商法・会社法16株主平等の原則・例外

行政書士 商法・会社法 問16:株主平等の原則・例外

株主平等の原則に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 株主平等の原則とは、株式会社が株主をその有する株式の内容および数に応じて、平等に取り扱わなければならないという原則をいう。
  • 株主平等の原則は、株式の数に比例した平等(持株比例平等)を意味し、1株しか持たない株主と1000株持つ株主を全く同一に扱う(頭数平等)ことを要求するものではない。
  • 種類株式を発行する場合には、会社は株主を異なる扱いをすることができるが、この場合も各種類株式の株主間では株主平等の原則が適用される。
  • 株主平等の原則は強行規定であり、定款によっても株主平等原則に反する扱いをすることは一切許されない。正答
  • 株主優待制度(一定数以上の株式を保有する株主に対してのみ特典を付与する制度)は、一定の基準(株式数等)に基づく区別であるため、株主平等の原則に反するとはいえない場合がある。
正答:株主平等の原則は強行規定であり、定款によっても株主平等原則に反する扱いをすることは一切許されない。

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株主平等の原則(会社法109条1項)とは、株式会社が株主をその「有する株式の内容及び数に応じて」平等に扱う原則です。これは持株比例平等(1株1議決権・1株1円の配当等)であり、頭数平等(人数に関わらず全員同一扱い)ではありません(イ正しい)。エが誤りで、株主平等の原則は「絶対的強行規定ではなく、種類株式の発行(会社法108条)により株主間の異なる取扱いが認められます」。つまり定款で種類株式を定めた場合は、異なる扱いが許容されます。ウの「各種類株式の株主間では平等の原則適用」は正しい方向です。オの株主優待も一定の合理的基準があれば許容される場合があります(エ:「一切許されない」が誤り)。

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株主平等の原則の例外と限界を整理します。原則(会社法109条1項):株主はその有する株式の内容・数に応じて平等に扱われる(持株比例平等)。1株あたりの扱いが同じであれば、株数の多い株主が多くの議決権・配当を受けるのは平等原則に反しません(イ正しい)。例外①種類株式(会社法108条):定款で定め、株主総会議決権・配当・残余財産分配・取得請求権等について異なる内容の株式(種類株式)を発行することができます(ウ:各種類株式内では平等原則が適用される)。例外②は非公開会社に認められる特則で(109条2項:定款で株主ごとに異なる取扱いを定めることができる・個人別平等)、公開会社には認められません。強行規定の性格:109条1項は強行規定と解されますが、種類株式・非公開会社の特則という会社法自身が認める例外があります(エ誤り:「一切許されない」は例外を無視した誤り)。株主優待:上場会社が100株以上の株主にギフト品を贈る等の制度は、株式数に基づく区別であり、一定の合理的基準があれば株主平等の原則に反しないとされる場合があります(オ正しい方向)。

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【理論的背景】

株主平等の原則の根拠は、株式会社における「株式」という地位の均一性・単位性にあります。株式は全て同一内容であることが原則であり(一株一議決権・配当の持株比例)、これが株式を市場で流通可能とし、証券市場の機能を支えます。一方、現代の会社法は様々な資金調達ニーズに対応するため、種類株式(議決権なし株・優先配当株・取得条項付株式等)を認めており、これは株主平等原則の「例外」ではなく、定款による種類の異なる株式を発行するという制度的な組み替えです。非公開会社(譲渡制限会社)については、会社の閉鎖性・人的信頼関係を重視して、定款により株主ごとに異なる取扱い(個人別取扱い)を認めることができるという特則(109条2項)が設けられており、これが「真の例外」に近い規律です。株主優待は、一定株数以上の保有という客観的基準に基づくものであり、恣意的な個別差別ではないとして実務では広く許容されています。

【条文構造】

会社法109条1項「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない」(強行規定)。同条2項「前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第105条第1項各号に掲げる権利(剰余金の配当・残余財産分配・議決権)に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる」(非公開会社の特則)。会社法108条1項各号は種類株式として①剰余金の配当・②残余財産の分配・③議決権制限・④譲渡制限・⑤取得請求権・⑥取得条項・⑦全部取得条項・⑧拒否権(黄金株)・⑨取締役・監査役の選任に関する種類の9種類を列挙しています。これらの種類株式の発行は株主平等原則に反するものではなく、会社法が明文で認めた多様な株式の制度化です。

【試験での位置づけ】

行政書士試験での株主平等原則の問われ方は、①持株比例平等vs頭数平等、②種類株式による差異化(原則違反か否か)、③非公開会社の個人別取扱い(109条2項)、④強行規定の性格と例外(定款による種類株式等は可)の4点が典型です。本問エ(「一切許されない」が誤り)は典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 正しい。会社法109条1項の正確な表現(有する株式の「内容及び数に応じて」平等)を記述している。
  • イ: 正しい。持株比例平等が原則であり、株数に応じた差異(多株主が多議決権・多配当)は平等原則に反しない。
  • ウ: 正しい。種類株式間(例:普通株と優先株)で取扱いが異なることは会社法が認める。各種類株式の株主間では持株比例平等が適用される。
  • エ: 誤り。109条1項は強行規定だが、会社法自身が種類株式(108条)・非公開会社の個人別取扱い(109条2項)という例外を設けている。「一切許されない」は過剰。
  • オ: 正しい方向。株主優待は株式数という客観的基準に基づく区別であり、恣意的な個別差別に当たらない場合は株主平等原則に反しないと解されている(判例・通説上、一定の合理的基準があれば許容)。

【根拠条文】

会社法 第109条第1項(株主平等の原則)

会社法 第109条第2項(非公開会社の個人別取扱いの特則)

会社法 第108条第1項各号(種類株式の種類)

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 会社法第109条(株主平等の原則)、会社法第108条(種類株式) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

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