問題
行政不服審査法が定める裁決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
オが正しいです。行審法48条は、審査庁が審査請求人の不利益に処分を変更することを禁止しています(不利益変更の禁止)。アは誤りで、不適法な審査請求は「却下」です(45条1項)。イは誤りで、審査庁が処分庁の上級行政庁でも処分庁でもない場合は処分を変更できません(46条1項ただし書)。ウは誤りで、事情裁決では主文で違法・不当を宣言しなければなりません(45条3項)。エは誤りで、上級行政庁である審査庁は不作為庁に処分を命ずる措置をとります(49条3項1号)。
裁決の種類を条文ごとに整理します。
| 場面 | 裁決 | 条文 |
|---|---|---|
| 期間経過後・その他不適法 | 却下 | 45条1項・49条1項 |
| 理由がない | 棄却 | 45条2項・49条2項 |
| 違法・不当だが取消しが公共の福祉に適合しない | 棄却(事情裁決)+主文で違法・不当を宣言 | 45条3項 |
| 処分に理由がある | 全部・一部の取消しまたは変更 | 46条1項 |
| 不作為に理由がある | 違法・不当の宣言+処分を命ずる/する | 49条3項 |
- ア(誤): 不適法なら「却下」。棄却は理由がない場合。
- イ(誤): 46条1項ただし書。上級行政庁でも処分庁でもない審査庁は変更できない。
- ウ(誤): 45条3項後段は主文での宣言を義務としている。
- エ(誤): 49条3項1号。上級行政庁である審査庁は処分をすべき旨を命ずる。
- オ(正): 48条。46条1項本文(処分の変更)や47条(事実上の行為)の場面で、審査請求人の不利益に変更することはできない。
【各裁決類型の詳細】
処分についての審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合、審査庁は裁決で審査請求を却下します(45条1項)。理由がない場合は棄却です(45条2項)。理由がある場合は、裁決で処分の全部もしくは一部を取り消し、またはこれを変更します(46条1項本文)。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない場合には、処分を変更することはできません(同項ただし書)。申請を却下・棄却した処分を取り消す場合、一定の処分をすべきと認めるときは、上級行政庁である審査庁は処分庁に処分をすべき旨を命じ、処分庁である審査庁は自ら処分をします(46条2項)。事実上の行為については、違法または不当である旨を宣言し、撤廃や変更を命じ、または自ら撤廃・変更します(47条)。
【事情裁決】
45条3項は、処分が違法または不当ではあるが、取り消しまたは撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合に、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償または防止の程度および方法その他一切の事情を考慮したうえ、取り消し、または撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査請求を棄却できるとします。この場合、審査庁は裁決の主文で当該処分が違法または不当であることを宣言しなければなりません(同項後段)。審査請求人の主張が正しかったことを主文で明らかにする点が、ウの誤りの決め手です。
【不利益変更禁止の射程】
48条は「第四十六条第一項本文又は前条の場合において、審査庁は、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実上の行為を変更すべき旨を命じ、若しくはこれを変更することはできない」と定めます。対象は処分の変更(46条1項本文)と事実上の行為の変更・変更命令(47条)です。審査請求は審査請求人の権利利益の救済のための制度なので、申し立てた者をかえって不利にする変更は許されません。
【不作為の審査請求の裁決】
不作為についての審査請求が、申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合は却下(49条1項)、理由がない場合は棄却(49条2項)です。理由がある場合、審査庁は裁決で当該不作為が違法または不当である旨を宣言し、一定の処分をすべきものと認めるときは、不作為庁の上級行政庁である審査庁は不作為庁に対し処分をすべき旨を命じ、不作為庁である審査庁は自ら処分をします(49条3項)。エは上級行政庁である審査庁の命令を否定しており、この規定に反します。
【根拠条文】
行政不服審査法 第45条第1項〜第3項、第46条第1項・第2項、第47条、第48条、第49条第1項〜第3項
【補足】
不適法=却下、理由なし=棄却、事情裁決は主文で違法・不当を宣言。上級行政庁でも処分庁でもない審査庁は処分を変更できない。不利益変更の禁止は48条。
- 行政不服審査法第45条e-Govで原文を読む
- 定期監査裁決の問題で、選択肢の根拠条の誤りと、条文にない記述を直しました(行政不服審査法45〜49条と照合)。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第45条(却下・棄却・事情裁決)、第46条第1項(認容・変更の制限)、第47条(事実上の行為)、第48条(不利益変更の禁止)、第49条(不作為についての審査請求の裁決) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

