ITパスポート 令和8年度 問43:development_managementに関する問題
ある企業でスマートフォン向けのアプリケーションソフトウェアの開発を計画しており、2週間ごとに新機能や不具合の修正を含めた新しいバージョンを繰り返しリリースすることにした。新機能の候補や不具合は一覧表で管理し、優先順位をつけて開発し、逐次リリースする方針にした。この開発に採用するソフトウェア開発モデルとして、最も適切なものはどれか。
- aDevOps
- bアジャイル正答
- cウォーターフォール
- dリバースエンジニアリング
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは b「アジャイル」 です。
アジャイルは「短い期間で少しずつ作って、何度も改良を重ねる」作り方です。
たとえば、料理を一気に全部作るのではなく、「まず一品作って味見→改善→次の一品」と少しずつ進めるイメージ。問題文の『2週間ごとに新しいバージョンを出す』がまさにこれです。
👉 覚え方:「アジャイル=すばやく・小刻みに・繰り返す」。
ほかの選択肢:a DevOps=開発と運用が協力して素早く出す体制(作り方の名前ではない)/c ウォーターフォール=最初に全部計画して一気に上から下へ進める方式/d リバースエンジニアリング=完成品を分解して仕組みを調べること。
なぜこれが正解か
正解は b。アジャイル開発は短い反復(イテレーション)単位で、優先順位の高い機能から少しずつ開発・リリースを繰り返す手法。問題文の『2週間ごとに新バージョンをリリース』『一覧表で優先順位をつけて逐次リリース』はアジャイル(特にスクラムやXP)の典型的特徴と合致する。
各選択肢の解説
- a DevOps:開発(Dev)と運用(Ops)が連携して迅速にリリースする『文化・体制』であり、開発モデルそのものを指す語ではない。
- c ウォーターフォール:要件定義→設計→開発→テストと工程を順番に一度きりで進める方式。繰り返しリリースには向かない。
- d リバースエンジニアリング:既存製品を解析して構造や仕様を導く技術で、開発モデルではない。
覚え方・ひっかけ注意
『繰り返し』『短期間』『優先順位』がキーワードならアジャイル。aのDevOpsは紛らわしいが「開発モデル」を問われたらアジャイルが正解。DevOpsは『迅速化の仕組み』であってモデルではない、と区別する。
理論的背景
アジャイル開発は1990年代後半から2000年代初頭にかけてXP(エクストリームプログラミング)・Scrum・FDD等の実践として体系化され、2001年の「アジャイルソフトウェア開発宣言」で哲学的基盤が確立された。4つの価値観(プロセスやツールよりも個人と対話、包括的なドキュメントよりも動くソフトウェア、契約交渉よりも顧客との協調、計画への従順よりも変化への対応)と12の原則が現在も全アジャイル手法の共通基盤となっている。
本問が描写する「2週間ごとのリリース(スプリント)」「新機能候補・不具合の一覧表管理(プロダクトバックログ)」「優先順位付け・逐次リリース」はScrumフレームワークの典型的実践パターンである。Scrumではプロダクトオーナーがバックログ優先順位を管理し、2〜4週間のスプリントで動作するインクリメントを提供する構造を持つ。
実務での使われ方
スマートフォンアプリ開発はアジャイルの最適適用領域の一つで、App Store・Google Playのレビューフィードバックを即座に次スプリントに反映できる特性がある。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインとの組み合わせでDeployFrequencyを高め、DORA指標(Deployment Frequency・Lead Time for Changes・Change Failure Rate・Time to Restore)でエンジニアリング生産性を計測することが現代標準である。
誤り選択肢aのDevOpsは開発(Dev)と運用(Ops)の連携を強化する文化・実践・ツールの組み合わせであり、開発手法ではなく組織文化・プロセス改善のアプローチ。アジャイルとDevOpsは組み合わせて使うことが多いが概念は異なる。選択肢cのウォーターフォールは要件定義→設計→実装→テスト→リリースを逐次実行するモデルで、変更に弱く2週間ごとのリリースには不向き。選択肢dのリバースエンジニアリングは既存ソフトウェアを解析して仕様を把握する技術であり、開発モデルではない。
試験での位置づけ
ITパスポートのマネジメント系「開発管理」分野での最頻出トピックの一つ。2022年度シラバス改訂でDX・アジャイルの重要性が増し、アジャイルとウォーターフォールの特徴比較・適用場面の判断を問う問題が増加している。「短期間での繰り返しリリース」「優先順位付きバックログ」「変化への適応」というキーワードはアジャイルの識別子として確実に押さえる必要がある。基本情報技術者試験ではScrum・XP・カンバンの詳細(スプリントプランニング・デイリースクラム・スプリントレビュー・スプリントレトロスペクティブの4セレモニー)まで出題される。応用情報技術者試験ではアジャイル開発の適用可否判断・リスク管理・スケールドアジャイル(SAFe)まで踏み込んだ問題が出題される。
選択肢の発展補足
DevOps(選択肢a)とアジャイルの違いは試験でも実務でも混同されやすい重要ポイント。アジャイルは主に開発チームの作業プロセス(何をいつ作るか)を最適化するのに対し、DevOpsはソフトウェアのデリバリーパイプライン全体(コードからプロダクションまで)を自動化・短縮化することを目的とする。現代のソフトウェア開発では「アジャイル開発+DevOps文化+CI/CDツール」の三位一体が高パフォーマンスチームの標準構成となっている。ウォーターフォール(選択肢c)は要件が固定かつ変更コストが高い大規模・長期プロジェクト(基幹系システム刷新・官公庁入札案件等)では現在も有効な手法であり「古い=悪い」ではなく適用場面の違いを理解することが重要。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問43/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。