基礎的な物理学及び基礎的な化学100密度・比重

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問100:密度・比重

二硫化炭素(CS2)の物性に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 二硫化炭素は特殊引火物に分類され、引火点は約 −30℃である。
  • 二硫化炭素の発火点は約 90℃と極めて低く、これは第4類危険物の中で最低レベルである。
  • 二硫化炭素の液比重は約 1.26〜1.3 であり、水より重い。
  • 二硫化炭素の燃焼範囲は約 1.3〜50% であり、蒸気は空気より重い(蒸気比重約2.6)。
  • 二硫化炭素の液比重が水より大きいため、水面下(水中)に保管することは有効な方法ではなく、空気中での密閉保管が標準である。正答
正答:二硫化炭素の液比重が水より大きいため、水面下(水中)に保管することは有効な方法ではなく、空気中での密閉保管が標準である。

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誤っているのはオです。二硫化炭素は液比重が水より大きい(1.26〜1.3)ため、水の下に沈みます。この性質を利用して、水面下(水中)に沈めて保管することが実際に行われる安全策です(蒸気の発生を水面が遮断する)。「水中保管が有効でない」は逆の記述です。

  • ア(正): 特殊引火物・引火点−30℃。§1-2確定値。
  • イ(正): 発火点約90℃(第4類で最低)。§1-2確定値。
  • ウ(正): 液比重1.26〜1.3(水より重い)。§1-2確定値。
  • エ(正): 燃焼範囲1.3〜50%・蒸気比重約2.6。§1-2確定値。
  • オ(誤): 液比重>1→水面下に沈む→水中保管が有効。

二硫化炭素の水中保管は「発火点が低い(90℃)・蒸気が有害・特異な引火危険性」への対策です。

標準試験対策の基準レベル

二硫化炭素の物性と水中保管(§1-2物性表確定値):

二硫化炭素(CS2)の確定物性(§1-2):

| 項目 | 値 | 備考 |

|---|---|---|

| 分類 | 特殊引火物 | 指定数量 50L |

| 引火点 | −30℃ | §1-2確定 |

| 発火点 | 約90℃ | 第4類で最低 §1-2確定 |

| 液比重 | 1.26〜1.3 | 水より重い §1-2確定 |

| 蒸気比重 | 2.6 | CS2: 76/29≒2.62 |

| 燃焼範囲 | 1.3〜50% | §1-2確定 |

各選択肢:

  • ア(正): 特殊引火物・引火点−30℃。§1-2確定値と一致。
  • イ(正): 発火点約90℃は第4類で最低。蒸気の有害性・発火しやすさの核心値。
  • ウ(正): 液比重1.26〜1.3(水より重い)。第4類で液比重>1の代表例(他は酢酸1.05等)。
  • エ(正): 燃焼範囲1.3〜50%(幅48.7%・極めて広い)・蒸気比重2.6(空気の約2.6倍・低所強く滞留)。
  • オ(誤): 液比重>1→水中に沈む→水面で蒸気の発生を遮断できる→水中保管が有効かつ実際に行われる方法。「有効でない・空気中密閉が標準」は誤り。

引っかけ: オは「液比重>1だから水中に沈んでしまう→不便」という誤った推論を誘発する。実際には水中保管こそが安全策。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:二硫化炭素の危険性と水中保管】

二硫化炭素(CS2)は第4類危険物の中でも特別な危険性を持ちます:

1. 発火点約90℃: 第4類最低(ジエチルエーテルの160℃より低い)。電球の表面温度(通常100℃超)や暖かい蒸気配管表面など、普通に存在する熱源で自然発火する危険。

2. 引火点−30℃: 極低温でも引火の危険。

3. 燃焼範囲1.3〜50%: 非常に広い(二硫化炭素蒸気と空気の混合気体の広い範囲で爆発性)。

4. 蒸気比重2.6: 空気の2.6倍重い→低所に強く滞留。

5. 蒸気の有毒性: 二硫化炭素は有毒(神経毒性・慢性中毒)であり、蒸気の吸入に注意が必要。

6. 液比重1.26〜1.3: 水より重い→水中に沈む。

この特性(液比重>1・蒸気有毒)から、二硫化炭素は水中保管が推奨されます:

  • 水面が蒸気の発生(蒸発)を物理的に遮断
  • 水中の二硫化炭素は空気と接触しないため酸化・着火の機会が減少
  • 火災時に水(消火剤)を大量に供給すれば二硫化炭素を水中に沈めて消火に役立てられる

【二硫化炭素の分子量と蒸気比重の計算確認】

CS2 の分子量: C(12) + S(32)×2 = 12 + 64 = 76

蒸気比重: 76 ÷ 29 ≒ 2.62(§1-2確定値と一致)

【第4類の中での位置づけ】

二硫化炭素は第4類の中で「最も危険なグループ」に属します:

  • 発火点最低(90℃): 他の特殊引火物より低く、自然発火リスクが高い
  • 燃焼範囲広い(1.3〜50%): 空気との混合がほぼどんな比率でも爆発性
  • 液比重>1: 第4類の大多数(ガソリン・アルコール等)が液比重<1(水より軽い)の中で例外的

これらが組み合わさるため、二硫化炭素は乙四試験で最頻出の「特殊な性質を持つ危険物」として問われます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 特殊引火物(1気圧・引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下、または発火点100℃以下)の定義に合致。CS2は発火点90℃(100℃以下)であるため特殊引火物。引火点−30℃は§1-2確定値。
  • イ(正): 発火点約90℃は第4類で最低。白熱電球・熱水パイプ・高温の金属面で自然発火の危険あり。
  • ウ(正): 液比重1.26〜1.3(水より重い)。水中に沈む性質が水中保管の根拠。
  • エ(正): 燃焼範囲1.3〜50%・蒸気比重2.6。どちらも§1-2確定値。幅48.7%は第4類中最大級。
  • オ(誤): 液比重>1→水面下に沈む→水が蒸気発生を遮断→水中保管が有効。「有効でない」は完全な誤り。空気中での密閉保管のみでは発火点が低い(90℃)CS2は火源との接触が心配であり、水中保管の方が安全性が高い。

【試験での位置づけ】

乙四試験では二硫化炭素の「発火点90℃(第4類最低)」「液比重>1(水より重い)→水中保管」が最重要です。これは性質科目(S7・特殊引火物)でも繰り返し出題され、物理化学と性質の両科目で得点につながる知識です。

【根拠】§1-2物性表(確定値)・確立した化学(二硫化炭素の物性と水中保管の根拠)。

【補足】二硫化炭素:発火点90℃(第4類最低)・液比重1.26〜1.3(水より重い)→水中保管が有効。燃焼範囲1.3〜50%(広い)・蒸気比重2.6。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 二硫化炭素 CS2 特殊引火物(指定数量50L)・引火点-30℃・発火点約90℃(第4類最低)・液比重1.26〜1.3(水より重い)・燃焼範囲1.3〜50%・蒸気比重76/29≒2.62、全項目§1-2確定値と完全一致。液比重>1→水中保管が有効(水面が蒸気発生を遮断)は性質科目S7とも整合。正答オ(水中保管が有効でないは逆=誤り)で一意。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: §1-2物性表(確定値)。二硫化炭素は液比重>1(水より重い)であるため、水面下(水中)での保管が有効な安全策である(蒸気発生を抑え、水が蒸気の発生を防ぐ)。オは「水中保管が有効でない」とする誤り。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

二硫化炭素の物性・発火点最低・液比重>1・燃焼範囲広頻出度A

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