危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問31:物質の三態・状態変化
一定圧力のもとで、27℃で6.0Lの気体を87℃まで加熱したとき、気体の体積として最も近い**正しいもの**はどれか。なお絶対温度〔K〕=セルシウス温度〔℃〕+273とする。
- ア4.0L
- イ5.0L
- ウ6.0L
- エ7.2L正答
- オ9.0L
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正しいのはエ(7.2L)です。気体の体積は絶対温度に比例します(シャルルの法則)。
まず温度を絶対温度〔K〕に直します。
- 27℃ → 27+273=300K
- 87℃ → 87+273=360K
体積は温度に比例するので、
- V2 = 6.0 ×(360/300)= 6.0 × 1.2 = 7.2L → 正答エ。
ポイントは、℃のまま計算しないこと。必ず273を足して〔K〕にしてから比をとります。温度が上がれば気体は膨張する(体積が増える)ので、答えは6.0Lより大きくなります。
シャルルの法則(気体の体積と温度):
一定圧力のもとで、気体の体積Vは絶対温度T〔K〕に比例します。
V1 / T1 = V2 / T2
本問の計算:
- T1 = 27 + 273 = 300K
- T2 = 87 + 273 = 360K
- V2 = V1 ×(T2/T1)= 6.0 ×(360/300)= 6.0 × 1.2 = 7.2L(エ=正)
- ア(4.0L)・イ(5.0L): 体積が減る方向の誤り(加熱では膨張するので増える)。
- ウ(6.0L): 温度変化を無視した誤り。
- エ(7.2L・正): 正しい比例計算。
- オ(9.0L): ℃のまま比(87/27)で計算した過大値(誤った典型)。
引っかけパターン:
- 温度を℃のまま計算する(最頻出の誤り)。必ず+273で〔K〕に。
- 加熱なのに体積が減るとする(加熱=膨張で増える)。
「気体の体積は絶対温度に比例・温度は必ずK」を固定します。
【理論的背景】
気体は液体・固体と違い、温度や圧力でその体積が大きく変化します。一定圧力で気体を加熱すると、分子の運動が激しくなって体積が膨張します。この「一定圧力では気体の体積は絶対温度に比例する」という関係がシャルルの法則です。重要なのは、比例するのは絶対温度(K)であってセルシウス温度(℃)ではない点です。絶対温度は分子の運動エネルギーがゼロになる−273℃を0Kとする温度目盛りで、〔K〕=〔℃〕+273で換算します。
【関係式の整理】
- シャルルの法則(圧力一定): V1/T1=V2/T2
- ボイルの法則(温度一定): P1V1=P2V2
- ボイル・シャルルの法則(両方変化): P1V1/T1=P2V2/T2
本問は圧力一定なのでシャルルの法則を使い、温度を必ず〔K〕に直してから比をとります。
- T1=300K、T2=360K、比=360/300=1.2
- V2=6.0×1.2=7.2L
もし℃のまま 87/27≒3.2 として計算すると 6.0×3.2≒19.2L のような大きく誤った値になります(本問のオ9.0Lはこの種の誤りの代表)。
【危険物との接続】
気体(蒸気)の体積が温度で変化することは、危険物の取扱いで実害につながります。
- 容器・タンクの内圧上昇: 液体危険物を満タンで密閉して加熱すると、液の膨張と蒸気の膨張で内圧が上がり、容器の破損・噴出の危険がある。そのため容器には空間容積を残し、タンクには通気管・安全装置を設ける。
- 温度管理: 夏季の直射日光下では蒸気が膨張・噴出しやすいので冷暗所貯蔵が基本。
【試験での計算ポイント】
1. 圧力一定=シャルルの法則 V1/T1=V2/T2。
2. 温度は必ず絶対温度〔K〕(+273)。℃のまま比をとらない。
3. 加熱→膨張(体積増)、冷却→収縮(体積減)の方向を確認して検算。
本問は T2/T1=360/300=1.2 倍を掛けるだけで 7.2L が出ます。乙四の計算は単純比例が中心なので、絶対温度への換算さえ正確にできれば確実に得点できます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(4.0L・誤): 体積が減る方向(加熱では増える)。
- イ(5.0L・誤): 同上。
- ウ(6.0L・誤): 温度変化を無視。
- エ(7.2L・正): 6.0×(360/300)=7.2。
- オ(9.0L・誤): ℃のままの比など誤った計算による過大値。
【根拠】シャルルの法則(一定圧力で体積は絶対温度に比例・確立した物理学)。
【補足】V1/T1=V2/T2。温度は必ず〔K〕=〔℃〕+273。本問は6.0×(360/300)=7.2L。加熱で膨張。容器は空間容積・通気管で内圧対策。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: シャルルの法則(一定圧力で気体の体積は絶対温度に比例)。V1/T1=V2/T2。T1=27+273=300K、T2=87+273=360K。V2=6.0×(360/300)=6.0×1.2=7.2L。温度は必ず絶対温度〔K〕に直して計算する。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。