行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 行政法 問63|無効等確認訴訟・不作為違法確認訴訟

問題

行政書士 | 行政法

行政事件訴訟法が定める無効等確認訴訟および不作為の違法確認訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

イが正しいです。行訴法36条は、無効等確認の訴えを「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り」提起できると定めています。アは「限り」の限定を無視しており誤り。ウは37条が「申請をした者に限り」としているため誤り。エは、違法確認の判決は許可処分を命じるものではないため誤り。オは、出訴期間の14条が無効等確認の訴えに準用されていない(38条)ため誤りです。

無効等確認の訴え(3条4項・36条)

処分・裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟です。36条は原告を「続く処分により損害を受けるおそれのある者その他…法律上の利益を有する者」で、「当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないもの」に限っています(イが正しく、アが誤り)。現在の法律関係に関する訴えとは、処分の無効を前提として、当事者訴訟や民事訴訟で現在の権利関係を争う方法を指します。

出訴期間を定める14条は取消訴訟の規定で、38条1項・3項の準用規定に14条は含まれていません(オが誤り)。

不作為の違法確認の訴え(3条5項・37条)

行政庁が法令に基づく申請に対し「相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認」を求める訴訟です。原告は「処分又は裁決についての申請をした者に限」られます(ウが誤り)。確認されるのは「何らかの処分」をしないことの違法であり、判決が許可処分を命じるわけではありません(エが誤り)。許可などの処分をすべき旨を命ずる判決を求めるには、申請型の義務付けの訴え(3条6項2号・37条の3)を使います。

【36条の構造と読み方】

36条は1文で、①「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」、②「その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」を挙げ、そのあとに「で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる」と続けています。学説上は、この限定が①にもかかるとする読み方(一元説)と、②だけにかかるとする読み方(二元説)があります。試験では、まず条文の文言そのものを正確に再現できることが前提であり、本問イは36条の文言どおりの正しい記述です。アの「いかなる場合でも」「常に」は、この「限り」の文言と両立しません。

【無効等確認の訴えに準用される規定】

38条1項は、取消訴訟以外の抗告訴訟について、11条〜13条、16条〜19条、21条〜23条、24条、33条、35条を準用します。さらに38条3項は、無効等確認の訴えについて23条の2、25条〜29条(執行停止など)、32条2項を準用します。出訴期間の14条はどちらにも含まれていないため、無効等確認の訴えに出訴期間の制限はありません(オが誤り)。取消訴訟の出訴期間(14条1項: 処分又は裁決があったことを知った日から6箇月、2項: 処分又は裁決の日から1年)との対比が重要です。

【不作為の違法確認の訴えの性格】

3条5項の定義どおり、この訴えは、法令に基づく申請に対して「相当の期間内に何らかの処分又は裁決」をしないことの違法を確認するものです。原告適格は37条により「処分又は裁決についての申請をした者」に限られ、申請をしていない者は、法律上の利益を主張しても提起できません(ウが誤り)。38条4項は、8条及び10条2項をこの訴えに準用しています。判決が確認するのは「何らかの処分」をしないことの違法であって、特定の処分を命じるものではないため、行政庁が改めてする応答が拒否処分となることもあります(エが誤り)。

【義務付けの訴えとの関係】

申請に対して一定の処分をすべき旨を命ずる判決を求めたい場合は、3条6項2号の義務付けの訴え(申請型)を用います。37条の3第3項1号により、相当の期間内に何らの処分又は裁決もされない場合(同条1項1号)の義務付けの訴えを提起するときは、その処分又は裁決に係る不作為の違法確認の訴えを「その義務付けの訴えに併合して提起しなければならない」とされています。併合された訴えの弁論及び裁判は分離しないでしなければなりませんが(37条の3第4項)、裁判所は、より迅速な争訟の解決に資すると認めるときは、併合された不作為の違法確認の訴えについてのみ終局判決をすることもできます(同条6項)。

【根拠条文】

行政事件訴訟法 第3条第4項〜第6項、第14条第1項・第2項、第36条、第37条、第37条の3第1項・第3項・第4項・第6項、第38条第1項・第3項・第4項

【補足】

無効等確認の訴え=36条の「現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないもの」に限る・出訴期間(14条)の準用なし。不作為の違法確認の訴え=「申請をした者に限り」(37条)・確認されるのは何らかの処分をしないことの違法。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政事件訴訟法 第3条第4項・第5項(定義)、第36条(無効等確認の訴えの原告適格)、第37条(不作為の違法確認の訴えの原告適格)、第38条(取消訴訟に関する規定の準用) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。