民法61婚姻の成立要件・婚姻適齢

行政書士 民法 問61:婚姻の成立要件・婚姻適齢

婚姻の成立に関する次のア〜オの記述のうち、現行民法の規定に照らして**正しいもの**はどれか。

  • 婚姻は、18歳以上の男女が婚姻意思の合致により当然に成立し、届出は対抗要件にすぎない。
  • 未成年者が婚姻するためには、父母双方の同意を必ず得なければならない。
  • 婚姻適齢は男女ともに18歳であり、18歳未満の者は婚姻することができない。正答
  • 直系血族間の婚姻は禁止されるが、直系姻族間の婚姻は離婚後であれば認められる。
  • 女は、前婚の解消又は取消しの日から100日を経過した後でなければ再婚することができない。
正答:婚姻適齢は男女ともに18歳であり、18歳未満の者は婚姻することができない。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・判例も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

現行民法では、婚姻適齢は男女ともに18歳です(民法731条)。2022年4月1日の成年年齢引下げ(民法4条改正)に伴い、女性の婚姻適齢も16歳から18歳に引き上げられ、男女ともに18歳に統一されました。これがウの根拠です。アは誤りで、婚姻は届出によって効力を生じる要式行為です(民法739条)。イは誤りで、父母の一方が同意しないときは他の一方の同意だけで足ります(民法737条2項)。オは誤りで、2024年4月1日施行の改正により再婚禁止期間は廃止されました。

標準試験対策の基準レベル

現行民法の婚姻成立要件を整理します。ウが正答となる理由は、2022年4月1日施行の民法改正(成年年齢の引下げ)により、女性の婚姻適齢が16歳から18歳に引き上げられ、男女ともに18歳で統一されたためです(民法731条)。

アは誤りです。婚姻は届出なしには効力を生じません(民法739条1項)。届出は婚姻の成立要件であり、対抗要件ではありません。イは誤りです。未成年者(17歳以下)が婚姻するケースは現行法上ありえませんが、仮に論ずるとすれば、民法737条2項は父母の一方が同意しないとき・意思を表示できないときは他の一方の同意で足りると定めており、双方の同意は必須ではありません。エは誤りです。直系姻族間の婚姻は離婚後も禁止されます(民法735条)。オは誤りです。2024年4月1日施行の民法改正により、女性に対する再婚禁止期間(旧733条)は廃止されました。

上級誤答論破・条文/判例まで深掘り

【理論的背景】

婚姻の成立要件は、実質的要件(婚姻意思の合致・婚姻障害事由の不存在)と形式的要件(届出)の二層から成ります。婚姻を届出によって効力を生じる要式行為とする立場は、明治民法以来の伝統であり、法律婚主義の核心です。事実婚(内縁)との区別においても、届出の有無が決定的な基準となります。成年年齢の18歳への引下げは、民法4条の改正(2022年4月1日施行)によるもので、これに連動して婚姻適齢・未成年者の父母同意・成年擬制(旧753条)が連動改正されました。

【実務・条文構造】

婚姻に関する主要条文の現行内容を確認します。民法731条(婚姻適齢)は「婚姻は、18歳にならなければ、することができない」と規定し、男女の区別はありません。民法732条(重婚禁止)・民法734条(近親婚禁止:3親等内の傍系血族)・民法735条(直系姻族間禁止:離婚後も継続)・民法736条(養親子関係の禁止)は婚姻障害として残存します。民法737条(未成年者の婚姻と父母の同意)は、現行法では18歳未満の者は婚姻できないため実質的に意義を失いましたが、条文上は削除されていません。再婚禁止期間(旧733条)は2024年4月1日施行の改正で廃止されました。これは、DNA鑑定技術の普及により父性推定の問題が他の手段で解決できるようになったことと、男女平等の観点から廃止されたものです。嫡出推定については、同じ2024年4月1日施行の改正で民法772条が見直され、再婚後の夫を父と推定する規律が整備されています。

【試験での位置づけ】

行政書士試験での婚姻要件問題は、改正法の「現行内容」を正確に覚えているかを問うものが多く、「女性の婚姻適齢が16歳」「再婚禁止期間が100日(または6か月)」といった旧法の数字を混同させる引っかけが頻出です。2024年4月1日以降は再婚禁止期間ゼロが現行法であることを確実に押さえる必要があります。また、婚姻の届出が「成立要件」か「効力要件」かという点も整理が必要です。判例(大判明38.12.16等)・学説は届出を成立要件と解しており、「対抗要件」とする選択肢(ア)は典型的な誤りパターンです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 婚姻は届出なしには成立しない要式行為(民法739条1項)。届出を「対抗要件」とする構成は、物権変動における177条の理論との混同を招く典型的な誤り。婚姻届は創設的届出であり、受理によって婚姻が成立する。
  • イ: 現行法上、18歳未満の者は婚姻できないため、父母同意規定(民法737条)は事実上機能しない。仮に論点として問うとすれば「一方の同意で足りる場合がある(737条2項)」が正しく、「双方必須」は誤り。
  • ウ: 正答。2022年改正後の民法731条の明文どおり。
  • エ: 民法735条は「直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第728条又は第817条の9の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする」と規定し、離婚後も禁止が継続する。
  • オ: 2024年4月1日施行の改正で旧民法733条(再婚禁止期間)は廃止。「100日」「6か月」いずれも現行法には存在しない。

【根拠条文】

民法 第4条(成年)、第731条(婚姻適齢)、第735条(直系姻族間の婚姻の禁止)、第739条第1項(婚姻の届出)

【補足】

再婚禁止期間廃止(2024年4月1日施行)と成年年齢引下げ(2022年4月1日施行)は、施行日とセットで押さえること。旧法の数字(女16歳・100日/6か月)は現行法に存在しない。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法 第4条・第731条・第732条・第734条・第735条・第736条・第737条 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

関連論点

婚姻の成立要件・婚姻適齢頻出度A

民法の他の問題

1
制限行為能力者・未成年者
2
制限行為能力者・被保佐人・被補助人
3
制限行為能力者・取消権・追認
4
意思表示・錯誤の現行規律
5
意思表示・錯誤の重要性・動機の錯誤
6
意思表示・詐欺・強迫

全365問・科目別に解いて、行政書士に最短合格

行政法・民法・憲法を科目別に攻略。各問に根拠条文・判例とAI解説(3レベル)付き。