行政書士試験の一般知識(基礎知識)科目で足切りをクリアするための対策を解説します。一般知識・行政書士業務関連諸法令・情報通信個人情報保護・文章理解の4区分の構成、取りやすい分野と深追いしない分野の考え方、足切りライン突破のための戦略を紹介します。
目次
結論:基礎知識は14問56点のうち6問以上(24点以上)の正解が必要な足切り科目で、6問未満では法令等で何点取っていても不合格になります。高得点より足切りの回避が目標です。令和7年度に3問ずつ出題された文章理解と情報通信・個人情報保護は対策しやすい分野で、この2つを優先して固めます。
一般知識(基礎知識)の全体像と足切りの仕組み
行政書士試験の「基礎知識(一般知識等)」科目は、全60問300点満点の試験のうち14問56点を占めます(法令等46問244点が残り)。
合格の条件として「基礎知識で6問以上(24点以上)正解」が必要です(出典:行政書士試験研究センター 令和7年度合否判定基準)。この足切りラインをクリアできないと、法令等でいくら高得点を取っても合格になりません。
逆に言えば、一般知識で6問以上取れれば足切りはクリアです。高得点を狙う科目ではなく、足切りを確実に回避する戦略的な科目として位置づけることが重要です。
一般知識の出題分野と配分
基礎知識は、令和6年度試験から4区分で出題されます。令和7年度の問題数は次のとおりです(出典:行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題)。
| 区分 | 令和7年度の問題数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一般知識(政治・経済・社会) | 6問 | 範囲が広い・時事問題が含まれる |
| 行政書士業務関連諸法令 | 2問 | 行政書士法・戸籍法など |
| 情報通信・個人情報保護 | 3問 | 条文ベースで対策しやすい |
| 文章理解 | 3問 | 読解力があれば安定して得点しやすい |
分野別対策:確実に得点できる分野から固める
優先度最高:文章理解(3問)
文章理解は専門知識が不要で、読解力のみで解ける問題です。対策のコストパフォーマンスが最も高く、3問全問正解を目指すことが一般知識対策の出発点です。
出題形式:
- 内容正誤問題(本文の記述と合致するものを選ぶ)
- 空欄補充(文章の流れに合うものを選ぶ)
- 文章整序(バラバラの文を正しい順番に並べる)
対策法:
1. 過去の試験問題を使って「本文を根拠に解く」練習を積む
2. 設問の選択肢が「本文に書いてある」かどうかで判断する習慣をつける
3. 自分の常識・知識で解かず、必ず文中の根拠を探す
文章理解で3問安定して取れる状態になれば、他の分野で3問取るだけで足切りクリアという計算になります。
無料演習モードの論点別問題で実力を測りながら進めましょう。形式ごとの解き方の手順は、行政書士の文章理解の記事にまとめています。
優先度高:個人情報保護法・情報通信(令和7年度は3問)
個人情報保護は条文・制度の規定が明確なため、学習すれば確実に得点できる分野です。個人情報保護法は、個人情報保護法の基本概念の問題や個人情報保護法の第三者提供・開示請求の問題で確認できます。
個人情報保護法の主要ポイント:(条文ごとの詳しい整理は個人情報保護法とは?定義と事業者の義務を条文で整理にあります)
個人情報の定義:
- 生存する個人に関する情報
- 特定の個人を識別できる情報(他の情報と容易に照合できるものを含む)
- 個人識別符号を含む情報
要配慮個人情報:
病歴・犯罪歴・障害の有無など、本人の不利益につながる可能性がある情報。取得には原則として本人の同意が必要。
保有個人データの開示請求:
本人は個人情報取扱事業者に対して、保有個人データの開示・訂正・利用停止等を請求できます。
第三者提供の制限:
原則として本人の同意なく第三者に提供することは禁止。例外:法令に基づく場合・生命・身体の保護に緊急に必要な場合等。
近年の改正で整備された制度(現行条文):
- 漏えい等の報告等(第26条)
- 仮名加工情報の作成等(第41条)
出典:個人情報の保護に関する法律(e-Gov)・個人情報保護委員会
情報通信の主要ポイント:
- AIの基本概念(機械学習・深層学習の違い)
- クラウドコンピューティング・IoTの定義
- サイバーセキュリティ基本法の概要
- デジタル庁・デジタル社会形成基本法
行政書士法の業務範囲は、行政書士の業務範囲の問題で確認できます。
優先度中:一般知識(政治・経済・社会)(令和7年度は6問)
政治・経済・社会は範囲が非常に広く、出題内容が年ごとに変わります。行政書士業務関連諸法令(令和7年度は2問)は、行政書士法・戸籍法など条文で確認できます。戸籍法と住民基本台帳法の条文は、行政書士の戸籍法・住民基本台帳法|住民票と戸籍の違いを条文で整理で整理しています。この分野に多大な学習時間を投入することは非効率です。
効率的な対策法:
1. 過去の試験問題で「出題の形」を把握する
- 日本国憲法の基本原理・基本的人権
- 国会・内閣・裁判所の権限(三権分立)
- 経済の基本指標(GDP・日銀の政策)
- 社会保障制度の概要
2. 直近1年間の主要政策・法改正をニュースで把握する
- 試験年の直前まで改正・施行された主要法律
- 国際情勢・日本の経済政策の大きなトピック
3. 捨てる決断も必要
範囲が広すぎる分野(国際政治の細部・農業政策の数値等)は深追いせず、他の確実な分野に時間を使います。
足切りクリアのための得点設計
| 分野 | 目標正解数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 文章理解(3問) | 3問(全問) | 専門知識不要・確実に取れる |
| 個人情報保護・情報通信(3問) | 2〜3問 | 条文ベースで対策可能 |
| 諸法令・一般知識(8問) | 1〜2問 | 残り分・深追い不要 |
| 合計目標 | 6〜8問 | 足切り(6問)を超える目安 |
法令等と一般知識の時間配分
行政書士試験の合格には、法令等(行政法・民法・憲法等)への集中投資が最も効果的です。
学習配分の一例(本記事の考え方で、公式の数字ではありません):
- 法令等:学習時間全体の85〜90%
- 行政法(40%)
- 民法(30%)
- 憲法・商法・基礎法学(15%)
- 一般知識:学習時間全体の10〜15%
- 文章理解(5〜6%)
- 個人情報保護・情報通信(4〜5%)
- 政治・経済・社会(過去の試験問題の確認のみ)
一般知識の得点を最大化しようとして法令等の時間を削ることは合格から遠ざかります。
一般知識の学習タイミング
いつ始めるか:
法令等(行政法・民法)の基礎が固まった段階(学習開始から3〜4ヶ月後)から着手することを推奨します。
試験直前の仕上げ:
- 試験1〜2週間前に個人情報保護法の条文を再確認
- 文章理解は毎日1問のウォームアップ問題で感覚を維持
- 直近の時事問題を1〜2時間でサッと確認
行政書士の科目別配点と学習の優先順位も合わせて参照してください。
参照一次ソース
まとめ
一般知識(基礎知識)の攻略は「文章理解で3問確保、個人情報保護で2〜3問確保、残りの区分で1問取れれば足切りクリア」という割り切った戦略が合理的と考えます。
学習時間の大部分を行政法・民法に集中させながら、一般知識の足切りを確実にクリアする準備を進めましょう。無料演習モードで各科目の実力を確認してください。
よくある質問
Q行政書士の一般知識(基礎知識)の足切りラインは何点ですか?
14問56点満点のうち、6問以上(24点以上)の正解が必要です(行政書士試験の合格基準より)。6問未満では法令等で何点取っていても不合格になります。分野の特性を理解した上で、確実に取れる問題から積み上げることが重要です。
Q一般知識の「政治・経済・社会」はどう対策すればよいですか?
「政治・経済・社会」は範囲が広くて学習コストが高いため、行政書士試験専門の対策に時間をかけすぎるのは非効率です。時事問題は新聞やニュースで話題の制度・政策を把握しつつ、行政書士試験研究センターが公開している過去の試験問題で出題の形を確認する程度が効率的な対策と考えます。
Q個人情報保護法は何問出ますか?試験に出やすい内容は?
令和7年度は「情報通信・個人情報保護」として3問が出題されました(出典:行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題)。個人情報の定義・要配慮個人情報・保有個人データの開示請求・第三者提供の制限・仮名加工情報などを、現行条文で確認してください。
Q文章理解は何問出ますか?対策は必要ですか?
令和7年度は3問でした。内容の正誤・空欄補充・文章の並べ替えなどの形式があります。国語的な読解力が問われるため専門知識は不要ですが、本文を正確に読み取る練習が必要です。確実に3問取れるようになれば足切り突破がかなり楽になります。
Q一般知識に費やす学習時間はどのくらいが適切ですか?
本記事では、学習時間全体の10〜15%を目安に置いています(公式の数字ではありません)。一般知識で高得点を狙うよりも、足切り(6問以上)を確実にクリアする戦略をとり、残りの時間は配点が大きい行政法・民法に集中するのが合格への近道です。
Q一般知識対策で使える参考書はありますか?
行政書士試験の総合テキストの一般知識章・一般知識専用の問題集が市販されています。特に個人情報保護法と情報通信は、センターが公開している過去の試験問題と専門テキストで対策することをすすめます。文章理解は読解問題の演習書(公務員試験用も有効)が役立ちます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

