行政書士試験の試験内容を、行政書士試験研究センターの試験案内と合否判定基準だけで一覧にしました。60問300点の配点表、合格基準3つと合格点の計算、法令等・基礎知識の出題範囲、記述式の採点の扱い、令和8年度の試験日と法令基準日、10年分の合格率まで確認できます。
目次
結論:行政書士は、依頼を受けて、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類を作ることを業とする国家資格者です(行政書士法第1条の3第1項)。その試験は60問・300点満点・3時間の筆記試験です。「法令等」46問244点(5肢択一式40問×4点・多肢選択式3問×8点・記述式3問×20点)と「基礎知識」14問56点(5肢択一式×4点)で構成されます。合格には、法令等122点以上・基礎知識24点以上・全体180点以上の3つをすべて満たす必要があります(令和7年度の合否判定基準)。令和8年度の試験は11月8日(日)午後1時から4時までで、令和8年4月1日現在施行されている法令で出題されます。
この記事は、行政書士試験研究センター(総務大臣指定の試験機関)が公表している「令和8年度行政書士試験のご案内」「令和7年度行政書士試験合否判定基準」「実施結果の概要」「試験結果の推移」だけをもとに、試験の中身を整理したものです。公式資料に無い数字(科目ごとの問題数など)は、無いことがわかるように書いています。
合格ナビの行政書士の問題は493問で、すべて当サイトが過去の出題論点をもとに作った問題です(行政法153・民法118・憲法70・商法・会社法70・基礎知識48・基礎法学34/2026-10-02集計)。本試験の出題数の割合ではなく、当サイトの問題の数です。
行政書士とは?何をする資格かをわかりやすく
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者です。条文は、行政書士の業務を「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(…)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする」と定めています(行政書士法第1条の3第1項)。平たくいうと、役所に出す書類と、権利や義務・事実を書面にした書類(契約書など)を、依頼を受けて作る専門職です。
使命は第1条に「行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資すること」とあります。条文の出典は e-Gov 法令検索の行政書士法です(2026-10-03 時点の現行条文)。
| 書類の種類 | 日本行政書士会連合会が挙げる例 | 条文 |
|---|---|---|
| 官公署に提出する書類 | 許可・認可などの申請書類。官公署は各省庁・都道府県庁・市区町村役場・警察署等 | 第1条の3第1項 |
| 権利義務に関する書類 | 遺産分割協議書、各種契約書、念書、示談書など | 第1条の3第1項 |
| 事実証明に関する書類 | 実地調査に基づく図面類(位置図・案内図・現況測量図等)、議事録、会計帳簿、財務諸表など | 第1条の3第1項 |
出典:日本行政書士会連合会 行政書士の業務(例の部分)。
そのほか、第1条の4が、書類を官公署に提出する手続や、許認可等に関する聴聞・弁明の機会の付与の手続での代理、行政書士が作成できる契約書類などの代理人としての作成、書類の作成についての相談を、業として行えるとしています。許認可等に関する審査請求などの不服申立ての代理は、日本行政書士会連合会の研修を修了した特定行政書士だけが行えます(第1条の4第1項第2号・第2項)。
できないこともあります。他の法律でその業務を行うことが制限されているものは、行政書士でも行えません(第1条の3第2項)。反対に、行政書士または行政書士法人でない人が、報酬を得て業として第1条の3の業務を行うことは、ただし書の場合を除いて禁じられています(第19条第1項)。なお、令和7年法律第65号による改正が2026年1月1日に施行され、業務の条番号は第1条の3になりました(e-Gov 法令検索の改正履歴で確認)。入管業務・相続・契約書の実務は行政書士資格の活かし方、改正の内容は行政書士法改正(2026年1月施行)で扱っています。
業務範囲の問題を解く
行政書士になるまでの流れ:試験→登録
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| ① 資格を得る | 行政書士試験に合格する(ほかに弁護士等の資格者や、公務員として行政事務を担当した期間が通算20年以上などのルートがある) | 行政書士法第2条 |
| ② 登録する | 行政書士名簿への登録を、事務所の所在地の都道府県の行政書士会を経由して日本行政書士会連合会に申請する | 同法第6条・第6条の2 |
| ③ 行政書士になる | 登録を受けて、行政書士として業務を行う | 同法第6条第1項 |
試験に合格しただけでは行政書士にならず、登録が必要です。欠格事由や特認の数え方は行政書士の特認制度とは?、高卒・中卒・高校生の受験や登録は行政書士の受験資格と学歴で条文つきで説明しています。
行政書士試験の配点表(形式×問題数×配点)
行政書士試験研究センターの令和7年度行政書士試験合否判定基準に示された配点は次のとおりです。
| 区分 | 出題形式 | 問題数 | 1問の配点 | 満点 |
|---|---|---|---|---|
| 法令等 | 5肢択一式 | 40問 | 4点 | 160点 |
| 法令等 | 多肢選択式 | 3問 | 8点(空欄ア〜エ一つにつき2点) | 24点 |
| 法令等 | 記述式 | 3問 | 20点 | 60点 |
| 法令等の計 | 46問 | 244点 | ||
| 基礎知識 | 5肢択一式 | 14問 | 4点 | 56点 |
| 合計 | 60問 | 300点 |
問題冊子の並びも同じ区分です。令和7年度の試験問題では、問題1〜40が法令等の5肢択一式、問題41〜43が多肢選択式、問題44〜46が記述式、問題47〜60が基礎知識の5肢択一式でした。
配点の約8割(244点÷300点)を法令等が占め、記述式3問だけで60点あります。一方で、基礎知識は56点と小さいものの、次の合格基準で独立した基準点が設けられています。
合格基準は3つ:「満点の○%」が何点になるか
令和8年度行政書士試験のご案内は、合格基準を割合で定めています。令和7年度の合否判定基準で示された点数と並べると次のとおりです。
| 基準 | 試験案内の定め(割合) | 計算 | 令和7年度の合格基準点 |
|---|---|---|---|
| ① 法令等 | 満点の50パーセント以上 | 244点×0.5=122点 | 122点以上 |
| ② 基礎知識 | 満点の40パーセント以上 | 56点×0.4=22.4点 | 24点以上 |
| ③ 試験全体 | 満点の60パーセント以上 | 300点×0.6=180点 | 180点以上 |
3つは「いずれも満たした者を合格」とする定めで、1つでも下回れば不合格です。基礎知識は1問4点なので、5問正解では20点で22.4点に届かず、6問正解の24点が22.4点以上になる最小の点数です。令和7年度の基準点が24点だったことと一致します。
行政書士試験の合格基準点:令和7年度は法令等122点以上・基礎知識24点以上・全体180点以上。令和8年度の合格基準点は令和9年1月27日に公表予定。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度行政書士試験合否判定基準。
試験案内には「合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります」との注記があります。上の点数は令和7年度の値で、令和8年度の点数として確定したものではありません。
3つの基準の当てはめ(計算例)
| 例 | 法令等 | 基礎知識 | 全体 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| A | 160点 | 20点 | 180点 | 不合格(基礎知識が24点未満) |
| B | 120点 | 56点 | 176点 | 不合格(法令等が122点未満・全体が180点未満) |
| C | 136点 | 44点 | 180点 | 合格(3つとも満たす) |
検算:例Aは全体180点で③を満たしていますが、基礎知識20点は①〜③のうち②の24点に届きません。例Cの基礎知識44点は11問正解(11×4=44)で、法令等136点+44点=180点です。合格の判定は合計点だけでなく、区分ごとに確かめる必要があります。
令和8年度の試験日・時間・受験資格・受験手数料
| 項目 | 令和8年度の内容(試験案内) |
|---|---|
| 試験日 | 令和8年11月8日(日) |
| 試験時間 | 午後1時から午後4時まで(集合時刻は午後0時20分) |
| 受験資格 | 年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます |
| 受験手数料 | 10,400円 |
| 申込期間 | インターネットは令和8年7月21日午前9時〜8月24日午後5時、郵送は7月21日〜8月17日消印有効(受付は終了) |
| 合格発表 | 令和9年1月27日(水) |
行政書士試験の試験日・受験手数料:令和8年度は試験日 令和8年11月8日(日)午後1時〜午後4時、受験手数料 10,400円。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内。
令和7年度の試験は令和7年11月9日(日)に、47都道府県の62試験場で行われました(実施結果の概要)。受験資格が無いことの法律上の意味や、試験以外で行政書士になるルートは行政書士になるにはで、行政書士法の条文つきで説明しています。
法令等(46題)の科目と出題範囲
試験案内は、法令等の出題範囲を次のように定めています。
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
| 科目 | 試験案内に書かれている範囲 | 当サイトの問題数(自作) |
|---|---|---|
| 憲法 | 憲法 | 70問 |
| 行政法 | 一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法・地方自治法を中心 | 153問 |
| 民法 | 民法 | 118問 |
| 商法 | 商法(当サイトでは会社法を含めて「商法・会社法」) | 70問 |
| 基礎法学 | 基礎法学 | 34問 |
試験案内と合否判定基準には、科目ごとの問題数・配点の内訳は書かれていません。「行政法は何問」といった数字を見かけたら、それは公表された問題を誰かが科目に分けて数えたもので、分け方によって数字が変わります。公式に決まっているのは、法令等が46題・244点であることと、その中の形式ごとの数(上の配点表)です。
科目ごとに、どこから手をつけるかは行政書士の科目別の優先順位で扱っています。行政法の中で範囲として名前が挙がっている行政手続法は、行政手続法をわかりやすくで条文の全体像を表にしています。
法令等の各科目の問題を解く
基礎知識(14題)の範囲と「24点」の意味
基礎知識の出題範囲は、試験案内で次のように定められています。
一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解の中からそれぞれ出題し、法令については、令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
| 範囲 | 令和7年度の問題冊子で主題になっていたものの例 |
|---|---|
| 一般知識 | 住民投票(問題47)・政党と政治(問題48)・米価(問題49)・自由貿易と関税(問題50) |
| 行政書士法等の諸法令 | 行政書士法(問題53)・戸籍法(問題54) |
| 情報通信・個人情報保護 | ディープフェイク(問題55)・個人情報保護制度(問題57) |
| 文章理解 | 文章の読解 |
出典:行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題(問題の主題だけを挙げています)
基礎知識は14問すべてが5肢択一式で、満点は56点です。基準は満点の40パーセントで、上の計算のとおり令和7年度は24点、つまり14問中6問の正解が最低ラインでした。法令等でどれだけ点を取っても、ここで24点に届かなければ不合格です。
基礎知識の問題を解く
出題形式:5肢択一式・多肢選択式・記述式の違い
| 形式 | 出題される区分 | 答え方 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 5肢択一式 | 法令等40問・基礎知識14問 | 1〜5の答えから一つ選んでマーク | 1問4点 |
| 多肢選択式 | 法令等3問 | 文章の空欄ア〜エに入る語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選ぶ | 1問8点(空欄一つにつき2点) |
| 記述式 | 法令等3問 | 40字程度で記述 | 1問20点 |
記述式について、試験案内は「40字程度で記述するものを出題します」としています。また「択一式問題の採点を完了した段階で合格基準を満たしていないと認められる場合には、記述式問題の採点を行わないことがあります」とも書かれています。記述式の60点は、択一式(5肢択一式と多肢選択式)で一定の点を取ったうえで採点される扱いがあり得る、ということです。
センターは記述式についても「正解例」を公表しています。令和7年度の試験問題の正解では、問題44の正解例に字数(36字)が添えられており、行政事件訴訟の論点(裁決に固有の瑕疵を理由とする裁決の取消しの訴え)が問われました。書き方の型は記述式の書き方テンプレ、部分点と自己採点の考え方は記述式の部分点と自己採点にまとめています。
令和7年度の記述式と同じ分野(裁決の取消訴訟・表見代理)の問題を解く
法令の基準日と、試験問題・正解の公表
試験案内は、法令等・基礎知識のどちらについても「令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題します」としています。教材や問題集を選ぶときは、この基準日の後に施行された改正を前提にしていないか、逆にこの日までに施行された改正に対応しているかを確かめる手がかりになります。
試験後の公表の予定も試験案内に書かれています。
| 公表されるもの | 時期(令和8年度) |
|---|---|
| 試験問題(著作権に関係するものを除く) | 令和8年11月16日(月)以降 |
| 正解等・合格基準点 | 令和9年1月27日(水)の合格発表日以降 |
| 受験者本人の配点・合格基準点・得点 | 合否通知書に記載 |
試験案内は、公表した問題について「行政書士試験問題をSNSに投稿する等、インターネット上に掲載することはお控えください」としています。当サイトの行政書士の問題は、過去の出題論点をもとに当サイトが作った問題で、本試験の問題文は使っていません。
合格率の推移(10年)と合格者平均得点
センターの試験結果の推移による数字です。合格率は受験者数に対する合格者数の割合です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 50,163人 | 7,292人 | 14.54% |
| 令和6年度 | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% |
| 令和5年度 | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
| 令和4年度 | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
| 令和3年度 | 47,870人 | 5,353人 | 11.18% |
| 令和2年度 | 41,681人 | 4,470人 | 10.72% |
| 令和元年度 | 39,821人 | 4,571人 | 11.48% |
| 平成30年度 | 39,105人 | 4,968人 | 12.70% |
| 平成29年度 | 40,449人 | 6,360人 | 15.72% |
| 平成28年度 | 41,053人 | 4,084人 | 9.95% |
出典:行政書士試験研究センター 最近10年間における行政書士試験結果の推移
行政書士試験の合格率:令和7年度 14.54%(受験者50,163人・合格者7,292人)、合格者平均得点197点。最終確認日:2026-10-03。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度行政書士試験実施結果の概要。
令和7年度の合格者の平均得点は197点(前年度198点)でした。合格者は平均で、全体の基準点180点を17点上回っていたことになります。難易度の見方や他の資格との比べ方は行政書士の難易度で扱っています。
試験内容から決める、問題演習の進め方
配点表と合格基準から言えることは3つです。
- 法令等が244点あり、①と③の両方に効くため、演習量の中心になる
- 基礎知識は24点(6問)の基準を単独で満たす必要があるため、後回しにしすぎない
- 記述式は択一式の結果によって採点されないことがあり得るため、択一式で点を積むことが前提になる
当サイトでは、行政法・民法・憲法・商法(会社法)・基礎法学・基礎知識の6つの科目別に問題を解けます。各問題に3段階の解説があり、登録なしで使えます。どこから始めるか迷う場合は、6問の質問に答える勉強プラン診断も使えます。
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よくある質問
Q行政書士とは、簡単にいうとどんな資格ですか?
行政書士法に基づく国家資格で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類を作成することを業とします(行政書士法第1条の3第1項)。第1条の4により、書類を提出する手続の代理や相談もできます。ただし、他の法律で制限されている業務は行えません。試験に合格したあと、行政書士名簿への登録を受けて初めて行政書士になります(同法第6条)。
Q科目ごとの問題数や配点は公式に発表されていますか?
行政書士試験研究センターの試験案内と合否判定基準が示しているのは、「法令等46題・基礎知識14題」という区分ごとの出題数と、5肢択一式・多肢選択式・記述式という形式ごとの問題数・配点までです。憲法は何問・行政法は何点といった科目ごとの内訳は、これらの資料には書かれていません。市販の教材などにある科目別の数字は、各社が問題を分類して数えたものです。
Q多肢選択式は部分点がありますか?
令和7年度の合否判定基準では、多肢選択式は1問8点で、「空欄(ア~エ)一つにつき2点」と定められています。4つの空欄のうち一部だけ正解した場合も、正解した空欄の分の点数が入る配点です。
Q記述式が採点されないことはありますか?
令和8年度の試験案内には「択一式問題の採点を完了した段階で合格基準を満たしていないと認められる場合には、記述式問題の採点を行わないことがあります」と書かれています。その場合は合否通知書に、記述式を採点しなかった旨が記載されます。
Q合格点は毎年180点で固定ですか?
試験案内が定める合格基準は「試験全体の得点が満点の60パーセント以上」などの割合で、令和7年度はこれが180点でした。ただし試験案内には「試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります」との注記があり、令和8年度の合格基準点は令和9年1月27日にセンターのホームページで公表されます。
Q令和8年度の試験は、いつの時点の法令で出題されますか?
試験案内では、法令等・基礎知識のどちらも「令和8年4月1日現在施行されている法令に関して出題します」とされています。4月2日以降に施行された改正は、令和8年度の試験の出題範囲に入りません。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

