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行政書士の記述式は部分点がある?採点基準の公表範囲と自己採点の考え方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

行政書士試験の記述式(令和7年度は3問60点)の部分点・採点基準について、行政書士試験研究センターが公表していること・していないことを公式資料で整理。記述式を採点しないことがある運用、配点から見た合格ライン、点数にしない自己採点の方法まで解説します。

目次
  1. 行政書士の記述式は部分点がある?公式に公表されていること・いないこと
  2. 「キーワードごとに○点」は事実か:公式の事実と、各社の推測を分ける
  3. 記述式が採点されないことがある:択一式の知識が土台になる
  4. 記述式の配点から見る合格ライン:記述式が0点なら、ほかで何点いるか
  5. 自己採点は点数にせず、要素を書けたかで記録する
  6. 公式の過去の試験問題と正解例で、書く練習をする
  7. 部分点の有無に頼らず、要素を欠かさず書く練習を積もう
結論:行政書士試験研究センターは、記述式(令和7年度は3問・60点)の採点基準と部分点の配分を公表していません。公表されているのは配点、40字程度という条件、正解例、そして記述式を採点しないことがある運用です。

行政書士の記述式は部分点がある?公式に公表されていること・いないこと

部分点があるかどうかは、センターが公表していないため、公式には「ある」とも「ない」とも言えません。次の表は、センターの資料(2026年10月31日に確認)で書かれていることと、書かれていないことを分けたものです。

項目公表の有無内容と出典
配点公表あり令和7年度は記述式3問60点、1問20点(令和7年度 合否判定基準)
字数・書き方公表あり40字程度で記述する(令和8年度 受験案内)。字数には句読点も含む(令和7年度 試験問題)
正解例公表あり令和7年度は問題44〜46の正解例を公表。字数は36字・42字・43字(令和7年度 試験問題の正解)
記述式を採点しない場合公表あり択一式の採点完了時点で合格基準を満たしていないと認められる場合、採点しないことがある(令和8年度 受験案内)
採点基準・部分点の配分公表なし受験案内・合否判定基準・試験問題・よくある質問のどれにも「部分点」の語がない
成績内容の問い合わせ応じない「合否通知書に記載された成績内容についての問い合わせには、一切応じられません。」(令和8年度 受験案内)
令和8年度 行政書士試験の公表日程:試験日は令和8年11月8日(日)。試験問題(著作権に関係するものを除く)は令和8年11月16日(月)以降、合格基準点は令和9年1月27日(水)、正解等は同日の合格発表日以降に、センターのホームページで公表。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。

令和8年度の正解等は、令和9年1月27日の合格発表日以降に公表されます。そのときに採点基準が載るかどうかは、センターの「試験問題の正解」のページで確かめられます。

合格ナビの行政書士の論点別問題は、すべて択一式です。記述式(40字程度で書く形式)の問題は載せていません。記述式で使う条文の知識は、択一式で確かめる入口として使えます。

「キーワードごとに○点」は事実か:公式の事実と、各社の推測を分ける

「キーワードごとに○点」「4点刻み」といった説明は、センターの基準ではなく、予備校や講座の推測です。センターの資料には「部分点」という語自体がないためです。

区分内容本記事での扱い
公式の事実採点基準・部分点の配分は公表されていない。配点(1問20点)、40字程度という条件、正解例は公表されているそのまま書く
各社の推測部分点がキーワードごとに入る、何点刻みで入る、など数字や方式を採用しない
本記事の方針部分点の有無で答案の書き方を変えない問いに答える、要件と結論の核を欠かさない、字数内に収める

予備校や通信講座は、模擬試験の採点や受験者の再現答案をもとに「部分点がある」と説明することがあります。それは各社の評価の基準です。公式に確かめられない以上、「部分点は確実にある」「部分点はない」のどちらも事実としては書けません。

「採点が厳しい」「甘い」「おかしい」という声も同じで、受験者の体感です。センターの採点を測った一次データはなく、この記事は採点の厳しさを評価しません。

答案のどこに何点入ったかを知らせる案内は公式資料になく、公表されている手がかりは配点・字数・正解例だけです。採点表が見られない状態は、中身の見えない箱に答案を投函することにたとえると分かりやすく、手応えを確かめられません。「書いたつもり」と実際の評価が食い違っても、確かめる方法がない仕組みです。

予備校の採点サービスの点数をどう使うかは、下のよくある質問にまとめました。

記述式が採点されないことがある:択一式の知識が土台になる

択一式の採点を終えた段階で合格基準を満たしていないと、記述式は採点されないことがあります。令和8年度の試験案内には、次の記載があります(令和8年度行政書士試験のご案内)。

択一式問題の採点を完了した段階で合格基準を満たしていないと認められる場合には、記述式問題の採点を行わないことがあります。この場合は、合否通知書に記述式問題の採点を行わなかった旨を記載します。

どの得点を下回ると採点されないのかは、公表されていません。言えるのは、記述式の対策は択一式の知識の上に積むものだ、ということです。1階が弱いまま2階を広げても、家は建ちません。記述式の練習に偏って択一式が足りないと、書いた答案が読まれない場合があります。

採点以前に失点することもあります。答案用紙の氏名・生年月日・受験番号が正しく記入やマークされていないと採点できず、欠席者とみなされて合否通知書が送付されません(令和8年度 受験案内)。

記述式の配点から見る合格ライン:記述式が0点なら、ほかで何点いるか

記述式が0点でも、記述式以外で180点を取れば、全体180点には届きます。令和7年度の配点で、記述式の得点ごとに必要な点数を計算しました。

試験科目出題形式出題数満点
法令等5肢択一式40問160点
法令等多肢選択式3問24点
法令等記述式3問60点
基礎知識5肢択一式14問56点
合計60問300点

記述式以外の満点は、160+24+56=240点です。

記述式の得点(仮に)全体180点に必要な記述式以外の得点記述式以外の満点240点に対する割合
0点180点75.0%
20点160点66.7%
40点140点58.3%
60点120点50.0%
令和7年度 行政書士試験の合格基準点:法令等科目122点以上、基礎知識科目24点以上、試験全体180点以上(300点満点)。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度 合否判定基準。
令和8年度 行政書士試験の合格基準の定め方:法令等科目が満点の50パーセント以上、基礎知識科目が満点の40パーセント以上、試験全体が満点の60パーセント以上。試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがある。合格基準点は令和9年1月27日(水)に公表。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。

これは令和7年度の配点と基準点で計算した例で、記述式の得点そのものを決める採点基準とは別の話です。法令等122点以上・基礎知識24点以上の条件も別にあるため、全体180点に届いても、それだけで合格とは限りません。令和8年度は補正的措置があり得るため、基準点が令和7年度と同じになるとは限りません。

自己採点は点数にせず、要素を書けたかで記録する

部分点の配分が分からないので、自己採点では点数を付けません。正解例や条文に含まれる要素を、書けたかどうかだけ記録します。次の手順は編集部の練習方法で、センターの採点方法ではありません。

1. 公表されている正解例(または条文)から、答えに必要な要素を書き出す。

2. 自分の答案の各要素に、「〇:条文の語で書けた」「△:意味は同じだが言い換えた」「×:欠けた」を付ける。

3. △と×の要素を、条文の語で書き直す。点数への換算はしない。

次の2問は、実際の試験問題ではなく、合格ナビが作った例題です。条文は e-Gov 法令検索の現行条文(2026-10-31確認)で確かめました。

例題1(行政法):Xは、Y市長から営業許可の申請を拒否する処分を受けた(審査請求はしていない)。この処分の取消訴訟について、処分があったことを知った日を起算点とする出訴期間の原則と例外を、40字程度で記述しなさい。

解答例(40字):「処分を知った日から6か月を経過すると提起できないが、正当な理由があれば別である。」

要素条文上の根拠
起算点は処分があったことを知った日行政事件訴訟法第14条第1項
期間は6か月同項
経過すると提起できない同項本文
正当な理由があるときは例外同項ただし書

例題2(民法):Aは、Bの詐欺により甲土地をBに売却した。Aが取消しの意思表示をする前に、Bから甲土地を買い受けたCは、詐欺の事実を知らず、知らないことに過失もなかった。その後Aが売買契約を取り消した場合、AはCに甲土地の返還を求められるか。結論と理由を40字程度で記述しなさい。

解答例(40字):「Cは善意無過失の第三者なので、Aは詐欺取消しをCに対抗できず返還を求められない。」

要素条文上の根拠
結論:取消しをCに対抗できない(返還を求められない)民法第96条第3項
理由:Cが善意でかつ過失がない第三者同項
前提:詐欺による意思表示の取消し同条第1項

どちらの解答例も、句読点を含めて数えると40字です。条文の確認には、次の問題が使えます。

公式の過去の試験問題と正解例で、書く練習をする

センターは令和2年度から令和7年度までの試験問題と正解を公式サイトで公開しています(過去の試験問題と正解)。センターのよくある質問には「著作権の関係から掲載していない問題もあります」とあります(試験・申込手続きについてのFAQ)。問題の本文は転載しないので、次の手順でご利用ください。

  • ①公式サイトから記述式(令和7年度は問題44〜46)を印刷し、40字程度のマス目に自分の答案を書く。
  • ②公表された正解例と見比べ、前の節の要素分解で、書けた要素と欠けた要素を記録する。
  • ③欠けた要素の条文を確かめ、択一式の問題で知識を補って、同じ問題をもう一度書く。

令和7年度の記述式は、問題44が行政法(裁決の手続上の瑕疵と抗告訴訟)、問題45・46が民法でした。他の年度の分野は、公式サイトの問題で確かめられます。

答案の型(要件列挙型・結論先出し型)と、テーマ別の解答の組み立ては行政書士の記述式の書き方テンプレに、科目ごとの対策は民法対策と行政法対策にあります。

部分点の有無に頼らず、要素を欠かさず書く練習を積もう

採点基準が公表されていない以上、部分点を当てにせず、問いに答え、要件と結論の核を落とさず、字数内に収める練習が、いちばん確かな準備です。

令和7年度の配点では、記述式が0点でも記述式以外で180点を取れば全体の条件には届きます。一方で、記述式は択一式の結果しだいで採点されないこともあります。まず民法・行政法の択一式で知識を固め、そのうえで公式の正解例と見比べて、欠けた要素を直していきましょう。

よくある質問

Q記述式の採点結果について、センターに問い合わせられますか?

問い合わせられません。令和8年度の試験案内に「合否通知書に記載された成績内容についての問い合わせには、一切応じられません。」とあり、公表した内容についての照会にも応じないとしています。採点の内訳を確かめる方法は案内されていないため、自分の答案は公表された正解例と見比べて見直します(出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内・2026-10-31確認)。

Q予備校の記述式の採点サービスの点数は、本番の得点と同じですか?

同じとは言えません。サービスの点数は、そのサービスが決めた基準での評価です。センターは採点基準を公表していないため、サービスの点数と本番の得点が合うかどうかを公式の数字で確かめることはできません。「どの要素が欠けていたか」という指摘を、答案を直す材料にする使い方が向いています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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