行政書士試験の行政法は、択一式19問・多肢選択式2問・記述式1問で、令和7年度は112点です。令和3〜7年度の問題冊子を問題番号ごとに数えた法律別の区切り、記述式5問と多肢選択式の題材、令和8年度の法令基準日(4月1日)と行政法の改正の施行日をまとめます。
目次
結論:行政法は、択一式19問(問8〜26)、多肢選択式2問、記述式1問で、令和7年度は112点でした。択一は令和3〜7年度の5回とも、問8〜24が行政法総論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法の区切りで並び(例外は令和7年度の問12の1問)、記述式は5回のうち4回が行政事件訴訟法の訴えでした。
行政法は何問・何点か
行政法は、択一式19問(76点)、多肢選択式2問(16点)、記述式1問(20点)で、令和7年度は112点でした。
択一式は問8〜26、多肢選択式は問42・問43、記述式は問44です。令和6・7年度の問43は、憲法の事件を題材に、公法上の法律関係に関する確認の訴え(行政事件訴訟法の当事者訴訟)を問う問題で、この記事では行政法に数えています。
科目ごとの配点と合格基準点の計算は、行政書士の科目別配点と学習の優先順位にまとめています。
この記事の問数と区切りは、行政書士試験研究センターが公表した令和3〜7年度の問題冊子(各60問)を、筆者が問題番号ごとに数えたものです(2026-10-31集計)。センターは、法律ごとの問数を公表していません。令和2年度の問題冊子は問題番号の並びが違うため、数える対象に入れていません。
配点:令和7年度の判定基準は、択一式1問4点、多肢選択式1問8点(空欄1つ2点)、記述式1問20点としています。令和7年度の行政法は、19問×4点+2問×8点+20点で112点です。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度 合否判定基準。
択一の19問は、問題番号でどう区切られているか
問8〜24は、法律ごとに決まった区切りで並び、問25・26だけが年度ごとに違いました。
令和3〜7年度の5回で、問題番号の区切りと題材は次のとおりでした。
| 問番号 | 題材 | 5年分(各区切り) |
|---|---|---|
| 8〜10 | 行政法総論(行政行為・裁量・行政立法・一般原則・行政罰・行政契約・行政調査) | 15問すべて |
| 11〜13 | 行政手続法 | 15問中14問 |
| 14〜16 | 行政不服審査法 | 15問すべて |
| 17〜19 | 行政事件訴訟法 | 15問すべて |
| 20〜21 | 国家賠償法 | 10問すべて |
| 22〜24 | 地方自治法 | 15問すべて |
| 25〜26 | 個別の判例・その他の法律 | 下の表 |
例外は、令和7年度の問12(個人情報保護法の問題)の1問です。令和5年度の問17は、河川管理者の除却命令と行政代執行の事案ですが、問われたのは戒告の処分性・出訴期間・訴えの利益など、行政事件訴訟法の論点でした。
問25・26に出た題材は、年度ごとに次のとおりです。
| 年度 | 問25 | 問26 |
|---|---|---|
| 令和7 | 建築に関わる紛争の判例 | 行政機関情報公開法 |
| 令和6 | 公立学校をめぐる裁判の判例 | 公文書管理法 |
| 令和5 | 空港・航空関連施設をめぐる裁判の判例 | 地方公共団体に対する法律の適用 |
| 令和4 | 国家行政組織法の条文 | 国籍と住民としての地位(地方自治法) |
| 令和3 | 墓地埋葬法13条をめぐる事件 | 公立学校に関する判例 |
問25・26は、特定の法律に決まっていません。5回のうち3回(令和5〜7年度)は、問25が個別の事件の判例、問26が情報公開法や公文書管理法などの法律の問題でした。
参考:行政書士試験研究センター『令和3〜7年度 試験問題』(令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和4年度・令和3年度)
記述式と多肢選択式の行政法は、5年で何が出たか
記述式の行政法は毎年1問(問44)で、5年のうち4回が行政事件訴訟法の訴えを問いました。
題材は、センターが公表している正解例の主題から読み取りました。根拠の条文は、e-Gov法令検索の現行条文で確かめたものです。
| 年度 | 問44の題材 | 条文 |
|---|---|---|
| 令和7 | 裁決固有の瑕疵と、裁決の取消訴訟 | 行訴法10条2項・11条1項 |
| 令和6 | 免許処分・拒否処分の取消訴訟(被告は国) | 行訴法11条1項 |
| 令和5 | 出席停止の懲罰の差止訴訟と、仮の差止め | 行訴法37条の4・37条の5 |
| 令和4 | 是正命令の義務付け訴訟 | 行訴法37条の2 |
| 令和3 | 行政指導の中止を求めること | 行政手続法36条の2 |
行政事件訴訟法の4回は、取消訴訟が2回(令和6・7年度)、義務付け訴訟と差止訴訟が1回ずつでした。訴えの種類ごとに、要件と被告を言える状態にしておくと、どの年の問題にも対応できます。
多肢選択式の行政法は、令和3〜7年度で次の題材でした。
| 年度 | 問42 | 問43 |
|---|---|---|
| 令和7 | 条例と法令 | 在外国民の国民審査をめぐる確認の訴え(公法上の法律関係) |
| 令和6 | 損失補償(土地収用法) | 臨時会の召集要求をめぐる確認の訴え(法律上の争訟・確認の利益) |
| 令和5 | 公営住宅の使用関係 | 処分の無効を争う方法 |
| 令和4 | 情報公開の開示決定と審査請求 | 国家補償の谷間 |
| 令和3 | 入院措置の位置づけと罰則(感染症法の改正) | 理由の提示(行政手続法14条) |
参考:行政書士試験研究センター『令和3〜7年度 正解例』(令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和4年度・令和3年度)、e-Gov法令検索『行政事件訴訟法』『行政手続法』
令和8年度の基準日と、行政法の法改正
令和8年度の行政法も、令和8年4月1日現在で施行されている条文から出ます。
試験案内には、法令について「令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題します」と書かれています。行政法の主な法律は、基準日の前後で次のように改正されています。
基準日と改正の施行日:令和8年度の基準日は令和8年4月1日です。e-Gov法令検索の改正履歴では、行政事件訴訟法の令和4年法律第48号による改正と、行政手続法・行政不服審査法の令和5年法律第63号による改正の施行日は、2026-05-21です。地方自治法の令和6年法律第65号は、附則第1条で、本体を公布から3か月を経過した日(2024-09-26)、第244条の6(サイバーセキュリティを確保するための方針)を令和8年4月1日、指定納付受託者に関する第231条の4や第243条などを「公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日」に施行するとしています。この政令で定める日は、e-Gov法令検索の履歴では2026-09-24です。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度 試験案内、e-Gov法令検索 行政事件訴訟法、行政手続法、行政不服審査法、地方自治法。
つまり、令和6年法律第65号のうち、第14章(国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と普通地方公共団体との関係等の特例)を加えた本体と第244条の6は令和8年度の範囲で、第231条の4と第243条の改正は範囲に入りません。
行政事件訴訟法・行政手続法・行政不服審査法の2026-05-21施行の改正も、基準日より後です。
行政不服審査法は、平成26年法律第68号です。附則第3条は、この法律の施行前にされた処分についての不服申立てを、なお従前の例によるとしています。古い教材で審査請求の仕組みを学ぶときは、現行法の条文と照らして確かめます。
勉強の順番と、論点別の記事・問題
行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の3法を先に固める順が、5年分の配置から考えられます。この順番は、本記事の考え方です(出題を予想するものではありません)。
理由は、択一95問のうち44問がこの3法で、記述式5問もすべて行政事件訴訟法(4問)か行政手続法(1問)だったことです。国家賠償法は問20・21の2問ずつ、地方自治法は問22〜24の3問ずつです。
各法律は、条文を読み込んだ個別の記事に分けてあります。
- 行政手続法をわかりやすく解説:4本柱・適用除外・審査基準
- 聴聞と弁明の機会の付与:13条の振り分けと流れ
- 申請と届出の違い:2条・37条
- 行政不服審査法をわかりやすく解説:審査請求の流れ・期間・審理員・裁決
- 行政事件訴訟法の準用の覚え方:訴訟類型と準用条文
- 却下・棄却・認容・取消し・撤回の違い:処分とは何か
- 行政行為の効力:公定力・不可争力・執行力・不可変更力
- 行政裁量:逸脱・濫用と行訴法30条
- 行政代執行:行政代執行法1〜6条
- 国家賠償法:1条・2条の要件と求償
- 損失補償:憲法29条3項と土地収用法
- 地方自治法の用語:条例・規則・直接請求・法定受託事務
- 情報公開法:開示請求と不開示情報
- 行政機関:行政庁・諮問機関・執行機関と国家行政組織法
記述式と多肢選択式の題材になった論点は、論点別の問題で確かめられます。
- 行政指導の問題(問31)
- 理由の提示の問題(問27)
- 義務付け訴訟の問題(問64)
- 仮の義務付け・仮の差止めの問題(問73)
- 処分性の問題(問57)
- 原告適格の問題(問58)
- 審査請求期間の問題(問47)
- 条例制定権の問題(問94)
民法は、行政書士の民法対策で、同じ方法で問題番号の配置を数えています。記述式の書き方は、行政書士の記述式対策にあります。
11月8日の本試験までに、行政法で確認すること
本試験までは、行政事件訴訟法の訴えの種類と、行政手続法・行政不服審査法の条文を優先して見直してください。令和8年度の試験は11月8日(日)の午後1時から4時までで、問題は11月16日(月)以降、正解は令和9年1月27日(水)以降にセンターが公表します。受験後は、公表された問題とこの記事の表を見比べて、どの区切りから何が出たかを確かめられます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

