危険物乙四
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問78|熱伝導・対流・放射の3形態の特徴比較

問題

危険物乙四 | 基礎的な物理学及び基礎的な化学

熱の移動(伝達)の3形態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤っているのはエです。金属は有機液体より熱伝導率が高く(熱を伝えやすい)、「低い」は逆の記述です。

  • ア(正): 熱伝導=物質中を粒子振動で伝わる・媒介物が必要。
  • イ(正): 熱対流=液体・気体の流動による熱移動。
  • ウ(正): 熱放射(輻射)=電磁波(赤外線)によって媒介物なしで伝わる。
  • エ(誤): 金属は有機液体より熱伝導率が高い(熱を伝えやすい)。
  • オ(正): 太陽→地球の熱は真空を通るため放射(輻射)。

「金属=熱伝導率が高い」は日常感覚でも分かる(鉄棒は熱くなりやすい)。木(低)・プラスチック(低)・金属(高)の順で覚えておきましょう。

熱の移動3形態(確立した物理学):

移動形態メカニズム媒介物代表例
熱伝導粒子の振動・衝突で隣接粒子にエネルギー伝達必要(固体・液体・気体いずれも可)金属棒の一端を加熱→他端も熱くなる
熱対流密度差による流体(液体/気体)の循環流体が必要部屋の暖房・海水の循環
熱放射(輻射)電磁波(主に赤外線)で伝達不要(真空中でも伝わる)太陽からの熱・焚火の暖かさ

各選択肢:

  • ア(正): 熱伝導の定義として正しい。媒介物(固体・液体・気体)が必要。
  • イ(正): 熱対流の定義として正しい。固体中では起こらない。
  • ウ(正): 熱放射(輻射)は電磁波で真空中でも伝わる。
  • エ(誤): 金属の熱伝導率は有機液体(油類)より高い(熱を伝えやすい)。鉄(約80 W/(m・K))に対し有機液体(油類)は約0.1〜0.2 W/(m・K)程度。逆の記述。
  • オ(正): 太陽と地球の間は真空(宇宙空間)なので、熱は放射(輻射・電磁波)によって伝わる。

引っかけ: エ(金属の熱伝導率が低い)と、「放射は媒介物が必要」とする誤りが定番。

【理論的背景:熱伝導率の物理的意味】

熱伝導率(λ、単位 W/(m・K))は「単位厚さあたり・単位温度差・単位時間あたりに物質を通過する熱量」を表します。代表的な値(参考値):

  • 銅: 約 390 W/(m・K)(高い)
  • 鉄(鋼): 約 50〜80 W/(m・K)
  • コンクリート: 約 1〜2 W/(m・K)
  • 木材: 約 0.1〜0.2 W/(m・K)
  • 有機液体(油類): 約 0.1〜0.2 W/(m・K)
  • 空気: 約 0.026 W/(m・K)(低い)

金属の熱伝導率は有機液体の数百倍〜数千倍の高さを持ちます(電子伝導が加わるため)。このため金属タンク・配管は外部からの熱を液体に効率よく伝える「ヒートシンク」になることがあり、夏季の直射日光による金属タンクの温度上昇(引火性液体の温度管理に影響)の根拠です。

【3形態の火災・危険物への接続】

  • 熱伝導: 金属配管・タンクを通じた熱伝達。熱源(火災・日光)からの熱が容器内の危険物に伝わる。
  • 熱対流: 液体タンク内で局所的な温度差が生じると対流が起こり、熱が内部に拡散する。火災現場での熱気流(上昇気流)も対流。
  • 熱放射(輻射): 火災の熱は放射(輻射)によって離れた場所(可燃物)にも伝わる。これが延焼拡大の重要な経路の一つ。保安距離(製造所等の周囲への距離規制)の根拠でもある。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 熱伝導は固体中で最も効率的に起こる。媒介物の振動・衝突によるエネルギー伝達であるため、真空中では起こらない。
  • イ(正): 対流は流体(液体・気体)のみで起こる(固体中では起こらない)。密度差(温度差)による自然対流と、ポンプ・ファン等による強制対流がある。
  • ウ(正): 熱放射(輻射)は電磁波(主に赤外線)で伝わるため真空中でも伝達可能。太陽から地球への熱は約1億5千万kmの真空を経由する。
  • エ(誤): 金属の熱伝導率は有機液体より高い。この誤りは「金属は熱を伝えにくい」という感覚的な誤りに由来する(実際は金属が最も伝えやすい)。
  • オ(正): 太陽から地球への熱は宇宙空間(真空)を電磁波(輻射)で伝わる。

【試験での位置づけ】

乙四試験では3形態(伝導/対流/放射)の名称と特徴(媒介物の要否)の識別が出題されます。「放射は媒介物不要」「金属は熱伝導率が高い」の2点が最頻出の正誤判定ポイントです。延焼メカニズム(放射熱による離れた可燃物への着火)や保安距離の根拠とも接続します。

【根拠】確立した物理学(熱の3形態・熱伝導率の定義)。

【補足】金属(高熱伝導率)>有機液体・木材(低熱伝導率)。放射は電磁波で真空中でも伝わる(媒介物不要)。

この問題の根拠根拠: 確立した物理学(熱の移動の3形態)。金属は有機液体より熱伝導率が**高く**(熱を伝えやすい)、エは逆の記述である。
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出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(熱の移動の3形態)。金属は有機液体より熱伝導率が**高く**(熱を伝えやすい)、エは逆の記述である。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 熱伝導・対流・放射の3形態の特徴比較
  • 頻出度B

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