問題
行政不服審査法の適用対象・適用除外に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
エが誤りです。行審法8条は、7条により審査請求をすることができない処分について、「別に法令で当該処分又は不作為の性質に応じた不服申立ての制度を設けることを妨げない」と定めています。つまり、適用除外の処分でも、個別の法令で独自の不服申立ての制度を設けることができます。「設けることはできない」とするエは8条に反します。アは正しく、行審法1条2項と行手法2条2号は、どちらも処分を「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」と定めています。イ(7条2項)・ウ(7条1項6号)・オ(7条1項10号)は適用除外として正しい記述です。
行審法7条1項の主な適用除外(1項は「第二条及び第三条の規定は、適用しない」=審査請求ができない):
- 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分(1号)
- 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分(2号)
- 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分(6号・ウの根拠)
- 国税又は地方税の犯則事件に関する法令に基づく処分など(7号)
- 外国人の出入国又は帰化に関する処分(10号・オの根拠)
7条2項(イの根拠): 国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関が「その固有の資格において」相手方となる処分は、1項とは別に2項で「この法律の規定は、適用しない」とされています。
エの誤りの詳細: 8条は、7条で審査請求ができない処分について、別に法令で処分の性質に応じた不服申立ての制度を設けることを「妨げない」と定めます。適用除外は「行審法の審査請求が使えない」という意味であり、個別の法令で独自の制度を設けることまで禁じるものではありません。
【適用除外の条文構造(ア・イ・ウ・オ)】
まず「処分」の意味です。行審法1条2項は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)」と定め、行手法2条2号も処分を「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう」と定めています。両法の定義の文言は同じであり、アは正しい記述です。
適用除外は2つの条項に分かれています。
- 7条1項: 1号〜12号の処分とその不作為について「第二条及び第三条の規定は、適用しない」。審査請求(処分についての2条・不作為についての3条)ができなくなります。ウ(6号)・オ(10号)はここに入ります。
- 7条2項: 国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関が「その固有の資格において」相手方となる処分とその不作為について「この法律の規定は、適用しない」。イはここに入ります。
【刑事手続の別ルート(ウ)】
7条1項6号は、刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分を除外しています。これらの処分の一部については、刑事訴訟法430条が別の不服の手段を置いています。検察官又は検察事務官のした押収などの処分に不服がある者は、裁判所にその処分の取消し又は変更を請求でき(430条1項)、司法警察職員のした処分も同様です(430条2項)。そして同条3項は、これらの請求について「行政事件訴訟に関する法令の規定は、これを適用しない」と定めています。
【外国人出入国処分と8条(オ・エ)】
外国人の出入国又は帰化に関する処分は、7条1項10号により審査請求の対象外です。入管法には独自の手続があり、たとえば退去強制手続では、特別審理官の判定に異議がある容疑者は、通知を受けた日から3日以内に、法務大臣に対し異議を申し出ることができます(入管法49条1項)。
このように、行審法の適用除外とされた処分について、個別の法令が独自の不服申立ての制度を置くことを認めているのが8条です。8条は「前条の規定は、同条の規定により審査請求をすることができない処分又は不作為につき、別に法令で当該処分又は不作為の性質に応じた不服申立ての制度を設けることを妨げない」と定めています。したがって、「別に法令で不服申立ての制度を設けることはできない」とするエは、8条に正面から反する誤りの記述です。
【取消訴訟との関係】
7条は行審法2条・3条(またはこの法律の規定)の適用を除外する規定で、行政事件訴訟法の取消訴訟(3条2項「処分の取消しの訴え」)について定めるものではありません。審査請求と取消訴訟の関係は、行訴法8条1項が、審査請求ができる場合でも取消訴訟を「直ちに提起することを妨げない」とし、法律に裁決前置の定めがあるときは例外としています。ただし、上で見た刑訴法430条3項のように、個別の法律が行政事件訴訟に関する法令の適用自体を外している場合もあるので、適用除外の処分ごとに根拠法令を確認する必要があります。
【根拠条文】
行政不服審査法 第1条第2項(処分の定義)、第7条第1項各号(審査請求の適用除外)、第7条第2項(固有の資格)、第8条(特別の不服申立ての制度)/行政手続法 第2条第2号(処分の定義)/刑事訴訟法 第430条(検察官等の処分に対する取消し・変更の請求)/出入国管理及び難民認定法 第49条第1項(異議の申出)/行政事件訴訟法 第3条第2項・第8条第1項
【補足】
適用除外≠「その処分について不服申立ての制度が一切ない」。7条は行審法の審査請求を外すだけで、8条により個別の法令で性質に応じた不服申立ての制度を設けることができる。イの「固有の資格」は7条1項ではなく7条2項である点も頻出。
- 行政不服審査法第7条・第1条e-Govで原文を読む
- 行政手続法第2条e-Govで原文を読む
- 刑事訴訟法第430条e-Govで原文を読む
- 行政事件訴訟法第3条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第1条第2項(処分の定義)・第7条(適用除外)・第8条(特別の不服申立ての制度)、行政手続法 第2条第2号(処分の定義) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

