第18条 |
| 再調査の請求 | 処分庁 | 処分庁以外の行政庁に審査請求できる場合で、法律に再調査の請求ができる旨の定めがあるとき | 翌日から3か月/翌日から1年 | 第5条・第54条 |
| 再審査請求 | 法律に定める行政庁 | 法律に再審査請求ができる旨の定めがあり、審査請求の裁決に不服があるとき | 原裁決を知った日の翌日から1か月/原裁決の日の翌日から1年 | 第6条・第62条 |
- どの期間にも「ただし、正当な理由があるときは、この限りでない」が付いています(第18条第1項・第2項、第54条、第62条)。
- 審査請求書を郵便や信書便で出したときは、送付に要した日数を期間に算入しません(第18条第3項)。
- 不作為についての審査請求には、第18条の期間の定めはありません。申請から相当の期間が経過しないうちにした審査請求は、不適法として却下されます(第49条第1項)。
- 再調査の請求と審査請求は、どちらか先に選んだほうで進みます。審査請求をした処分には再調査の請求はできず(第5条第1項ただし書)、再調査の請求をしたときは、原則としてその決定を経てから審査請求をします(第5条第2項。例外は請求の日の翌日から3か月を経過しても決定がない場合と、正当な理由がある場合)。
審査請求ができる処分をするとき、行政庁は処分の相手方に、不服申立てができる旨、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間を書面で教示しなければなりません(第82条第1項。処分を口頭でする場合は除く)。期間と審査請求先は、まず処分の通知書の教示欄で確かめる、というのが条文の作りです。
審査請求の流れ:提出から裁決まで(条番号つき)
審査請求は、次の順に進みます。総務省もリーフレットで「審理手続の一般的な流れ」を図にしています。
| 段階 | 誰が | 何をするか | 条文 |
|---|---|---|---|
| ① 審査請求書の提出 | 審査請求人 | 原則として審査請求書を提出(口頭は、法律・条例に口頭でできる旨の定めがある場合だけ)。処分庁等を経由して出すこともできる | 第19条・第21条 |
| ② 形式の確認 | 審査庁 | 不備があれば相当の期間を定めて補正を命じる。補正されないとき、補正できないことが明らかなときは、審理手続を経ずに却下できる | 第23条・第24条 |
| ③ 審理員の指名 | 審査庁 | 所属する職員から審理員を指名し、審査請求人と処分庁等に通知する | 第9条第1項 |
| ④ 弁明書 | 処分庁等 | 審理員が相当の期間を定めて提出を求める。処分の内容と理由を書く。審理員が審査請求人・参加人に送る | 第29条 |
| ⑤ 反論書・意見書 | 審査請求人・参加人 | 弁明書への反論(反論書)、参加人の意見(意見書)を出せる | 第30条 |
| ⑥ 審理 | 審理員・審理関係人 | 申立てによる口頭意見陳述、証拠書類の提出、物件の提出要求、参考人の陳述、検証、質問、提出書類等の閲覧・写しの交付 | 第31条〜第38条 |
| ⑦ 審理手続の終結 | 審理員 | 必要な審理を終えたら終結し、遅滞なく審理員意見書を作って事件記録とともに審査庁へ出す | 第41条・第42条 |
| ⑧ 諮問・答申 | 審査庁 → 行政不服審査会等 | 原則として諮問する(例外は第43条第1項各号) | 第43条 |
| ⑨ 裁決 | 審査庁 | 答申を受けたら遅滞なく裁決する | 第44条〜第50条 |
| ⑩ 効力の発生 | — | 審査請求人に送達された時に効力を生じ、関係行政庁を拘束する | 第51条第1項・第52条第1項 |
口頭意見陳述は、審査請求人か参加人の申立てがあれば、審理員が機会を与えなければなりません(第31条第1項。所在その他の事情で困難な場合を除く)。審理員が期日と場所を指定し、全ての審理関係人を招集して行い(同条第2項)、申立人は審理員の許可を得て処分庁等に質問できます(同条第5項)。
このほか、審査庁となるべき行政庁は、審査請求が届いてから裁決までに通常要すべき標準的な期間(標準審理期間)を定めるよう努め、定めたときは公にしておかなければなりません(第16条)。審査請求人は、裁決があるまではいつでも、書面で審査請求を取り下げられます(第27条)。
審理員と行政不服審査会:審理の公正を支える2つの仕組み
審理員は、審査庁が指名して審理手続を行う人です(第9条第1項、名称は第11条第2項)。公正のため、次の人は指名できません(第9条第2項)。
- 審査請求に係る処分や、その処分についての再調査の請求の決定に関与した人(不作為の場合は、その処分に関与し、又は関与することとなる人)(第1号)
- 審査請求人と、その配偶者・四親等内の親族・同居の親族、代理人(配偶者などと代理人は、そうであった人を含む)(第2号〜第5号)
- 審査請求人の後見人などと、利害関係人(第6号・第7号)
ただし、第9条第1項各号に掲げる委員会・審議会などの機関が審査庁である場合、条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合、第24条により審理手続を経ないで却下する場合は、審理員を指名しません(第9条第1項ただし書)。
行政不服審査会は総務省に置かれる機関で(第67条第1項)、審査庁が主任の大臣などの場合に諮問を受けます。審査庁が地方公共団体の長の場合は、地方公共団体に置く機関(第81条)に諮問します(第43条第1項)。諮問しなくてよい場合は第43条第1項第1号〜第8号に限られ、たとえば次のものがあります。
| 号 | 諮問しなくてよい場合(要旨) |
|---|---|
| 第1号・第2号 | 処分や裁決について、ほかの法令で審議会等の議を経ることになっていて、その議を経た場合 |
| 第4号 | 審査請求人が諮問を希望しない旨を申し出ている場合(参加人が反対の申出をしている場合を除く) |
| 第5号 | 行政不服審査会等が、事件の性質から諮問を要しないと認めた場合 |
| 第6号 | 審査請求が不適法で、却下する場合 |
| 第7号・第8号 | 処分の全部を取り消す場合や、申請の全部を認容する場合など(反対の意見書・口頭意見陳述での反対意見がある場合を除く) |
審査庁が「処分庁と同じだから」という理由で諮問を省くことは、この一覧にありません。また、裁決の主文が審理員意見書や答申書と異なるときは、裁決書の理由に「異なることとなった理由」を書かなければなりません(第50条第1項第4号)。
却下・棄却・認容の違い:裁決の種類と効力(第45条〜)
審査請求に対する裁決は、「却下」「棄却」「認容」の3つに大きく分かれます。違いは、審査庁が審査請求の中身(処分の違法・不当)まで判断したかどうかと、その判断の結果です(当サイトの整理)。
- ① 却下:審査請求そのものが不適法なとき(法定の期間を過ぎているなど)。審査庁は、裁決で審査請求を却下します(第45条第1項)
- ② 棄却:審査請求は適法だが、理由がないとき。審査庁は、裁決で審査請求を棄却します(第45条第2項)
- ③ 認容:審査請求に理由があるとき。審査庁は、処分の全部若しくは一部を取り消し、又は変更します(第46条第1項)
裁判所の判決でも、同じ言葉が使われます。ただし、審査請求の「却下」「棄却」は審査庁がする裁決で、取消訴訟の判決とは別のものです。
| 裁決 | どんなときか | 条文 |
|---|---|---|
| 却下 | 法定の期間を過ぎてからの審査請求その他、審査請求が不適法なとき | 第45条第1項(不作為は第49条第1項) |
| 棄却 | 審査請求に理由がないとき | 第45条第2項(不作為は第49条第2項) |
| 事情裁決(棄却) | 処分は違法又は不当だが、取り消すと公の利益に著しい障害が生じ、公共の福祉に適合しないとき。主文で違法又は不当を宣言する | 第45条第3項 |
| 認容(処分) | 処分の全部若しくは一部を取り消し、又は変更する。処分庁の上級行政庁でも処分庁でもない審査庁は、変更はできない | 第46条第1項 |
| 認容(申請を拒否した処分の取消し) | 一定の処分をすべきと認めるとき、上級行政庁である審査庁は処分庁に処分を命じ、処分庁である審査庁は自ら処分をする | 第46条第2項 |
| 認容(不作為) | 不作為が違法又は不当である旨を宣言し、上級行政庁は処分を命じ、不作為庁は処分をする | 第49条第3項 |
却下される主な理由は、条文上は次のとおりです。審査請求期間を過ぎている(第45条第1項)、審査請求書の不備を期間内に補正しない(第24条第1項)、不適法で補正できないことが明らか(第24条第2項)、不作為について申請から相当の期間が経過していない(第49条第1項)。
行政事件訴訟法にも、これと並ぶ定めがあります。取消訴訟で処分又は裁決が違法でも、取り消すと公の利益に著しい障害を生じ、公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は請求を棄却でき、その場合は判決の主文で処分又は裁決が違法であることを宣言します(同法第31条第1項、事情判決)。審査請求の事情裁決(第45条第3項)に対応する、裁判所の判決の仕組みです(当サイトの整理)。
認容の裁決では、審査請求人の不利益に処分を変更することはできません(第48条)。裁決は審査請求人に送達された時に効力を生じ(第51条第1項。処分の相手方以外の人がした審査請求を認容する裁決は、処分の相手方にも送達された時)、関係行政庁を拘束します(第52条第1項)。手続の違法・不当を理由に申請に基づく処分が取り消されたときや、申請を却下・棄却した処分が取り消されたときは、処分庁は裁決の趣旨に従って改めて申請に対する処分をしなければなりません(第52条第2項)。
裁決に不服があるときは、裁判所に取消訴訟を起こすことになります(個別の法律に再審査請求ができる旨の定めがあれば、再審査請求もできます。第6条第1項)。審査請求をした人の出訴期間は、裁決があったことを知った日から6箇月・裁決の日から1年です(行政事件訴訟法第14条第3項)。また、処分の取消しの訴えと棄却裁決の取消しの訴えの両方を起こせる場合、裁決の取消しの訴えでは処分の違法を理由にできません(同法第10条第2項)。
執行停止・誤った教示の救済・適用除外
執行停止(第25条):審査請求をしても、処分の効力・執行・手続の続行は止まりません(第25条第1項)。止めるには執行停止が要ります。
| 審査庁 | 始まり方 | できる措置 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 処分庁の上級行政庁又は処分庁 | 審査請求人の申立て又は職権 | 停止その他の措置 | 第25条第2項 |
| そのどちらでもない審査庁 | 審査請求人の申立てだけ(処分庁の意見を聴取した上で) | 停止だけ(その他の措置は不可) | 第25条第3項 |
| 共通(しなければならない場合) | 申立てがあり、重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき | 執行停止をしなければならない。ただし公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、本案について理由がないとみえるときを除く | 第25条第4項 |
処分の効力の停止は、効力の停止以外の措置で目的を達することができるときはできません(第25条第6項)。裁判所での執行停止が「申立てにより」だけ(行政事件訴訟法第25条第2項)なのに対し、審査庁が上級行政庁・処分庁なら職権でもできる点が違いです。
誤った教示の救済(行政不服審査法第22条・第83条):処分庁が審査請求先を誤って教示し、教示された行政庁に書面で審査請求がされたときは、その行政庁が審査請求書を送付し、初めから正しい行政庁に審査請求がされたものとみなされます(第22条第1項・第5項)。教示そのものがなかったときは、処分庁に不服申立書を出すことができます(第83条第1項)。
適用除外(第7条):次の処分とその不作為には、審査請求の規定(第2条・第3条)が適用されません(第7条第1項第1号〜第12号。グループ分けは当サイトによる整理です)。
- 国会・裁判所・会計検査の判断によるもの:国会・議会の議決による処分、裁判による処分、議会の議決・同意を経てされる処分、検査官会議で決すべき処分(第1号〜第4号)
- 訴訟で争う仕組みがあるもの:当事者間の法律関係を確認・形成する処分で、法令で当事者の一方を被告とすべきもの(第5号)
- 犯罪・犯則の手続:検察官などの処分、国税・地方税・金融商品取引の犯則事件の処分(第6号・第7号)
- 特別な関係の中の処分:学校・講習所・訓練所・研修所での教育等の目的、刑務所・少年院などでの収容の目的(第8号・第9号)
- 外国人の出入国又は帰化に関する処分(第10号)、専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分(第11号)、この法律に基づく処分(第12号)
国の機関や地方公共団体などが「固有の資格」で処分の相手方となるものには、この法律の規定そのものが適用されません(第7条第2項)。第7条で審査請求ができない処分について、別の法令で性質に応じた不服申立ての制度を設けることは妨げられません(第8条)。
行政手続法・行政事件訴訟法との違い(比較表)
行政法の3つの法律は、処分の「前」と「後」、相手が「行政」か「裁判所」かで分けると整理できます。
| 項目 | 行政手続法 | 行政不服審査法 | 行政事件訴訟法 |
|---|---|---|---|
| いつの手続か | 処分などの前(事前手続) | 処分の後(事後救済) | 処分の後(事後救済) |
| 判断するのは | 処分をする行政庁 | 審査庁(審理員・行政不服審査会等が関与) | 裁判所 |
| 何を問えるか | 手続のルール(審査基準・理由の提示・聴聞など) | 違法又は不当(第1条第1項) | 違法。裁量処分は、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り取り消せる(第30条) |
| 期間 | — | 知った日の翌日から3か月・あった日の翌日から1年(第18条) | 知った日から6箇月・処分の日から1年(第14条第1項・第2項) |
| 執行停止 | — | 上級行政庁・処分庁の審査庁は職権でも可(第25条第2項) | 申立てによる(第25条第2項) |
審査請求と取消訴訟は、原則としてどちらを先に選んでもかまいません。行政事件訴訟法第8条第1項本文は、審査請求ができる場合でも「直ちに提起することを妨げない」と定めています。ただし、法律に「審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない」旨の定めがある処分は、裁決を経る必要があります(同項ただし書。審査請求から3箇月を経過しても裁決がない場合などの例外は同条第2項)。
処分の前の手続は行政手続法をわかりやすくで、裁判所での訴訟類型と、取消訴訟の規定の準用は行政事件訴訟法の準用の覚え方で表にしています。
行政不服審査法の改正:平成28年施行の全部改正と、その後の改正
今の行政不服審査法は平成26年法律第68号で、平成28年4月1日に施行されました。総務省のリーフレットは「約50年ぶりに抜本的に見直されました」「平成28年4月1日以降にされた処分に対する不服申立てから、新しい不服申立制度が適用されます」と説明しています。施行日は行政不服審査法施行令の附則(「法の施行の日(平成二十八年四月一日)」)でも確かめられます。
リーフレットが挙げる主な変更点は次のとおりです。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 不服申立ての種類 | — | 原則として「審査請求」に一元化 |
| 審査請求期間 | 処分があったことを知った日の翌日から60日以内 | 処分があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内 |
| 審理する人 | — | 処分に関与しない職員(審理員)が審理し、有識者からなる第三者機関が審査庁の判断をチェック |
| 口頭意見陳述 | 申立てをした審査請求人・参加人の意見陳述を聴取するのみ | 処分庁等に対する質問が可能。全ての審理関係人を招集 |
| 提出書類等の閲覧 | 処分庁等から提出された書類・物件の閲覧のみ | 審理員に提出された全ての書類・物件に拡充し、写しの交付も可能 |
その後も、行政不服審査法の罰則(第87条:行政不服審査会の委員の秘密漏えい)は、令和7年(2025年)6月1日から「懲役」が「拘禁刑」に改められています。さらに、令和8年度試験の基準日(令和8年4月1日)より後の令和8年5月21日に、裁決書の公示の方法による送達(第51条第3項)が改められました。第9条第2項第6号(審理員になれない後見人など)も、令和10年(2028年)12月23日施行予定の改正で文言が変わる予定です。試験では基準日時点の条文で答えます。
総務省の行政不服審査法のページには「行政不服審査法の概要や、「行政不服審査法 事務取扱ガイドライン」などの関連通知等を掲載しています」とあり、実務の運用はそちらで確認できます。
まとめ
- 行政不服審査法は、違法だけでなく不当な処分も、行政庁に見直しを求められる手続(第1条第1項)。
- 不服申立ては原則「審査請求」。期間は知った日の翌日から3か月・あった日の翌日から1年(第18条)。
- 審理員が審理し(第9条)、原則として行政不服審査会等に諮問してから裁決する(第43条・第44条)。
- 裁決は却下・棄却・認容。事情裁決は主文で違法又は不当を宣言し、認容でも不利益変更はできない(第45条・第46条・第48条)。
- 審査請求をしても処分は止まらない。止めるには執行停止(第25条)。
よくある質問
Q再調査の請求をした後でも、すぐに審査請求できますか?
原則としてできません。行政不服審査法第5条第2項により、再調査の請求をしたときは、その決定を経た後でなければ審査請求をすることができません。例外は、再調査の請求をした日の翌日から起算して3か月を経過しても決定がない場合と、決定を経ないことに正当な理由がある場合です。なお、先に審査請求をした処分については、再調査の請求はできません(第5条第1項ただし書)。
Q審査請求の期間(3か月)は、いつから数えますか?
処分があったことを知った日の翌日から起算します(第18条第1項)。知った日にかかわらず、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときも審査請求はできなくなります(同条第2項)。どちらも正当な理由があるときは例外です。審査請求書を郵便や信書便で出した場合、送付に要した日数は期間に算入しません(同条第3項)。
Q審査庁は、行政不服審査会の答申と違う裁決をすることができますか?
行政不服審査法には、答申どおりに裁決しなければならないという規定はありません。答申と異なる内容の裁決をする場合は、裁決書の理由に「異なることとなった理由」を記載しなければなりません(第50条第1項第4号)。
Q審査請求は代理人に頼めますか?
できます(第12条第1項)。代理人は審査請求人のために審査請求に関する一切の行為をすることができますが、審査請求の取下げだけは特別の委任を受けた場合に限られます(同条第2項)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

