基礎的な物理学及び基礎的な化学99引火点・発火点・燃焼点

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問99:引火点・発火点・燃焼点

メタノール(CH3OH)の引火点および発火点に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • メタノールの引火点は約40℃以上であり、常温での取扱いは比較的安全である。
  • メタノールの発火点はエタノールの発火点より確実に高い(メタノール > エタノール)。
  • メタノールの引火点は11℃であり、常温(20℃)では引火性蒸気が燃焼下限値以上発生しているため、点火源に注意が必要である。正答
  • 引火点が低いほど発火点も低くなるため、メタノールの発火点はジエチルエーテルより低い。
  • メタノールとエタノールは引火点が異なるが、いずれも水不溶性であり水で希釈して消火できる。
正答:メタノールの引火点は11℃であり、常温(20℃)では引火性蒸気が燃焼下限値以上発生しているため、点火源に注意が必要である。

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正しいのはウです。メタノールの引火点は11℃(確定値)であり、常温(20℃)はこの引火点を上回る温度です。つまり常温では燃焼下限値以上の引火性蒸気が発生しており、点火源(火花・炎等)があれば引火します。

  • ア(誤): メタノールの引火点は11℃(40℃以上ではない。40℃以上は灯油)。
  • イ(誤): メタノール(発火点約385〜464℃)とエタノール(約363〜423℃)は発火点に幅があり、「確実にメタノール > エタノール」とは断言できない。
  • ウ(正): 引火点11℃。常温20℃は引火点超→蒸気が燃焼下限値以上発生→引火の危険あり。正しい。
  • エ(誤): 引火点と発火点は別の概念で直接連動しない(引火点低≠発火点低)。
  • オ(誤): メタノール・エタノールはいずれも水溶性(水によく溶ける)。水不溶性ではない。

「メタノール引火点11℃ → 常温で引火の危険あり」を必ず覚えてください。

標準試験対策の基準レベル

メタノールの物性と引火危険性(§1-2物性表確定値・確立した化学):

メタノール(CH3OH)の確定物性(§1-2):

  • 引火点: 11℃(試験核値)
  • 発火点: 約 385〜464℃(幅あり→出題は「約400℃前後」等のレンジ)
  • 液比重: 0.79(水より軽い)
  • 蒸気比重: 1.1(空気より重い)
  • 燃焼範囲: 約6〜36%
  • 水溶性

各選択肢:

  • ア(誤): 引火点11℃は常温より低い(40℃以上は灯油)。常温での取扱いは注意が必要。
  • イ(誤): メタノールの発火点(約385〜464℃)とエタノール(約363〜423℃)は教科書値に幅があり、一意に「確実にメタノール > エタノール」とは確定できない。
  • ウ(正): 引火点11℃ < 常温(20℃)→常温で燃焼下限値(6%)以上の蒸気が発生→引火の危険あり。正しい。
  • エ(誤): 引火点と発火点は独立した物性(全く別の現象)。引火点が低くても発火点が高い物質も存在する。例: ジエチルエーテル(引火点−45℃・発火点160℃)はメタノール(引火点11℃・発火点約400℃前後)より引火点は低いが、発火点はメタノールの方が高い。
  • オ(誤): メタノール・エタノールはいずれも水溶性(無限混和)。水で希釈消火は可能だが、大量の水が必要で一般には耐アルコール泡が推奨。「水不溶性」は誤り。

引っかけ: ア(メタノール引火点を灯油と混同)とオ(アルコール類が水不溶性)が定番の誤り。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:引火点の意味と常温比較】

引火点とは「可燃性蒸気が空気との混合気体を形成し、外部点火源(小火花等)で引火するのに十分な濃度(燃焼下限値)が液面上に生じる最低液体温度」です。

引火点と常温の関係:

  • 引火点 < 常温(20℃): 常温で燃焼下限値以上の蒸気が発生→点火源があれば引火可能
  • 引火点 ≥ 常温: 常温では通常は引火しない(加熱等で引火点を超えると危険)

メタノールの引火点11℃は常温(20℃)より低いため、夏季(30℃超)はもちろん、通常の室内温度でも常に引火の危険があります。これはガソリン(引火点−40℃以下)に次いで常温での危険性が高い物質の一つです。

【引火点と発火点の独立性】

引火点と発火点は全く別の概念・測定方法で決まります:

  • 引火点: 液体から蒸発した気体の濃度が燃焼下限値に達する温度(液体の温度)
  • 発火点: 可燃性物質が加熱されたとき、外部点火源なしに自然発火する最低温度

「引火点が低い物質は発火点も低い」という法則はありません。例:

  • ジエチルエーテル: 引火点 −45℃(低)・発火点 約160℃(低)
  • メタノール: 引火点 11℃(中)・発火点 約400℃前後(高)
  • 灯油: 引火点 40℃以上(高)・発火点 約220℃(中)

引火点と発火点が独立しているため、「ジエチルエーテルは引火点は低いが発火点も低い(160℃)→加熱器具等への接触で自然発火しやすい」という固有の危険性があります。

【メタノールとエタノールの発火点比較の扱い方】

メタノールの発火点は教科書によって385〜464℃と幅があります(§1-2 に明記)。エタノールも363〜423℃と幅があります。この幅は測定方法・純度・容器形状によって変わります。

乙四試験での扱い:

  • 引火点(11℃・13℃)は確定値として出題される(核心値)
  • 発火点は幅(約385〜464℃程度)で記憶し、問題文では「約400℃前後」等のレンジで出題される場合が多い
  • 「メタノールの発火点がエタノールより確実に高い(または低い)」という断言問題は出題リスクあり→本問のイ(確実に高い)は誤りとして適切

【各選択肢の発展補足】

  • ア(誤): 引火点11℃は常温より低く、常温での取扱いは特に注意が必要。「安全」という評価は誤り。
  • イ(誤): 発火点に幅があるため「確実に」とは言えない。§1-2で「発火点は幅あり→出題はレンジ表記」と明記されているため作問の正誤判定で使わない。
  • ウ(正): 引火点11℃ < 常温(20℃)→常温で燃焼下限値以上の蒸気→引火危険。正しい。
  • エ(誤): 引火点と発火点は独立。低引火点→低発火点の法則はない。
  • オ(誤): メタノール・エタノールは水溶性。消火に耐アルコール泡が推奨されるのは「通常泡が水溶性液体で溶ける」ためで、水での希釈消火が絶対不可というわけではない(大量の水は有効な場合がある)。「水不溶性」という誤りは性質の基本。

【試験での位置づけ】

乙四試験ではメタノールの引火点(11℃)は確定値として覚えてください(エタノールは13℃と合わせて)。「引火点11℃ < 常温 → 常温での引火危険あり」は「引火点40℃以上の灯油は常温では引火しにくい」との対比で覚えると記憶が定着します。

【根拠】§1-2物性表(確定値: メタノール引火点11℃・エタノール引火点13℃)。

【補足】メタノール引火点11℃(常温より低い→常温で引火の危険あり)。発火点は幅あり(約400℃前後)で確定値的な比較は避ける。アルコール類は水溶性。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): メタノール引火点11℃・発火点約385〜464℃・液比重0.79・蒸気比重1.1・燃焼範囲約6〜36%・水溶性すべて§1-2と一致。引火点11℃<常温20℃→常温で燃焼下限以上の蒸気→引火危険、も正確。引火点と発火点の独立性(ジエチルエーテル引火点-45℃/発火点160℃ vs メタノール引火点11℃/発火点約400℃)も§1-2と整合。発火点はメタ/エタとも幅あり→「確実にメタ>エタ」は断言不可(イを誤りとした作問は適切)。正答ウで一意。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: §1-2物性表(確定値)。メタノールの引火点は11℃(確定値)。常温(20℃)は引火点11℃を超えているため、引火性蒸気が燃焼下限値以上に発生しており点火源があれば引火する。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

メタノールの引火点と発火点・アルコール類の引火危険性頻出度A

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科目別に解いて、危険物乙四に合格

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