行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 商法・会社法 問2|商行為の種類・絶対的商行為と営業的商行為

問題

行政書士 | 商法・会社法

商行為に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

商行為には3種類あります。①絶対的商行為(商法501条): 行為の性質上当然に商行為となるもの(投機購買・投機売却・取引所の行為・手形行為等)。②営業的商行為(商法502条): 営業としてする場合のみ商行為となるもの(賃貸借・製造加工・電気・ガス・運送等)。③附属的商行為(商法503条): 商人がその営業のためにする行為。エが誤りで、「商人が行う一切の行為」ではなく「営業のためにする行為」が附属的商行為です(営業と無関係な私的行為は除く)。附属的商行為か否かは客観的に営業との関連性で判断します。

商行為の3類型を正確に整理します。絶対的商行為(501条)は、行為者が商人かどうか・営業のためかどうかを問わず、行為それ自体が商行為となるものです。列挙されているのは4つで、投機購買とその実行売却(1号:利益を得て譲渡する意思をもってする有償取得またはその取得したものの譲渡)・投機売却(2号:他人から取得する動産・有価証券の供給契約とその履行のための有償取得)・取引所においてする取引(3号)・手形その他の商業証券に関する行為(4号)です。営業的商行為(502条)は、同種行為を反復継続する「営業」として行う場合に商行為となります。賃貸する意思をもってする有償取得・賃借(1号)、他人のためにする製造または加工(2号)、電気・ガスの供給(3号)、運送(4号)、出版・印刷・撮影(6号)、場屋取引(7号)、両替その他の銀行取引(8号)、保険(9号)、仲立ち・取次ぎ(11号)など13号が列挙されています。附属的商行為(503条1項)は「商人がその営業のためにする行為」ですが、その商人の行為は「営業のためにするもの」と推定されます(503条2項)。エの「一切の行為」という記述が誤りで、推定規定はありますが営業と無関係な私的行為(例:商人が個人として住宅を購入する行為)は附属的商行為から除外される場合があります。ウの片面的適用(商法3条)は、当事者の一方のみに商行為となる場合にも商法の規定が双方に適用されるという原則で正しい記述です。

【理論的背景】

商行為概念は、民法の一般原則と異なる商法上の特則(多数当事者間の債務の連帯:511条、商人間の留置権:521条、商行為の代理:504条等)の適用範囲を画するために機能します。現代の商法は「商行為中心主義」と「商人中心主義」の折衷をとっており、①絶対的商行為・②営業的商行為(合わせて「固有の商行為」)と③附属的商行為の区分が核心をなします。絶対的商行為は「行為の性質」に着目し(投機的意図をもってする取得・譲渡等)、営業的商行為は「営業として」すること(反復継続性)に着目し、附属的商行為は「商人の営業のため」であることに着目するという構造です。なお、商人の定義(4条1項)は「自己の名をもって商行為をすることを業とする者」であり、ここでいう商行為が501条・502条の行為を指すことから、商行為の種類の理解は商人概念の理解にも直結します。

【条文構造】

商法501条(絶対的商行為)は4つの号を列挙し、1号が投機購買とその実行売却(利益を得て譲渡する意思をもってする動産・不動産・有価証券の有償取得またはその取得したものの譲渡を目的とする行為)、2号が投機売却(他人から取得する動産または有価証券の供給契約およびその履行のためにする有償取得を目的とする行為)、3号が取引所においてする取引、4号が手形その他の商業証券に関する行為です。502条(営業的商行為)も列挙主義をとり、1号から13号までの13の行為を列挙し、ただし書で専ら賃金を得る目的で物を製造し、または労務に従事する者の行為を除いています。503条は附属的商行為について「商人がその営業のためにする行為は商行為とする」(1項)と規定し、「商人の行為は、その営業のためにするものと推定する」(2項)という推定規定を置いています。この推定は反証により覆せる(反証可能な推定)ため、商人の行為であっても「明らかに営業と無関係な私的行為」と証明できれば附属的商行為から外れます。ウの「片面的適用」は商法3条に根拠があり、当事者の一方のために商行為となる行為については商法をその双方に適用するとしています(1項)。当事者の一方が二人以上ある場合に、その一人のために商行為となる行為については、商法をその全員に適用します(2項)。

【試験での位置づけ】

行政書士試験での商行為の問われ方は、①3類型(絶対的・営業的・附属的)の区別、②各類型の具体例(何が絶対的商行為か等)、③附属的商行為の「営業のためにする」要件の有無、が典型です。本問エ(「一切の行為」が誤り・「営業のためにする」が正確)は頻出の引っかけです。また、501条の号数(4号)と502条の号数(13号)、各号の中身(例:502条2号の製造・加工、8号の両替その他の銀行取引、9号の保険)を混同させる出題にも注意が必要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 正しい。商法501条1号が「利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得」を絶対的商行為とする。「利益を得て譲渡する意思」(投機的意図)が要件で、購入時にその意思があれば商行為。
  • イ: 正しい。商法502条1号(賃貸する意思をもってする有償取得・賃借等)・2号(他人のためにする製造または加工)が営業的商行為に列挙。「営業として」(反復継続する意思で)行う場合のみ商行為となる点が絶対的商行為との相違。
  • ウ: 正しい。商法3条1項「当事者の一方のために商行為となる行為については、この法律をその双方に適用する」。
  • エ: 誤り。商法503条1項「その営業のためにする行為」が附属的商行為であり、同条2項で推定されるにすぎない。「一切の行為」と断定するのは過剰。
  • オ: 正しい。商法501条4号「手形その他の商業証券に関する行為」として絶対的商行為に含まれる。手形行為は商人・非商人を問わず絶対的商行為として商法が適用される。

【根拠条文】

商法 第501条(絶対的商行為)

商法 第502条(営業的商行為)

商法 第503条第1項・第2項(附属的商行為)

商法 第3条第1項(片面的商行為)

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 商法第501条(絶対的商行為)、商法第502条(営業的商行為)、商法第503条(附属的商行為)、商法第3条(片面的商行為) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。