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行政事件訴訟法の準用の覚え方訴訟類型と準用条文を1表で整理(わかりやすく)

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

行政事件訴訟法の準用を、現行条文の第38条・第41条・第43条などから1枚の表に整理し、「取消訴訟だけの規定」から覚える方法を解説。抗告訴訟の6類型、出訴期間(第14条)、執行停止、事情判決(第31条)、義務付け・差止めの要件、行政不服審査法との違いまでわかりやすくまとめます。

目次
  1. 行政事件訴訟法をわかりやすく:4つの訴訟と抗告訴訟の6類型
  2. 準用の一覧表:取消訴訟の規定はどの訴訟に準用されるか
  3. 準用の覚え方:「取消訴訟だけの規定」から覚える
  4. 取消訴訟の要件:原告適格・被告・出訴期間・審査請求との関係
  5. 執行停止と内閣総理大臣の異議、仮の義務付け・仮の差止め
  6. 審理と判決:釈明処分・事情判決・第三者効・拘束力
  7. 義務付けの訴え・差止めの訴えの要件
  8. 行政不服審査法との違い
  9. 条文番号で確認:第14条・第30条・第31条・第38条
  10. まとめ
結論:行政事件訴訟法は、行政の処分などを裁判所で争う訴訟のルールです。訴訟は抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟の4つ(第2条)で、抗告訴訟には処分の取消し・裁決の取消し・無効等確認・不作為の違法確認・義務付け・差止めの6類型があります(第3条第2項〜第7項)。条文の中心は取消訴訟(第8条〜第35条)で、ほかの訴訟には第38条・第41条・第43条などで「準用」されます。覚え方のコツは、出訴期間(第14条)・裁量処分の取消し(第30条)・事情判決(第31条)・第三者効(第32条第1項)など、ほかの抗告訴訟には準用されない「取消訴訟だけの規定」を先に押さえることです。

この記事の条文の出典は、e-Gov 法令検索の行政事件訴訟法です(2026-10-02 時点の現行条文)。行政書士試験では、行政法の中心となる法律の一つとして受験案内に明記されています(行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内)。

合格ナビの行政書士 行政法の論点別問題160問のうち、小分類か論点名が行政事件訴訟法(取消訴訟・義務付け訴訟などを含む)に当たる問題は31問です(2026-10-02 集計。当サイトの自作問題の数で、本試験の出題数ではありません)。

令和8年度 行政書士試験の法令の基準日:令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題。最終確認日:2026-10-02。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。

行政事件訴訟法をわかりやすく:4つの訴訟と抗告訴訟の6類型

第2条は「行政事件訴訟」を「抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟」と定めています。抗告訴訟は「行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟」(第3条第1項)で、法律が名前を付けている類型は次の6つです。

類型何を求めるか(条文の要旨)誰が起こせるか出訴期間主な条文
処分の取消しの訴え処分の取消し取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者あり(第14条)第3条第2項・第9条
裁決の取消しの訴え審査請求などへの裁決・決定の取消し同上あり(第14条)第3条第3項・第9条・第10条第2項
無効等確認の訴え処分・裁決の存否や効力の有無の確認続く処分で損害を受けるおそれのある者など。現在の法律関係に関する訴えで目的を達することができない者に限るなし第3条第4項・第36条
不作為の違法確認の訴え申請に相当の期間内に応答しないことの違法の確認申請をした者に限るなし第3条第5項・第37条
義務付けの訴え処分(裁決)をすべき旨を命ずること。申請がない場合(非申請型)と申請・審査請求がある場合(申請型)がある非申請型:法律上の利益を有する者/申請型:申請又は審査請求をした者なし第3条第6項・第37条の2・第37条の3
差止めの訴え処分(裁決)をしてはならない旨を命ずること法律上の利益を有する者なし第3条第7項・第37条の4

第9条第1項は、処分の取消しの訴えと裁決の取消しの訴えをまとめて「取消訴訟」と呼んでいます。そのため、両者を「取消訴訟」として1つに数えると5つになります。問題文が「5種類」と書いていても、数え方の違いであって矛盾ではありません。

抗告訴訟以外の3つは次のとおりです。

  • 当事者訴訟(第4条):当事者間の法律関係を確認・形成する処分に関する訴訟で、法令によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの(形式的当事者訴訟)と、公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟(実質的当事者訴訟)
  • 民衆訴訟(第5条):国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他「自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するもの」
  • 機関訴訟(第6条):国又は公共団体の機関相互間の権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟

民衆訴訟と機関訴訟は「法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる」(第42条)訴訟です。

具体例で見ると(当サイトの作例):営業停止の処分を受けた事業者がその取消しを求める=処分の取消しの訴え。許可を申請したのに何か月も応答がない=不作為の違法確認の訴え(許可そのものを求めるなら申請型の義務付けの訴えを起こし、不作為の違法確認の訴えを併合して提起する。第37条の3第3項第1号)。処分がされようとしていて、されると重大な損害が生じるおそれがある=差止めの訴え。

準用の一覧表:取消訴訟の規定はどの訴訟に準用されるか

行政事件訴訟法は、取消訴訟(第8条〜第35条)を詳しく定め、ほかの訴訟には「準用」でつないでいます。準用を定めるのは次の条文です。

  • 第38条第1項:第11条〜第13条、第16条〜第19条、第21条〜第23条、第24条、第33条、第35条 → 取消訴訟以外の抗告訴訟(無効等確認・不作為の違法確認・義務付け・差止めなど)
  • 第38条第2項:第10条第2項・第20条 → 処分の無効等確認の訴えと、棄却裁決に係る抗告訴訟の関係
  • 第38条第3項:第23条の2、第25条〜第29条、第32条第2項 → 無効等確認の訴え
  • 第38条第4項:第8条、第10条第2項 → 不作為の違法確認の訴え
  • 第37条の5第4項:第25条第5項〜第8項、第26条〜第28条、第33条第1項 → 仮の義務付け・仮の差止め
  • 第40条第2項:第15条 → 法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟
  • 第41条:第23条、第24条、第33条第1項、第35条、第23条の2(資料の提出について)、第13条(移送)、第16条〜第19条(併合) → 当事者訴訟
  • 第43条:民衆訴訟・機関訴訟のうち処分・裁決の取消しを求めるものは、第9条と第10条第1項を除き取消訴訟の規定を準用(第1項)。無効の確認を求めるものは第36条を除き無効等確認の訴えの規定(第2項)、それ以外は第39条と第40条第1項を除き当事者訴訟の規定(第3項)

これを規定ごとに並べ直すと、次の表になります(○=準用あり、×=準用なし、—=その訴訟に独自の規定がある)。

取消訴訟の規定無効等確認不作為の違法確認義務付け差止め当事者訴訟
第8条 審査請求との関係×○(第38条第4項)×××
第9条 原告適格—(第36条)—(第37条)第2項だけ○(非申請型=第37条の2第4項)/申請型は—(第37条の3第2項)第2項だけ○(第37条の4第4項)×
第10条第2項 原処分主義○(第38条第2項)○(第38条第4項)×××
第11条〜第13条 被告・管轄・移送○○○○第13条だけ○(第41条第2項)
第14条 出訴期間×××××(法令に出訴期間の定めがある場合の扱いは第40条第1項)
第15条 被告を誤った訴えの救済××××○(出訴期間の定めがあるもの・第40条第2項)
第16条〜第19条 請求の併合○○○○○(第41条第2項)
第21条〜第23条 訴えの変更・第三者や行政庁の参加○○○○第23条だけ○(第41条第1項)
第23条の2 釈明処分の特則○(第38条第3項)×××資料の提出について○(第41条第1項)
第24条 職権証拠調べ○○○○○(第41条第1項)
第25条〜第29条 執行停止・内閣総理大臣の異議○(第38条第3項)×仮の義務付けに一部○(第37条の5第4項)仮の差止めに一部○(第37条の5第4項)×
第30条 裁量処分の取消し××—(第37条の2第5項・第37条の3第5項)—(第37条の4第5項)×
第31条 事情判決×××××
第32条第1項 取消判決の第三者効×××××
第32条第2項 執行停止の決定の第三者効○(第38条第3項)××××
第33条 判決の拘束力○○○○第1項だけ○(第41条第1項)
第34条 第三者の再審の訴え×××××
第35条 訴訟費用の裁判の効力○○○○○(第41条第1項)

表の「○」で根拠を書いていない欄は、第38条第1項による準用です。第20条(棄却裁決の取消しの訴えに処分の取消しの訴えを併合する場合の特則)は、無効等確認の訴えを併合する場合に準用されます(第38条第2項)。裁決の取消しの訴えの執行停止は、第29条が第25条〜第28条を準用しています。

準用の覚え方:「取消訴訟だけの規定」から覚える

上の表を全部覚える必要はありません。次の順に押さえると、準用の問題の大半は「表のどこに当たるか」で判断できます(整理の仕方は当サイトによるものです)。

  • ① 手続まわりは、取消訴訟以外の抗告訴訟すべてに準用(第38条第1項):被告・管轄・移送(第11条〜第13条)、併合(第16条〜第19条)、訴えの変更・参加(第21条〜第23条)、職権証拠調べ(第24条)、拘束力(第33条)、訴訟費用(第35条)。「裁判の進め方」と「判決が行政を縛る力」は共通、と覚えます。
  • ② 抗告訴訟の中では取消訴訟だけの規定:出訴期間(第14条)、被告を誤った訴えの救済(第15条)、裁量処分の取消し(第30条)、事情判決(第31条)、取消判決の第三者効(第32条第1項)、第三者の再審の訴え(第34条)。どれも取消訴訟の節(第8条〜第35条)にあり、第38条の準用のリストに入っていない規定です(ただし第15条は、法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟に第40条第2項で準用されます。また、民衆訴訟・機関訴訟のうち取消しを求めるものには、第9条と第10条第1項以外の取消訴訟の規定が第43条第1項で準用されます)。
  • ③ 無効等確認は「期間がないが、取消訴訟にいちばん近い」(第38条第2項・第3項):①に加えて、執行停止(第25条〜第29条)、釈明処分の特則(第23条の2)、執行停止の決定の第三者効(第32条第2項)、原処分主義(第10条第2項)まで準用されます。ただし出訴期間(第14条)と事情判決(第31条)は準用されません。
  • ④ 不作為の違法確認には「審査請求との関係」(第8条)と原処分主義(第10条第2項)(第38条第4項)。
  • ⑤ 原告適格(第9条)は、各訴訟に自分の規定がある:無効等確認は第36条、不作為の違法確認は第37条、義務付け・差止めは「法律上の利益を有する者」とし、その判断に第9条第2項を準用(第37条の2第4項・第37条の4第4項)。
  • ⑥ 当事者訴訟は第41条の短いリスト:行政庁の参加(第23条)、職権証拠調べ(第24条)、拘束力(第33条第1項)、訴訟費用(第35条)、資料の提出(第23条の2)、移送・併合(第13条・第16条〜第19条)。

②を「取消しだけ:期間・誤った被告・裁量・事情判決・第三者」と一息で言えるようにしておくと、「無効等確認の訴えにも出訴期間の制限がある」「無効等確認の訴えでも事情判決ができる」といった誤りの選択肢を見分けられます。

取消訴訟の要件:原告適格・被告・出訴期間・審査請求との関係

取消訴訟は、要件を欠くと中身の判断に入る前に退けられます。条文上の主な要件は次のとおりです。

要件条文の内容(要旨)条文
原告適格処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(効果がなくなった後も回復すべき法律上の利益がある者を含む)に限る。相手方以外の者は、根拠法令の趣旨・目的、考慮されるべき利益の内容・性質を考慮して判断第9条
主張の制限自己の法律上の利益に関係のない違法を理由に取消しを求めることはできない第10条第1項
被告処分をした行政庁の所属する国又は公共団体(所属しない行政庁なら、その行政庁)第11条第1項・第2項
管轄被告の普通裁判籍の所在地か、処分をした行政庁の所在地の裁判所など第12条
出訴期間処分又は裁決があったことを知った日から6箇月、処分又は裁決の日から1年。いずれも正当な理由があれば例外第14条第1項・第2項
審査請求をした場合審査請求をした者は、裁決があったことを知った日から6箇月・裁決の日から1年第14条第3項
審査請求との関係審査請求ができても直ちに訴えを提起できる(自由選択)。法律に審査請求前置の定めがあれば裁決を経る(3箇月を経過しても裁決がない場合などは例外)第8条

処分をする行政庁は、取消訴訟の被告とすべき者・出訴期間・審査請求前置の定めがある場合はその旨を、処分の相手方に書面で教示しなければなりません(第46条第1項。処分を口頭でする場合を除く)。

なお、「行政訴訟はなぜ勝てないのか」とよく検索されますが、勝訴率の統計はこの記事では扱いません。条文から言えるのは、上の要件(処分に当たるか・原告適格・出訴期間など)を欠くと訴えが退けられること、裁量処分は裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り取り消せること(第30条)、違法でも事情判決で請求が棄却される場合があること(第31条)です。

執行停止と内閣総理大臣の異議、仮の義務付け・仮の差止め

執行停止(第25条):取消訴訟を起こしても、処分の効力・執行・手続の続行は止まりません(第25条第1項)。裁判所は、重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき、申立てにより、決定で執行停止ができます(同条第2項)。ただし処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止で目的を達することができる場合はできません(同項ただし書)。公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、本案について理由がないとみえるときは、執行停止はできません(同条第4項)。

内閣総理大臣の異議(第27条):執行停止の申立てがあったとき、内閣総理大臣は裁判所に異議を述べることができ、執行停止の決定の後でも述べられます(第1項)。異議には理由を附さなければならず(第2項)、異議があったときは、裁判所は執行停止をすることができず、すでに決定しているときは取り消さなければなりません(第4項)。内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ異議を述べてはならず、述べたときは次の常会で国会に報告します(第6項)。

仮の義務付け・仮の差止め(第37条の5):義務付け・差止めの訴えを提起した場合に、「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるとき」に、申立てにより決定でできます(第1項・第2項)。公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときはできません(第3項)。執行停止の規定の一部(第25条第5項〜第8項、第26条〜第28条)と第33条第1項が準用されるため(第4項)、内閣総理大臣の異議(第27条)も及びます。

項目執行停止仮の義務付け・仮の差止め
前提処分の取消しの訴えの提起義務付け・差止めの訴えの提起
損害の要件重大な損害を避けるため緊急の必要償うことのできない損害を避けるため緊急の必要
本案の見込み本案について理由がないとみえるときはできない本案について理由があるとみえること
公共の福祉重大な影響を及ぼすおそれがあるときはできない同じ
内閣総理大臣の異議あり(第27条)あり(第37条の5第4項で準用)

審理と判決:釈明処分・事情判決・第三者効・拘束力

  • 釈明処分の特則(第23条の2):裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、被告側の行政庁に処分の理由を明らかにする資料の提出を求めることができます。
  • 職権証拠調べ(第24条):裁判所は必要があれば職権で証拠調べができます。ただし結果について当事者の意見をきかなければなりません。
  • 訴訟参加(第22条・第23条):訴訟の結果により権利を害される第三者や、処分をした行政庁以外の行政庁を、決定で参加させることができます。いずれも、あらかじめ当事者などの意見をきく必要があります(第22条第2項・第23条第2項)。
  • 事情判決(第31条):処分が違法でも、取り消すと公の利益に著しい障害が生じ、公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却できます。その場合、判決の主文で処分が違法であることを宣言しなければなりません(第1項)。
  • 第三者効(第32条第1項):処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有します。
  • 拘束力(第33条):取消判決は、処分をした行政庁その他の関係行政庁を拘束します(第1項)。申請を却下・棄却した処分が取り消されたときは、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければなりません(第2項)。

義務付けの訴え・差止めの訴えの要件

項目非申請型の義務付け(第37条の2)申請型の義務付け(第37条の3)差止め(第37条の4)
場面一定の処分がされないとき(申請なし)申請・審査請求をしたのに処分・裁決がない、又は却下・棄却された一定の処分・裁決がされようとしている
損害の要件重大な損害を生ずるおそれ、かつ他に適当な方法がないなし(代わりに次の併合の要件)重大な損害を生ずるおそれ(他に適当な方法があるときは除く)
原告法律上の利益を有する者(第9条第2項を準用)申請又は審査請求をした者に限る法律上の利益を有する者(第9条第2項を準用)
併合提起不要不作為の違法確認の訴え、又は取消訴訟・無効等確認の訴えを併合して提起しなければならない不要
判決処分をすべきことが根拠法令から明らか、又は処分しないことが裁量権の範囲を超え若しくは濫用となるとき、処分をすべき旨を命ずる併合した訴えの請求に理由があり、かつ同様の要件を満たすとき処分をすべきでないことが根拠法令から明らか、又は処分することが裁量権の範囲を超え若しくは濫用となるとき、してはならない旨を命ずる

行政不服審査法との違い

項目行政不服審査法(審査請求)行政事件訴訟法(取消訴訟)
判断するのは行政庁(審査庁)裁判所
何を問えるか違法又は不当(行政不服審査法第1条第1項)違法(裁量処分は第30条の範囲)
期間知った日の翌日から3か月・あった日の翌日から1年(同法第18条)知った日から6箇月・処分の日から1年(第14条)
執行停止審査庁が上級行政庁・処分庁なら職権でも可(同法第25条第2項)申立てによる(第25条第2項)
結論裁決(同法第44条〜第49条)判決

どちらを先に使うかは原則として自由で、法律に審査請求前置の定めがある場合だけ裁決を経る必要があります(第8条第1項)。審査請求の流れ・審理員・裁決の種類は行政不服審査法をわかりやすくで、処分の前の手続は行政手続法をわかりやすくで表にしています。

条文番号で確認:第14条・第30条・第31条・第38条

条文何が書いてあるかこの記事の該当箇所
第14条取消訴訟の出訴期間(知った日から6箇月・処分の日から1年・審査請求をした場合の特則)取消訴訟の要件
第30条「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」準用の覚え方
第31条事情判決(違法だが請求を棄却し、主文で違法を宣言)審理と判決
第38条取消訴訟以外の抗告訴訟への準用(第1項〜第4項)準用の一覧表

令和8年度の行政書士試験は令和8年4月1日現在施行されている法令で出題されます。行政事件訴訟法はその後も改正されていますが(たとえば第15条第2項の決定書の作り方。令和8年5月21日施行)、この記事で扱った準用の条文(第38条・第41条・第43条など)は基準日の時点から変わっていません。

まとめ

  • 行政事件訴訟は4つ(第2条)。抗告訴訟は6類型(第3条第2項〜第7項)。
  • 準用の柱は第38条(抗告訴訟)・第41条(当事者訴訟)・第43条(民衆・機関訴訟)・第37条の5第4項(仮の救済)。
  • ほかの抗告訴訟に準用されない取消訴訟の規定は、出訴期間(第14条)・被告を誤った訴えの救済(第15条。出訴期間の定めがある当事者訴訟には準用)・裁量処分の取消し(第30条)・事情判決(第31条)・第三者効(第32条第1項)・第三者の再審(第34条)。
  • 無効等確認には執行停止(第25条〜第29条)まで準用されるが、出訴期間と事情判決は準用されない。

よくある質問

Q無効等確認の訴えに出訴期間はありますか?

行政事件訴訟法には、無効等確認の訴えの出訴期間の定めはありません。出訴期間を定める第14条は取消訴訟の規定で、取消訴訟以外の抗告訴訟への準用を定める第38条にも第14条は入っていません。

Q不作為の違法確認の訴えは、誰でも起こせますか?

起こせません。第37条は「処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができる」と定めています。申請をしていない人が行政庁に処分を求めたい場合は、非申請型の義務付けの訴え(第37条の2)の要件を満たすかが問題になります。

Q執行停止は、訴えを起こす前に申し立てられますか?

取消訴訟の執行停止は「処分の取消しの訴えの提起があつた場合」にできるもので(第25条第2項)、申立てを受ける裁判所は本案の係属する裁判所です(第28条)。訴えを起こさずに執行停止だけを求めることはできません。

Q行政事件訴訟法に書いていない手続はどうなりますか?

第7条により、行政事件訴訟に関してこの法律に定めがない事項は「民事訴訟の例による」とされています。

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