憲法59憲法

行政書士 憲法 問59:憲法

国会の種類(常会・臨時会・特別会・参議院の緊急集会)に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 常会(通常国会)は毎年1回召集され、会期は90日と法律で定められており、内閣の要求がなければ延長することができない。
  • 臨時会(臨時国会)は、内閣が必要と認めた場合または衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合に内閣が召集するものであり、衆議院が解散した場合には召集することができない。
  • 特別会(特別国会)は、衆議院の解散・総選挙後に召集され、内閣総理大臣の指名が行われるものであり、衆議院の解散の日から30日以内に召集しなければならない。
  • 参議院の緊急集会においてとられた措置は、次の国会召集後に衆議院の同意を得なければその効力を失い、参議院の緊急集会で成立した「暫定的な措置」は衆議院の同意がなければ永続的な効力を持てない。正答
  • 臨時会(臨時国会)の召集は、衆参いずれかの議院の総議員の3分の1以上の要求があっても、内閣は当該要求に応じて召集を決定する義務を負わないとするのが憲法の明文規定である。
正答:参議院の緊急集会においてとられた措置は、次の国会召集後に衆議院の同意を得なければその効力を失い、参議院の緊急集会で成立した「暫定的な措置」は衆議院の同意がなければ永続的な効力を持てない。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・判例も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

国会の種類を整理します。①常会(52条):毎年1回召集・会期150日。②臨時会(53条):内閣が必要と認めた場合、または衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があった場合に内閣が召集。③特別会(54条1項):衆議院解散後の総選挙から30日以内に召集。④参議院の緊急集会(54条2項):衆議院解散中の緊急の必要時に内閣が求める。エの「参議院の緊急集会の措置は次の国会召集後に衆議院の同意がなければ効力を失う」は54条3項の内容を正確に表現しており正答です。ア(常会の会期は150日・90日ではない)、イ(臨時会の召集は4分の1以上の要求が必要・解散中も召集不可は誤り)、ウ(特別会は「総選挙の日から30日以内」に召集であり「解散の日から30日以内」とするのは誤り)、オ(53条は召集の義務規定の問題)を確認します。

標準試験対策の基準レベル

国会の4種類と根拠条文を整理します。①常会(52条):会期は150日間(国会法10条)。アは「90日と法律で定められている」としている点が誤りです(正しくは150日)。②臨時会(53条):内閣が必要と認めた場合または「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合、内閣は召集を決定しなければならない」。イの「4分の1以上の要求があった場合に召集できない」(解散した場合)という記述:衆議院が解散した場合は衆議院議員がいないため衆議院から臨時会召集要求はできませんが、解散中でも参議院は存続するため参議院の議員から53条に基づく要求は可能です。イの「衆議院が解散した場合には召集することができない」という断定は誤りです。③特別会(54条1項):衆議院解散→解散の日から40日以内に総選挙→総選挙の日から30日以内に特別会を召集。ウは「衆議院の解散の日から30日以内に召集」としていますが、これは誤りです。正しくは起算点が「総選挙の日」であり「解散の日」ではありません(解散の日から40日以内に総選挙が行われるため、解散の日から起算するなら最大70日に及びうる)。したがってウは誤りです。④参議院の緊急集会(54条2・3項):衆議院解散中、緊急の必要があるとき内閣が求める。緊急集会でとられた措置は「臨時のもの」として次の国会召集後10日以内に衆議院の同意がなければ効力を失います(エが正答の根拠)。⑤臨時会召集義務(53条後段):「4分の1以上の要求があった場合、内閣は召集を決定しなければならない」とあり、オの「召集義務を負わない」という命題は誤りです。

上級誤答論破・条文/判例まで深掘り

【理論的背景】

国会の召集は主権者たる国民の意思を代表する機関(国会)が機能するための前提であり、召集の時期・条件は民主主義的正当性に関わります。臨時会召集要求(53条)に対して内閣が正当な理由なく長期間召集しない場合(実際に2017年の問題等が議論された)に、憲法義務違反となるかどうかが学説・政治的議論で問題となっています。参議院の緊急集会(54条)は、衆議院解散という民主主義プロセスの一時的空白を最小限に埋めるための緊急措置制度であり、その効力が「臨時のもの」として衆議院の同意を必要とする(54条3項)という制度設計は、二院制における衆議院の民主的正当性を重視したものです。

【実務・条文構造】

国会の種類の一覧(条文・要件・会期):

| 種類 | 根拠 | 召集権者・要件 | 会期 |

|---|---|---|---|

| 常会 | 52条 | 毎年1回・内閣が召集 | 150日(国会法10条) |

| 臨時会 | 53条 | 内閣または各院の総議員1/4以上の要求→内閣が召集 | 両院協議で決定 |

| 特別会 | 54条1項 | 衆議院解散→40日以内に総選挙→その総選挙の日から30日以内に内閣が召集 | 両院協議で決定 |

| 緊急集会 | 54条2項 | 衆議院解散中・緊急の必要時・内閣が参議院に求める | 措置は次の国会後10日以内に衆院同意がなければ失効 |

エの「参議院の緊急集会でとられた措置は、次の国会召集後に衆議院の同意を得なければその効力を失う」という記述は、54条3項の核心(次の国会で衆議院の同意が得られなければ将来に向かって効力を失う)を正確に表現しています。条文上は「次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ」(54条3項)であり「10日以内」という期間が付されますが、エはこの期間を明示しないだけで、判断の核心(衆議院の同意が必要・なければ失効)には誤りがなく、正しい記述です。他の選択肢(ア・イ・ウ・オ)が明確に誤りであることと併せ、エが一義的な正答です。

【試験での位置づけ】

行政書士試験での国会の種類の出題ポイントは次の4つです。①常会:150日(「90日」は誤り)・毎年1回。②臨時会:総議員1/4以上の要求→内閣は召集義務(「3分の1以上」「4分の1以上」の混同に注意)。③特別会:総選挙の日から30日以内(起算点は「総選挙の日」であり「解散の日」ではない点に注意)。④緊急集会:次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ失効。「常会の会期90日(誤り・150日)」「臨時会召集要求は1/3以上(誤り・1/4以上)」「緊急集会の措置は永久に有効(誤り・衆議院の同意が必要)」が典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 誤り。常会(52条)の会期は国会法10条により150日間(「90日」は誤り)。内閣の要求がなければ延長できないという規定もない(両院の議決によって延長可)。
  • イ: 誤り。臨時会(53条)の召集要求は「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合」(「4分の1以上」という点は正しい)。しかし「衆議院が解散した場合には召集することができない」という断定は誤りで、参議院は解散されないため参議院から臨時会召集要求が可能。
  • ウ: 誤り。特別会の召集期間の起算点は「総選挙の日から30日以内」(54条1項)であり、ウのように「衆議院の解散の日から30日以内」とするのは誤り。解散の日から40日以内に総選挙が行われ、さらにその総選挙の日から30日以内に召集されるため、解散の日から起算すると最大70日に及びうる。起算点の取り違えにより誤りとなる。
  • エ: 正答。54条3項の内容(緊急集会でとられた措置は次の国会で衆議院の同意がなければ効力を失う)を正確に表現している。条文上は「次の国会開会の後十日以内に」という期間が付されるが、これを明示しなくても判断の核心(衆議院の同意が必要・なければ失効)に誤りはなく、正しい記述。他の選択肢が明確に誤りであるためエが一義的な正答。
  • オ: 誤り。53条は「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定しており、内閣に召集義務を課している。「召集義務を負わない」という命題は条文に反する。

【根拠条文】

日本国憲法 第52条(常会・毎年1回召集)、第53条(臨時会・1/4以上の要求→内閣に召集義務)、第54条第1項(特別会・解散の日から40日以内に総選挙、その総選挙の日から30日以内に召集)、第54条第2項(参議院の緊急集会)、第54条第3項(緊急集会の措置は次の国会召集後10日以内に衆議院の同意なければ失効)

国会法 第10条(常会の会期150日)

【補足】

「常会会期150日(90日ではない)」「臨時会召集要求は1/4以上(1/3ではない)」「緊急集会の措置は次の国会召集後10日以内に衆議院の同意が必要」の3点が最重要。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 日本国憲法 第52条(常会)、第53条(臨時会)、第54条(特別会・参議院の緊急集会) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

関連論点

国会の種類・常会・臨時会・特別会・参議院の緊急集会頻出度B

憲法の他の問題

1
人権の享有主体・外国人
2
法の下の平等・非嫡出子相続分・再婚禁止期間
3
信教の自由・政教分離・目的効果基準
4
表現の自由・検閲の禁止
5
職業選択の自由・規制目的二分論
6
生存権・プログラム規定説・抽象的権利説

全468問・科目別に解いて、行政書士に最短合格

行政法・民法・憲法を科目別に攻略。各問に根拠条文・判例とAI解説(3レベル)付き。