問題
行政不服審査法が定める審査請求をすべき行政庁(審査庁)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、法律(条例に基づく処分については条例)に特別の定めはないものとする(オを除く)。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
アが正しいです。行審法4条1号は、処分庁等に上級行政庁がない場合は「当該処分庁等」に審査請求をすると定めています。イは誤りで、上級行政庁がある場合の原則は「最上級行政庁」です(4条4号)。ウは誤りで、主任の大臣が上級行政庁なら審査請求先は「主任の大臣」です(4条3号)。エは誤りで、処分庁が主任の大臣なら審査請求先はその大臣自身です(4条1号)。オは誤りで、4条柱書は条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合を除いています。
4条は、法律(条例に基づく処分については条例)に特別の定めがある場合を除き、審査請求先を次のとおり定めます。
| 号 | 場面 | 審査請求をすべき行政庁 |
|---|---|---|
| 1号 | 処分庁等に上級行政庁がない/処分庁等が主任の大臣・宮内庁長官・庁の長 | 当該処分庁等 |
| 2号 | 宮内庁長官または庁の長が処分庁等の上級行政庁 | 宮内庁長官または当該庁の長 |
| 3号 | 主任の大臣が処分庁等の上級行政庁(1・2号を除く) | 当該主任の大臣 |
| 4号 | 上記以外 | 当該処分庁等の最上級行政庁 |
- イ(誤): 「直近上級行政庁」ではなく、4号は「最上級行政庁」。上級行政庁がなければ処分庁自身(1号)。
- ア(正): 1号。
- ウ(誤): 3号により主任の大臣。
- エ(誤): 主任の大臣が処分庁なら1号により当該大臣。
- オ(誤): 柱書の「特別の定めがある場合を除くほか」により、条例の定めが優先する。
【審査庁の全類型の詳細】
4条は審査請求をすべき行政庁を号ごとに定めます。1号は、処分庁等(処分庁または不作為庁)に上級行政庁がない場合、または処分庁等が主任の大臣、宮内庁長官、内閣府設置法49条1項・2項もしくは国家行政組織法3条2項に規定する庁の長である場合で、審査請求先は当該処分庁等です。2号は宮内庁長官または庁の長が上級行政庁である場合で、宮内庁長官または当該庁の長が審査請求先です。3号は主任の大臣が上級行政庁である場合(1号・2号を除く)で、当該主任の大臣。4号はそれ以外の場合で、当該処分庁等の最上級行政庁です。いずれも柱書により、法律(条例に基づく処分については条例)に特別の定めがある場合が除かれます。
【上級行政庁概念の整理】
4号が「最上級行政庁」としている点が、「直近上級行政庁」とするイとの違いです。上級行政庁が何段階あっても、原則は一番上の行政庁に審査請求します。ただし、その一番上が主任の大臣なら3号、宮内庁長官や庁の長なら2号によります。主任の大臣自身の処分には、その上に審査請求先となる行政庁は置かれず、大臣自身に審査請求します(1号)。エの「内閣総理大臣」は条文にありません。
【処分庁が審査庁の場合の公正担保】
1号の場面では処分をした行政庁自身が審査庁になります。行審法9条1項は、審査請求がされた行政庁(審査庁)が、所属する職員のうちから審理手続を行う者(審理員)を指名すると定め、9条2項は、審査請求に係る処分に関与した者、審査請求人、その配偶者・四親等内の親族・同居の親族、代理人、後見人等、利害関係人などを審理員に指名できないとしています。処分に関与した職員が審理を担当しない仕組みで、処分庁が審査庁となる場合の公正を担保しています。
【裁決の効力と審査庁の権限】
審査請求に理由があるとき、審査庁は裁決で処分の全部もしくは一部を取り消し、または変更します(46条1項本文)。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない場合には、処分を変更することはできません(同項ただし書)。どの行政庁が審査庁になるかは、裁決でできることの範囲にも影響します。
【根拠条文】
行政不服審査法 第4条第1号〜第4号、第9条第1項・第2項、第46条第1項
【補足】
上級行政庁なし・大臣等の処分=処分庁自身、主任の大臣が上級=主任の大臣、それ以外=最上級行政庁。法律・条例の特別の定めが優先。
- 行政不服審査法第4条e-Govで原文を読む
- 定期監査審査庁の問題で、正しいと読める選択肢が複数あったため、行政不服審査法4条の各号に基づいて作り直しました。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政不服審査法 第4条(審査請求をすべき行政庁)・第9条第1項・第2項(審査庁の定義・審理員の指名と除斥) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

