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行政書士の民法対策択一9問・記述2問の5年分の内訳と、改正民法の押さえ方

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

行政書士試験の民法は、択一式9問(36点)と記述式2問(40点)の計76点です。令和3〜7年度の問題冊子を問題番号ごとに数えた分野別の表、記述式10問の題材、2020年の債権法改正が設問に出た論点、相続法などの施行日と令和8年度の法令基準日(4月1日)をまとめます。

目次
  1. 民法は何問・何点か
  2. 令和3〜7年度の択一9問は、分野別にどう並ぶか
  3. 記述式2問は、5年間で何が出たか
  4. 2020年の債権法改正は、設問にどう出ているか
  5. 相続法などの改正と、令和8年度の法令基準日
  6. 勉強の順番と、個別の論点の探し方
  7. 11月8日の本試験までに、民法で確認すること
結論:民法は、択一式9問(36点)と記述式2問(40点)の計76点です。令和3〜7年度の5回は、問数も、問34が不法行為・不当利得、問35が親族・相続という並びも同じでした。2020年の債権法改正で変わった論点は、毎年少なくとも1問出ています。

民法は何問・何点か

民法は、択一式9問(36点)と記述式2問(40点)で、あわせて76点です。令和7年度の判定基準では、択一式は1問4点、記述式は1問20点です。

令和8年度の試験案内は、法令等46題と基礎知識14題の出題を示し、法令等の科目に民法を挙げています。

科目ごとの問数は、行政書士試験研究センターは公表していません。この記事の問数は、センターが公表した令和3〜7年度の問題冊子(各60問)を、筆者が問題番号ごとに数えたものです(2026-10-31集計)。

配点と出題数:令和7年度の判定基準は、択一式1問4点、多肢選択式1問8点、記述式1問20点としています。法令等は244点、基礎知識は56点で、あわせて300点です。令和8年度の試験案内は、法令等46題、基礎知識14題、記述式は40字程度としています。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和7年度 合否判定基準、令和8年度 試験案内。

科目ごとの配点の比べ方は、行政書士の科目別配点と学習の優先順位にまとめています。

令和3〜7年度の択一9問は、分野別にどう並ぶか

債権(債権総論と契約)が毎年3〜4問で最も多く、不法行為・不当利得と親族・相続は、5回とも毎年1問ずつでした。

民法の編にそって、筆者が問題冊子の問27〜35を数えた結果です。

年度総則物権債権不法行為・不当利得親族・相続
令和721311
令和621311
令和521411
令和412411
令和322311

令和7年度の問30(売買の解除・先取特権・質権)と令和6年度の問29(相続と登記)は、複数の分野にまたがる問題です。この表には入れていないので、その2年は合計が8になります。

問34と問35の位置は、5回とも変わりませんでした。問34は、令和7年度が不当利得、ほかの4年度が不法行為(令和5年度は損益相殺)です。問35は、認知、遺産分割、遺言、相続のどれかで、親族・相続の分野から出ています。

年度ごとの題材は、次のとおりです(問題の文面は載せず、論点の名前だけを書いています)。

  • 令和7年度:行為能力、代理、即時取得、債権譲渡、連帯債務、消費貸借、不当利得、認知(複合1問)
  • 令和6年度:失踪宣告、無効と取消し、抵当権、保証、他人物売買、組合、不法行為、遺産分割(複合1問)
  • 令和5年度:消滅時効、取得時効、動産譲渡担保、連帯債務、相殺、売買、解除、損益相殺、遺言
  • 令和4年度:虚偽表示、占有権、根抵当権、履行遅滞と履行不能、解除、賃貸借、法定利率、不法行為、相続
  • 令和3年度:意思表示、不在者の財産管理と失踪宣告、物権的請求権、留置権、売買、債権者代位権、売買(契約不適合)、不法行為、相続

参考:行政書士試験研究センター『令和3〜7年度 試験問題』(令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和4年度・令和3年度)

記述式2問は、5年間で何が出たか

令和3〜7年度の記述式10問は、債権編の条文が6問、担保物権が2問、代理が2問で、親族・相続は1問もありませんでした。

題材は、センターが公表している正解例の主題から読み取りました。

年度問45問46
令和7表見代理(日常家事・110条の類推)事務管理
令和6動産売買の先取特権登記請求権の債権者代位(423条の7)
令和5抵当権の物上代位請負の契約不適合責任
令和4無権代理人を本人が相続した場合賃借人による、土地所有者の妨害排除請求権の代位
令和3譲渡制限のある債権の譲渡(466条3項)土地工作物責任(717条)

債権編の6問の中身は、債権者代位が2問、債権譲渡、請負、事務管理、工作物責任が1問ずつです。2020年の債権法改正で条文が新設・改正された論点(債権者代位の423条の7、請負の契約不適合責任、譲渡制限の特約)が、10問のうち少なくとも3問を占めます。

書き方の型は、行政書士の記述式対策にまとめています。

参考:行政書士試験研究センター『令和3〜7年度 正解例』(令和7年度・令和6年度・令和5年度・令和4年度・令和3年度)

2020年の債権法改正は、設問にどう出ているか

令和3〜7年度では、2020年4月に施行された債権法改正で条文が変わった論点が、毎年少なくとも1問、択一か記述式に出ています。

設問の題材から、筆者が改正に関わる論点を選びました。改正の前後で何が変わったかは、次の表のとおりです。

設問論点現行の条文改正前
令和5 問27消滅時効知った時から5年、行使できる時から10年(166条1項)職業ごとの短期消滅時効(旧170条〜)
令和4 問33法定利率年3%、3年ごとに見直し(404条)年5%の固定
令和3 問33、令和5 記述契約不適合責任追完請求・代金減額請求・損害賠償・解除(562〜564条)瑕疵担保責任(旧570条)
令和4 問31解除債務者の帰責事由は要件にない(541〜543条)旧543条は帰責事由のない履行不能で解除不可
令和3 記述譲渡制限の特約譲渡は有効。悪意・重過失の譲受人には履行を拒める(466条2項・3項)善意の第三者に対抗できない(旧466条2項)
令和5 問30連帯債務絶対的効力は更改・相殺・混同の3つ(438〜441条)履行請求・更改・相殺・免除・混同・時効の6つ(旧434〜439条)
令和6 記述登記請求権の代位423条の7条文になかった
令和7 問33消費貸借書面でする消費貸借は、合意だけで成立(587条の2)金銭を受け取って成立する要物契約(旧587条)
現行の条文:消滅時効は知った時から5年・行使できる時から10年(民法166条1項)、法定利率は年3%で3年ごとに見直し(404条)、連帯債務の絶対的効力は更改・相殺・混同(438条〜440条。441条が相対的効力の原則)、書面でする消費貸借は587条の2。令和8年4月1日施行の版を確認しています。最終確認日:2026-10-31。出典:e-Gov法令検索 民法。

改正前の旧条文は、e-Gov法令検索で2020年3月1日の版を開くと読めます。「旧」と書いた行は、この版の条文との比較です。

改正前の覚え方が残っていると、同じ論点の設問で逆の結論を選んでしまいます。表の論点は、条文の番号と結論をセットで見直します。

債権者代位権と詐害行為取消権は詐害行為取消権とは、期限の利益は期限の利益とは、不当利得は不当利得とはで条文ごとに整理しています。

相続法などの改正と、令和8年度の法令基準日

令和8年度の民法は、令和8年4月1日現在で施行されている条文から出ます。

法令の基準日は、試験案内に「令和8年4月1日現在施行されている法令」と書かれています。2019年以降に施行された民法の主な改正は、次のとおりです。

改正法主な内容施行日
平成29年法律第44号債権法(消滅時効・法定利率・契約不適合責任)2020-04-01
平成30年法律第72号自筆証書遺言の財産目録は自書不要(968条2項)2019-01-13
同上遺留分侵害額請求(1046条)、特別の寄与(1050条)、預貯金の払戻し(909条の2)2019-07-01
同上配偶者居住権(1028条〜)、配偶者短期居住権(1037条〜)2020-04-01
平成30年法律第59号成年年齢が18歳に(4条)2022-04-01
令和3年法律第24号共有・相隣関係の見直し(252条、233条ほか)2023-04-01
令和4年法律第102号懲戒権の規定の削除、嫡出推定の見直し(772〜778条)2022-12-16、2024-04-01
令和6年法律第33号離婚後の共同親権(818条、819条、824条の2)2026-04-01
令和8年度の日程と基準日:試験日は令和8年11月8日(日)の午後1時から4時まで。法令の基準日は令和8年4月1日現在の施行です。試験問題(著作権に関係するものを除く)は11月16日(月)以降に、正解等は合格発表日の令和9年1月27日(水)以降に、センターのホームページで公表されます。最終確認日:2026-10-31。出典:行政書士試験研究センター 令和8年度 試験案内。

相続法の改正は、2019年1月13日、2019年7月1日、2020年4月1日の3段階で施行されました。配偶者居住権が入ったのは2020年4月1日で、遺留分侵害額請求より後です。

離婚後の共同親権は、令和8年4月1日に施行されたので、令和8年度の基準日の範囲に入ります。条文の整理は離婚後の共同親権とはにあります。

令和8年6月24日に公布された令和8年法律第45号は、成年後見(7条以下)や遺言の方式(968条以下)の条文を改正します。附則第1条は、施行日を公布から1年・2年6か月・3年を超えない範囲で政令が定める日としています。令和8年4月1日より後に公布された法律なので、令和8年度の範囲ではありません。

参考:e-Gov法令検索『民法』の改正履歴(民法)

勉強の順番と、個別の論点の探し方

5年分の数え方からは、債権編を先に、親族・相続は改正点を先に押さえる順が考えられます。この順番は、本記事の考え方です(出題を予想するものではありません)。

債権編が先になる理由は、択一の債権が毎年3〜4問あることと、記述式10問のうち6問が債権編だったことです。親族・相続は、択一で毎年1問出ますが、記述式の5年分にはありませんでした。

個別の論点は、条文を読み込んだ記事に分けてあります。

抵当権は抵当権・法定地上権・一括競売の問題(問20)、不法行為は一般不法行為の成立要件の問題(問53)で確認できます。

行政法は、行政書士の行政法対策で問題番号の配置を同じ方法で数えています。

11月8日の本試験までに、民法で確認すること

本試験までは、債権編の改正点と、記述式の書き方を優先して見直してください。令和8年度の試験は11月8日(日)の午後1時からで、問題は11月16日(月)以降、正解は令和9年1月27日(水)の合格発表日以降にセンターが公表します。受験後に自己採点をするときは、公表された問題と正解で確かめてください。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月31日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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