基礎的な物理学及び基礎的な化学22酸・塩基・有機/無機

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問22:酸・塩基・有機/無機

金属の腐食および防食に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 鉄の腐食(さび)は、水分と酸素が共存する環境で進行しやすい。正答
  • 金属の腐食は、乾燥した環境よりも、水分や塩分が存在しない清浄な環境で速く進む。
  • 異なる種類の金属が接触して湿った環境にあっても、電池作用(ガルバニック腐食)は生じない。
  • 金属表面に塗装やめっきを施すと、かえって腐食が促進される。
  • 鉄に亜鉛めっき(トタン)を施すと、亜鉛より鉄が先に腐食する。
正答:鉄の腐食(さび)は、水分と酸素が共存する環境で進行しやすい。

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正しいのはアです。鉄がさびる(腐食する)のは、水分と酸素が両方あるときです。

  • ア(正): 腐食は水分+酸素の共存で進む。
  • イ(誤): 水分・塩分があるほど腐食は速い。清浄・乾燥では進みにくい。
  • ウ(誤): 異種金属の接触+湿りで電池作用(腐食)が生じる。
  • エ(誤): 塗装・めっきは腐食を防ぐ。促進ではない。
  • オ(誤): トタン(亜鉛めっき)は亜鉛が先に腐食して鉄を守る。

「腐食=水+酸素、塩分で促進、めっきで防止」を押さえます。

標準試験対策の基準レベル

金属の腐食と防食:

金属の腐食(さび)は、金属が酸素や水と反応して酸化物等になる現象で、電気化学的に進みます。

  • 腐食の条件: 水分と酸素の共存で進行(ア=正)。塩分・酸(電解質)があると電気が流れやすくなり腐食が促進される(イ=誤:清浄環境で速いは逆)。
  • ガルバニック腐食(異種金属接触): 異なる金属が接触して湿った環境にあると電池が形成され、イオン化傾向の大きい(卑な)金属が先に腐食する(ウ=誤:生じないは誤り)。
  • 防食法:

- 塗装・めっき・ライニングで金属を環境から遮断(エ=誤:促進は逆)。

- 犠牲防食(流電陽極法): 守りたい金属より卑な金属を接続し、そちらを先に腐食させる。

  • トタンとブリキ: トタン=鉄に亜鉛めっき(亜鉛が先に腐食し鉄を守る=犠牲防食、オ=誤)。ブリキ=鉄にスズめっき(傷つくと鉄が先に腐食)。

引っかけパターン:

  • 清浄・乾燥で腐食が速いとする逆転(イ)
  • めっきが腐食を促進とする逆転(エ)
  • トタンで鉄が先に腐食とする誤り(オ)

「水+酸素で腐食・塩で促進・卑な金属が先に腐食」を固定します。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

金属の腐食は、金属が電子を失って陽イオンになる酸化反応です。鉄の腐食を例にとると、湿った表面で鉄がFe²⁺となって溶け出し(陽極反応)、別の部分で酸素と水が電子を受け取る(陰極反応)という、いわば微小な電池が金属表面に無数にできることで進行します。この電気化学的な仕組みのため、(1)水分(電解質となる)、(2)酸素(電子の受け手)、(3)電解質(塩分・酸)の存在が腐食を加速します。乾燥した清浄な環境では、電気が流れず腐食は進みにくくなります。

【イオン化傾向とガルバニック腐食】

金属には陽イオンへのなりやすさの序列(イオン化傾向)があり、大きい順に K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au です。異種金属が接触して湿った環境にあると、イオン化傾向の大きい(卑な)金属が陽極となって先に腐食し、小さい(貴な)金属は保護されます。これがガルバニック腐食であり、防食にも応用されます。

【実務・防食法と危険物】

  • 被覆: 塗装・めっき・ライニングで金属を水・酸素・電解質から遮断。
  • 犠牲防食(流電陽極法): 守りたい鉄に、より卑な亜鉛・マグネシウム等を接続し、そちらを犠牲に腐食させて鉄を守る。トタン(亜鉛めっき鉄板)はこの原理で、亜鉛が先に腐食して鉄を保護する。一方ブリキ(スズめっき)はスズが鉄より貴なので、めっきに傷がつくと鉄が先に腐食する。
  • 電気防食(外部電源法): 外部電源で金属に電流を流し腐食を抑える。
  • 危険物との接続: 危険物を貯蔵する地下タンク・配管は土壌中で腐食しやすく、外面の腐食防止措置(塗覆装)や電気防食、漏えい検査管による監視が法令で求められます(地下タンク貯蔵所の基準)。腐食による穴あきは漏えい・土壌汚染・引火事故の主因であり、腐食・防食の理解は危険物の安全管理に直結します。

【試験での位置づけ】

腐食・防食は、(1)腐食は水分+酸素で進行・塩分/酸で促進、(2)異種金属接触で卑な金属が先に腐食、(3)防食は塗装・めっき・犠牲防食・電気防食、(4)トタンは亜鉛が犠牲になり鉄を守る、の各点が問われます。誤答は「乾燥・清浄で速い」「めっきで促進」「トタンで鉄が先に腐食」のように、腐食の条件や防食の効果を逆にして作られます。「腐食には水と酸素と電解質が要る」「卑な金属が身代わりになる(トタン)」という2つの軸で整理すれば、逆転選択肢を確実に判別できます。イオン化傾向の序列(K〜Au)は、電池・腐食・置換反応すべての基礎なので暗記しておきます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 鉄の腐食は水分と酸素の共存で進行しやすい。
  • イ(誤): 水分・塩分があるほど腐食は速い。清浄・乾燥環境で速いは逆。
  • ウ(誤): 異種金属接触+電解質でガルバニック腐食が生じる。
  • エ(誤): 塗装・めっきは腐食を防ぐ。促進は逆。
  • オ(誤): トタンは亜鉛が先に腐食して鉄を守る(犠牲防食)。鉄が先ではない。

【根拠】金属の電気化学的腐食・イオン化傾向・犠牲防食(確立した化学)。

【補足】腐食=水分+酸素(塩分・酸で促進)。異種金属接触で卑な金属が先に腐食。トタン=亜鉛が犠牲で鉄を守る。地下タンク・配管の腐食防止に直結。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 金属の腐食(電気化学的腐食)の確立した化学。鉄の腐食は水分・酸素の共存で進行し、塩分(電解質)や酸はこれを促進する。異種金属の接触+電解質でガルバニック腐食(イオン化傾向の大きい金属が先に腐食)。防食は塗装・めっき・電気防食等。亜鉛めっき(トタン)は鉄より卑な亜鉛が先に腐食して鉄を守る(犠牲防食)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

金属の腐食と防食頻出度B

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